「ALGS」で繰り広げられたドラマチックな試合
「ALGS」は世界中の猛者たちが集結し、『Apex Legends』の世界最高峰チームを決定する大会。プロリーグでは各地域の上位40チームがリーグ戦を行い、その後プレイオフとして上位20チームが激戦を繰り広げました。
日本は「APAC North地域」(北アジア太平洋)に含まれており、今回のプレイオフにも数多くのプレイヤーが参戦。“魔王”の異名を持つRas選手率いる「Crazy Raccoon」(CR)などの有名チームもひしめく中、最終的にチャンピオンに輝いたのが「Riddle Order」です。
「Riddle Order」は韓国出身のプレイヤーで構成されており、そのメンバーはKaronPe選手・Parkha選手・obly選手。ちなみに同チームのオーナーを務めているのは、人気ストリーマーのボドカさんです。
「Riddle Order」メンバーたちの歩み
元々3人は、韓国に拠点を置く強豪プロゲーミングチーム「T1」に所属していたメンバーたち。以前から「APAC North地域」の大会に出場しており、その中で度々優勝を果たすなど、無類の強さを誇っていました。
昨年10月には、まったく同じメンバーとして日本チームの「Riddle Order」に移籍。以降も変わらぬ実力を発揮し続け、“最強”の座を勝ち取ることに。彼らの強さの源となっているのは、その連携力の高さだと言われています。
というのも3人は、「T1」時代にゲーミングハウスで共同生活を送りながら、1日12時間の練習をほぼ毎日行っていたのだそう。競技シーンではスキルの高いプレイヤーが揃っているため、個人技だけではどうしても勝てない部分があります。だからこそ、連携力が飛びぬけているチームに勝利の女神が微笑むのでしょう。
メンバーたちのプレイスタイルや長所
「Riddle Order」メンバーは連携力に秀でていますが、もちろんそれは個人技の高さに裏打ちされています。それぞれどんなプレイスタイルなのか、詳しく見ていきましょう。
まずParkha選手は、試合中にチーム全体の行動を指揮する司令塔的存在。『Apex』はバトロワというジャンルの性質上、運要素が大きく絡んできますが、「Riddle Order」は彼の巧みな指示によって安定した成績を維持しています。
なお、かつてはKaronPe選手と共に「Wyvern」というチームで活動していたことも。この時は現「CR」所属のSelly選手がチームメイトで、2019年に開催された世界大会「Apex Legends Preseason Invitational」にて3位という好成績を収めていました。
KaronPe選手は、チーム内で最も対面が強いと言われるプレイヤー。さらに仲間からは“先生”と呼ばれるほどの知識量を誇り、どんなレジェンドも使いこなせるそう。今回のプレイオフでは第9マッチまでヴァルキリーを使用していたのですが、優勝が決まった第10マッチではコースティックにロールチェンジし、解説陣を驚かせていました。
その一方、実は大会期間中に脱退の危機に陥っていたKaronPe選手。その理由は精神的ストレスにあり、練習や大会に集中できず、一時は代わりの選手が入ることも。しかし、苦難を乗り越えてメンバーに復帰すると、見事チームの優勝に貢献していました。
そしてobly選手は、アジアナンバーワンのエイム能力を持つプレイヤーとして知られています。猛者がひしめく大会で3,000ダメージを叩き出すことも珍しくなく、その実力は敵ながらSelly選手も認めるところ。
ちなみにobly選手とSelly選手にはちょっとした縁がある様子。というのも、元々Selly選手の後釜としてチームメンバーに選ばれた経緯があるのです。“アジア最強プレイヤー”の穴を埋めるという使命感から、想像を絶するプレッシャーがのしかかっていたに違いありません。
しかし結果を見てみれば、obly選手はその役割を十分果たしていると言えるでしょう。むしろ今では、「APAC North地域」でSelly選手と肩を並べるトッププレイヤーの1人として、名を轟かせています。
なお、2月26日からは「ALGS」の「Split 2」が開催予定。「Riddle Order」が快進撃を続けるのか、あるいは他のチームが台頭してくるのか…。