ニンテンドースイッチ向けSRPGファイアーエムブレム エンゲージ』(以下、エンゲージ)が、今月20日にいよいよリリースされます。本作は、シミュレーションRPGの草分け的存在であり、今や国内外にファンが広がる『ファイアーエムブレム』(以下、FE)シリーズの最新作です。


主人公の神竜「リュール」を中心に、新たな物語と世界を描く本作は、数多くの魅力に溢れています。その中でも見逃せない要素のひとつが、過去作に登場した英雄たちが指輪に宿り、キャラクターたちに力を貸す「紋章士」の存在でしょう。

公式サイトには、12人の「紋章士」が紹介されており、いずれもシリーズファンにはお馴染みの面々ばかり。そのため、比較的最近『FE』シリーズに触れた方からすれば、見覚えのない面々もいることでしょう。

そこで『エンゲージ』の発売に向け、それぞれの「紋章士」に迫る記事をお届けします。その人となりや活躍を予習し、本作の発売に備えてください。また、「紋章士」たちが『エンゲージ』で果たす役割にも触れるので、熟練のシリーズファンもお見逃しなく。

◆シリーズの原点を飾り、多数の作品に出演!
今回紹介する「紋章士」は、英雄王の二つ名でも知られている「マルス」です。『ファイアーエムブレム』の原点となった、記念すべき1作目『ファイアーエムブレム 暗黒竜と光の剣』の主人公です。

アリティア王国の王子として生まれたマルスは、地竜王「メディウス」が率いるドルーア帝国の侵略により国を追われ、辺境に位置するタリスへと亡命。しかしマルスは、このタリスで反撃の狼煙を上げ、ドルーア帝国打倒を目指して進撃を開始しました。

最初はわずかな兵しかいませんでしたが、各地で共闘する仲間を増やし、その戦力を高めていきました。
名実ともに一大勢力となったマルスたちは、宗主国であるアカネイア王国や祖国の奪還に成功。その後、ドルーア城でメディウスを討伐し、大陸の平和を勝ち取ることに成功しました。

ここで一度、マルスの戦いは区切りを迎えますが、『暗黒竜と光の剣』をリメイクした『ファイアーエムブレム 紋章の謎』で、彼の新たな戦いは幕を開けます。こちらの作品は、1作目をリメイクしただけでなく、後の戦いを描く第2部「英雄戦争編」を新たに用意。前編・後編にわたって描かれるアカネイア大陸の戦乱に立ち向かい、英雄の名に相応しい活躍を遂げました。

マルスは「シリーズ1作目の主人公」という立場に加え、「初めてリメイクされた作品の主人公」、「2部構成の初主人公」と三冠を制しており、シリーズの中でも特に重要なポジションを果たしたキャラクターとも言えます。

その存在感から出演作品も多く、前述の『暗黒竜と光の剣』と『紋章の謎』だけに留まらず、ニンテンドーDS向けにリメイクされた『新・暗黒竜と光の剣』や『新・紋章の謎 ~光と影の英雄~』と、主要作だけでも4作品に登場。

また、シリーズキャラが一堂に会する『ファイアーエムブレム ヒーローズ』、『エンゲージ』に先駆けて“力を貸す存在”として登場した『幻影異聞録#FE』ならびに『幻影異聞録#FE Encore』、シリーズ初のアクションRPG『ファイアーエムブレム無双』など、多岐にわたっています。

さらに、『FE』のキャラクターとして『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズに初めて参戦したのも、このマルスです(『封印の剣』の「ロイ」と同時参戦)。『大乱闘スマッシュブラザーズDX』への出演を通して、『FE』を知った方も少なくありません。

DLCやamiiboでの登場も含めれば、『ファイアーエムブレム覚醒』や『ファイアーエムブレムif』にも登場しており、活躍の幅はシリーズキャラの中でも指折りの出演頻度。シリーズの顔とも言えるほどなので、『エンゲージ』で抜擢されるのも納得しきりです。


ちなみにマルスの人柄ですが、王子でありながら驕ったところはなく、仲間にも分け隔てなく接する好青年。仲間想いで真摯な姿勢は、多くの人間を引き付けるほどでした。

そのため彼に好意を寄せる者も少なからずいましたが(ペガサス三姉妹の次女「カチュア」など)、そうした方面には疎く、タリスの王女「シーダ」との関係を一途に深めるばかり。その生真面目さも、長く人気を保つ理由のひとつかもしれません。

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◆英雄王の力を借りると、『エンゲージ』でどんな効果が?
マルスが宿った指輪を装備すると、『エンゲージ』でどんな効果が得られるのか。まずは、装備したキャラクターの能力が上昇するほか、シンクロスキル「見切り」が得られます。

「見切り」は、敵の反撃が当たりづらくなる効果があります。本作の「クラシック」モードだと倒れた仲間は二度と戻らないので、敵にやられるわけにはいきません。一見地味な「見切り」ですが、生存確率を上げられる非常に重要なスキルなのが分かります。もちろん「カジュアル」でも、敵の攻撃を避けやすいのは有難いばかりです。

また指輪を装備すると、その英雄に合わせた「エンゲージ武器」が使用可能。マルスを象徴する「レイピア」の場合、「騎馬」と「重装」に対して大ダメージを与えられます。


移動力が高い「騎馬」は、物理攻撃が苦手な魔法系・治癒系のユニットに迫りやすいので、手早く倒しておきたいところ。また、物理防御が高い「重装」はかなりタフで厄介な相手。戦場で顔を合わせる機会が多いこの2ユニットに効果的な「レイピア」は、頼もしい武器と言えそうです。

このほかにも、こちらの攻撃回数を1回増やす「神速」(エンゲージスキル)や、連続攻撃で大ダメージを狙える「スターラッシュ」(エンゲージ技)なども揃っており、装備したユニットの戦力を手堅く高めてくれます。

ちなみに「スターラッシュ」は、竜族のキャラが使うと「攻撃回数+2回」のボーナスがつくので、リュールに装備させるのもよさそうです。かつての主人公の力が宿った指輪を、本作の主人公が装備する──かなり心がくすぐられそうなシチュエーションです。

今回は、『暗黒竜と光の剣』をはじめ、複数の作品で活躍したマルスに迫ってみました。ですが他の「紋章士」たちも、マルスに負けない活躍を見せた者ばかり。今後も個別に取り上げていきますので、どうぞお楽しみに。

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