※『Fate/Grand Order』のネタバレにご注意ください。
※ 書かれているのはあくまでも一個人の推察と解釈です。
◆ストーリーを振り返ろう
この特異点は1888年のイギリスのロンドンが舞台。魔霧に包まれた街で、反逆の騎士モードレッドと出会いました。この霧の原因を探るべくモードレッドやジキルと協力していくと、P、M、Bという三人の首謀者がいることが発覚します。さらに仲間となったアンデルセンが、この聖杯戦争についての推察をするため魔術協会へ。それからさらにニコラ・テスラやアーサー王という敵が出てくるものの、なんとか倒し……最後には特異点全ての元凶であるグランドキャスターのソロモン王が現れ、その強大な力を目の前に何もできず立ち尽くすのでした。
ソロモン王も登場し、かなり話が進んだストーリーだったと思います。登場人物はモードレッドに、フランケンシュタインやジャック・ザ・リッパー、シェイクスピアと『Fate/Apocrypha』メンバーが多め。『Fate/EXTRA』シリーズからもアンデルセン、玉藻の前、そして……彼女にナーサリー・ライムという名前が付けられたことは驚きでした。アンデルセンだけ月の聖杯戦争の記憶がないのはちょっと気になりますが、この時代に存在するジキルやフランを除いて、計13人のサーヴァントが登場しました。
◆舞台はロンドン、サーヴァントは騎士からメカまで
特異点Fを除いて一番近代の舞台だったので、背景に描かれている建物や部屋も他の特異点より身近に感じるものが多かったですね。ジキルの家という帰る場所もあり、どことなくアットホーム感のあった章だったと思います。タイプムーンの世界で重要な時計塔も登場しましたが、大変な事に……。ここではロマニが協会へ行ったことがないという発言が、結構意外でした。カルデアにずっといたということでしょうか?
印象的なサーヴァントと言えば、やはり常に一緒に行動していたモードレッド。一見さばさばした性格かと思いきや「父上の愛したブリテンの大地を穢していいのは、このオレだけだ」という歪んだ思いの上でロンドンを守っています。しかし、マシュに稽古をつけたり励ますことも。「盾ヤロウ」と度々言うあたり、ギャラハッドに生前何か思う所があったのかもしれません。互いに父と自身が円卓の騎士という共通点もありますし、年齢も近かったのかも?あと、「英霊をあれこれ集めて自分の味方にする―――なんざ、容易くできることでもないだろうに」というモードレッドの一連の台詞が、複雑に絡み合っていて謎めいているなぁと。円卓を宝具や召喚サークルとして使っていることに対して、マーリンが絡んでいるという発言にも見えますが、英霊を集めるのは『Fate/Apocrypha』の天草に対する台詞とも取れますね。
そしてこの特異点のバベッジは……ロボ?メカ?とにかく外見が人ではない蒸気王でした。年代的に存在していないはずなのに……という話でしたが、最終的にはサーヴァントであったことが明かされています。
あとびっくりしたのが坂田金時と玉藻の前。星の開拓者、ニコラ・テスラの登場にシリアスまっしぐらでしたので、日常BGMが流れてきた時は心の中でひっくり返りました。そんなテスラさんも、今ではすっかりカルデアの愉快な仲間となりましたね。そしてテスラも含めてですが、ロンドンは今までの特異点と違って、人理崩壊に積極的な人があまりいなかったなぁとも思います。
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◆まさかのマキリ、そしてはじめましてソロモン王
マキリ・ゾォルケンの登場は『Fate/stay night』いちファンからしたらギョッとする出来事でした。劇場版でも登場している間桐臓硯その人なのですが、2004年で約500歳ということは、第四特異点では400歳ぐらい。ただ、上記で仮定したバベッジのように時間軸がずれた人物の可能性があるため、もっと若い可能性もあります。
そして1888年といえば、『Fate/stay night』世界では既に大聖杯ができている年代。とはいえ、『FGO』世界はそうした冬木の聖杯戦争の歴史がなかったことになっているので、あまり気にしなくてもいいのかなと思いますが、ゾォルケンは「抗おうと試みた」と話し、「あまねく人々の救済」を望んでいたことも話しています。強大な力に対抗する手段としては、やはり聖杯戦争のように強力なサーヴァントを呼ぶことを考えそうな気がしますが……そこでふと思い出しましたが、大聖杯の敷設には、キシュア・ゼルレッチ・シュヴァインオーグも同席していたという話があります。この第五特異点の世界では、その時にソロモンやレフが介入して、ゾォルケンを仲間に取り込んだのかもしれません。
ソロモンの話に移りましょう。初めてソロモンが目の前に登場したのもこの特異点。アンデルセンのかしこい推理により、グランドクラスという存在が明かされました。今でも謎が多く、山の翁、マーリン、ソロモンの3名しか明かされていませんが、今後他のクラスは出るのでしょうか……?そしてグランドクラスと言えばプライミッツ・マーダーですが……うーん。この話はまた別の章の記事で書きますね。
そしていよいよ姿を現したソロモンですが、手を上にあげている立ち絵で左手の中指の指輪の色がかすかに違うのが分かります。指輪の話については第五特異点に書かれていますが、見て分かるようなヒントもあったんですね。この時は目の前にソロモン王がいて激しく動揺していたロマニですが、立ちすくむマシュに対し「君の中の英霊は聖杯に選ばれた英霊だ!」と声をかけます。サーヴァントとしては当たり前のことですが、ギャラハッドは生前本当に聖杯に選ばれた英霊なので、二重の意味がありました。
◆まとめ
この章は情報量がとにかく多かった印象です。
星属性も物語上重要になりそうな気がするなーということで、2部に期待したいです。ということで次回は「第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム」を振り返ります。お楽しみに!
■過去の連載はこちら
●『FGO』ネタバレ有りで振り返る第1部~第三特異点オケアノスの巻~【特集】
●『FGO』ネタバレ有りで振り返る第1部~第二特異点セプテムの巻~【特集】
●『FGO』ネタバレ有りで振り返る第1部~第一特異点オルレアンの巻~【特集】
●『FGO』第1部を改めて振り返ろう~特異点F・冬木の巻~【特集】
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