Ninten島を訪れたプレイヤーは「むしろこれなら○○○さんの島のほうがすごいのでは!?」と思うかもしれません。しかし、私はこの地味に見えるところが逆にすごいと考えているのです。
◆地味に見えるけど計算してそうな島
Ninten島を訪れてすぐ気づくと思いますが、意外と家具が置かれていません。もちろんまったくないわけではないのですが、数は少なめ。本作ではとにかくモノを置くとそれっぽく見えるのですが、あえて意図的に避けているようです。
しかし、置き方はセンスを感じさせます。ちょっと座れる切株の近くではマシュマロが焼かれており、フルーツやドリンクも。ここで一休みしたらすごく気持ちよさそうですよね。
『どうぶつの森 ポケットキャンプ』を意識したエリアもあります。スマホ版をさりげなくアピールする公式らしい配置。
キャンプ場もシンプルな作りで意外な家具は置かれていませんが、広くてのんびりしていて見事なもの。
バーベキューもピザもいい香りがしそうです。
公園もシンプルですが、いかにも自然な感じで空間が広く保たれています。家具の数が少ないおかげで読み込み遅れが発生しませんし、自分の島との差が激しすぎてショックを受けることもなさそう。きちんとそこまで計算して作っているのならば、なかなかすごいですよね。
地味とはいえ、楽しい仕掛けがいろいろと用意されています。たとえば島の一角にはやたらとピンクで構成されている場所があります。
どういうことかと思いきや、北にはピーチ姫が出てくるびっくり箱が置いてあるのです。
島民代表のおうちは1部屋でシンプルですが、エクササイズに向いているコンセプトがはっきりとしたものに。『リングフィット アドベンチャー』の宣伝にもなる……のかも?
◆公式島に隠された技術
前述のように、Ninten島はあえて作り込んでいないように見せる技術が活用されています。たとえば島の北東部分は工事中なのですが、これもあえて未開拓の自然あふれる場所として作られています。
確かに雑草がボーボーなのですが、レアなキノコが生えていたり、ふつうにほったらかしにしていてばありえないような状況になっているのです。「自然に見える人工の自然」といったところでしょうか。
また、住民の家はそれぞれの個性が出る庭になっています。たとえば不死鳥のように赤く燃えるヒノコの家は、赤いバラとキャンドルで飾り付けされています。
先生のような格好をしているティーチャーの庭は、実験セットや万年筆が置かれています。典型的な先生という感じで笑ってしまいますよね。
住人の庭に繋がる道にも注目。角を削って細長い円形にしつつ、他の種類の道を差し込むことによって単調な印象をなくしています。
博物館の横にもいろいろと化石が飾ってありますが、これもなかなか雰囲気が出ますよね。やはり建物に関連したものを置くのは地味ですが非常に有効なテクニックです。
また、木の置き方も重要。規則的に並べるといかにも人工感が出てしまいますが、それを避けつつも置いてある家具を邪魔しないような並べ方になっているようです。
Ninten島はとてつもなく感激するような島ではありませんが、自然豊かな無人島でありつつもさりげない飾り付け技術でうまく魅せる場所になっています。ゴテゴテしない島を目指している人にはかなり参考になるかもしれません。
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