AnimeJapan 2019で実施された「Fate/Grand Order スペシャルステージ in AnimeJapan 2019」にて、スマートフォン向けFateRPG『Fate/Grand Order』の新イベント「徳川廻天迷宮 大奥」のCMが発表されました。鉄は熱いうちに打て!ということで、本稿では公開された映像からイベントの考察をしていきたいと思います。


◆殺生院+サクラ系=CCC?
今回、CMで登場が確定したのは、殺生院キアラ、パールヴァティー、マタ・ハリ、不夜城のキャスター、カーマ、柳生但馬守宗矩の6名。キアラとサクラ系サーヴァントから、CCCの要素が入ってくる可能性は非常に高いと思われます。なので、それを前提に考察を進めていきます。

最初のシーンでは女性が登場し、布団の上で月を見上げていました。月を見上げているのは、ムーンセルを暗示しているのかもしれません。この女性が誰なのか気になりますが、まずはキアラさんの可能性を探っていきましょう。

キアラさんの場合、ここから再臨姿までのシーンを一連の流れととらえることができます。布団から起きて、頭の布を直し再臨姿に……。着てから脱いでるのは意味不明ですが、キアラさんなら仕方がないと思えます。あと、布団のシーンは、『Fate/EXTRA CCC』で説明される過去を思い出しました。キアラさんは幼い頃不治の病にかかって、寝たきりの状態になっています。そこでアンデルセンの「人魚姫」を読み、後に繋がるわけですが……。
今回ナレーションもキアラさんということで、味方として交換所で待機してくれるのかもしれませんね。

もう一つの可能性が、サクラ系のサーヴァント。髪の長さや、月に照らされてる色の部分、映っている部屋の構造がキアラさんのいる部屋と違うので、その線も捨てきれません。そして服装は和装の寝巻です。パールヴァティーと背格好が近いので、この和装キャラはパールヴァティーかもしれませんが、なぜ和装なのか……?疑似サーヴァントがさらに疑似サーヴァントになって疑似疑似サーヴァントになったのでしょうか?先日開催された「旧き蜘蛛は懐古と共に糸を紡ぐ」のように、役柄に当てはまるサーヴァントに見える、という可能性もありますね。この女性については、後程また考察したいと思います。

そしてキアラさんに襲い掛かってくる女性たちですが、エクソシストのような体勢。『サイコブレイク2』のオブスキュラや「クレヨンしんちゃん ヘンダーランドの大冒険」の追いかけっこシーンを思い出します。途中でもこの敵と思わしき女性たちが踊っている様子が出るのですが、手が四本になっていますよね。後ろに重なっている人がいるだけなのか、クリーチャー的なモンスターなのでしょうか?

次のページでは意味深なシーンや男性を考察!

◆SIN、愛、金魚……0と1は何を表しているのか?
途中に文字や意味深な絵の登場するシーンがありますので、そこを考察していきます。まず盃のようなものと「SIN」、それを逆にした文字が書かれていました。SINといえば2部第3章を思い出しますが、罪という意味もありますね。
逆だと「NIS」か罪の逆で「蜜」あるいは「密」……。「大奥」ということもあり、盃は夫婦固めの盃など、婚姻を表すようなものかもしれません。

次のカットではLOVEという文字の上に、梵字が書かれた卒塔婆が並んでいます。梵字はお墓でも見かけるものですね。ここで注目したいのは数が7本である点。7といえば『Fate』シリーズお馴染みの数で、特異点の数やビーストの数でもあります。文字を区切っている場所や縦読みをしたりすれば何か分かるかと思いましたが、解けず……でも「O」がやたら大きいので、意図的な気はします。その次の鍵のカットはまたエネミーをたくさん倒して鍵を入手しなければならないのかなと切ない気持ちになりました。(考えすぎ?)

色味がガラッと変わり金魚が三匹泳いでいるカットに。金魚は江戸時代から飼われはじめたので、今回の年代を表しているものではないかと思われます。数は何かの伏線の予感。模様もちょっと変わっていて何かヒントがあるかな?と思ったのですが、思いつかず……左の金魚の模様が出目金みたいだなというぐらいです。
この辺りで何か分かった読者の方、いましたらぜひコメント欄で教えてください!

