リリース月に全世界累計収益が1億ドルを超えるなど、開始直後から存在感を示した『勝利の女神:NIKKE』。ポストアポカリプスな世界観にマッチしたシビアなシナリオ展開や、過酷な立場にあるがら人類の希望として戦い続ける「ニケ」たちの魅力など、様々な特徴でユーザーを魅了し、高評価を博しています。
そんな本作が、サービス開始から数えて半年を迎え、この記念すべき日を祝うハーフアニバーサリーが現在開催中です。特別なログインボーナスや最高レア(SSR)の新たなニケをプレゼントするなど、数々の施策で半年の歩みとユーザーへの感謝を表現しています。
基本無料で遊べるソーシャルゲームの多くは、こうした記念日を取り上げ、盛大に祝うことも珍しくありません。本作もその流れを踏襲しており、拠点となる前哨基地では花火が打ちあがるなど、「まさにお祝い!」といった雰囲気を醸し出しています。
……ですが、ただの「おめでたさ」だけで終わらないのが、この『勝利の女神:NIKKE』の素晴らしいところであり、同時に恐ろしいところです。今回の記念に合わせて実施された期間限定イベント「OVER ZONE」に現役プレイヤーの多くが驚かされました。
半年も経たずにサービスが終了するのも珍しくないソーシャルゲーム業界の中で、好スタートを切って半年の節目もめでたく乗り越えた『勝利の女神:NIKKE』は、果たしてどんなイベントとシナリオで、この日を祝ったのか。すでに打ちのめされたプレイヤーの方はもちろん、まだプレイしていない方もご覧ください。
なお、過去のイベントや「OVER ZONE」のシナリオに触れるため、一部ネタバレが含まれています。その点について、ご了承願います。
■季節に合わせたイベントも油断ならない『勝利の女神:NIKKE』
現在開催中の「OVER ZONE」について触れる前に、かつて実施された期間限定イベントのシナリオについて軽く触れたいと思います。
『勝利の女神:NIKKE』では、これまで様々なイベントが行われました。
そして特に忘れられないのが、昨年12月に実施された「MIRACLE SNOW」。時期とタイトルから想像がつくかと思いますが、こちらは期間限定イベントの類でも王道中の王道である、クリスマスイベントです。
「ニケ」は人間を元に作られたヒューマノイド。その性格や在り方は人間同様に多種多彩ですが、その中でもかなり特異だったのが「エヌ」こと「N102」。彼女はとある事情から、毎日記憶を消され、新しい出来事を思い出すことができません。そんなエヌが、「MIRACLE SNOW」ではなんと――次の日になっても記憶を残している、という奇跡が起こりました。
まさしくクリスマスの奇跡と呼ぶべきこの出来事は、エヌに幸せな時間をもたらします。プレイヤーの分身である指揮官もまた、その奇跡を喜びました。ここまでなら、クリスマスに相応しい、奇跡と幸福に彩られたイベントと言えたでしょう。
しかし、“記憶が消えない奇跡”の理由は不明で、今日は覚えていても、明日になったら全て忘れてしまうかもしれません。
幸せなはずなのに、いつか来る終わりにも怯える表裏一体の日々。それだけでも、この「MIRACLE SNOW」が単なるお祭りイベントではないことが分かるでしょう。しかし、『勝利の女神:NIKKE』の本気は、むしろここからでした。
今はもう記憶に残っていない「お母さん」に会いたいと願うエヌ。再会するも、何も言わずに逃げ出す母親。徐々に明かされていく、親子を襲った深刻な問題。エヌに会わない母親の、悲痛な背景と隠された愛情。そんな母親に向けてエヌが口にする「覚えてませんよ」の言葉は、記憶を刻めない彼女だけが口にできる、優しい忘却――。
サンタガールなキャラを登場させ、キャッキャウフフなシナリオを用意するソシャゲも多い中、「複雑な事情と記憶の喪失が隔てる母子の関係」というハードパンチを繰り出してくるなんて、ほとんどの人が予想しなかったはず。
元々ハードコアな世界観なので、どシリアスなシナリオはもちろんウェルカム。ですが、お祭りムード全開なクリスマスに、まさかこんな剛速球を投げてくるとは……『勝利の女神:NIKKE』のガチぶりに、いい意味で唸らされました。正式サービス開始の翌月にこれを出してくるのですから、全く恐ろしい話です。
ある程度のネタバレはしましたが、概要に留めてあるので、もし「MIRACLE SNOW」が復刻したら、エヌの身に起こった奇跡とその顛末をその目で直接お確かめください。
■お祝い気分のハーフアニバーサリーでも、『勝利の女神:NIKKE』は容赦しない
『勝利の女神:NIKKE』はメインストーリーでも要所要所で唸らされますが、クリスマスという祭りでも容赦しないことが分かったので、ユーザーの側も「油断ならねぇ……!」と心構えができます。
