年末年始のゲーム業界は、新作ソフトの登場が控えめな反面、様々なセールで各ストアが活気づいています。ニンテンドースイッチのダウンロードソフトも様々な作品がセール対象となり、お得価格で販売中です。
セール対象のラインナップには、『モンスターハンターライズ』や『OCTOPATH TRAVELER』、『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』に『ゼルダ無双 厄災の黙示録』といった大作も数多く並んでおり、セールを華やかに彩っています。こうした人気作は、セールでも注目を集めやすいもの。ですが、この他にも魅力的なソフトはいくらでもあります。
そこで今回は、筆者が実際にプレイした中で、このお得な機会にお勧めしたいタイトルをピックアップ。ニンテンドースイッチのセール対象から4本を厳正して、その内容や魅力をお届けします。
なお、こちらはニンテンドースイッチのセールに合わせた記事ですが、各タイトルはPS4やスマートフォン、PCなど別のプラットフォームにもリリースされている場合があります。そちらでは値引率が違っていたり、セールを行っていないケースがあるので、他のプラットフォームで購入する際は先にご確認をどうぞ。また、期間が過ぎるとセール価格では購入できなくなります。
■『天穂のサクナヒメ』3,286円(税込):1月5日23時59分まで
まず最初に紹介するのは、『天穂のサクナヒメ』です。世界累計出荷本数が100万本を突破するなど、本作も大ヒットを遂げた作品のひとつ。発売直後からSNSで話題が飛び交ったので、その名を聞いたことがある方も多いことでしょう。
本作が発売されたのは、2020年11月12日。
一方で、そうした声が目立ったため、ほかの点についてあまり認知されず、「名前は知ってるけど、遊んだことはない」といったゲームファンも少なくないように感じます。ですが本作の魅力は、決して米作りのみではありません。
横スクロールで展開するアクションは爽快感が高く、またサクナヒメの動きも多彩。見ていて気持ちいいだけでなく、戦略的に選べるアクションが多いため、狙ったように動けた時は爽快感も倍増。特に、移動と攻撃の両面にわたって活躍する「羽衣」は、本作のアクションをより魅力的なものへと高めてくれます。
また、キャラクターが魅力的で、物語にも引き込まれました。サクナヒメはいい加減で怠け物な神様として描かれ、また彼女と共に暮す人間たちも、頼りなかったり身勝手だったりといった短所が目に付きます。
ですが、幾度も訪れる危機や困難に立ち向かうたび、サクナヒメや人間たちが徐々に絆を育んでいき、次第に力を合わせていきます。また、それぞれの内面が描かれるにつれ、彼らの人間らしい一面にも惹かることが多々。
こだわりを感じる米作りの描写やゲーム性への落とし込みも魅力的ですが、羽衣による独自性が光る爽快アクション、個性的なキャラクター陣が紡ぐドラマなど、全体的な完成度も非常に高い『天穂のサクナヒメ』。名前を知っているだけでは勿体ないので、そのプレイ体験もぜひ味わってみてください。
ちなみに本作は、パッケージのBEST PRICE版が発売されており、こちらの価格は2,980円+税。価格的には、セール中のDL版とほぼ同額です。そのため、「絶対ダウンロード版がいい」と考えている方以外は、DL版とBEST PRICE版のどちらにするか、一考してみるのもお勧めです。
今回『天穂のサクナヒメ』を選んだ理由のひとつは、BEST PRICE版について少しでも広くお伝えしたかったためです。ストアのセールだけがお得とは限りませんので、今後も比較検討をお忘れなく!
