歴代『サガ』シリーズのキャラクターが登場するスマホ向けRPGロマンシング サガ リ・ユニバース(ロマサガRS)』ですが、とくに人気が高いのが「七英雄」です。

「最終皇帝」や「七英雄」といった中二病心がくすぐられるパワーワードに加え、平和を獲得するための世界統一という胸アツな展開が人気を呼んだ『ロマンシング サ・ガ2』(1993年発売)において、世界を救った英雄と伝えられ、倒すべきボスでもあった七英雄のワグナス、ノエル、ロックブーケ、スービエ、ダンターグ、ボクオーン、クジンシー。


オンライントレーディングカードアーケードゲーム『LORD of VERMILION』シリーズ(2008年稼働開始)では各メンバーの設定が明かされたり、『インペリアル サガ』(2015年配信開始)で再登場したり、『ロマサガRS』が配信してからは1体ずつ順番で、Sスタイル獲得できる「襲来イベント」とSSスタイルが実装された「ピックアップガチャ」が開催されてきました。本稿では、改めて「七英雄」とはどのような存在であったかを『ロマンシング サ・ガ2』を元に紹介します。

(※)下記より、『ロマサガRS』『ロマンシング サ・ガ2』のネタバレを一部含むのでご注意ください。

■『ロマンシング サ・ガ2』における七英雄
モンスターの脅威に晒される人々がすがるのは、かつて世界を救った七英雄の伝承。モンスターを倒した彼らは姿を消したが、いつか再び戻って来て世界を救うと語り継がれていました。その通りに彼らは戻ってきますが、モンスターを使役して自身の欲望のために動く人類の脅威となったのです。

そんな時代に、小国「バレンヌ帝国」では全盛期の領土を回復するために、皇帝レオンが先頭に立って周囲のモンスターを駆逐していました。ある日、レオンの元にやってきた謎の女魔道士は「七英雄」を警戒するように助言し、自らが認めた後継ぎに自身の能力を継がせる「伝承法」を伝えます。最初は真に受けなかったレオンですが、モンスター討伐で帝都を留守にしている間に、攻め込んできた七英雄クジンシーによって長男ヴィクトールが命を落としてしまうのでした。ここから最終皇帝まで続く、歴代皇帝と七英雄の長き戦いの幕が上がります。

七英雄は謎の女魔道士と同じく、かつて短命種である現代人を使役した古代人。長寿なあまり、命を落とすことを極端に恐れる古代人にとっての天敵モンスターを駆逐した勇者7人は、七英雄として褒め称えられるも、その力を恐れられて別世界に追放されてしまいます。
長い年月を経て戻って来た七英雄の目的は、自分達を追放した古代人への復讐であり、かつて古代人が寿命を延ばすために用いた「同化の法」を改良し、モンスターと同化することでさらなる力を得たのでした。

■ワグナス(未実装)
七英雄のリーダー。妖精系・鳥系モンスターをメインに同化。古代人の中でも貴族階級であるため、まさに別格の存在。本人曰く、七英雄の中でも最強で、「浮遊城」を所有しています。古代人を見つけるためにヤウダを支配しようと侵攻します。バトルでは麻痺を引き起こす全体攻撃の「サイコバインド」や火・風・天の術法を使いました。

元々は、世界の平和のためなら自身の犠牲を厭わない精神性の持ち主だったようですが、世界を救った後に傲慢になったのか、モンスターと同化する「吸収の法」による悪影響なのか、皇帝の前に現れたワグナスは神にすらなろうとしていました。

■ノエル(実装済)

ワグナスの親友であり、ともに同化の法を改良した「吸収の法」を編み出した凄腕の剣士。龍系モンスターをメインに同化。七英雄の中ではかなり紳士的な性格なのですが、妹であるロックブーケを大切に(溺愛)しているため、彼女を倒してからノエルと出会うと問答無用で戦いになります。「カウンター」による反撃が強力で、力押しだけでは勝てない技巧派のイメージがあります。


『ロマサガRS』実装済みで、「ノエル襲来」にてSスタイル、ピックアップガチャにてSSスタイルが獲得できました。SSスタイルでは、腕力補正が高く、全体攻撃「月影」の使い勝手が良好。敵撃破時に確率で腕力上昇したり、敵攻撃時に確率で自身HPを回復したりするアビリティが強力です。

■ロックブーケ(実装済)

絶世の美女であり、悪女のイメージが強い七英雄の紅一点。死霊系モンスターをメインに同化。男性を魅了する「テンプテーション」が強力無比で、もしも男性キャラだけで組んだパーティーで挑んでしまえば、高確率で勝負にもならず全滅してしまうほどです。ロックブーケ戦では女性キャラだけのパーティーで挑むのが強く推奨されていました。

