あれからだいぶ時間も経ち、「英霊剣豪七番勝負」をクリアしてハロウィンイベントを走っている人も多いかと思います。だからこそ、改めて「英霊剣豪七番勝負」のストーリーやキャラクター、そして推察は合っていたのか?ということを話す機会を設けました。参加したのは、インサイド編集長の山崎と、推察記事を執筆したタカロクの二人。プレイした方は、ぜひ思い返しながらご覧ください。
※『Fate/Grand Order』と『Fate/stay night』のネタバレにご注意ください。
※ 書かれているのはあくまでも一個人の解釈と感想です。
◆推察、意外と当たってた?
タカロク:まず、『Fate/stay night』初出サーヴァントからは予想通り小次郎さんが出てくれました。ああ―――安心した。
編集長:あれはシルエットでバレバレだったね。それに武蔵が登場するから、そりゃ出るよな~って。
タカロク:でもあまりにも情報にいないので、直前は「まさか出ないのか……?」って不安でした。オルタ系は出ませんでしたねー。残念。
編集長:みんなオルタみたいなものだったけどね(笑)アガルタのフェルグス・マック・ロイみたいなストーリー参加のみの新規は、千子村正か。いやー、めちゃめちゃかっこよかったなぁ……!
タカロク:ビジュアルはまさかの士郎さんで……やっぱりマテリアルは色々なフラグが詰まっている。
他にも沖田さんとか予想しましたけど、確かにこのシナリオで幕末あたりの人出すと違うのかなって納得しました。あと太陽と月に関しては、ただ暗くなるだけでしたね!(笑)
編集長:安倍晴明だと思ってた奴は……。
タカロク:蘆屋道満。名前見た瞬間脳内で「レッツゴー陰陽師」が止まらなくなりました。
編集長:記事ではレレレのおじさんに見えるとか、今見ると……(笑)あとは柳生とか天草とかの予想があったけど、やっぱジジイはいいよね!
タカロク:YES!まとめると、2本の推察記事から当たったのは佐々木小次郎、玉藻の前、柳生宗矩(柳生但馬守宗矩)、天草四郎、千子村正、望月千代女、宝蔵院胤舜、巴御前の8人。意外と当たりました。
編集長:ダイナミックな要素は、アガルタみたいに島が浮いたりはしなかったけど、急に夜になったりはしたね。
タカロク:あと記事で書いた「駿河城~」の話から徳川家光というワードも出てきました。その徳川に復讐したい天草に巻き込まれたストーリーとなっていましたね。
◆物語のバランスや今回ならではの演出
タカロク:今回はぬいちゃん、田助、胤舜、武蔵の和やかな雰囲気ではじまって、暗闇になると敵が出てきて周りの人たちが惨殺されていく。ほのぼのパートとシリアスパートをすごい勢いで転がしていくストーリーだと思いました。たくさん人が死んでいく辛い描写がある分、子どもたちとのやりとりで肩の力を抜けるから、バランスは良かったかなって。
編集長:あれだけ死なない胤舜をどうやって倒すんだ?って思ってたんだけど、村正が作った刀を使って戦ったら、あっさり終わったなぁ(笑)もっと苦戦するのかなって思ってた。
タカロク:確かに、新規キャラクターが多い割にストーリーの長さは他の章と変わらなかったので、中身がぎゅっと詰まってましたね。
編集長:ストーリーはところどころうるっとくるシーンがあったよね。頼光の優しさとか、最後の方で強がってるぬいちゃんとか。二人は重要だったな。
あと段蔵ちゃんも良いキャラしてた。小説でもよくあるパターンだけど、敵だと分かってるキャラが味方にいると、ハラハラするじゃん?あと小太郎も段蔵の中にあるものを引き継いで、強くなってバトルに参加するのも、ストーリー的に王道をいってるなって。
タカロク:バトルの演出も良かったですよね。時間はかかるけど、その価値のある筆字とナレーション。面白い試みだと思いました。
編集長:昔おばあちゃんと時代劇見てたから、ああいうのすごい好き!
あと全体的に選択肢が多かったかな。どっちも同じこと言ってたり、上と下が繋がってるのもあった。
タカロク:アガルタがギャグ的な選択肢が多かったので、ガラッと印象が変わった感じはありました。今回の選択肢はあくまでストーリーの導線というか、YESorNOの選択肢というよりは、どっちの言い方がいい?というニュアンスぐらいで、ストーリーの道筋を示すものかなと。
印象に残ってるシーンとかありますか?
編集長:酒呑童子にお腹かき回されるシーンだね。あれはちょっと…………興奮するよね。別に俺そういう、アレじゃないけど!