■『レイジングループ』1,986円(税込):1月16日23時59分まで
仲間の中に、嘘をつく敵がいる──この過酷な状況を切り縫えるには、仲間同士の信頼が欠かせず、しかし仲間なのか潜んだ敵なのか疑うこともまた必須。信頼と疑惑、そして裏切りが交錯する「人狼ゲーム」は、コンピューターゲーム業界にも大きな影響を与え、その魅力を取り込んだ数多くの作品が登場しました。
この『レイジングループ』も、人狼ゲームをモチーフに選んだ作品のひとつ。過疎化が進む閉鎖的な村を人狼ゲームの舞台とし、奇妙な因習や民族伝承を交えた不気味な世界観を構築。そこに、個性豊かなキャラクター陣が綴る先が読めない展開を加え、没入感満点のADVへと仕上げています。
ジャンルの関係から、その魅力をネタバレなしで紹介するのは難しいのですが、物語の力強さについては太鼓判を押せます。
その面白さを直接証明するものではありませんが、『レイジングループ』は2015年にスマホ向けとしてリリースされたのが最初の一歩。その後、2017年1月にPS Vita版が登場し、PS4版、スイッチ版、PC版を数ヶ月ごとに展開しました。こうした広がりを持てたのは、ユーザーが下した評価の高さも無関係ではないでしょう。
また、個人的な話で恐縮ですが、プレイに没頭して朝を迎えてしまったこともしばしば。ストーリーが次々と展開するため目が離せないというのもありますが、何よりも物語に没頭してしまい、時間の感覚すら失っていたというのが正直な感想です。
そしてもうひとつ特筆したいのが、主人公・房石陽明の言動。もちろん作品によりますが、ADVゲームでは時折「なぜ、そこを見落とす?」「今の明らかにおかしいだろ」と、主人公の思考や行動に物足りなさを感じる場合があります。ですが陽明は、状況をロジカルに捉え、常に思考を十全に働かせます。
陽明の振る舞いや発言が状況を動かすことも多く、彼の行動がどんな結果に結びつくのか、先が気になることも立たあります。そのようなスペックの持ち主なので、主人公の判断や決断にイライラすることなないのも嬉しい点のひとつまた、主人公にありがちな“単なる善人”ではないのも、ポイント高めです。
強いて注意点を上げるとすれば、人狼を突き止める要素はゲーム性に含まれておらず、物語が進むと必然的に判明します。
■『DUNGEON ENCOUNTERS』2,816円(税込):1月7日23時59分まで
『ファイナルファンタジー』シリーズなど、多くの作品で高品質なグラフィックを追求してきたスクウェア・エニックス。そんな同社から、ビジュアル表現を極力抑えた異色のダンジョンRPG『DUNGEON ENCOUNTERS』が、今年の10月に登場しました。
本作のシンプルさはビジュアル面だけでなく、ストーリーや演出も最小限。物語らしいものは皆無と言っていい程で、ダンジョンに挑む目的と各キャラクターの動機などが僅かにある程度。キャラ同士の会話劇もなく、物語上の劇的な展開も存在しません。
では、本作が退屈な作品かと言えば、全くの正反対です。ダンジョン探索における驚きや喜び、そして恐怖と焦りの全てが、ゲーム性の中に詰め込まれているのです。
計算できるダメージとランダムダメージの組み合わせ、そしてアクティブ・タイム・バトルによる不確定要素で、戦うたびに思考を巡らせるバトルシーンを提供。待ち受ける多彩なギミックを、発見したアビリティで乗り越えていく快感。苦戦を打開してくれる武具のドロップによる歓喜。
危険に足を踏み込みすぎると、あっさり全滅したり、パーティの続投が不可能になる場合もしばしば。普通のゲームならありそうな救済要素なども『DUNGEON ENCOUNTERS』にはなく、地味に取り返すしかありません。とはいえ、アビリティを駆使すればやり直しが利く場面がほとんどなので、挑戦するのもまた一興です。
またゲームの中盤以降は、プレイヤーの閃きと意思次第で、これまでの迷宮探索とは一変した進行も可能になります。かなり大胆な変化ですが、これは裏技やチートでは決してなく、れっきとした正道の一つなのでご安心を。その道を選ぶかどうかも、プレイヤーの手に委ねられています。
『DUNGEON ENCOUNTERS』だからこそ味わえる豪快なゲーム進行は、危険と報酬が隣り合わせの迷宮探索をまさに体現していると表現そても過言ではありません。リリースから日が浅いため値引率もやや低めですが、公開されているPVを見てピンと来た方ならば、本作を十二分に楽しめることでしょう。
■『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』2,046円(税込):1月6日2時59分まで
この『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』(以下、ENDER LILIES)は、今年の6月に発売されたばかりの作品で、メトロイドヴァニア好きを中心に高い評価を博した一作。本作について発売当時も取り上げましたが、より多くの方に知ってもらいたく、今回改めて取り上げさせていただきます。
『ENDER LILIES』は、探索や豊富なアクション、成長や発見に伴う利便性の向上など、メトロイドヴァニアに求められる魅力の数々をしっかりと踏襲。
