そんなわけで今回は、チョコボが主役となったゲームをおさらいしましょう。『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズはもちろん、チョコボとチョコボを掛け合わせて最強のチョコボを作るあのゲームや、開発中止になってしまったゲームも取り上げます。
◆1997年12月『チョコボの不思議なダンジョン』
『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズは、初代PlayStationではじまりました。いわゆる『不思議のダンジョン』シリーズに近い内容で、チョコボが自動生成のダンジョンに潜り、最深部を目指すという内容になっています。
他のダンジョンシリーズと異なり、よりカジュアルなところが大きな特徴でした。外に戻ってもレベルは引き継がれますし、任意の階から再挑戦が可能、もちろんツメやクラ(装備)を鍛えればより簡単にクリアできるでしょう。気楽にプレイできてやられてもリスクが少なく、この手のゲームに慣れていない人にはぴったりの作品でした。
ターン制バトルとアクティブタイムバトルを組み合わせたゲームシステムも独特でした。なお、1999年にはワンダースワン版も発売されています。
◆1998年12月『チョコボの不思議なダンジョン2』
そして翌年にはPlayStationで『チョコボの不思議なダンジョン2』が発売されました。
特殊な効果をもたらすハネを集めたり、ツメやクラを鍛えるのが楽しく、クリア後にはかなり歯ごたえのある隠しダンジョンも出てきたりとやりこみ要素もばっちり。ストーリーも割と濃く、そのおかげでシロマはいろいろな作品に登場するようになりました。
ただ本作、やり込めばやり込むほどデータが壊れやすくなるというバグがありました。かくいう私もそれに悩まされたひとり。鍛え上げた装備のパラメーターが狂ったのはいまでもトラウマです。
◆1999年3月『チョコボレーシング ~幻界へのロード~』
『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズで人気となったおかげか、1999年からはチョコボの作品がいろいろと出るようになります。まずは『チョコボレーシング ~幻界へのロード~』ですが、これはよくあるレースゲームがチョコボになったという感じですね。
なかなか悪くないゲームで、友達と一緒に対戦するのはもちろん、ストーリーモードを遊んで自分でキャラクター性能をカスタマイズすることができました。相手に対するオジャマ攻撃が『ファイナルファンタジー』シリーズの魔法になっているのも特徴です。
◆1999年12月『チョコボスタリオン』
そして『チョコボスタリオン』というゲームまで登場します。
育てるのはチョコボですがゲームシステムはなかなか本格的。血統にこだわりぬいて最強の競走馬ならぬ競争チョコボを作り上げていきます。
◆1999年12月『チョコボコレクション』
『チョコボコレクション』は複数のタイトルを収録した豪華版のようなタイトルで、前述の『チョコボレーシング ~幻界へのロード~』と『チョコボスタリオン』、そしてオリジナル作品である『ダイスDEチョコボ』が含まれています。
『ダイスDEチョコボ』はざっくり説明すると『モノポリー』風のボードゲーム。いえ、『いただきストリート』シリーズに近いシステムといったほうがわかりやすいでしょうか。サイコロを転がして移動し、マス目に友達を配置し、お互いに妨害しつつあがりを目指していきます。
◆2000年9月『はたらくチョコボ』
チョコボはワンダースワンにも進出します。『はたらくチョコボ』は、さまざまなチョコボたちと協力してニュー・フロンティアを開拓していくシミュレーションゲームです。効率的に開拓し、ライバルを出し抜いていきましょう。
本作を開発したのは『サガ』シリーズでおなじみ河津秋敏氏が率いるスタッフだそうです。
◆2002年12月『チョコボランド』
https://www.youtube.com/watch?v=I9hm0Ef8JwE
ワンダースワンだけでなく、ゲームボーイアドバンスにもチョコボが登場します。
◆2006年12月『チョコボdeモバイル』
携帯電話向けの展開も忘れていません。2006年12月には『チョコボdeモバイル』というEZweb向けアプリが登場します。こちらはチョコボを主役にしたミニゲームが遊べるというもので、野球のようなアクションゲームや、あみだくじのようなパズルゲームが収録されていたようです。ゲーム終了後にはプレイヤーの能力が診断されるんだとか。
◆2006年12月『チョコボと魔法の絵本』
ニンテンドーDSで発売された『チョコボと魔法の絵本』はかなりいい作品です。本作は、邪悪な絵本から出てきた魔王を倒すため、チョコボが仲間と協力しながらミニゲームを攻略していくアドベンチャーゲームです。
ミニゲームはいろいろな種類があり、中でも印象的なのが「きけん!デモンズウォール」。なぜかデモンズウォールに突っ込んでいくチョコボをタッチ操作で止めるという、シュールすぎるミニゲームでした。