『ロマサガRS』実装済みですが、これまで実装された七英雄の中で唯一、ストーリーのない「襲来」ではなく、ストーリーが用意された「魔塔ロックブーケ」攻略によって、かなり優秀な能力値を持つSスタイルを獲得できます。

こちらのクエストを進めると、モンスターと同化する前の古代人だった時のロックブーケの追憶を見ることができ、兄ノエルに「(戦場に立とうとせずに)花嫁修業でもしろ」と言われても、想いを寄せるワグナスの力になるために戦士になろうとする彼女の健気さを知ることができます。その後のロックブーケを見るに、人は変われば変わるものだとしみじみ感じます。

描き下ろしのイラストは可愛いし、SSスタイルは通常とバレンタインVer.の2つが用意されていて、アタッカーとしてもジャマーとしてもかなり優秀な能力値です。かなりプッシュされている気がするので、開発陣にも彼女のファンが多いのかもしれませんね。


残りのスービエ、ダンターグ、ボクオーン、クジンシーを紹介

■スービエ(実装済)

ワグナスの従兄弟で、水棲系モンスターをメインに同化。海をこよなく愛するあまり、「海の主」の娘と同化しようとするスービエとの戦いでは、七英雄の目的が明らかとなります。ワグナスを支えることを目的としており、全幅の信頼を置いています。大津波を起こす「メイルシュトローム」は、名前だけでもうカッコいいです。

『ロマサガRS』では、最初に実装された七英雄です。しかし、現状はまだSスタイルしかありません。能力値的にはちょっともの足りない印象を受けます。七英雄はどのSSスタイルも強力なため、実装が待たれます。

■ダンターグ(実装済)

とにかく手がつけられない七英雄一の暴れん坊。獣系モンスターをメインに同化。強くなることだけを目的としており、復讐には興味を示さず、ナゼール地方で1000年以上もひたすら強力なモンスターを吸収し続けました。通常、七英雄は第2形態まで用意されているのですが、ダンターグだけは第4形態まで用意されていました。
全体攻撃の「ぶちかまし」など強力な技を使います。

『ロマサガRS』でのSSスタイルは体力補正が高く、攻撃時にまれに腕力と自身のHPを回復するアビリティを持っています。SSスタイルだけだと強力な単体攻撃を習得しないので、「ダンターグ襲来」クリアで入手できるSスタイルから技を引き継ぎましょう。

■ボクオーン(実装済)

七英雄で最も狡猾で卑怯な手段を厭わない男。麻薬を売って金儲けをするなど俗物的な一面が強いです。植物系モンスターをメインに同化。七英雄の中ではクジンシーを除いて、バレンヌ帝国首都アバロンから最も近い草原のステップを走る地上戦艦の中にいるため、ゲーム前半で戦う可能性が高いです。七英雄加入時は自らの頭脳を売り込んだようですが、初心はどこにいったのやら…あるいは最初から変わらないのかもしれません。バトルでは人間を意のままに操る「マリオネット」を使います。

『ロマサガRS』では、SSスタイルの腕力低下を付与する「骨砕き」が優秀。素早さが高いので、Sスタイルから威力SSの「削岩撃」を継承すれば、高確率で先制の全体攻撃を繰り出すことができます。

■クジンシー(未実装)

皇帝と七英雄対立の発端であり、レオンの意思を継いだジェラールに敗れた後も、最終皇帝即位時にリベンジを挑んでくる最も因縁深い相手。
古代人の時から嫌われ者だったらしく、復讐には興味を示さずに世界征服を目論みました。

受けた者が必ず命を落とす生命力吸収「ソウルスティール」によって、兄ヴィクトールと父レオンを失ったジェラールですが、伝承法によって「ソウルスティール」見切りを引き継いだことで、勝利を収めることができました。

『ロマサガRS』では未実装ですが、ストーリーには登場。魔塔から解放され、主人公・ポルカたちの前に立ち塞がりました。実装された時に、「ソウルスティール」がどんな技になっているのか楽しみです。

歴代シリーズの人気キャラが次々と実装されている『ロマサガRS』ですが、自分だけのドリームパーティーを編成可能なのがファンには嬉しいところ。それこそ、七英雄だけのパーティーを編成して、かつて世界を救った活躍を思い浮かべることだってできるのです。

『ロマンシング サガ リ・ユニバース』は好評配信中。基本プレイ無料のアイテム課金制です。
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