いよいよ4月4日より、待ちに待った『Fate/Grand Order』第2部の戦いが開幕します。直前という事で、今回は第1章「Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア 獣国の皇女」を徹底考察していきます。
この第2部第1章は、第1部と第2部プロローグをクリアしていれば、プレイすることが可能です。

今までの考察は「『FGO』「序/2017年12月31日」から考察する第2部のゆくえ【特集】」や「『FGO』第2部OPから考察する新たなサーヴァントたち、君の名は……【特集】」などをご覧ください。

※本編のネタバレにご注意ください。
※本記事はあくまで当編集部による考察に過ぎません。『Fate/Grand Order』の正式な情報についてはこちらの公式サイトをご覧ください。

◆永久凍土帝国アナスタシア
第2部の序章ではペーパームーンでばびゅーんと飛んだところで終わりました。ホームズたちが難しい話をしていたと思いますが、ペーパームーンのシステムを展開し、レイシフトと真逆のアプローチによる空間移動法を実行したようです。これは現実から消失する「時の海」に沈む行為とのこと。言ってる事がよく分かりませんが、レイシフトではあるようです。言峰神父の「レイシフトの過去修正は防げない、脅威だ」的な発言がありましたので、やはり今後も歴史の修正を目的としたストーリーを歩むのかもしれません。

公開されているあらすじでは「世界は七つの異聞に分断された」とあるので、今後はこの七つの異聞にいくと思われます。コヤンスカヤの異聞帯のサーヴァントについての発言で「生き延びた年月も、生存してきた環境も違うのよ。
人生ハードモードを舐めないで」というのがあるので、この突然現れた異聞帯は、『FGO』世界で主人公たちのいる現代まで続いているのではないでしょうか。しかし、この七つの異聞帯がどこかの特異点的なところから並列で現代まで続いているのか?タイプムーン作品の世界でいうとどういう位置づけの世界になるのか?現在の情報では分かりかねますが、そういうのも見えてくるといいなあと思います。

そして“AnimeJapan 2018”のブース展示では、PVにて公開されていた「A.D.1570 永久凍土帝国 アナスタシア」の年号に「?」が追加されていました。この1570年は露土戦争が終わった年。「凍土」の土はオスマン帝国もかけているのかもしれません。そしてこの年は、イヴァン雷帝が多くの市民を拷問し殺害した「ノヴゴロド虐殺」が起こりました。今回のメインがアナスタシアのようなので、この出来事も関係があるかと思われますが、「?」がついたことから、それだけにとどまらないのかなと。「神聖円卓領域キャメロット」のような例もあるので、他の何かが介入してくることも考えられます。タイトルに人名が入っているのも、気になるところです。

次のページではアナスタシアを考察

◆「獣国の皇女」アナスタシアとは……
“AnimeJapan 2018”で行われたステージにて、アナスタシアの正体がアナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァだということが明かされました。これについては以前の記事でイヴァン4世の妻、アナスタシア・ロマノヴナ皇女かニコライ2世の第4皇女アナスタシア・ニコラエヴナだと考察し、答えが出て安心。とはいかず、やはり気になる点も多い現状です。
まず1570年という今回舞台になる時代が、イヴァン雷帝の時代。1901年生まれのアナスタシアの時代とはかけ離れています。ちなみにロマノヴナ妃は1560年に亡くなっているので、この時代にはいないはずです。

考察にこのアナスタシア、どちらのアナスタシアでもあるのでは?と書きましたが、公開された情報で、その考えがさらに強くなりました。上記の時代のことなどもそうなのですが、タイプムーン世界の19世紀生まれで「精霊使い」というのが非常にひっかかります。エレナやジェロニモの例もありますが、どちらも元々そうした逸話があったからなので、まだ分かるんです。しかしアナスタシアはそうしたエピソードがあるわけでもなく……。個人的には、アナスタシア妃が何らかのかたちでニコラエヴナに憑依しているのではないかと思っていますが、果たして?

あと宝具「疾走・精霊眼球(ヴィイ・ヴィイ・ヴィイ)」も公開されましたね。ヴィイはロシアの魔物の名前だそうです。映像では、黒いもや~っとしたものがへの字の状態で湧きあがり、アームのようにバンバンと敵を押し潰していました。そして急に開いたと思ったら光る青い二つの丸と、体なのか分からないうさぎのようなシルエット……宝具名からして、光っているのは精霊の眼球なのでしょう。何の生き物がモチーフになっているかは分からないですね。
ちなみにCMの方ではアナスタシアの影が動いてるのですが、この影が宝具に少し似ています。こちらも耳があり、獣のようですが、人っぽいシルエットのようにも見えます。公開された女性のランサーの耳の形と似ていますが、一体何を表しているのでしょうか。飼い犬のジェミーだったら、辛いなぁ……。

あと抱えているお人形も気になるところです。ヴィイだと思っていましたが、宝具映像では、動きもせず何の反応もありませんでした。『妖怪ウォッチ』に出てくる口だけおんなに似ているかなと思いましたが、人形は口も目もないデザインです。お気に入りで持っているだけにしては、意味深な見た目なので、何かありそうですが……。髪の毛や王冠、女性っぽさを見ると精霊のルサールカやシリンあたりも怪しい気がします。でも首から下が蓑でかくれていて、体がないようにも見えるんですよね。ストーリーで明かされることを期待したいです。

次のページではカドック・ゼムルプスについて

◆一人目のマスター、カドック・ゼムルプス
第1章はカルデアのAチームのメンバーであり、クリプターの一人、カドック・ゼムルプスの登場が示唆されています。
彼は、天才集団の中では平凡で、自虐的なところはあるけど優しい笑顔を浮かべる青年。神話マニアで勉強家。魔力量が少なく、予定していたサーヴァントはキャスターだとプロローグで話がありました。普通にAチームが稼働していたら、主人公ポジションになっていそうな設定です。個人的に直感で臙条巴っぽいと思いました。予定していたのがキャスターということで、異聞録でのパートナーがアナスタシアではないかとファンの間で言われています。

“AnimeJapan 2018”のステージでは、本人の心情のようなものも公開されていました。そこではカルデアを過去と割り切り、この異聞録における唯一のマスターとして勝利する。そして没人類史のマスターにはできないことをやってみせる、やらなくちゃいけない、と自分に言い聞かせるような言葉が続いています。唯一という言葉がひっかかりますが、マシュを除くAチーム7名が、それぞれの異聞録での唯一のマスターということだと思われます。

カドックは出身地などが明かされておらず、魔術特性なども分からないのですが、ネット上で人狼説が出ています。ルプスというのがラテン語で狼という意味なのが大きな理由ですね。
他にも第2部OPでは唇を噛みしめてるのですが、この時犬歯か八重歯っぽいものが見えています。さらに公開された映像では服を着用した狼が登場。この服にフードのようなものにファーが付いているので、カドックの服装と似通っているんですよね。さらに今回のタイトルに「獣国」の文字があるところも気になります。人狼だとしたら戦いに参入してくるのでしょうか?マスターとして参加して、スキル以外のデバフかけてこられるのも嫌ですが……。

異聞録の修正がどういった方法で成されるのか、現状では分かりません。第1章でおそらく分かるのでしょうが、聖杯の話がない以上、その異聞帯の発生起源、特異点となった相手を倒すことになるのかもしれません。であれば、いよいよ今生きている人間を倒す事になります。本当にそうなるのかは分かりませんが、今後も心身ともに過酷な旅になりそうです。

次のページでは第1章CMについて

◆CMに登場したサーヴァント

公開されたCMでは、サーヴァント盛りだくさんでしたね。登場した順に、その正体を紐解いていきたいと思います。

まずは最初に『Fate/Apocrypha』でも登場したアタランテの「神罰の野猪(アグリオス・メタモローゼ)」状態が登場しました。
周りの狼が服着ていて、カドックの服に似ています。一匹であればカドック本人の可能性が増したのですが、なんと二匹。髪の毛抜いたらそれが狼になるとか、そういう使い魔的な魔術でしょうか?さらに足と手が黒く、本来の色なのか、ズボンと手袋を付けているのか……それともただのオシャレなのか。

そしてみんなの強い味方武蔵ちゃん!1.5部の「英霊剣豪七番勝負」の最後の別れから割と早く再会できて嬉しいですね。といっても下総国で共に戦った武蔵とは違う武蔵ではあるのですが。この感じ、きっと味方になってくれることでしょう。2部は1.5部やらなくてもできるようですが、このことを考えるとぜひやってほしいなと思います。やってない方はお早めに!

そして言峰も登場しましたが、マスターであるカドックがナレーションをやっていることを考えるとやはりこの人、デミ・サーヴァントなのでしょうか?今時風なのか、眉毛が細くなったなぁと思ったり。今の所ラスプーチン説が根強く、他はあまり思いつきませんね……その場合は召喚に実装されるのでしょうか?なかなか想像できないです。

続いて謎の人物。色合い的にアヴェンジャーなどの特殊なクラスの予感がします。映像をよく見ると、最初に斬撃をうった後血しぶきが上がっているので、何かを斬っているようです。左手が赤く、右手からは赤い布のようなものが伸びていますね。右手はないようにも見えるのですが、その布の先に黒いものがついているので、ゴムゴムのなんとか的なものかもしれません。手と言うと、呪椀のハサンのシャイタンの手を思い出しますが、取られちゃったあとのシャイタン、もといサタンなのでしょうか。ちなみにネット上では、シルエット的にモーツァルトでは?という話も浮上しています。確かに髪の毛や服の雰囲気、そして顔の模様が最終再臨の仮面に似ているような気もしますね。そこから考えると、悪魔に右手を売ったモーツァルト?あとはリンボさんヴィランモードみたいなことしか考えられません。いや、モード関係なくヴィランだと思いますが。

そして『Fate/Apocrypha』初出のアヴィケブロンが登場。バレンタインのセミラミスに続きようやく、という感じですね。コラボイベントが控えていることもあり、他のサーヴァントの登場にも期待が高まります。

走る狼的なものは、色味的に新宿のアヴェンジャーに似ています。冒頭に出た狼とは違い、コートの他に帽子のようなものをかぶっているようですね。帽子の形だけで言うと、ライネス・エルメロイ・アーチゾルテなんですけど、それはさすがに……。サーヴァントなら、狼だとフェンリルをはじめ、北欧神話に複数登場するのでそのあたりかもしれません。とはいえ服を着ているので、元は人間の可能性も高いです。今回内容的にスラヴ神話も関わってきそうなので、カドックがウプィリになった姿、とかかもしれませんね。

そして個人的に一番「おっ」と思ったのがこの手が襲い掛かってくるかのようなシーン。『イナズマイレブン』のゴッドハンドのような手ですが、この手に襲われてるの、アナスタシアじゃないですか……?手の正体は何らかの宝具の可能性がありますが、異聞帯を正す、排除するというのが目的になる場合は、取り除くことを意味しているような気がします。もしかすると抑止力がやっと腰をあげたのかもしれませんが……感情移入したり、キャラクターが好きになってしまうと、辛い最後が待ち受けていそうな予感です。

マシュの表情については、ステージでも高橋李衣さんが言えないとおっしゃっていたので、深い意味がありそうです。甘い心を捨て、サーヴァントスレイヤー・マシュになってしまうのでしょうか。年末のアニメのことを考えると、ギャラハッドの介入もありそうな気がします。というのもマシュ、序章ですごい弱っていましたよね……ギャラハッドの精神介入みたいな、そんなこともあるかもしません。

またブログのように長々と書いてしまったので、ここまで。いよいよ主人公以外のマスターが参加する第2部。ファンの期待も高いことでしょう。個人的にも『Fate』の真骨頂は今を生きるマスターと過去生きていたサーヴァントの生きざまが交わることだと思いますので、大変楽しみにしています。あと気になって始める人もいるかと思いますので、低レアサーヴァントが増えたり恒常に星5が増えてくれたりすると嬉しいですね!

4月4日に備えて、引き続き楽しみに待ちましょう。

(C)TYPE-MOON / FGO PROJECT
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