かつてはほぼ全てのゲームソフトに、紙でできた“説明書”が付属していたもの。現在では見かける機会が激減し、絶滅危惧種となりつつありますが、その思い出は決して色褪せていません。


そこで今回は、過去のさまざまな「ゲームの説明書」から、思わずツッコミを入れたくなるものをご紹介。笑えるだけでなく、ノスタルジーも味わえるかも…。

◆『ぷよぷよ』説明書に“殺戮”の文字
1992年に発売されたメガドライブ版『ぷよぷよ』の説明書は、毒舌すぎるキャラクター紹介が有名です。

たとえば主人公のキュートな女の子、アルル・ナジャについては、「可愛い顔して人畜無害のぷよぷよを、虫けらのごとく殺戮する悪逆非道の女の子」と説明。まさか『ぷよぷよ』の説明書で“殺戮”の二文字を目にするとは…。

ちなみに、マスコット的存在のカーバンクルに関しても、「ゲームには『我関セズ』の顔で踊っているだけのくせしやがって、主人公にも勝る存在感をもっている、まことに要領のいいやつ」と言いたい放題です。

また、毒舌っぷりは1994年に発売された『ぷよぷよ通』の説明書でも健在。アルルについて、「ゲームによって年齢が上がったり下がったりする主人公」「今回は妙齢の少女を演じ、さらにファンを増やそうとたくらんでいる」と説明されていました。

そしてカーバンクルは、「前回は踊っているだけであったが、今回はいたるところに顔を出し自分の存在を強くアピールしている」、ぷよぷよに至っては、「今回も消されるだけの哀れな生物なのだが、ゲーム中の彼らはやけに楽しそうにはしゃいでいる。恐怖でついに狂ったか」とまで言われる始末。

他にもさまざまキャラクターが散々な言われようをしているので、ぜひチェックしてみてください。

次ページ:クランキーコングに説教されたい人は、一読の価値アリ!『スーパードンキーコング』の説明書

◆いちいちクランキーコングが…
お次は、1994年に発売されたスーパーファミコン専用ソフト『スーパードンキーコング』の説明書。
『ぷよぷよ』のような言葉の切れ味はないものの、代わりに“元祖ドンキーコング”ことクランキーコングが至るところで口を挟んできます。

冒頭では物語のプロローグが4ページにわたって綴られているのですが、その途中には「まだ、こんなものを読んどるとは、なんとヒマなお方じゃ!」と頭を抱えるクランキーコングの姿が…。

さらにコントローラーの操作説明でも「おやおや、こんなにくだらんものは見たことがないぞい。よいゲームに説明なんぞいらんわ!」と口を出し、マップ画面の説明では「こんな言葉信じるものか!」「あっちこっちに行ったが 2カ所しかわからんかったし、おまけにひどいところじゃった!」と憤慨していました。

挙げ句の果てには公式も「彼にうんざりしたら、さっさと出かけましょう」とアドバイスを送っているのですが、当の本人はお構いなし。「わしにうんざりじゃと?キミは運がいいよ、わしはこの退屈なマニュアルを楽しくするためにおるんじゃからの!」と前向きに捉え、クランキーコングのツッコミはその後も続いていきます。クランキーコングに説教されたい人は、一読の価値アリ!

次ページ:「禁断の章」が記載された説明書も

◆ゲームの説明書兼ゲームの攻略本!?
もともとは1992年にパソコンゲームとして発売され、のちにプレステーションとセガサターンへと移植されたアドベンチャーゲーム『ダークシード』。

その説明書には、これまで紹介したようなユーモアあふれる説明書きや奇天烈なキャラクターは登場しません。むしろ基本操作やゲームの遊び方などを収めた、ごく普通の代物に見えるでしょう。

ですが目次をよく見てみると、「どうしても先に進めない時は、禁断の章をご参照ください」との一文が。ここで言及されている「禁断の章」こそが、異質な存在でした。

というのも「禁断の章」では、ゲーム開始からクリアまでの攻略手順を記述。
全8ページにわたり、ゲームクリアに必要な最小限の段取りが綴られています。

ただ、同作はヒントなどが一切なく、自分で探索して謎を解いていく至極難解なゲーム。どこに行けばいいのか、何をすればいいのか、プレイヤーは全くわからない状態で進めることになるため、多くの人が「禁断の章」に頼らざるを得ません。

実際にSNSなどでは、「ゲーム中、説明書が全く手放せなかった」「説明書なしで買ったら攻略不可能」「説明書紛失=詰み」といった思い出トークも盛り上がっていました。

なお、説明書を見ながらでもクリアには苦労するようです…。

それぞれ強烈な個性をアピールしてくる「ゲームの説明書」。今一度押し入れにしまってある説明書を引っ張り出し、当時の思い出に浸ってみてはいかがでしょうか。
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