次は中央に愛、サイドにLOVEという文字。愛は逆三角形の中にあり、上下には0と1の羅列があります。0と1の並びはどこで区切るかは分かりませんが、「10010000111」が繰り返されています。特に意味はないかもしれませんが、二進法で考えてみました。ひたすら検索しましたが、「11001000011」は1603で徳川家康が征夷大将軍に任命された年。「10010000111」は1159で家康を祀っている「久能山東照宮」の階段の数になります。徳川家康にちなんだ数字の理由は後程。そしてLOVEは逆から読んで「EVOL」、革命などを意味するEvolutionという意味にもとらえられますが、「EVOL」は造語なので、関係ないかもしれません。

◆「大奥」と言えば徳川家、登場するのは誰?
今回のイベントは「大奥」かつ柳生さんの登場から、徳川家が出るのではと予想されていました。CMでは髷を付けた男性が、黒いサクラのような女性に囲まれ咳き込んでいる様子が伺えます。そこで三代目将軍の徳川家光の可能性が浮上しました。家光は若い頃女性に興味がなかった時期があり、ネット上でもこのシーンから「家光ではないか」という声が見受けられました。
舞台も17世紀と、家光の生きていた時期と一致します。

そこから考察すると、彼の横に映っている刀は「愛染国俊」かもしれません。「愛染国俊」は寛永11年に家光に献上されたもので、人気ゲーム『刀剣乱舞』にも登場する短刀。この刀には「愛染明王」の毛彫りが施されているのですが、「愛染明王」はルーツが「カーマ」だと言われている明王なのです。なので、より家光の可能性が高いように思えます。

男性を家光と仮定し、一番気になるのは後姿が映るシーンに登場する謎の柱。仏像ではないかと思ったのですが、仏像と言えば蓮台の上に乗っているものが多いですよね。しかしこれは細長く、花弁が閉じているようにも見えます。アイアン・メイデンっぽくもありますが、果たして何なのでしょうか?どこかで見た様な気もするのですが、見つからず。タイのお寺とかにありそうですが、何か秘密がありそうな気がします。

話を戻して、家光は東照宮を造営し、祖父である家康を敬っていました。先程も述べましたが、本イベントでは家康が絡んでくるかもしれませんね。
家光が家康を崇拝した結果、神格化したスーパー家康とかが出るのでしょうか……想像は膨らみます。ネット上ではこの男性がアグラヴェイン、ゾォルケンではないかという意見もありますが、こういう強面の男性の描き分けの難しさは分かるので、何とも言えません。

次のページでは花札と謎の文字について考察!

◆猪鹿蝶に謎の文字、その意味とは?
続いてさらに謎の文字や絵が登場しました。先に「(d)IIIを横にした図(cadence)」のカットの話をしますが、既にたくさんの方が言っているようにIIIをEと読ませて「decadence」が正解だと思います。今回のCM曲が「深淵のデカダンス」ですし、キアラさんがナレーションで言っている「退廃」という意味だからです。

ただ、惑星の軌道図をバックに血しぶきというのが意味深です。しかもこの軌道図、太陽がありません。インドだと太陽神はスーリヤ、摩利支天のルーツでもあります。この摩利支天、徳川家康が信仰していたんですよね……。

シーンを戻して、花札を考察しましょう。登場する花札は「こいこい」の「猪鹿蝶」という役です。気になるのは、花札で「さくら」というのが、ゲームに参加していない者が、対戦者の手札を覗き伝えるという不正行為の呼び方なんですよね。
さらに、ハワイで遊ばれている花札のゲームに「さくら」というものがあります。ハワイでさくら、これもあまりにもできすぎた話ですよね……。

今回エネミーっぽい女性の動きからクトゥルフみも感じてましたが、BBちゃんもさらっと登場するかもしれませんね。あとは関係なさそうですが、「牡丹」「紅葉」が猪肉と鹿肉の名称で、桜肉は馬肉のことだなというぐらいです。そうすると萩が仲間外れになっちゃいますね。

その次、蝶を背景に「ME(kari)」という文字が書かれています。パッと見「マキリ」のアナグラムのように見えますが、残念ながら「マキレ」になってしまいますね。この図は一番難しくかったので、いくつか考察を述べます。

まず「蝶=自分(仮)」と考えてみました。蝶は仏教で輪廻転生を象徴するそうですが、誰かが輪廻転生、ループをしているということでしょうか?CCCコラボイベントもループとは言えないまでも、繰り返された物語でしたので、可能性はありそうです。となると、自分というのは、このシーンの合間に走っているパールヴァティーでしょうか?

