オリジナルにあたるWii版をベースに、主要キャラのモデリングを一新し、グラフィックをHD画質で描いた『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』。UIを改善し、後日譚となる「つながる未来」も収録した、こだわり溢れるリマスター版が先日登場しました。


Wii版の頃から名作RPGとの呼び声も高く、スケールの大きな冒険と先の展開が気になる物語の数々、やり込み甲斐のある育成要素など、様々な魅力で多くのゲームファンを魅了した作品が、更なる進化を遂げて生まれ変わります。

当時プレイした方ならば、遊び方は熟知されていることでしょう。ですが、オリジナルとなるWii版が登場したのは、今から約10年前。後にNew3DS版が2015年に登場しましたが、本作で初めて『ゼノブレイド』に触れるという方も少なくないことと思います。

戦略を積み上げていくリアルタイムバトルや広大なフィールド、クエストにキズナトークなど、本作はゲーム面のボリュームもたっぷりなので、初めて遊ぶ場合は戸惑うことも。そこで今回は、ゲーム序盤における要点や、本作に搭載されている便利機能などを紹介し、冒険の初歩をサポートさせていただきます。

フィールドの歩き方

冒険の主な舞台となるのは、広大な広がりを見せるフィールド。エリアごとに分かれているのでオープンワールドではありませんが、一エリアの大きさはかなりのサイズなので、実際のプレイ中はエリア間の隔たりを意識することはさほどありません。

このフィールドには、探索の楽しさがたっぷり詰め込まれていますが、危険とも隣り合わせ。一番最初の拠点である「コロニー9」の周辺にすら、非常にレベルの高い敵が潜んでいる場合があります。

そんな危険なフィールドを歩く上で、重要な要素となるのが「ロックオン」。LかRを押すと、対象の名前とそのLVを確認できます。
アイコンの色でも手強さをある程度判別できますが、通常の敵とは異なる“二つ名”付きの敵かもしれないので、しっかり確認したい時はロックオンがお勧めです。ちなみにロックオンは、Bボタンでキャンセルできます。

“二つ名”付きの敵は、同じくらいのLVで挑んでも返り討ちに合う可能性もある、非常に危険な相手。LV差がある状態だとまず勝てないので、見かけたら戦闘に入らず迂回しましょう。

危険な敵を見抜くには便利なロックオンですが、同時に敵アイコンにも注目したいところ。最初の頃に出会う敵は、こちらから攻撃しなければ襲ってこない、ある意味安全な存在です。しかし、「目」のアイコンを持つ敵は、その視界に入ると向こうから襲いかかってくるので、注意したいところ。

この「目」のアイコンを持ち、しかもLVが相当高い敵は「コロニー9」の近くにもおり、一撃食らうだけであっさりやられてしまうほどの実力者。そんな悲劇を回避するためにも、「ロックオンによる名前とLVの確認」と「アイコンのチェック」を常に行い、フィールドを安全に歩き回りましょう。

ちなみに、敵の感知は「目」だけではありません。冒険を進めると、音に反応する敵なども登場するので、更に注意深く進んでください。視覚で感知する敵は視界に入らないようにし、音に反応する敵は静かに移動することで、戦闘を回避しやすくなります。


あと、仲間が襲われると加勢に加わる敵もいるので、そちらもご注意を。こちらも敵のアイコンで確認できるので、アイコンとロックオンのチェックはお忘れなく。

バトルの基本は、アーツのコンビネーションと位置取り

本作のバトルは、アーツのコンビネーションやモナドによる未来視など、数多くの要素で成り立っていますが、それぞれについて説明すると膨大な量になりますし、一度に言われてもなかなか理解しきれないでしょう。なので今回は、バトルにおける初歩的な心得について紹介します。

本作のバトルはリアルタイムで進行し、通常攻撃は自動的に行います(射程内ならば)。なので、プレイヤーが操作する範疇ではまず、「位置取り」と「アーツのタイミング」を意識しましょう。

いわゆるスキルに当たる「アーツ」は、回復から攻撃まで幅広く用意されています。また、攻撃の中にも、特定の条件を満たすと大ダメージを与えるものもあれば、敵の態勢に影響を与えるものなど、こちらも様々。一度に全部を理解するのは大変なので、「徐々に覚えていけばいい」くらいで考えておくのがお勧めです。

その上で、基本となるアーツのコンビネーションについて紹介します。攻撃系アーツの中には、「転倒状態の敵を気絶させる」といった効果を持つものがあります。ですが、気絶に繋がる転倒状態にするにはどうすればいいか。
それは、「崩し状態の時に転倒させる」効果を持つアーツがあるので、そちらを叩き込めばいいわけです。

そして崩し状態も、特定のアーツでその効果を与えることが可能。つまり、「崩し」→「転倒」→「気絶」の効果を持つアーツを、順番に繰り出せばOK。それぞれのアーツを持つ仲間と歩調を合わせる必要があるので、アーツはタイミングが重要、となるわけです。基本を押さえておけば、他の連携についても分かりやすくなるので、この流れをまずは把握しましょう。