タカロク:おい妻帯者。
編集長:あれは結局どういう話だったんだっけ?
タカロク:個人的な解釈では、あの酒呑童子はカルデアにいる酒呑童子と繋がっていたと思ってますが……お腹かき回される前に「他の酒呑童子を知ってる」的な選択肢の後「試してみようか」って酒呑ちゃんが言うんですよ。それで内臓かき回したことによって、多少なりとも繋がったのかなと。
編集長:なるほど、そういうことか。あれは興奮したな~。
タカロク:色気のあるシーンでしたね。というか今回女性率高いのに、そういう色気のあるシーンが少ないんですよね。基本血なまぐさいというか……それに色気があると言う人もいるでしょうけど。
編集長:常に人斬ってたしね。
次ページは『小次郎や千子村正の登場、今までのファンに向けていた?』
小次郎や千子村正の登場、今までのファンに向けていた?
編集長:小次郎と武蔵の「この階段は使えぬよ」っていうのは、『Fate/stay night』を思い出した。原作だと小次郎は門番だけど、階段の上でああやって立ちはだかってたし。ファンには嬉しいよね。
タカロク:今回前からのファンに向けた要素は多かった気がします。
というか、映画に合わせてきたのかなーって思う部分が多かったです。
まず千子村正が衛宮士郎、「リミテッド/ゼロオーバー」の概念礼装姿で登場したことが大きいですね。事前に桜ちゃんがパールヴァティーで実装されて、4人が揃ってしまったのは感慨深いというか……。まぁ千子村正の在り方はHeven’s Feelの衛宮士郎と似てるようで真逆という感じですが。
編集長:一枚絵かっこよかったなぁ!口調もべらんめぇって感じで。
タカロク:サーヴァントとして実装しなくて良かったです。
編集長:え!?それはなぜ?
タカロク:え!この話すると戦争起きそうだな……人それぞれだと思いますよ?個人的な意見として、桜ちゃんと凛ちゃんは虚数と五大元素使いっていう魔術師の高い素養が元々あるから、英霊が肉体を借りるっていうのは分からなくもないんですよ。でも衛宮士郎は魔術をかじってはいるけど一般人よりだし……いや、でも霊基が似通ってれば……ただエミヤがいるし……と複雑な気持ちだったんです!(笑)でもみんなの役に立って、一人で消えていく。それが衛宮士郎で、彼の理想だから、今回の千子村正がああいう姿だったのかなって。
編集長:ちゃんと役に立って消えたってことか。一枚絵は社長(武内崇氏)の描き下ろしだったよね?
タカロク:今回たくさん仕事されてますね。小次郎に千子村正と。
編集長:しかもBGMもEmiyaだったでしょ?もーおじいちゃんかっこいいな~早く実装されてほしいな~!最初に『FGO』で驚いたのは、なんでアーチャーのエミヤが星5じゃないんだ!ってことだったんだよね。だから実装されるなら星5がいいなぁ。
タカロク:小次郎も実装されて欲しいんですけど!セイバーで!サーヴァントのビジュアル全て素敵ですけど、ゲームを始めた当初『Fate/stay night』のサーヴァントは社長に描いてもらいたかったなーと思っていたんですよ。だから今回見れて、すごく嬉しかったです。
編集長:小次郎といい、あの終わりは良かったよね。
タカロク:終わりと言えば天草さんは……ふと思い出したんですけど、天草が「Fate/Apocrypha」で登場した当時“コトミネシロウ”って名前で出て、ファンの間でも「えー!」ってなったじゃないですか。別の世界で、しかも言峰の息子になった衛宮士郎なのか!?って。だから今回ビジュアルだけではあるけど、二人が並んで、しかも衛宮士郎がこの“シロウ”の宿業を斬るっていうのは、意味があったのかなと思いました。
あと柳生さん超かっこよかった……!!!
編集長:あの人サーヴァントじゃなくて生身の肉体だしね。武蔵もそうだけど。でも武蔵と戦いたいがために、あんなかぶりものをかぶって……。
タカロク:ひらひらさせて……。
編集長:最初セイバー・エンピレオ誰だろう?って思ってたんけど、進めてる途中にピックアップでサーヴァントとして出るって知ったから、ネタバレになっちゃったんだよね。あれは若干ショックだった(笑)
タカロク:あの出来事は、クリアは一週間以内にした方がいいという教訓になりました(笑)
柳生さんに関しては、武蔵の体験クエストのストーリーがすごく重要だったんだなと改めて思いましたね。偶然二人が出会って、その剣の強さを目にしたせいで生きながら狂っていくという。そんなオジサマの運命を狂わせる武蔵、罪な女だなって(笑)
編集長:武蔵かわいかったよね。喋り方も「~なんです」って敬語ぽいかと思えば、名乗り上げのところはかっこいいし。
タカロク:何も言わず斬りかかるのもしびれましたね。あと今回は全体的にシナリオが小説っぽいというか、いい意味でもアプリのシナリオっぽくなかったです。
編集長:全体的に時代小説がかってたからね。みんな勝負の前に「我が刃の忌名~我が骸の真名~」とか言うじゃん?あれはかっこよかった。テキストの間で韻を踏むと言うか、言葉の流れがすごい綺麗で感動したな。
タカロク:なんとも渋かったですね。そういえば戦闘開始のあのナレーションの声優さん誰なんだろう?
