※リアルの生物の写真が出てきます。苦手な方はご注意ください!

先日、散歩中にクワガタを見つけました。
ノコギリクワガタというカッコいいやつです。毎年、ファーストクワガタオブジイヤーに遭遇するたびに、いよいよ今年も夏が来たなあと実感してしまいます。ところで『あつまれ どうぶつの森(以下、あつ森)』でも6月からついにファーストクワガタが登場しています。

<image src='https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1061483.jpg' class='inline-article-image' width='640' height='640' />「ニジイロクワガタ」です。ノコギリクワガタやオオクワガタ(ともに7月から出現)などに先んじての登場となります。ニジイロクワガタはオーストラリア北東部やパプアニューギニアに生息するクワガタムシです。最大の特徴は、その名のとおり虹色に輝くボディー!

<image src='https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1061484.jpg' class='inline-article-image' width='640' height='489' />といっても、七色のストライプ柄やまだら模様というわけではありません。眺める角度によってテラテラと色が変わって見える不思議な色彩なのです。これはタマムシやカナブン、モルフォ蝶の翅と同じ「構造色」というものです。

▲実物のニジイロクワガタなぜ虹色なの?ニジイロクワガタはオスもメスもともにギラッギラの虹色ボディーなのですが、なぜよりにもよってこんな体色に身を包んでいるのか、その理由に関しては諸説があります。まず、ひとつには彼らの生息地が熱帯地方であるため、強烈な日差しを反射することで体温の上昇を避けているとも言われます。あるいは、あまりにビッカビカな鏡面仕上げの体表には周囲の景色が映り込むので、かえって外敵である鳥などに見つかりにくいのでは&hellip;&hellip;なんて説も。




<image src='https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1061486.jpg' class='inline-article-image' width='640' height='507' />本当のところはニジイロクワガタのみぞ知る&hellip;のでしょうが、あれだけ派手なカラーリングなのだから何かしらの効果はあるのでしょうねえ。

▲お腹側までピカピカです。ペットとして人気ニジイロクワガタはそのクワガタの中でも突出して美しい容姿から、愛好家にたいへんな人気があります。ニジイロクワガタの主産地であるオーストラリアは自然保護に力を入れており、本種を含む野生生物の輸出が厳しく制限されています。しかし、今や日本のペットショップやホームセンターでさえ数千円ほどで本種が売られているのをよく見かけます。



<image src='https://www.inside-games.jp/imgs/zoom/1061487.jpg' class='inline-article-image' width='640' height='531' />ニジイロクワガタは飼育と繁殖が簡単であることから日本国内で盛んに養殖が行われ、この十数年で多数の飼育下繁殖個体が流通するようになったのです。また、ニジイロクワガタの雄には、ほかのクワガタに負けない立派なアゴが生えています。しかし、ギザギザもついていない上にはさむ力が極端に弱く、うっかり指をはさまれてもノーダメージだったりします。こうした点からも虫を触り慣れていないビギナーでも飼育しやすいクワガタだといえます。

▲指をはさまれても全然痛くないんです!ちなみに、オス同士でケンカする際は相手をはさむのではなく、束ねたアゴで相手を掬い投げるように戦います。&hellip;&hellip;とことんユニークなクワガタですよね。

『あつ森』博物誌バックナンバー

■著者紹介:平坂寛
Webメディアや書籍、TV等で生き物の魅力を語る生物ライター。
生き物を“五感で楽しむ”ことを信条に、国内・国外問わず様々な生物を捕獲・調査している。現在は「公益財団法人 黒潮生物研究所」の客員研究員として深海魚の研究にも取り組んでいる。著書に「食ったらヤバいいきもの(主婦と生活社)」「外来魚のレシピ(地人書館)」など。

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