島根県・隠岐諸島の海士町に佇む宿泊施設「Entô(エントウ)」が、2025年度グッドデザイン賞を受賞した。
設計を手がけたのは、「マウントフジアーキテクツスタジオ」のデザイナー・原田真宏氏と原田麻魚氏だ。
“Honest & Seamless”が導く建築のかたち
「Entô」は、隠岐ユネスコ世界ジオパークの拠点として誕生した宿泊施設。設計を担当したのはマウントフジアーキテクツスタジオで、同スタジオが掲げるコンセプト“Honest & Seamless(誠実で継ぎ目のない)”のもと、自然や地形、人の営みと呼応する建築が生まれた。
建物は、老朽化した別館を建て替え、既存の本館を改修して再構築。木造CLTパネル工法を採用し、本土で精密にプレカットした部材を島で最小限の工程で組み立てる「リモート構法」によって施工された。
離島という環境下でも効率的かつ持続可能に建設が行える仕組みは、省移動や省工程によるCO2削減にも寄与している。その構造と姿勢は、地質資源を守り活かすジオパークの理念とも共鳴するものだ。
建築と自然、地域の営みをつなぐ場所
同施設が位置するのは、海士町・福井地区の海沿い。大地と海の境界に寄り添うように建つ建物は、風景の一部として静かに存在している。
室内からは海や山の景観が切り取られ、まるで自然の中に身を置いているかのような感覚を得られる。素材や構造を隠さずに見せる“Honest”なデザインは、建築そのものの力強さと誠実さを伝える。
また、ホテルの運営には多くの島民が関わっており、宿泊施設としてだけでなく地域の雇用や産業再生の拠点にもなっている。建築・観光・地域の営みが重なり合うこの取り組みは、「島まるごとのホテル」という構想を現実のものとした。
“地球の時間”に寄り添う滞在体験
2021年にリニューアルオープンした「Entô」は、1971年開業の国民宿舎「緑水園」を原点とする。
館内施設には、隠岐ユネスコ世界ジオパークのさまざまなものが展示された展示室や「ジオラウンジ」など、土地の文化や自然について学べる共有スペースも揃う。滞在そのものが「地球の時間に寄り添う体験」として設計されている点に注目したい。
自然と建築、そして人の営みが溶け合う場所「Entô」に描かれた“Honest & Seamless”という思想は、海士町の風景の中で静かに息づいている。そこには、これからの建築と地域のあり方を示す手がかりがあるかもしれない。
Entô
所在地:島根県隠岐郡海士町福井1375-1
公式サイト:https://ento-oki.jp
PR TIMES:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000036.000071239.html
(kyoko.)
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