プレイの幅が広がったことでゲームが持つ可能性は更に広がりを見せ、そのひとつの方向として生まれたのが“ゲームとフィットネス”の融合です。
そして本日10月18日に、新たなフィットネスゲーム『リングフィット アドベンチャー』が発売を迎えました。これまでのフィットネスゲームは、コントローラを手に持ったり、専用の周辺機器の上に乗るタイプが主流でしたが、この『リングフィット アドベンチャー』は、弾力性のある円形の「リングコン」と、太ももに装着する「レッグバンド」にJoy-Conを装着させることで、身体全体の動きを認識します。
──と、形状や特徴を説明するだけでは、『リングフィット アドベンチャー』の実体や魅力を伝えるには不十分でしょう。そこで、発売されたばかりの『リングフィット アドベンチャー』を開店と同時に購入し、朝一番でこのフィットネスゲームをプレイした体験レポートをお届けし、本作のプレイ感や魅力の一端をご紹介したいと思います。
今日仕事が終わった後、『リングフィット アドベンチャー』を買って帰るかどうか悩んでいる方々も、こちらの記事を判断材料のひとつにしてみてください!
◆『リングフィット アドベンチャー』を購入する前に、注意点がひとつ!
プレイ体験の前に、まず注意しておきたい点がひとつ。それは、『リングフィット アドベンチャー』のパッケージが結構大きめなことです。本作の要であるリングコンが同梱されている関係で、外箱のサイズは30cm×30cmを超えています。また、幅も約6.5cmあり、通常サイズのカバンに収めるには至難の技でしょう。
それなりの手荷物になるため、会社帰りに購入する場合は、地元かその周辺で入手するのが良さそうです。特に通勤電車が混み合う方は、購入するタイミングにご注意を。
持ち帰りが難しいという方は、通販を選択しましょう。入手は若干遅くなりますが、持って帰る手間がないのは嬉しいポイントです。マイニンテンドーストアではダウンロード版も取り扱っているので、ゲームカードの入れ替えが煩わしい方は、そちらも一考してみてください。
◆『リングフィット アドベンチャー』をプレイするには、充分なスペースが必要
冒険しながらフィットネスができる『リングフィット アドベンチャー』は、当然身体を動かしますし、そのためある程度のプレイスペースが必要です。実際に試してみたところ、足を前後に開いて屈伸したり、両手を左右や上にあげる動作などがあったので、狭い空間で『リングフィット アドベンチャー』の全てを味わうのは難しいかもしれません。
個人の体型なども関わるので一概には言えませんが、3m×3mほどの空間があると、周囲をあまり気にせず快適にプレイで出来そうだと感じました。もちろん天井も、手が届かない程度の高さが必要です。また、「足を前後に開く時、前に一歩踏み出すのではなく、前足を半歩出し、後ろ足を半歩下げる」といった感じの調整を意識すれば、2m×2mでも行えそうです。
物の置き方やスペースの確保方法にもよりますが、デスクなどが置かれている四畳半の部屋だとプレイが少々難しいかもしれません。壁際にしか物がない四畳半か、中央部分がある程度開いている六畳の部屋、空間が確保しやすいリビングなどがプレイ環境としてお勧めです。
ちなみにテーブルモードでも楽しめるので、踊り場が広い家なら階段にスイッチを置いてプレイ、という選択も可能かもしれません。
さらにもうひとつ。数は限られますが、本作にはリングコンだけで行えるフィットネスもあるので、こちらならもっと小さなプレイスペースで済みます。例えるならば、デスクの上にスイッチを置き、椅子に座りながらフィットネスに励むことも可能です。
プレイスペースの確保が大変そうと感じている方も少なくないと思いますが、部屋を整頓するだけでも充分楽しめますし、テーブルモードを活用すれば工夫次第で選択の幅も広がります。また、「気が向いた時に、リングコンのみのフィットネスをちょっとだけやる」といった関わり方もできるので、初見の印象よりもずっと遊びやすいように感じました。
アクションとRPG要素がゲーマー心に火を点ける!? 「アドベンチャー」モードで運動の習慣化を目指せ
◆運動を習慣化してくれる「アドベンチャー」モード
