名作タイトルを収録し、小型化して復刻するゲームハードのリリースがここ数年続いています。その中でも、こだわりを感じさせるタイトル群と幅広い収録数により、「メガドライブミニ」が特に高い評価を博しました。


その第2弾として登場するのが、50本以上のタイトルを収録する「メガドライブミニ2」です。今回はメガCDのタイトルも対象に含まれており、こちらにも熱い視線が注がれています。

気になる収録タイトルは現在定期的に発表中。7月15日には、4Gamerの公式YouTubeチャンネル「4GamerSP」にて公開された配信番組にて、新たな10本+1本の発表が行われました。未だかつて一度も移植されなかった『三輪サンちゃん』をはじめ、多種多彩なタイトルの収録が改めて判明しています。

また、この発表を行った配信番組では、収録タイトルに関する様々な開発秘話も赤裸々に披露。当時遊んだ方はもちろん、「メガドライブミニ2」の発売を楽しみにしているユーザーにとっても興味深い話が相次いでおり、見逃すには惜しいものばかり。そこで今回は、番組内で披露された開発秘話をまとめてお届けします。

■『エイリアンソルジャー』が再収録される理由
前回リリースした「メガドライブミニ」は複数のバージョンがあり、日本版以外に北米版やアジア版が存在。それぞれ収録タイトルが一部異なっていますが、アジア版にのみ『エイリアンソルジャー』が収録されていました。

日本版には含まれていなかったとはいえ、ミニシリーズには既に収録済みの『エイリアンソルジャー』。それがなぜ、「メガドライブミニ2」のラインナップに加わったのかといえば、まず作品そのものが高評価ながら「あまりにも隠れすぎている」と番組内で言及。


また今年は、本作の開発元であるトレジャーの設立30周年なので、そうしたタイミングも踏まえて収録を決めたとのことです。「メガドライブミニ2」への収録が、本作の知名度向上に一役買うことでしょう。

■32年越しにBGMが修正された『TATSUJIN』
1989年12月にメガドライブ向けに移植されたSTG『TATSUJIN』は、オリジナルのアーケード版と比較すると、BGMの速度が異なっていました。そのため当時から「音が早すぎる」という指摘が上がっていたものの、現代のようなオンライン経由のアップデート環境は存在していないため、直接修正することは叶いませんでした。

ですが、今回の「メガドライブミニ2」収録に合わせ、BGMの速度をアーケード版に合わせて調整。メガドライブ版の発売年から数えて32年の時を経て、懸念だったBGMの修正が実現しました。

しかも、音が早かったメガドライブ版のBGMバージョンも「メガドライブミニ2」に収録。どちらのBGMでも遊べるという粋な計らいは、アーケード版とメガドライブ版、どちらのファンも笑顔になる朗報です。

■『餓狼伝説2 新たなる闘い』の裏技が出しやすくなった!
『餓狼伝説2 新たなる闘い』には、コマンド入力による裏技がいくつか存在します。そして、今回の「メガドライブミニ2」収録に向け、裏技のコマンド入力をやりやすくしたと、番組内で明かされました。

発言内容としては、「例のコマンドが出しやすくなっています」と述べるに留まっており、具体的な内容については触れていません。ですが、“ゲームを起動してTAKARAのロゴが表示されている間に入力するコマンド”との補足もありました。


ロゴの表示中に入力する裏技はいくつかあるので、出しやすくなったのはどの裏技なのか、もしくは全部なのか、詳細までは分かりません。とはいえ、コマンド入力をミスしてやり直し、といった手間が減るのは、間違いなく嬉しいポイントのひとつです。

■『激闘! 東京マージャンランド編』ではなく『片山まさゆきの麻雀道場』が選ばれた理由
時代ごとに様々な麻雀漫画が人気を集めていますが、当時その一翼を大きく担っていた作品のひとつに「ぎゅわんぶらあ自己中心派」があります。そして、この漫画を原作としたメガドライブソフト『ぎゅわんぶらあ自己中心派 片山まさゆきの麻雀道場』も、「メガドライブミニ2」への収録が決定しました。

「ぎゅわんぶらあ自己中心派」のゲームは、当時だけで2桁に上るほど作られており(移植含む)、これだけでも人気の高さが窺えます。メガドライブ系列だけでも、今回収録される作品に加え、メガCDソフト『ぎゅわんぶらあ自己中心派 2 激闘! 東京マージャンランド編』がリリースされました。

「メガドライブミニ2」はメガCDソフトも対象に含まれるため、技術的には『ぎゅわんぶらあ自己中心派 2 激闘! 東京マージャンランド編』が収録される可能性もありました。ですが、「令和のご時世、(登場する)キャラクターたちが多彩すぎて、復刻するのが難しい」「東京マージャンランド編はすごくいいゲームなんですが、収録することができませんでした」とコメント。その理由について詳しくは語られませんでしたが、現在のコンプライアンスに抵触する表現などがあったのかもしれません。

こうした事情から『激闘! 東京マージャンランド編』の収録は叶いませんでしたが、「1作目ならOKなんじゃないか?」と考え直し、その方向で調整したところ、『ぎゅわんぶらあ自己中心派 片山まさゆきの麻雀道場』の収録にこぎ着けた模様です。

様々な裏話は開発秘話などで盛り上がりましたが、このほかにも『ルナ ザ・シルバースター』『ルナ エターナルブルー』のキャラクターデザインを務めた窪岡俊之氏による主要キャラの描き下ろしイラストの公開や、定価8万円を超える「ワンダーメガ」でしか遊べなかった『ワンダーメガコレクション』の収録決定など、今回の配信番組も見どころが満載でした。

「メガドライブミニ2」の収録タイトル発表は、あと2回残されています。
残り20本ほどのラインナップも気になりますが、開発秘話などもまた新たに飛び出すことでしょう。次回以降の発表も待ち遠しいばかりです。
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