また、アーツには位置関係によってダメージが増えたり、特別な効果を与えるものがあります。「スリットエッジ」で側面から攻撃すると「物理耐性減」の効果があり、「バックスラッシュ」や「パワースマッシュ」は背面から攻撃するとダメージが大きく上昇します。

そのため、バトルにおける「位置取り」も、戦闘を有利に運ぶ上で欠かせない要素。仲間
の「ライン」にヘイトを溜めてもらい、その隙に位置を合わせてアーツを放つ──というのが基本的な立ち回りとなります。

また、アーツの発動でバトルを開始することもできるので、こちらに気づいていない敵の後ろに周りこみ、「パワースマッシュ」で大ダメージを与えつつ戦闘開始、というのもひとつの手です。

<cms-pagelink data-text="何かと便利な「エリアマップ」と、状況によって使い分けたい「カメラ距離」を紹介" data-page="2" data-class="center"></cms-pagelink>

長距離の移動は「エリアマップ」で! 未踏破のチェックやクエストの進行先も確認できる

本作のフィールドはかなり広く、行き来の全てを徒歩(もしくは走り)で行うのは、相当時間がかかります。なので、「エリアマップ」から特定の場所に飛べる「スキップトラベル」(いわゆるファストトラベル)を活用しましょう。


未知の場所には行けませんが、一度訪れたランドマークにはいつでも移動することが可能。しかも所要時間も少なく、例えば「コロニー9」のエリア内移動の場合、かかる時間は1~2秒ほど。体感的にもストレスを感じません。また、隣接エリアの「テフラ洞窟」にスキップトラベルする場合も、ロード時間は10秒ほど。徒歩での移動とは段違いです。

さらに「エリアマップ」では、クエストの依頼主やショップの位置、育成要素にも関わるキズナトークの場所など、様々な情報を一目で確認することができます。まだ受けていないクエストを探したり、まだ足を踏み入れていない場所のチェックなどに使えるので、「エリアマップ」の活用も大いにお勧めします。

この「エリアマップ」にはYボタンで行けますが、そこでBボタンを押してもキャンセルではなく、「エリア一覧」に切り替わります。別のエリアに行く時は、こちらの画面に移動して選択。また、もう一度Bボタンを押すと、メイン画面に戻ります。マップ情報を確認して一発で戻りたい時は、BボタンではなくXボタンを押すと、「エリア一覧」を挟まずにメイン画面に戻れるので、ストレスを軽減できます。

ちなみに、Lスティックを押し込むと右上のミニマップが拡大表示されます。
周辺の状況を手早くチェックしたい時などにお勧めの機能です。しかも、拡大表示をしたまま移動できるのも逃せないポイント。用途に応じて、「エリアマップ」とミニマップの拡大表示を使い分けましょう。

なお、未知のマップを埋めるには実際に赴く必要がありますが、エリア全てのランドマークとロケーションを発見すると、エリアマップの全てがオープンされるので、隅々まで自力でマップを埋める必要はありません。覚えておくと、マップ埋めが少し楽になります。

あと移動については、「スキップトラベル」に加えて「オートラン」も併用したいところ。本当にフィールドが広大なので、ずっとスティックを倒して移動するのもなかなか大変。ですが「オートラン」を入れておけば自動でまっすぐ走ってくれるので、操作面の負担を大きく軽減してくれます。

横や真後ろにスティックを倒すと「オートラン」が切れるものの、前方向なら角度を変えても継続してくれるため、ちょっとしたカーブなどは多少の操作だけで曲がれます。長時間のプレイには欠かせないお供と言えるでしょう。

状況に合わせて、「カメラ距離」の変更もお勧め

3D系ゲームを遊ぶ上で、視点もかなり重要なポイントです。本作では、カメラの距離を任意で変更できるので、状況によって変更させるのもアリ。


カメラの距離を離せば、周囲の状況や地形を一目で把握しやすくなります。敵の位置も把握しやすくなりますし、ダイナミックな景色も堪能しやすいでしょう。

一方で、バトル中だと細かい動きを見落とすこともありますし、小型の敵だと背面や側面が分かりにくくなるので、ある程度ズームした方がいい場合もあります。

ちなみにカメラの距離を最も近くすると、操作キャラの姿が見えなくなり、主観的な視点に。臨場感を重視したい方や、プレイに刺激が欲しい人は、この視点を試してみるのもお勧めです。ただし、視点の高さが若干低めに感じられるので、その点にご注意ください。

<cms-pagelink data-text="ボリュームたっぷりの「クエスト」や、プレイ意欲をかきたてる要素にも迫る" data-page="3" data-class="center"></cms-pagelink>

