ニュージーランドの架空の島、トロミ島を舞台とした本作。日本に住む私達にはあまり馴染みありませんが、多くのプレイヤーにノスタルジーを感じてもらえることでしょう。
日本のゲームへの憧憬が見て取れるゲームデザイン
おどろおどろしい雰囲気で語られる導入部分。
最初は少々不穏なナレーションが。ゲーム本編が始まるとすぐに、かつての古き良き日本のRPGを踏襲したグラフィックがお出迎え。2頭身のデフォルメされたキャラクターにコミカルな会話など、見ているだけで昔懐かしい気持ちが蘇ってきます。
街の景観も可愛らしくなんだか『マザー』を思い出しますね。帽子の少年もまるでネスみたい。
街の中にはゲームセンターも。だんだんトロミ島の街が『マザー2』のオネットに見えてきます。
最初の目的地は祖父の家。ここでプレイヤーは野球バット…ではなくクリケットのバットを入手できます。
クリケットのバットを入手。ところでこの入手ポーズもどこかで見たような…。
武器はYボタンかXボタン、Rボタンのいずれかにセット可能。これで敵をどんどん"SMAAAASH!”していくぞ、と意気込んでバットを振ってみます。
まるでハイラルの勇者さながらのスイング。念入りに素振りしてイメージトレーニングを行った後、おじいさんの言いつけに従って、自宅の地下倉庫へ。
地下倉庫はギミック満載のダンジョンになっていました。
疑いようの無いゼルダ感。ああそうか、ここはトロミ島ではなく夢をみる島だったのか。
とまあここまで見ていただければ分かる通り、『マザー』シリーズのグラフィックに『ゼルダの伝説』のゲームシステムをそのまま載せたような作り。
グラフィック、ゲームシステム共に丁寧な作り
ゲーム自体は操作性の難もほとんど無し。快適にプレイできるようになっています。
グラフィックは線が単純に見えますが、綺麗に描かれています。画像のような景色の場面では意外にも高さや広さ奥行きを感じ、思わず感心してしまいました。
ゲームシステム的には、バット、ダーツ、ヨーヨーを使い分けることが重要。それぞれが独自の特徴を持っています。
ダーツは長距離武器で敵や障害物にぶつかるまで一直線に飛んでいきます。
ヨーヨーは中距離攻撃で敵を混乱させる武器。障害物を貫通できることもポイント。
それぞれがどの状況で効果を発揮するか見極めながら進める必要があります。
途中購入できるダッシュシューズは少々使い勝手に難あり。
この辺りは『マザー2』の自転車をオマージュしたのでしょうか…。
また、謎解きはしっかりと練り込まれていて、手持ちの道具と状況を見極めて打開した時の快感は十分なもの。
ゲームオーバーはありません。体力が0になってもダンジョンの入り口からやり直せるようになっているため、ストレス無くプレイ可能。ハードな手応えを求めるゲーマーには物足りないかもしれませんが、手軽に楽しみたい人にはうってつけとなっています。
いわゆる「トロフィー」要素もあります。これはお金を最大(200)まで貯めた時のトロフィー。
すべて集めるとご褒美があるかも。
グラフィックも可愛く、各キャラクターの個性は温かみたっぷり。往年の名作ゲームに触れたことの無い子どもたちと一緒に新鮮な気持ちでプレイするのも良いかもしれません。
自宅のベッドが最も心安らぐ場所。
ダンジョンをクリアする度に、ここから冒険が再開されます。
もちろん筆者のように、当時のノスタルジーに浸りたい方々には文句なしにオススメの作品となっています。
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