ゲーム開始直後にチュートリアルを挟むゲームは多いものの、その扱いは作品によって様々。本編とは切り離された形で案内する場合も少なくありませんが、『Horizon Forbidden West』のチュートリアルは本編の一部にしっかりと組み込まれていました。
操作の方法や本作のシステムをひとつずつ学ぶ構成から、チュートリアル部分はオープンワールドではなく、限られたエリアを冒険する形になっています。ですが、前作と本編を繋ぐ役割を果たしていたり、チュートリアル終盤にはダイナミックな展開や強敵との戦いが待ち受けていたりと、ここだけ抜き出してもひとつの冒険として成り立っているほどです。
本編もボリュームたっぷりの『Horizon Forbidden West』ですが、その片鱗は既にチュートリアルにあり。このチュートリアルにおける濃密な内容や、プレイ時間から測ったボリュームなどを今回紹介します。なお、ネタバレを防ぐため、前作や本編と直接絡む部分の物語については触れませんのでご安心ください。
■シチュエーションに即した説明と実践を通して、自然に操作を学べる優れたチュートリアル
『Horizon Forbidden West』を開始するとまず、前作で起きた出来事や、この世界が直面している危機などが語られます。詳細については省きますが、滅亡の危機を回避すべく主人公のアーロイが各地を放浪した末、ある先史文明の遺跡に辿り着いたところでチュートリアルが幕開け。前作にも登場したヴァールと合流し、遺跡の探索に向かいます。
その1歩目は、体力回復の基本となる「薬草」集めからスタート。後々回復薬なども手に入りますが、フィールドの至る場所で自生している=すぐに補充しやすい薬草は、プレイ全般に渡って頼りになる存在。
続いては、高所から低所に向けた移動。しかも、張られたワイヤーを使う「ジップライン」と、高台から眼下の水面に飛び込む「スワンダイブ」の2通りが選択できます。目的を達するための手段は、自由に選んでいい──オープンワールドの醍醐味と魅力を、早速体感させてくれる憎い演出とも言えるでしょう。
そこから先に進むと下り坂と階段があり、その終点に広場が待ち構えています。そこには矢で射抜かれた機械獣の残骸と、それに群がっていた「グリントホーク」の姿が。幸いここで戦闘は起こりませんが、“この先は危険だ”と明示すると共に、主武器の弓に必要な「矢」の作成手段を学びます。
また、直後に弓矢を使ったギミックの攻略が提示され、「ギミック攻略による探索」「弓矢の撃ち方」など、関連性の高い操作を連続で学べるところもポイント高し。
その先はやや拓けており、ここで軽く探索などができます。薬草はもちろん、朽ちた車から物資が手に入ったりと、オープンワールド好きなら早速あれこれ動き回ってみたくなる場所です。
探索を終えて移動を再開すると、機械獣との初戦闘に。まだ敵には気付かれていないので、背の高い草に身を隠しながら先制攻撃を仕掛けられます。
ですが、戦う前にまず、フォーカスでスキャンするように促されます。このスキャンは、敵の弱点や剥がせるパーツなど、重要な情報をまとめてチェックできる便利な機能です。ちなみにスキャンは戦闘だけでなく、アイテムの発見やギミック攻略にも役立つので、「何かあったらフォーカス」を習慣付けておくのがお勧めです。
ヴァールの手助けもあるので、先制を取って弱点を狙い撃てば、戦闘自体は難なく終わります。すぐさま2体目の敵も出ますが、こちらも同じように対処すればクリア。
この後も、ギミックの対処、狭い場所をしゃがんで通り抜ける、ドアをこじ開けて進むといった流れを経て、ある野営地に到着。どうやら機械獣に襲われたらしく、すでに壊滅しています。
その影響で先に進む道が塞がれていますが、本作で初登場する新たな道具「プルキャスター」をここで作成し、状況を打開。本作にはこの他にも、探索に欠かせない道具が様々登場しますが、チュートリアル内でそのひとつを早速お披露目しました。
瓦礫を駆除しただけでなく、決まったポイントに引っかけてアーロイの身体を引き上げることもできるプルキャスター。そうした用途を実際に学びつつ、探索はまだまだ続きます。
■終盤は、チュートリアルとは思えない“ダイナミックな展開“と“巨大ボス”が彩る!
ここからは、敵と遭遇する頻度も上昇。いわゆるスニークキルに当たる「サイレントストライク」で仕留めたり、事前に罠作りをアドバイスされた上で、直後に実践して敵の撃破に挑むなど、本作の戦闘に使える多彩な戦術をひとつずつレクチャーしてくれます。
さらに道中では、新たな武器「ブラストスリング」を獲得。弓矢と軌道が変わり、放物線を描いて飛ぶ武器です。ちなみに、ここで手に入ったのは氷のブラストスリング。その名からも察しがつく通り、敵を氷結状態にできます。
氷結状態になった敵は衝撃ダメージに弱くなるので、今使える弓矢との相性もバッチリ。もちろん、この新武器を試せるチャンスもすぐに訪れ、至れり尽くせりです。
また、複数の敵との戦いや、遮蔽の奥にいる敵をフォーカスで見つけるといった、本作でたびたび出会うシチュエーションも一足先に体験。今後役に立つ戦闘の基本が自然と、そして着実に身に付いていきます。
こうして今回の目的地へと近づきますが、その手前には複数の大型機械獣の姿が。さすがに大物との乱戦は、チュートリアルでなくとも気が重い戦いです。
なんと、先史文明の残骸であるシャトルを固定していたワイヤーを外し、その巨大な質量をぶつけるというものでした。より大きな質量でなぎ倒すという、実にダイナミックな解決法。チュートリアルと思えないほど、クライマックス感溢れる展開です。
ちなみに、その過程は今回省きましたが、それまでに機械獣との戦闘やフォーカスを駆使する探索なども挟んでおり、アーロイが相応の苦労を払ったことも追記しておきます。
また、固定ワイヤーを外しただけで全ての脅威が去ったわけではありません。倒し損ねた1体の巨大な機械獣との一騎打ちが、ここから始まります。
正直な感想を言えば、その圧倒的な巨躯を初めて見た時は「これチュートリアルで戦う敵じゃないだろ!?」と思ったものです。実際、操作や立ち回りに慣れていないと、ここで何度かやられてもおかしくありません。
ですが、氷に弱いといった弱点がスキャンで分かりますし、氷のブラストスリングを何度か当てれば問題なく氷結状態に持ち込めます。動きもガクっと鈍くなるため、ここが一気に攻め込むチャンス!
ここまで学んだ知識があれば、この強敵も十分撃破可能。とはいえ、その口だけでもアーロイの身の丈ほどあり、これだけ大きな機械獣を倒した事実をにわかに信じられない方も少なくないでしょう。
こうして劇的な戦いが終わった後、アーロイたちは無事に目的地へとたどり着き、ひとつの結果を目にします。
その後の展開は省略しますが、懐かしい相手との再会あり、アーロイの新たな旅立ちありと、記憶に残る出来事が展開。ここから、『Horizon Forbidden West』の本格的な冒険と、彼女の新たな物語が始まります。
チュートリアルが終わり、タイトルコールが流れた後、念願のオープンワールドへと辿り着きます。探索できる範囲は、シナリオの進行によって段階的に解放される形ですが、どこに行くのも自由。
メインクエストだけをひたすら進めるもよし、困っている住民を助けて寄り道しまくるもよし、ひたすら機械獣を狩って素材を集めるもまたよしです。この本格的な冒険に至るまでのチュートリルを今回紹介しましたが、その濃密さが一端だけでも伝わったのであれば幸いです。
本作のチュートリアルは、要素の多さや物語と一体化した展開も魅力的ですが、もうひとつ特徴があります。それは、罠やサイレントストライク、新たな武器の使い所などを用意する一方で、必ずしもそれに従わなくていい点です。
一部のゲームだと、チュートリアル中は特定の方法以外では敵を倒せない場合があります。それは、操作方法を確実に伝えるための手段であり、ひとつの方法論として十分理解できます。
ですが本作のチュートリアルは、提示されたやり方以外で敵を倒しても何ら問題ありません。実際に筆者は、罠は一切使わず、氷のブラストスリングを握ったのもボス戦のみ。大半の敵は、サイレントストライクで片づけました。
丁寧なチュートリアルで操作方法を案内する一方で、最序盤であっても敵の倒し方の選択肢を奪わない『Horizon Forbidden West』。オープンワールドだからこその自由度の高さを、チュートリアルでも真摯に貫き通す姿勢は、ひとりのユーザーとして非常に嬉しく感じました。
ちなみに、文章だけではチュートリアルのボリューム感を伝えきれないと思うので、一例に過ぎませんが、筆者がクリアに要した時間を目安までにお知らせします。
初見は探索も含めてかなり彷徨ったため、チュートリアルだけで余裕の3時間越えでした。が、これは人によって差が出やすい部分なので、今回の記事用に改めてプレイ。ムービーを極力カットし、ギミックの攻略も全て知ったうえで、オープンワールドのフィールドに出た最初のセーブポイント時点で約41分かかりました。
戦闘での無駄な時間も少なからずあり、探索中もミスしてやり直した場面があったので、RTAと呼ぶには恥ずかしすぎるタイムです。とはいえ、ムービーを含めた物語面や探索などを全て省いてなお、最短でも相応の時間がかかることが窺えます。
『Horizon Forbidden West』は、チュートリアルだけでもボリューム感たっぷり。いわんや本編の濃厚さは、想像するまでもありません。狩りと探索の日々をたっぷりと味わいたい欲求に、本作はこれ以上なく応えてくれることでしょう。
──なお、こちらは余談ですが、チュートリアルをタイムアタック的に攻略するのはなかなか面白い体験でした。この部分だけをRTAとして遊ぶのも、個人的にお勧めですよ。


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