その上で特筆したいのは、少女が出会う儚い物語の数々。主人公の少女が目覚め、不死の騎士が手助けをすることで本作の幕が上がりますが、彼女たちが探索する場所は既に崩壊を迎えた後の地。出会う相手も死者(穢者)ばかりで、全てが終わった後なのだと実感させられます。
こうした状況下で、生前の彼らの足跡を覗き、世界の断片を集めていく──そんな儚さを伴う追憶が、本作で待ち受ける真実に近づく鍵となり、確かなゲーム性に鮮やかな彩りを添えてくれるのです。
また、多くの物事や命が過ぎ去った世界ですが、まだこれから紡がれる物語もゼロではありません。それは、少女の未来。残されていた彼女の未来を守り、繋げることができるか否かは、プレイヤーである貴方の腕にかかっています。
多くのものが過ぎ去り、儚さが支配する世界の中で、少女の明日を紡ぐ旅路を描く『ENDER LILIES』。この年末に、少女を守る不死の騎士になってみるのも一興でしょう。
ちなみに、高い難易度の作品も多いメトロイドヴァニアですが、本作の難易度は標準的か、少し高め程度。もちろん気を抜くとやられますし、非常に手強いボスもいますが、『Hollow Knight』などの作品と比べるとクリアしやすいので、メトロイドヴァニア未経験の方にも『ENDER LILIES』はお勧めです。
今回のセールにおける本作の割引率はそれほど高くありませんが、これだけ楽しめる作品が2,046円で手に入るのは破格とも言えます。この冬、新たな一作を探している方は、『ENDER LILIES』もご検討ください。
セール対象のラインナップには、『モンスターハンターライズ』や『OCTOPATH TRAVELER』、『FINAL FANTASY XII THE ZODIAC AGE』に『ゼルダ無双 厄災の黙示録』といった大作も数多く並んでおり、セールを華やかに彩っています。こうした人気作は、セールでも注目を集めやすいもの。ですが、この他にも魅力的なソフトはいくらでもあります。
そこで今回は、筆者が実際にプレイした中で、このお得な機会にお勧めしたいタイトルをピックアップ。ニンテンドースイッチのセール対象から4本を厳正して、その内容や魅力をお届けします。
なお、こちらはニンテンドースイッチのセールに合わせた記事ですが、各タイトルはPS4やスマートフォン、PCなど別のプラットフォームにもリリースされている場合があります。そちらでは値引率が違っていたり、セールを行っていないケースがあるので、他のプラットフォームで購入する際は先にご確認をどうぞ。また、期間が過ぎるとセール価格では購入できなくなります。
■『天穂のサクナヒメ』3,286円(税込):1月5日23時59分まで
まず最初に紹介するのは、『天穂のサクナヒメ』です。世界累計出荷本数が100万本を突破するなど、本作も大ヒットを遂げた作品のひとつ。発売直後からSNSで話題が飛び交ったので、その名を聞いたことがある方も多いことでしょう。
本作が発売されたのは、2020年11月12日。
奇しくも、最新のゲームハード「プレイステーション 5」の発売と同日でした。新ハードの発売日は、その話でもちきりになるものですが、この『天穂のサクナヒメ』はPS5の話題性に負けることなく、SNSなどでその存在感を示しました。特に、主人公・サクナヒメの育成要素でもある「米作り」へのこだわりぶりが、大きな反響を呼ぶ形に。
一方で、そうした声が目立ったため、ほかの点についてあまり認知されず、「名前は知ってるけど、遊んだことはない」といったゲームファンも少なくないように感じます。ですが本作の魅力は、決して米作りのみではありません。
横スクロールで展開するアクションは爽快感が高く、またサクナヒメの動きも多彩。見ていて気持ちいいだけでなく、戦略的に選べるアクションが多いため、狙ったように動けた時は爽快感も倍増。特に、移動と攻撃の両面にわたって活躍する「羽衣」は、本作のアクションをより魅力的なものへと高めてくれます。
また、キャラクターが魅力的で、物語にも引き込まれました。サクナヒメはいい加減で怠け物な神様として描かれ、また彼女と共に暮す人間たちも、頼りなかったり身勝手だったりといった短所が目に付きます。
ですが、幾度も訪れる危機や困難に立ち向かうたび、サクナヒメや人間たちが徐々に絆を育んでいき、次第に力を合わせていきます。また、それぞれの内面が描かれるにつれ、彼らの人間らしい一面にも惹かることが多々。
こだわりを感じる米作りの描写やゲーム性への落とし込みも魅力的ですが、羽衣による独自性が光る爽快アクション、個性的なキャラクター陣が紡ぐドラマなど、全体的な完成度も非常に高い『天穂のサクナヒメ』。名前を知っているだけでは勿体ないので、そのプレイ体験もぜひ味わってみてください。
ちなみに本作は、パッケージのBEST PRICE版が発売されており、こちらの価格は2,980円+税。価格的には、セール中のDL版とほぼ同額です。そのため、「絶対ダウンロード版がいい」と考えている方以外は、DL版とBEST PRICE版のどちらにするか、一考してみるのもお勧めです。
今回『天穂のサクナヒメ』を選んだ理由のひとつは、BEST PRICE版について少しでも広くお伝えしたかったためです。ストアのセールだけがお得とは限りませんので、今後も比較検討をお忘れなく!
