コナミデジタルエンタテインメントが1月19日にリリースした、PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S/Steam/ニンテンドースイッチ/スマートフォン向け『遊戯王 マスターデュエル』。本記事では同作だけでなく『遊戯王 デュエルリンクス』「遊戯王 OCG」でも人気を集める「ウィッチクラフト」を解説していきます。


「ウィッチクラフト」は、その名の通り魔女や工房を連想させるデッキ。可愛らしい魔女やゴーレムなどが並んだカード群とあって、性能だけでなくイラストも非常に魅力的と言えます。

その証拠に「遊戯王 OCG SECRET SHINY BOX」にも「閃刀姫」「魔妖」と並び採用。本ボックスでは新規カードに加え、公式カードスリーブ(カードプロテクター)や「ウィッチクラフトマスター・ヴェール」のアクリルスタンドなどが封入されました。

そこで今回は『遊戯王 マスターデュエル』において「ウィッチクラフト」テーマがどのようなものか、復帰勢や新しく「遊戯王」を始めた方のため、ざっくり説明していきたいと思います。

◆魔法カードの使い道が超大事! 上手く使えば完封も可能?
●そもそも「ウィッチクラフト」ってどんなデッキ?
「ウィッチクラフト」はその名の通り、魔法使い族で統一されたテーマ。魔法カードを中心としたデッキです。ひとつの特徴として「ウィッチクラフト」魔法カードは墓地からの回収が可能ということなどが挙げられます。

また、エースモンスター「ヴェール」「アルル」などは、モンスター効果を防いだり手札誘発からのバウンスを撃てたりと強力な効果がずらり。「魔法カードを捨てる」というコスト込みで、魔法を駆使したデッキと言えるでしょう。

現時点では「ウィッチクラフト」EXモンスターカードなどが存在していない、かつ必須URの枚数が少ないとあって、お手軽に構築できるテーマとなっています。

●「完璧な手札だ!」事故が少なくなるサーチ性能を持つモンスター・墓地回収を行う魔法カード
「ウィッチクラフト・シュミッタ」
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手のメインフェイズに、このカードをリリースし、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキから「ウィッチクラフト・シュミッタ」以外の「ウィッチクラフト」モンスター1体を特殊召喚する。(2):墓地のこのカードを除外して発動できる。デッキから「ウィッチクラフト・シュミッタ」以外の「ウィッチクラフト」カード1枚を墓地へ送る。

「ウィッチクラフト」下級モンスターの共通効果は(1)にある「お互いのメインフェイズに、モンスターカードと魔法カードを捨て、デッキから同名カード以外の「ウィッチクラフト」モンスター1体を特殊召喚する」というもの。1枚でもモンスターを場に出せれば、デッキからサーチする形で好きな上級モンスターを特殊召喚させることができます。

この効果を踏まえて上級モンスターの採用数、魔法カードとモンスターカードの比率のバランスをとれば、手札事故の可能性が減ると言えます。下級モンスターから「ヴェール」などといった上級モンスターに繋げていきましょう。

「ウィッチクラフト・サボタージュ」
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。(1):自分の墓地の「ウィッチクラフト」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。(2):このカードが墓地に存在し、自分フィールドに「ウィッチクラフト」モンスターが存在する場合、自分エンドフェイズに発動できる。
このカードを手札に加える。

「ウィッチクラフト」魔法カードの共通効果は(2)。「墓地に存在し、自分フィールドに「ウィッチクラフト」モンスターがいる場合、自分エンドフェイズに同カードを手札に加える。」というもの。(1)の効果は各々違い、たとえば「ウィッチクラフト・サボタージュ」では、「墓地の「ウィッチクラフト」モンスターの蘇生」などになります。

ここで注意しなくてはならないのが、「(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。」の文。「ウィッチクラフト」は魔法カードを捨てることで効果を発動するモンスターが多く、手札に魔法カードがないと動けないなんて事態もしばしば。「自エンドフェイズに魔法カードが戻ってくる」効果は捨てがたく、固有能力を使うかどうか判断を迫られます。

そのターンで勝負を決めるか、相手ターンを見越して効果を発動させないで手札に戻す(残す)か、魔法カードの使用タイミングが問われるデッキでしょう。

◆バウンス・効果モンスター無効と搦手に長けた上級モンスター
●効果モンスターを封じて“わからせ”てやれ!?「ウィッチクラフトマスター・ヴェール」
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):自分の魔法使い族モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージ計算時に発動できる。手札からカード名が異なる魔法カードを任意の数だけ相手に見せ、その自分のモンスターの攻撃力・守備力はターン終了時まで、見せた数×1000アップする。(2):手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。
相手フィールドの全ての表側表示モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。この効果は相手ターンでも発動できる。

魔法カードを1枚捨てることで相手フィールドのモンスター効果を無効にしてしまう、おそるべきウィッチクラフトたちの“マスター”、ヴェール。「ウィッチクラフト」カードのイラストに小生意気な笑顔で登場していたり、はたまたサボっていたりと印象に残りやすい彼女ですが、「マスター」と書かれているだけあってやることはしっかりやってくれます。ちなみに『デュエルリンクス』では彼女を用いた「メスガキ粉砕機」というデッキでLPを削る戦法が流行した様子。

魔法カードを捨てるコストは他テーマなら大きいですが、「ウィッチクラフト」魔法カードは前述の通り、自エンドフェイズに手札へ帰ってくるのがありがたいところ。とはいえ帰ってくるタイミングは遅めなので、どのカードを捨てるべきかは考える必要があります。

●他の「魔法使い」デッキに出張も? 手札誘発・バウンス持ちの「ウィッチクラフトゴーレム・アルル」

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):このカードが手札に存在し、自分フィールドの魔法使い族モンスターが相手の効果の対象になった時、または相手モンスターの攻撃対象に選択された時、相手フィールドのカード1枚または自分の墓地の「ウィッチクラフト」魔法カード1枚を対象として発動できる。このカードを特殊召喚し、そのカードを持ち主の手札に戻す。(2):相手スタンバイフェイズに発動する。このカードを持ち主の手札に戻す。


「ウィッチクラフト」テーマのURがこちら、「ウィッチクラフトゴーレム・アルル」になります。相手が自分の魔法使い族を対象とした効果を発動した時、手札誘発で特殊召喚可能なモンスター。効果無効こそありませんが、相手フィールドのカードをバウンス(手札に戻す)できるのが強烈です。

「遊戯王」における“バウンス”は、EXデッキから出てきたモンスターに当てると手札ではなくEXデッキに戻すことができるため、除外よりも厄介な代物。相手が召喚のためにコストをかけた強モンスターをEXデッキに戻していきましょう。

また、「ウィッチクラフトゴーレム・アルル」は「ウィッチクラフト」テーマじゃなくても魔法使い族を中心としたデッキならば活躍できる効果となっており、他テーマに採用する余地も充分にあります。

◆「ウィッチクラフト」テーマ、EXデッキをどう使う?
現在、「ウィッチクラフト」テーマにはEXデッキに入る融合モンスター・リンクモンスターなどが存在しません。ですのでEXデッキを裏側除外する前提で「強欲で金満な壺」を採用しドローを稼ぐ、あるいは「召喚師アレイスター」などを採用し「召喚獣メルカバー」に繋げていくなど、自由度が高くなっています。

また、『遊戯王 マスターデュエル』には未実装ですが、「SECRET SHINY BOX」にて「ウィッチクラフト」融合モンスター「ウィッチクラフト・バイスマスター」なども登場していますので、『マスターデュエル』においても将来的には融合を絡めたデッキになっていくかもしれません。

「魔法カードを捨てる」効果で、従来の魔法カードをさらに柔軟に使える「ウィッチクラフト」。相手の出方をコントロールしつつ、盤面を展開させていきましょう。その特性から魔法カードの使用タイミングなどがややシビアになりますが、上手く使いこなせれば「ウィッチクラフトマスター・ヴェール」のようにドヤ顔ができるテーマになっています。
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