それも頭に入れつつ「自分(kari)」と考えてみます。「自分」をパールヴァティーとすると、kariは何なのか?カリ、と言えば、パールヴァティーの別側面ではないかと言われる神「カーリー」。別個として考える説もありややこしいのですが、パールヴァティーの黒い肌からカーリーが生まれたとも言われています。そしてカーリーのスペルは「Kali」。CMに書かれているのは「kari」でLとRが違うのですが、LとRと言えばビースト。対があり、LとRというのはアーサーのシナリオ等で言われてきました。

キアラさんは「ビーストIII/R」で、Lの存在もマテリアルで明かされています。説明によるとLは「すべてに愛を与える者」。しかし名前が「■■■」と三文字なのが明かされているため、カーリーというよりはカーマかもしれません。いや、むしろカーマがカーリーなのかもしれません。

少し話を戻して、「蝶=自分(仮)」については、その前の花札に当てはめることができますね。ただ一緒に映る牡丹の意味が分からないですが……あと猪と鹿は神の使いの動物でもあります。ちなみに猪はさっきも出てきた「摩利支天」の眷属です。

次のページで最後ですよ!

◆和装のサクラはパールヴァティーなのか?カーマの正体は?
度々登場するサクラ系サーヴァントに注目してみましょう。和装サクラはパールヴァティーのかもしれないと書きましたが、走るシーンでは表情と髪の色が違います。見方を変えれば、和装サクラをパールヴァティーが追いかけて手を伸ばしているようにも見えますよね。

最後のシーンで大量のふすまが空いてカーマがいるのを見ると、この和装サクラがカーマなのではないかとも思えます。冒頭シーンでは江戸城に落下していますが、そこから江戸城に大奥の一人として侵入したということでしょうか?

ここでカーマを考察してみましょう。彼女は、聖杯の泥に汚染された黒サクラである可能性が高そうです。髪と目の色が同じで、カーマの説明書きに「少女の特異性」とあるので、おそらく虚数属性のことだと思われます。

しかもどことなく今回の映像は『Fate/stay night』での桜ルートを思わせる色味です。くうくうおなかがなりました。城が彼女の神殿、あるいは結界となり、中にいる人たちを溶かして吸収していくのかもしれません。ただ、カーマがアーチャーではなく、アサシンクラスなのが気になりますね。

あとは、家光(仮)の周りにいる黒いサクラたち。カーマに近しい何かだと思いますが、微妙に服が違ったり、肩から花が咲いています。ただ、カーマだと女性が得意ではない家光(仮)に寄り添っているのも、元が男性神ということで少し納得。というか、彼が咳き込んでいるのは何故でしょうか……?

◆残った気になるところをまとめて考察!
まずはパールヴァティーが走っている所の図ですが、江戸城の間取りと比べると全然違いました。迷宮ですし、そもそも柱や装飾が日本ではなくなっているので、形や在り方が変化しているのかもしれませんね。それにしても江戸城広すぎてびっくりします。気になる方は検索して見てみてください。

続いて光り輝くキアラさんの次のシーン。ふすまを開けて進む男性の後ろ姿が見えます。柳生さんが頭に何かを乗せているのかのように見えましたが、確認してみたところ頭の上で髪の束をまとめているようです。ということで、柳生さんではない新たな登場人物の可能性が高いですね。先程も書いた徳川家康の可能性もあります。しかし髷を付けている男性がいることを考えると、別の時代、あるいは別の国のサーヴァントなのかもしれません。

そこで気になったのが「まもなく配信」の文字が見えるカット。後ろに障子があり、上から飾りが吊るされていますが、日本でもインドでもない雰囲気が漂っている気がするのは気のせいでしょうか……?どことなく、中国っぽい気がしています。ちなみに中国にも「後宮」という大奥のような場所がありました。しかも「中国 大奥」で検索すると、最初にヒットするのは「武則天」。もしかすると、日本とインドだけが絡んだ物語ではないのかもしれません。

ということで何度か心が折れそうになりましたが、ひとまず今思いつく考察を語りつくさせていただきました。個人的には全て間違っているといいな思っていますが、どうなることやら!まぁカーマは気まぐれですし、27日の配信を楽しみに待ちましょう!インサイドでは記事の下部にコメント機能も付きましたので、皆さんの考察もぜひ書き込んでみてください!
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