ローグライクゲームとリズムゲームをかけ合わせた『クリプト・オブ・ネクロダンサー(以下『ネクロダンサー』)』と、『ゼルダの伝説』がコラボレーションした本作。異色のコラボに興味を持ちつつも、リズムゲームが苦手で……とためらっている方もいるのではないでしょうか。
そこで本稿ではゼルダ好きの目線で『ケイデンス・オブ・ハイラル:クリプト・オブ・ネクロダンサー』をご紹介していこうと思います。

◆「ノービートモード」にするとゼルダ感が増す!

『ネクロダンサー』といえばビートに乗った戦闘システム。画面下に表示される「ビートバー」がトライフォースになっているのが嬉しいですね。しかしこのリズムアクションがハードルを上げている要素でもあります。実際リズム感のない筆者はビートモードで序盤やられまくり。ただでさえハートは少なくクスリも妖精もない状態で、さらにビートを刻めと言われても!そう思っていたところ、今回のナビゲーション役のトリルからこんな素敵な提案が!

本作では「ノービートモード」が用意されており、ビートに乗らなくても動くことが可能なのです。「ノービートモード」では自分が行動しない限り敵も動きません。いわゆるイージーモードなので負けた気分になりますが、1マス動くごとに敵も行動するという『ネクロダンサー』の基本的な部分はしっかりと押さえていますし、自分も敵も止まった状態で次の行動を考える時間ができるので、ビートモードを理解する近道になります。

魔物をうまく倒すには行動パターンを読むことが重要で、例えばボコブリンなら手を振り上げたあとに攻撃という2ビートの感覚で動いています。新たな魔物に遭遇したときは間合いを取りながら行動をじっくりと観察するとよいでしょう。

「ノービートモード」をうまく使いこなすことで劇的にプレイしやすくなります。難しくてクリアできないと思う前に、ぜひ試してみてください。


倒れるとルピーや消耗品アイテムはなくなりますが、ダイヤは没収されません。
ダイヤで必要なものを購入し、キャラクターを少しずつ強化していきましょう。
◆初めからゼルダ姫が選択可能!
勇者はねぼすけが定番。今回はゼルダ姫やハイラル王も眠らされてしまっている様子
本作ではまずリンク、ゼルダ姫どちらから始めるか選択し、最終的にケイデンスを含め3キャラクターを操作することが可能になります。最初の段階でゼルダ姫を操作できるのは本作の醍醐味!というわけでゼルダ姫で始めたいところですが、魔法を駆使した防御や必殺技にクセがあるため初心者は無難にリンクを選択するのがよいでしょう。使用キャラクターが増えると「おすそわけプレイ」も可能になるので、協力しながらプレイするのもよさそうです。

◆地形、ダンジョンがランダム生成。何度でも遊べる!
マップを埋めていくのは2Dゼルダの醍醐味。リンクの家の位置もランダムです
『ネクロダンサー』はダンジョンがランダムで生成されるのが特徴。本作でもそのシステムは踏襲され、ゲーム開始時にハイラル全体、1マップごとの地形や敵の配置、洞窟内の謎解きがランダムで決定されます。また、ダンジョンも入り直すたびに変化します。洞窟内の謎解きは『ブレス オブ ザ ワイルド』の祠のようにいくつも点在し、1周するだけでは全てを堪能することはできません。
2周目以降は新たな謎解きが待っているので、何度でも新鮮な気持ちでプレイすることができるでしょう。

占いでダンジョンの場所を教えてくれる運命の巫女の家。
マップがランダム生成だから何度もお世話になります。
◆魔物が『ブレス オブ ザ ワイルド』風に!

画面全体の雰囲気は『神々のトライフォース』っぽい本作ですが、魔物のデザインは最新作の『ブレス オブ ザ ワイルド』を意識したものがちらほら。例えばライネル。『神々のトライフォース』では炎を吐く攻撃をしてきましたが、本作では『ブレス オブ ザ ワイルド』のように弓で遠距離から強烈な攻撃をしかけてきます。あのトラウマが蘇る……。

『ブレス オブ ザ ワイルド』から登場のイワロックも!随所に最新作の要素も取り入れています。
◆歴代ゼルダの小ネタもバッチリ
ネタバレになってしまうので多くは語れませんが、本作のボスも歴代ゼルダファンにとって懐かしくなるものばかり。リズムゲームなので音楽にもこだわりが感じられ、ゼルダ歴代の曲がノリよくアレンジされています。最も多く聴くことになるフィールド曲はいくつもの曲を繋ぎ合わせ、音楽開始位置がランダムで変わる仕組みを取っており、飽きさせない工夫が施されています。

インベントリー画面を埋めていくのもゼルダの楽しみ。
バクダンやブーメランをA・B・X・Yにセットして使うのはゼルダファンならお馴染みの動作ですね。ハートのかけらも世界のあちこちに散らばっているのでコンプリートを目指したいところ。そしてこの世界でも「あきビン」は必須アイテムです。

キャラクターも歴代タイトルから登場。35歳独身のあのキャラクターや、ゴロン族等のさまざまな種族もしっかり登場しています。

もちろんコッコを攻撃したら仕返しを受けますので注意!

ビートに乗って行動する以外は、ほぼゼルダに近い本作ですが、一部の定番アイテムの使い方が特殊なので、そこだけ慣れが必要かもしれません。「ゼルダ脳」だからこそ陥る罠にご注意を!

◆相性抜群の組み合わせを体感せよ

思えば『時のオカリナ』『夢をみる島』『風のタクト』など、ゼルダは楽器や音楽が物語に深く関わるゲーム。今までリズムゲームがなかったことが不思議なくらい相性は抜群です。『ネクロダンサー』とのコラボレーションは必然だったともいえるでしょう。

あくまでシステムは『ネクロダンサー』であるため、ゼルダの気持ちでプレイするとステップを基本とした動きに慣れが必要ですが、中間を取ったゲームバランスが両者の良さを引き立て、新たな楽しみが生まれていると感じました。何より歴代ゼルダの小ネタから感じるゼルダへの深い愛を感じる1本です。
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