前回は海外のファミコン、通称「NES」本体の仕様や外観を紹介させていただきました。
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そして、まずはNESのソフトとしてこれを出さないわけにはいかないだろう、ということで『13日の金曜日』洋名『Friday the 13th』に決めました。
まず、NES初心者の方にはこのソフトの開発会社「LJN」という名前を知っていただきたいと心から強く強く思います。これはのちにNESソフトを紹介していく上である意味で絶対に避けることのできない、避けてはいけない会社名だからなのです。
それでは「Friday the 13th」の内容紹介に入っていきましょう!
ご存知、映画は1980年に公開され、これまでに幾度もリメイクや続編が公開されてきました。ジェイソンはニューヨーク、ついには宇宙にまで行ったのですよね…。
ゲームとしては2018年『Friday the 13th: The Game』としてWindows・PlayStation 4・Xbox One・ニンテンドースイッチ(スイッチは2019年)に主にオンラン対戦作品として登場したのが記憶に新しいかもしれません。
しかし、遡ること32年前、1986年にコモドール64において『Friday the 13th』としてゲーム化され、それから3年後の1989年にはNES版が発売されたのです。が、この内容が色々とね…。とりあえず見ていきましょう。
非常にシンプルで、恐怖を十分に感じさてくれる(多分)サウンドのオープニング画面。
イナズマが光ったかと思うと、ホッケーマスクにナイフがッッ!
スタートボタンを押すとゲームが始まるのですが、まずこの時点でタイトル画面とのギャップにちょっと脱力。
道中、映画では登場しなかったはずのゾンビ等が襲ってきます。そして、これまたなぜか突然出現するナイフ等の武器をゲットし、それで攻撃。地図上で点滅している建物を目指して進んでいく。これがこのゲームの基本ルールです。
建物の中に入ると、いわゆる3D迷路のようになっています(迷路というほど複雑ではないですが)。そして子供を探して救出!したいのですが……。
キター!なんの前触れもなく建物内にジェイソンさん登場。ジェイソンとの対決は『パンチアウト!』のような操作をしますが、ジェイソンの攻撃力は凄まじく、2発食らえば死亡レベル。しかもこの時点では完全に倒すことはできません。
道中、微妙な謎解きもあったりします。本当にこのゲームは何をしていいのかさっぱりわからないのですよ……。
そんなに大勢にサンキュー言われても……。まずなんで助けに行かなきゃいけないのかもわからないしな。
ラストのジェイソンとの対戦シーンはあえて掲載しませんが、エンディングはあっさりと一枚絵で終わりです……。
いかがでしたでしょうか。これが冒頭に書きました、LJN社のソフトの特徴なんです。今後もLJN社のソフトについては触れていくと思いますが、まあ原作破壊レベルが高い高い。とはいえ、現在でもこのように語り草になるのですから、ある意味ですげえのかもしれませんね…。
それでは次回の、海外版ファミコン「NES」の不思議な世界、をお楽しみに!
今回も無理言ってお嫁さんと息子に出てもらいました。この写真は嫁が作ったマスクです……。
■著者紹介:SUKESAN元ファミ通の編集者、現在はCM、番組ディレクター・プロデューサーとして活動中。新垣結衣をはじめ、アイドルやタレントのピアノ・歌の講師でもある。