また、ストーリーを進めていくうえで手に入るカードを使ってバトルする「ポップアップデュエル」もめちゃくちゃ熱かったのです。ニンテンドーWi-Fiコネクションの対戦は盛り上がりましたし、その後のシリーズにも収録されています。
◆2007年12月『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』
そして2007年にWiiで『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』が発売されます。ひさびさの『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズ作品で、新たにジョブシステムが追加されました。
この段階で『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズも10周年を達成しています。こうしてみるとなかなか長寿シリーズなのかも。
◆2008年10月『シドとチョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS+』
さらに翌年、ニンテンドーDSで『シドとチョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS+』が発売されます。こちらは『時忘れの迷宮』に要素を追加したもので、サイドストーリーである「シドベンチャーモード」や新ジョブが追加されました。
◆2008年12月『チョコボと魔法の絵本 魔女と少女と5人の勇者』
『チョコボと魔法の絵本』の続編も2008年に発売されています。本作は、絵本作家のシドが描いた絵本の世界を冒険していくアドベンチャーゲーム。前作と同じくさまざまな試練(ミニゲーム)をこなし、物語を解決に導いていきます。
◆2010年5月『チョコボパニック』
https://www.youtube.com/watch?v=XSaqoNp8Muo
iPadでもチョコボは大活躍。『チョコボパニック』は、お題にあわせて画面上のチョコボを指で捕まえるというシンプルなゲームです。ひとりでももちろん、多人数プレイも可能となっています。
◆2010年9月発表『チョコボレーシング3D』
もちろん、ニンテンドー3DSでもチョコボのゲームが出る予定でした。2010年9月には『チョコボレーシング3D』という作品が発表され、いくつかスクリーンショットも出ていたのです! 新たな『チョコボレーシング』ということで期待が高まったものの、そのまま発売されずじまいでした。
◆2010年11月『Chocobo's Crystal Tower』
https://www.youtube.com/watch?v=DFRV4-knWAU
そしてソーシャルゲームも登場しています。『Chocobo's Crystal Tower』はPCブラウザ向けの育成ゲームで、チョコボのお世話をしたりタワーを冒険をさせるなどして、理想のチョコボを目指していきます。Facebookで展開されていた本作ですが、残念ながらすでにサービス停止となっています。
◆2012年12月『チョコボのチョコッと農園』
さらにGREEでもチョコボのソーシャルゲームが配信されました。いわゆる農園・牧場系シミュレーションで、チョコボと一緒に農作物や動物を育てるという作品です。こちらは現在『チョコッと農園』と名前を変えてサービスが継続されていますが、開発会社が独立した関係で2018年10月からチョコボが消えてしまいました……。
◆2019年3月20日『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ』
そしてついに『チョコボの不思議なダンジョン エブリバディ』が登場します。『チョコボの不思議なダンジョン』シリーズとしては11年ぶり、チョコボが主役となるゲームとしてもかなり久々だといえます。
本作は完全新作ではなく、『チョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮』をベースに要素を加えた作品です。せっかくの復活の機会なので、新たなチョコボのゲームにも期待したいところですよね。
◆チョコボの歴史は深い!
さて、これで一通りチョコボが主役のタイトルを見ることができたでしょう。チョコボというキャラクターは『ファイナルファンタジー』シリーズにいつも出てきますが、『チョコボの不思議なダンジョン』を通じて単体として人気が出て、最近は少し落ち着いているようです。新作でまた人気が再燃するといいですね。
今回は取り上げていないのですが、実はガラケー向け(D504i~D506i)に『どこでもチョコボ』シリーズというアドベンチャーゲームが展開されていたようです。ただこちらの作品、プレイした人の証言は出てくるものの、スクウェア・エニックス公式サイトには掲載されておらず……。遊んだことのある方がいたらコメントで教えていただけると嬉しいです。
ともあれ、チョコボの歴史を一部垣間見ることはできたでしょう。またあの黄色いモコモコにあえる3月20日が楽しみです。