『リングフィット アドベンチャー』で遊べるモードはいくつかありますが、フットネスの継続を後押ししてくれそうなのが「アドベンチャー」です。これは、ファンタジー世界の冒険を通じてアクションやRPGといった要素が楽しめる、長期間のフィットネス・プログラムとなっています。
闇のオーラを放つドラゴン「ドラゴ」を時はなってしまった主人公は、リングコンのような形状をしている「リング」と共に、世界を守るための冒険へと出発。その冒険の過程は、アクション要素のあるステージと、RPGのターン制バトルで描かれます。
最初のワールド「はじまりの場所」では、2つのコースを経て、ボスが待つ場所を目指します。レッグバンドが反応するように足踏み(音や振動が気になる方は、屈伸で判定するサイレントモードがお勧め)しながらコースを進んでいくと、扉が行く手を遮るので、手に持ったリングコンを押し込んで「空気砲」を発射! この空気砲で箱などを壊すこともできますし、リングコンを押し込む感触もなかなか楽しいので、ついつい連射してしまいます。
また、リングコンを下に向けて押し込むと、空気砲の反動でジャンプ。このアクションで段差を超えられるだけでなく、押しっぱなしにすると滑空状態となり、より遠くまで飛ぶことができます。ちなみに、空気砲を撃つことで使用するゲーム内のリソースはないので、気軽に連射できます。唯一消費するリソースは、プレイヤー自身の体力や筋肉のみです。
この他にも、リングコンを引っ張ってコインを吸い込むこともでき、道中はこのリングコンを押したり引いたりを繰り返します。その間、足踏みor屈伸を続けているので、適度な運動設定でも心地よい疲労感を覚えるくらい、身体を使いました。
そしてコースの道中では、敵と遭遇することも。この時、足踏みはいったんお休み。ずっと走り続けているのも大変なので、ちょっと助かります。ですが、敵との遭遇も無論フィットネスの一環。足踏みとは違う筋肉を使って、敵とのバトルに立ち向かいます。
敵への攻撃はフィットスキル(色々な運動)で行い、例えば「スクワット」なら、腰を落として戻すことで、敵にダメージを与えることができます。
また敵の攻撃は、腹部に当てたリングコンを押し込む「腹筋ガード」でダメージを軽減。与えるダメージや受けるダメージはしっかりとRPG的なので、油断はできません。しっかり運動することで与えるダメージは増え、受けるダメージは減らせるので、思わず力が入ってしまいます。
こうして敵を倒したり、コースをクリアすることで経験値が溜まり、一定以上になるとレベルアップ。ステータスが向上するほか、新たなフィットスキルもゲット。キャラクターが成長していく要素はプレイの継続に繋がりますし、ついついレベル上げに励みたくなるゲーマー心がくすぐられます。また、実際に身体を動かしているので、微々たるものかもしれませんが、プレイヤーのステータスも上がっているに違いありません。
ワールドの最後に待ち構えているボスを撃破すると、次のワールドへと進めます。ちなみにこのアドベンチャーモードは、1日30分程度遊んだとして、約3ヶ月ほどのボリュームがあります(運動負荷の設定で変動)。目標があると運動も継続しやすいので、このアドベンチャーモードの活用で運動が習慣になっていくことでしょう。
今回はアドベンチャーモードを中心に紹介しましたが、『リングフィット アドベンチャー』に収録されているモードは他にもあります。モードのひとつ「お手軽」では、大胸筋や三角筋など各部位を集中的に鍛えたり、「モグラたたき」のようなゲーム形式でプレイするものなど、数多くのフットネスを用意。
また、好きな種目を自由に組み合わせて運動する「カスタマイズ」や、スイッチを起動せず、動画やテレビ番組などを見ながらリングコンを使ったトレーニング「ながらモード」などもあり、好みのスタイルでフィットネスを楽しむ要素が揃っています。
ある程度のスペースは欠かせませんが、状況や環境に合わせた調整も可能。ゲーム感覚で継続しやすい「アドベンチャー」や、自分なりのやり方で楽しむ様々なモードも用意されている『リングフィット アドベンチャー』。ウォーミングアップやクールダウンも促してくれるなど、運動不足の身には至れり尽くせりといった感触でした。
ゲームを、そして人生を楽しむにあたって、健康は非常に重要な要素です。その健康の維持も、出来れば楽しみながら支えたいもの。『リングフィット アドベンチャー』は、そんな贅沢な望みに応えてくれる1本となりそうです。