編集長:確かに、誰だろう?
タカロク:ストーリー中ではマスターが言ってることになってましたが。
編集長:最後の方で分かったね。
タカロク:あんなに渋い声なんだ!って驚きました(笑)苦労してるからかな……。
編集長:あとキャスター・リンボの五芒星で武蔵が動けなくなってる時に「イシスの雨」って対応したのは面白かった。それで解除できるんだ!って。ストーリー中で主人公の具体的なスキルが絡んできたの初めてなんじゃない?カルデアの礼装起動とか、斬新だなって思ったけど。
タカロク:カルデアとのつながりというか、スキルとかこういうことなんだ!って分かりましたね。
編集長:全体的にシナリオはそんなに時間がかかったような気がしないな。すごい苦戦したのも、酒呑童子と頼光の二人の時だし。あそこは令呪を使った(笑)
タカロク:きつかったですね。私は全てLv100ヘラクレスに任せました。バーサーカーは、強いね―――。
次ページでは『魅力的な登場サーヴァントたち』について語る!
◆魅力的な登場サーヴァントたち
タカロク:巴御前の「私は薪」って台詞好きなんですよ……炎上しそうな時に使いたい。
編集長:インフェルノちゃんは宝具演出がすごいよね。
タカロク:いろんなもの持ってるけど、アーチャー。まぁ『Fate』ではよくあることですが。みんな思い出して……って囁いてくるかのように七章に関する選択肢も出てきました。あの章いまだに日本サーヴァントが多い理由は謎なんですけど。
編集長:あと今回実装されたサーヴァントって、根はいい人たちだよね。もちろん今回の召喚でいじられて、暴走したり狂ったりしてるっていうのもあるけど。最初に出てきた胤舜は良いキャラだったね~。
タカロク:良い人でしたし、ストーリー的にも重要なポジションでした。最初の和やかな導入から、この話は過酷な物語だよってこっちに訴えかける入口になったので。
編集長:パライソはやっぱり忍者だったね。
タカロク:巷で噂されてたT.M.Revolutionではありませんでした(笑)
編集長:忍者に巫女に人妻に少女……すごい盛りだくさん(笑)バスターの攻撃モーションを見ると、『サムライスピリッツ』の服部半蔵の爆炎龍って技を思い出すんだよね。
タカロク:『サムスピ』は「魔界転生」モチーフがあるし、天草も降臨してますからね……「いざ尋常に」もそうか。
編集長:あと頼光はちゃんとママだったし。
タカロク:ちゃんと?(笑)段蔵ちゃんはどうでした?
編集長:からくり人形だったね……
タカロク:女性でからくりでママでした。まさにこのストーリーのために誕生したサーヴァントだなと。
編集長:新しいママがまた増えた……!
タカロク:まさか母親だとは思わなかったですね~。というか小太郎くんかっこよかった。できる子とはこれまさに。あとなぜか来る巌窟王。
編集長:ただの宣教師って言ったけど、どう見てもエドモン。
タカロク:まさか江戸だからエドつながり……!?狂言回しでもなければ戦闘参加でもないし、この人不思議なポジションなんですよね……最後の武蔵を礼装で撮影してる姿を想像すると最高にCOOLですが。
編集長:毎回なんだかんだ助言をくれるいい人だよね。あと玉藻ちゃんもいい人だったし、清姫は相変わらずだったかな。キャスター・リンボはどうだろう。戦闘絵なかったし、今後実装されるのかな?
