約26年に及ぶ『ポケットモンスター』シリーズの歴史において、人間とポケモンの関係性には大きな変化が生じてきました。現在、SNS上では「#ポケモンと生活」というハッシュタグにて、その最先端を行くような表現が生まれています。


テーマは「ポケモンと共存する世界」
「#ポケモンと生活」は、『ポケモン』ファンたちが主に二次創作を投稿するために使っているハッシュタグ。元々はTwitterから生まれたと言われていますが、その他のサイトでも広まっています。

投稿されるのは、ポケモンと共に過ごす日常を想像したイラストやマンガなど。また、二次創作以外では、ポケモンのぬいぐるみやフィギュアと一緒に撮影した写真などを見かけることも。

ハッシュタグには一般のファンだけでなく、プロのクリエイターが参加することも珍しくありません。たとえば、人気イラストレーター・ネヲさんの作品はとくに大きな話題を呼んでいました。

イラストの中では、たくさんのポケモンと暮らす人間の姿が描かれており、「ポケモンと生活」というテーマにぴったり。くさ・みず・ほのおといった属性をもつポケモンたちと共存するため、人間が工夫しながら生活するところに、豊かな世界観の広がりを感じさせます。

さらにはYouTubeの『ポケモン』公式チャンネルも、今年2月に同様のテーマを意識したショートムービー「ポケモンたちとの甘い冬」を投稿。

そこでは実写とCGを組み合わせた映像によって、ピカチュウやプリンとのあたたかい触れ合いが描かれています。動画の予告編には、ハッシュタグ「#ポケモンと生活」もしっかり付けられていました。

ゲーム本編における“触れ合い”の進化
初代『ポケモン』ではシステム上、「バトルのパートナーとしてのポケモン」といったイメージがありましたが、その後シリーズが進むごとに、“ポケモンとの触れ合い”を楽しむ価値観が進化していきました。


たとえば、初代『赤・緑・青』の次に発売された『ポケットモンスター ピカチュウ』では、さっそくユニークなシステムが登場。ピカチュウがモンスターボールに入らず、主人公の後をついて歩きます。また話しかけると、さまざまな表情を見せてくれるところもトキメキポイント。

また2013年に発売された『ポケットモンスター X・Y』では、ポケモンをかわいがって絆を深めることのできる新要素「ポケパルレ」が登場。ポケモンを撫でたり、一緒に顔マネ遊びをしたりして、絆を深められるように。

さらに2019年の『ポケットモンスター ソード・シールド』では、「ポケモンキャンプ」のシステムを導入。トレーナーがポケモンと一緒に遊ぶだけでなく、ポケモン同士ではしゃいでいる姿など、それまでにない一面を見せてくれます。

そうした進化があったのも、多くのプレイヤーがポケモンと触れ合いたいという熱い気持ちを持っていたから。近年ではスマホ向けアプリ『ポケモンGO』の普及により、「ポケモンと生活」がなかば現実化するほどになっています。今後、“ポケモンのいる生活”はどこまで進展していくのでしょうか…。
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