『遊戯王OCG』ではフレーバーテキストだけでなく、カードに描かれたイラストでもバックストーリーが表現されています。中でもドラマチックなのが、「失楽の堕天使」に示されている物語。
とある天使がたどった、波乱万丈な運命を振り返っていきましょう。

堕落していく女性の姿
「失楽の堕天使」といえば、「堕天使」テーマに属するリンクモンスター。しかし、元々彼女は全く違うジャンルのカードに登場していました。

それは「禁じられた聖杯」「禁じられた聖槍」などの、いわゆる“禁じられた〇〇”シリーズの魔法カード。「禁じられた聖杯」のイラストには、禁じられているはずの聖杯で飲み物をあおる、ふてぶてしい表情の女性が描かれています。実は彼女こそ、後に「失楽の堕天使」となる人物でした。

そもそも前提として、“禁じられた〇〇”というからには、当然“禁じる者”が存在しているはず。それが誰かというと、「神の宣告」を始めとするカウンター罠“神の〇〇”シリーズに登場する神だと考えられます。

推測の根拠となるのは、“神の〇〇”シリーズの「神の忠告」。カードイラストには神から忠告を受ける人物が描かれていますが、その髪飾りは“禁じられた〇〇”に登場するふてぶてしい女性とそっくり。すなわち「神の忠告」は、禁じられたものに手を出した女性(天使?)に対して、神が忠告を与えている場面だと推察できます。

神に叱られた女性の末路
「神の宣告」や「神の忠告」などで、さんざん神に叱られる姿が描かれていた女性。
そこから反省するのかと思いきや、想像の斜め上の行動に出たようです。「禁じられた聖典」では、「バレなければいい」とでも思ったのか、こっそりと聖典を持ち出そうとする女性の姿が…。

これには流石の神も怒り心頭だったのでしょう。「神の通告」のイラストでは、神の放った雷が、何者かを焼き払う様子が描かれています。推測ではありますが、この雷を受けているのが“禁じられた〇〇”シリーズに登場する女性なのではないでしょうか。

次にイラストに登場した時、彼女は変わり果てた姿になっていました。それが「失楽の魔女」。カードの効果は「召喚に成功した時、デッキから『禁じられた』速攻魔法カード1枚を手札に加える」という内容であり、“禁じられた〇〇”シリーズへの執着から、同一人物であることは明らかでしょう。

またカードイラストを見れば、「失楽の堕天使」の前身であることも一目瞭然。ちなみに“禁じられた〇〇”シリーズの最新カード「禁じられた一滴」では、小瓶から怪しい液体を垂らそうとする「失楽の堕天使」の姿が描かれていました。

「禁じられた一滴」のイラストに「失楽の堕天使」が登場していることも、“禁じられた〇〇”シリーズの女性=「失楽の魔女」=「失楽の堕天使」説を裏付けていると言えそうです。

堕落に堕落を重ねた女性がどうなってしまうのか、それはまだ誰にもわかりません。
今後登場するカードのイラストに注目することで、“その後”の顛末のヒントを得られるかもしれませんね。
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