タカロク:二部に絡んできそうですね。今の所レフ・ライノールみたいという印象ですが。
編集長:天草は王道の悪役で可哀想な感じだったね……
タカロク:史実通りの話で、その憎しみから徳川家に復讐する為世界を転々としてたって話でしたね。そこで武蔵がアーサー・ペンドラゴンを除いて唯一並行世界を移動する存在ではないっていうのは分かりましたけど。並行世界ぶらり旅サーヴァント、今後もまだ出るのかな……。
編集長:あ、柳生さん引けてよかったね。
タカロク:はい!育成が間に合いません!(参照:「『FGO』「下総国ピックアップ2召喚」で40連!ただ、オジサマが欲しかっただけなんだ…」)
スキルを使うたびに座られるんですけど、お年を召しているから膝が心配で、コンドロイチンを差入れしたいです。あと最近増えてますけど、宝具の時に見せる背中かっこいいですね。というか剣豪で年配って最高ですね。
編集長:そろそろおばあちゃんキャラも出てほしいよね。
タカロク:ほんとそれなんですよ!!!『グランブルーファンタジー』にもおせんべいを焼いてくれるロジーヌさんというキャラがいて最高なので、『FGO』でもぜひ!というか、新宿のアーチャー、レジスタンスのライダーに続きオジサマ三連なんですが、全員敵対するポジション。悪役ジェットストリームアタック。
編集長:次もおじいちゃんキャラが出るのかな……?
◆今回の物語は武蔵の夢だった?そして次の章は……
タカロク:このシナリオって、導入部分が謎だったじゃないですか。おじいさんの一人語りではじまって。
編集長:あれは元の武蔵だよね。
タカロク:はい。それでいろいろ考えて、結局女の武蔵っていうのは男の武蔵の見ている夢の自分だったのかなって。男の武蔵が“地獄の世界”を夢見て、それを複数の人が夢の中とはいえ認識してしまった。で、そのありえない夢の世界に実在しない筈の女の武蔵や天草四郎が辿り着いて、その存在も認めてしまい、ありえないことが起こる。みたいな。
編集長:最後には小次郎がおじいちゃんのところ行ってたね。「さっき戦ったよ~」みたいなこと言って。
タカロク:小次郎も同じ夢を見ていたのかもしれませんね。今回の世界は主人公の夢の中でしたので……亜種並行世界とは言え、夢の別の言い方なのかなって。っていうか武蔵ちゃんの眼帯姿を早く実装してほしいです。
編集長:あれは良かったね。
タカロク:あと今回、武蔵の性別を変えた意味をすごく考えました。基本的に『FGO』って女性サーヴァントがガイド役を務めることが多いんですけど、ネロ、ドレイク、モードレッドは史実では男性なんですよね。でも性別を変えたことに意味があったかというと、まだ答えは見つかってなくて。
今回武蔵は“男である”が強調されていたのと、実際に男の武蔵がいたっていうのが他と違っていたじゃないですか。でも、だからこそ女性にして、想像のふくらみが広がったんじゃないかと思いました。
編集長:想像のふくらみって?
タカロク:今回女性の敵が多くて、それぞれが武蔵にはない“女”を持っていたと思うんですよ。でも武蔵には自由と剣があった。だから女相手でも男相手でも、あれだけ熱い試合ができて、ストーリーが良い方に転がったのかなって。武蔵ちゃんが爽やかに笑って断ち切ってくれたから、あの最後の空が印象に残ったんだなって。ある意味カルデアと対比的でもありました。
というか男の武蔵でやっていたら、相当むさくるしい話になってたと思うんですよね。私は好きですが(笑)
編集長:なるほどね。じゃあ今後の展開はどう思う?
タカロク:下総国でやっと第2部が見えてきた気がします。道満のところとか。謎の“サタン様”も出て、今後関わってきそうだなと。
タカロク:安倍清明も村正の台詞でキャスターであることが書かれてましたから、おそらく登場するんじゃないですかね。ダ・ヴィンチちゃん、ホームズに続くカルデア居候組みたいなポジションじゃないかと予想してるんですけど。あるいはマーリンみたいな俯瞰して眺めてる人。
編集長:1.5部だと、次は「異端なるセイレム」か。
タカロク:セイレムについては、魔女っていうワードとか年代も出てるので、色々と候補はいますね。
編集長:検索すると詳しく書いてあるワードがたくさんあるから、色々しぼれそうだよね。このビジュアルに出てる女の子は魔女なのかな?
タカロク:かもしれないし、裁判官みたいなポジションの可能性も……個人的にはH.P. ラヴクラフトであってほしいな~って思ってます!
編集長:作者系か~。でもアンデルセンも少年で登場してるし、絶対にないわけじゃないな。
タカロク:あとは『Fate/stay night』からメディアさんとか。この間カーミラの新規ボイスが実装されて、田中敦子さんの収録があったのではと思ってるので、結構確信してます(笑)あとは魔女つながりでジャンヌ。新宿にも出てきているので、可能性は低いかなと思いますが、次回もまた女性が多めな気はします。
編集長:また情報がそのうち出るのかな?
タカロク:楽しみに待ちましょう!
編集長:それでは締めはやっぱりこれで!
(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT