「私、強いよ」ー『ナルティメットストーム』をやりこむ中国人気コスプレイヤー茶叶小果に聞く中国オタク事情 (2018年4月25日)

アジアはゲームが熱いーー。アジア、北米、ヨーロッパなど主要国のゲーム市場規模や売上ランキングデータを掲載するデータ年鑑『ファミ通ゲーム白書2017』（ゲーム総合情報メディア「ファミ通」発刊）によれば、2016年の世界ゲームコンテンツ市場規模推定8兆9977億円の内、約半数にあたる4兆1335億円をアジア(日本、中国、韓国で集計)が占めています。その中でも世界最大規模の市場を持つのが中国です。とくに近年はモバイルゲームが主流ですが、中国屈指の人気ゲーム『王者栄耀(おうじゃえいよう)』の登録アカウント数や『陰陽師』のダウンロード数はそれぞれ2億を突破。また、2017年9月14日から日本で配信開始した『アズールレーン』も、2018年1月12日に登録者500万人突破記念キャンペーンを開催するなど、中国ゲームの人気の高さがうかがえます。ゲーム市場に留まらずアニメ市場規模でも日本を上回っている中国。ゲームだけでなくアニメでもオリジナルコンテンツが続々登場し、流行のアニメやゲームのキャラクターに扮するコスプレに関しても、中学校からコスプレ部があるなどオタク文化の成長スピードが著しいです。しかし、中国の人気コスプレイヤーのSNSを見てみると、日本のゲームやアニメのコスプレが見られますし、コミックマーケット（略、コミケ）のような大きなオタクイベントでは来日もしています。日本のゲームやアニメがどう思われているか、数字では表れない温度感の部分を知るため、日本が大好きなあまり4月から日本に留学をしている中国人気コスプレイヤーの茶叶小果さん（愛称：リンゴ）にお話を聞きました。ーーコスプレを始めたきっかけは何ですか？茶叶小果アニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』を観て感動して、めんま（本間芽衣子）が大好きになったことがきっかけです。その時、友人が私のことをめんまに似てるなんて言うものだから、嬉しさのあまり乗せられてしまって、めんまのコスプレをしたのが始まりでした。ーー中国ではコスプレイヤーはどんなイベントに参加するのですか？茶叶小果中国のコスプレイヤーは、マンガ・アニメ・ゲームなどの同人即売会やアニメイベントにコスプレ参加します。「上海Comicup」「広州蛍火虫漫展」「成都CD漫展」が有名ですね。私も国内で開催されるイベントによく行っていたのと、ここ数年は夏と冬は来日してコミケに参加していました。昨年末（C93）も参加しましたよ！ーーコスプレするにあたって工夫していること、また、感じる喜びは何ですか？茶叶小果皆さんそうだと思いますけど、コスプレをするキャラクターを決めたら、どういう衣装やウィッグならキャラクターに寄せられるかを考えて、しっかり計画を立ててから材料を買って作り始めます。私はCG絵が描けるので、衣装の設計図に役立っている気がします。撮影をする時もそのロケーションで撮りたい場所やカメラの構図を事前に決めてから臨みます。十分な光を確保できるかどうかに一番気をつけていますね。コスプレをする時はそのキャラクターに自分を落とし込んでいるので、作品のセリフなどを口にすると自分が本当にそのキャラクターになったようで、すごく嬉しくなります。ーー中国ではどんな日本のアニメが流行っていますか？茶叶小果日本で人気の作品が中国でも人気であることが多いです。ただ、最近は新作アニメを観ていないからあまり詳しくないんです。ごめんなさい。留学前から日本語の勉強を毎日やっていたので……まじめにやっています（笑）ーーでは、中国で流行っているゲームは何でしょうか？茶叶小果中国では『PlayerUnknown&apos;s Battlegrounds』（韓国発のバトルロイヤルゲームで世界的に人気）が流行っていて、私も大好きなゲームです。個人的に一番好きなのはPS4の『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』！ ヒナタでやりこんでいるので自信があります。私、強いですよ！ーー日本でも人気の『アズールレーン』や中国でも配信されている『Fate/Grand Order』は遊んでいますか？ 課金はします？茶叶小果遊んでいます。私はアビゲイル・ウィリアムズが好きで、彼女のコスプレをよくしています。ただ、あまりお金がないので課金は我慢です。使えるお金は全てコスプレ衣装製作やウィッグ購入などに使っています。ーー4月から日本語学校に通う留学生活が始まりました。日本留学を決めた理由は何だったのでしょうか？茶叶小果日本が大好きだからです。日本は四季の風景が色彩豊かなので、写真を撮るのも、コスプレをするのも好き。日本の農村や桜、茨城県の「国営ひたち海浜公園」で青一色になるみはらしの丘のネモフィラなどは本当に美しいと思います。そして、日本のアニメやゲームは、自分がまるでそのキャラクターになったように世界観に入らせてくれますから、それらを生み出した日本に留学できて本当に嬉しいです。ーーありがとうございました！日本の作品を通して日本を好きになった茶叶小果さん。日本語の勉強が大変ですが、週末は時間を作って美しいと感じるロケーションでの撮影に出かけています。将来の夢はCGイラストレーターもしくはカメラマンだそうで、コスプレを含めて日本を舞台にした表現活動が楽しみです。インタビューを通して、ゲームやアニメ製作では日本のテイストを大事にすることが、海外での評価にも繋がるのかなと個人的に感じました。それにしても、茶叶小果さんの『NARUTO-ナルト- ナルティメットストーム』の腕前が気になるところ。ぜひ一度見てみたい！画像提供：茶叶小果＜茶叶小果さんのSNS＞Twitter：@chayexiaoguoINS：@chayexiaoguoFacebook：@chayexiaoguoweibo：@茶叶小果