■『レイジングループ』1,986円(税込):1月16日23時59分まで
仲間の中に、嘘をつく敵がいる──この過酷な状況を切り縫えるには、仲間同士の信頼が欠かせず、しかし仲間なのか潜んだ敵なのか疑うこともまた必須。信頼と疑惑、そして裏切りが交錯する「人狼ゲーム」は、コンピューターゲーム業界にも大きな影響を与え、その魅力を取り込んだ数多くの作品が登場しました。
この『レイジングループ』も、人狼ゲームをモチーフに選んだ作品のひとつ。過疎化が進む閉鎖的な村を人狼ゲームの舞台とし、奇妙な因習や民族伝承を交えた不気味な世界観を構築。そこに、個性豊かなキャラクター陣が綴る先が読めない展開を加え、没入感満点のADVへと仕上げています。
ジャンルの関係から、その魅力をネタバレなしで紹介するのは難しいのですが、物語の力強さについては太鼓判を押せます。
ストーリーは、面白さ以前に好みに合う・合わないがあるので、(あらゆるゲームに通じる話ですが)万人が楽しめるとは言えないものの、多くのユーザーを引き込む力があるのもまた事実。
その面白さを直接証明するものではありませんが、『レイジングループ』は2015年にスマホ向けとしてリリースされたのが最初の一歩。その後、2017年1月にPS Vita版が登場し、PS4版、スイッチ版、PC版を数ヶ月ごとに展開しました。こうした広がりを持てたのは、ユーザーが下した評価の高さも無関係ではないでしょう。
また、個人的な話で恐縮ですが、プレイに没頭して朝を迎えてしまったこともしばしば。ストーリーが次々と展開するため目が離せないというのもありますが、何よりも物語に没頭してしまい、時間の感覚すら失っていたというのが正直な感想です。
そしてもうひとつ特筆したいのが、主人公・房石陽明の言動。もちろん作品によりますが、ADVゲームでは時折「なぜ、そこを見落とす?」「今の明らかにおかしいだろ」と、主人公の思考や行動に物足りなさを感じる場合があります。ですが陽明は、状況をロジカルに捉え、常に思考を十全に働かせます。
陽明の振る舞いや発言が状況を動かすことも多く、彼の行動がどんな結果に結びつくのか、先が気になることも立たあります。そのようなスペックの持ち主なので、主人公の判断や決断にイライラすることなないのも嬉しい点のひとつまた、主人公にありがちな“単なる善人”ではないのも、ポイント高めです。
強いて注意点を上げるとすれば、人狼を突き止める要素はゲーム性に含まれておらず、物語が進むと必然的に判明します。
この点を“ゲームとして”楽しみたい方は、他の作品を選んだ方がいいかもしれません。とはいえ、本作が魅力的なのは間違いないので、悩む場合はまず体験版を遊んでみてはいかがでしょうか。
■『DUNGEON ENCOUNTERS』2,816円(税込):1月7日23時59分まで
『ファイナルファンタジー』シリーズなど、多くの作品で高品質なグラフィックを追求してきたスクウェア・エニックス。そんな同社から、ビジュアル表現を極力抑えた異色のダンジョンRPG『DUNGEON ENCOUNTERS』が、今年の10月に登場しました。
本作のシンプルさはビジュアル面だけでなく、ストーリーや演出も最小限。物語らしいものは皆無と言っていい程で、ダンジョンに挑む目的と各キャラクターの動機などが僅かにある程度。キャラ同士の会話劇もなく、物語上の劇的な展開も存在しません。
では、本作が退屈な作品かと言えば、全くの正反対です。ダンジョン探索における驚きや喜び、そして恐怖と焦りの全てが、ゲーム性の中に詰め込まれているのです。
計算できるダメージとランダムダメージの組み合わせ、そしてアクティブ・タイム・バトルによる不確定要素で、戦うたびに思考を巡らせるバトルシーンを提供。待ち受ける多彩なギミックを、発見したアビリティで乗り越えていく快感。苦戦を打開してくれる武具のドロップによる歓喜。