報酬も美味しい「クエスト」は、様々な機能を使って賢く楽しもう

本作では、メインストーリーの進行とは別に、多彩なクエストも用意されています。「コロニー9」だけでもかなりの数のクエストがありますが、探索のついでにこなせるものもの多く、同時並行も可能なので、目に付くものは全て引き受けてなんら問題ありません。

クエストを成功させると報酬ももらえますし、仲間とのキズナも稼げると、いいことづくめ。納品系や討伐系のクエストの中には、アイテムが揃った瞬間にクリア扱いとなり、報告する手間がないものもあります。手間が少なくて済むのは嬉しいところです。

中には依頼人に報告する必要があるクエストも存在しますが、その場合はちょっとした人間関係が見えたりするので、それはそれで楽しい展開です。また、クエストを成功させると、各キャラの関係性を示す「キズナグラム」が埋まったりするので、やり甲斐もあります。

クエストの進行に悩んだ時は、「アクティブクエスト」に設定するのもひとつの手。行き先をナビゲートしてくれたり、現時点の時間では会えないことが分かったりするので、プレイを助けてくれます。

NPCの活動時間やどこにいるかを知りたい場合は、「キズナグラム」で確認可能。そして時間が合っていない時は、メニューの「時間設定」で時刻を変え、再度チャレンジしましょう。

ちなみにクエストを受け続けると、一覧がかなりの量になることも。そんな時は、Yボタンでカテゴリーを絞ってスッキリさせるのがお勧め。これでクエストをグッと探しやすくなります。

操作キャラを変え、好みの見た目にしてプレイ意欲を高めよう!

ゲームをプレイする上で、プレイ意欲の向上は重要なポイントでしょう。例えば、「操作キャラは可愛い子にしたい」「格好いい男性キャラで遊びたい」といった想いを抱く方もいるはず。そんな方は、パーティ編成でリーダーを切り替えましょう。

デフォルトでは、シュルクを操作するセッティングになっていますが、リーダーは任意で変更可能。リーダーが操作キャラとなるので、例えばフィオルンがいる時にリーダーを切り替えると、フィオルンを操作してフィールドの探索やバトルを楽しめます。

ちなみにキャラクターごとに向いている役割があるので、バトル中の立ち回りも変わり、新たな刺激を味わえるといったメリットも。プレイ意欲を向上させつつ、異なる楽しさを体験してみてください。

また、見た目もプレイ意欲を左右する大事な要素。本作は、装備を変更するとグラフィックにも反映され、様々な装いを見せてくれます。時には、あまり好みではない見た目になる場合もあり得ますが、性能のために見た目を犠牲にする必要はないのでご安心を。

というのも、戦闘に影響する実際の装備とは別に、見た目だけに反映される「ファッション装備」が用意されているのです。この「ファッション装備」を設定しておくと、見た目はそのビジュアルで固定され、装備をいくら付け替えても変わることはありません。

設定次第では、実際はゴテゴテの装備を身に付けているのに、見た目は水着の装い──というのも、もちろん可能です。好みの見た目を維持したまま、なんらデメリットなく一線級の装備を身に付けられるので、こだわり派の方は「ファッション装備」を設定しておきましょう。

「キズナトーク」は好みとカンで選んでもいい! 選ばなかった選択肢は「イベントシアター」でチェックを

条件を満たし、特定の場所で発生する「キズナトーク」。育成にも欠かせないキズナを上げる要素であると同時に、キャラクター同士のやりとりや内面などが窺えるため、物語的にも重要な役割を担っています。

この「キズナトーク」中には選択肢が発生し、何を選ぶかでキズナの上がり具合に差が出ることも。ちょっと味気ない方法ですが、完璧にやり遂げたい方は、「キズナトーク」開始前にセーブし、何度かやり直すのもひとつの手でしょう。

ですが、キズナはプレゼントやバトルなどでも上がるので、「キズナトーク」の成功にこだわりすぎる必要はありません。また、一度見た「キズナトーク」やイベントは、タイトル画面にある「イベントシアター」で振り返ることができます。

「イベントシアター」の「キズナトーク」は、選択肢がやり直せるだけでなく、見た目や時間帯、天候なども変更可能(一部例外はあります)。好みのシチュエーションで何度も繰り返せるので、本編中は直感に従って選び、失敗も含めて楽しむスタイルもお勧めです。

序盤の冒険において役立ちそうなポイントを紹介しましたが、バトルが手強いと思ったら「難易度」を変更したり、逆に歯ごたえを求めたい人には「上級者モード」があるなど、本作の楽しみ方はまだまだ広がりを持っています。

駆け足で遊んでもかなりのボリュームがあるので、焦らず少しずつ遊ぶのが吉。ジェムを揃えたり育成を進めていくと、時間はいくらあっても足りません。ですが、「アレもした、コレもやりたい」と翻弄されるひとときは、最も幸せな時間のひとつ。『ゼノブレイド ディフィニティブ・エディション』では、その幸せを存分に噛みしめることができるので、末永くお楽しみください。
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