フロア踏破に伴うボーナスなど、シンプルだからこそ力強く込められた要素の数々が、迷宮探索による濃密なプレイ体験を約束してくれます。
危険に足を踏み込みすぎると、あっさり全滅したり、パーティの続投が不可能になる場合もしばしば。普通のゲームならありそうな救済要素なども『DUNGEON ENCOUNTERS』にはなく、地味に取り返すしかありません。とはいえ、アビリティを駆使すればやり直しが利く場面がほとんどなので、挑戦するのもまた一興です。
またゲームの中盤以降は、プレイヤーの閃きと意思次第で、これまでの迷宮探索とは一変した進行も可能になります。かなり大胆な変化ですが、これは裏技やチートでは決してなく、れっきとした正道の一つなのでご安心を。その道を選ぶかどうかも、プレイヤーの手に委ねられています。
『DUNGEON ENCOUNTERS』だからこそ味わえる豪快なゲーム進行は、危険と報酬が隣り合わせの迷宮探索をまさに体現していると表現そても過言ではありません。リリースから日が浅いため値引率もやや低めですが、公開されているPVを見てピンと来た方ならば、本作を十二分に楽しめることでしょう。
■『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』2,046円(税込):1月6日2時59分まで
この『ENDER LILIES: Quietus of the Knights』(以下、ENDER LILIES)は、今年の6月に発売されたばかりの作品で、メトロイドヴァニア好きを中心に高い評価を博した一作。本作について発売当時も取り上げましたが、より多くの方に知ってもらいたく、今回改めて取り上げさせていただきます。
『ENDER LILIES』は、探索や豊富なアクション、成長や発見に伴う利便性の向上など、メトロイドヴァニアに求められる魅力の数々をしっかりと踏襲。
筆者の主観になりますが、このジャンルのファンならば、ほぼ全員が楽しめるのでは……と思ってしまうほど、全体的な完成度がハイレベルでまとまっています。
その上で特筆したいのは、少女が出会う儚い物語の数々。主人公の少女が目覚め、不死の騎士が手助けをすることで本作の幕が上がりますが、彼女たちが探索する場所は既に崩壊を迎えた後の地。出会う相手も死者(穢者)ばかりで、全てが終わった後なのだと実感させられます。
こうした状況下で、生前の彼らの足跡を覗き、世界の断片を集めていく──そんな儚さを伴う追憶が、本作で待ち受ける真実に近づく鍵となり、確かなゲーム性に鮮やかな彩りを添えてくれるのです。
また、多くの物事や命が過ぎ去った世界ですが、まだこれから紡がれる物語もゼロではありません。それは、少女の未来。残されていた彼女の未来を守り、繋げることができるか否かは、プレイヤーである貴方の腕にかかっています。
多くのものが過ぎ去り、儚さが支配する世界の中で、少女の明日を紡ぐ旅路を描く『ENDER LILIES』。この年末に、少女を守る不死の騎士になってみるのも一興でしょう。
ちなみに、高い難易度の作品も多いメトロイドヴァニアですが、本作の難易度は標準的か、少し高め程度。もちろん気を抜くとやられますし、非常に手強いボスもいますが、『Hollow Knight』などの作品と比べるとクリアしやすいので、メトロイドヴァニア未経験の方にも『ENDER LILIES』はお勧めです。
今回のセールにおける本作の割引率はそれほど高くありませんが、これだけ楽しめる作品が2,046円で手に入るのは破格とも言えます。この冬、新たな一作を探している方は、『ENDER LILIES』もご検討ください。
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