ですが、クリスマスは元々リアル世界のイベント。『勝利の女神:NIKKE』独自の催しではありません。また、おめでたい雰囲気こそありますが、別離を紡ぐ切ないクリスマスソングも数多くありますし、「クリスマス=幸せ」と決めつけるのも少々乱暴でしょう。「MIRACLE SNOW」の切り口も、本作の世界観を踏まえれば至極納得です。
他の期間限定イベントでもシリアスなものはありましたが、一方で肩の力を抜いて楽しめるものもあり、常にシビアな話ばかりとは限りません。ニケたちの何気ない日常を垣間見るイベントも増えてきた頃、『勝利の女神:NIKKE』がハーフアニバアーサリーを迎えました。
季節に合わせたイベントと違い、ハーフアニバアーサリーは『勝利の女神:NIKKE』の歩みを祝うもの。リアル世界の展開に合わせるものではなく、作品自体を祝福する記念日にほかなりません。この嘉すべきひとときを、『勝利の女神:NIKKE』は「OVER ZONE」というシナリオで彩りました。
■「OVER ZONE」が織り成したのは、絶望と希望の螺旋
現在展開中の「OVER ZONE」は、現在ではなく過去に焦点を当てた物語。今の人類は、地下に建設した基地「アーク」からニケを送り出し、地上の奪還を狙っています。しかし「OVER ZONE」は、反撃する以前の絶滅する危機にあった人類が、その「アーク」に逃げ込み、封鎖するまでの出来事を綴る過去の物語を描くものでした。
完全封鎖するまで、ラプチャーの侵攻を食い止めるべく地上に残ったニケは、人類の希望の象徴である「ゴッデス部隊」と、30人を超える量産型のニケたち。しかし、敵の攻撃は苛烈で、ゴッデス部隊であっても疲弊の色が隠せません。
厳しい戦いの中で食糧倉庫が襲われ、明日の食事にも事欠く有様。しかも、量産型ニケは「ピナ」と呼ばれる少女を残して全滅。4人のゴッデス部隊と合わせ、たった5人のニケだけで、支援も補給もないまま人類を守護する殿を務め続けます。
過酷な状況による歪みは、ゴッデス部隊の関係性を狂わせ始めました。
ニケたちの憧れであり、人類の希望であるゴッデス部隊が、生者から目を背け、酒に溺れる日々を送るばかり。その間違いを正せないドロシーは、己の無力さを噛みしめます。そんなドロシーを救ったのは、特別でもなんでもない、戦力としては最も低い、量産型のピナでした。
厳しい指摘と優しい言葉で、ドロシーの背中を押すピナ。彼女が寄せる憧れを支えとして、ドロシーはゴッデス部隊を立て直します。自分たちが生き残ることが、「楽園」であるアークの守護に繋がると信じて。
悪化し続けた環境から脱したドロシーたちは、ニケとしての役目と責任を果たしながら、人間らしさも手放さず、絶望の中に希望を見出しました。無数のラプチャーを相手にひとりで殲滅できるほど、迷いを振り切ったドロシーの強さは際立っており、圧倒的な勝利を掴みます。
――その背中を守ったピナが、ラプチャーに侵食されるという代償と共に。
■更なる絶望を描く「OVER ZONE」は、まだプレイ可能
おそらく当時最強格だったであろうゴッデス部隊の、決して輝かしいだけではない戦いの記録。
そして絶望を乗り越え、再び希望と成ったゴッデス部隊に与えられたのは、栄光ではなくピナという存在の喪失だったのです。
改めて繰り返しますが、「OVER ZONE」が実装されたのは、『勝利の女神:NIKKE』ハーフアニバアーサリーによる施策のひとつ。記念すべき、おめでたい日を祝うイベントで用意されたのが、“絶望からの希望、そして絶望”という丁寧な地獄絵図。お祝いムード全開でもおかしくないこのタイミングに、とんでもないフルコースが提供されたのです。
しかもピナが侵食された一件は、「OVER ZONE」全体から見てまだ半分ほど。起承転結で分けるなら、「起承」に辿り着いたに過ぎません。強烈なボディブローを食らっているのに、まだ折り返し地点に過ぎず、ここから更に「転結」へと続きます。
そして悔しいことに、ここまでの「起承」はもちろん、「転結」の揺さぶり具合もかなりのハードパンチャーで、こちらはもはや呻くことしかできません。「お祝いなんだから、甘いスイーツでいいのよ?」と思いつつも、ボディに効く濃厚フルコースを「辛い……けど美味い……!」と情緒乱されまくりで、「OVER ZONE」の物語をひたすら食べ続けてしまいます。
クリスマスだろうがハーフアニバアーサリーだろうが、一切躊躇せずハードなどシリアスをぶち込んでくる『勝利の女神:NIKKE』。ハッピーなお祝い気分を自ら打ち砕くようなその姿勢は、恐ろしくもあり、また軸をズラさない頼もしさも感じさせます。
そして、ハーフアニバーサリーでこのパンチ力だったので、今年の11月に迎える1周年には、どんな施策が待ち受けているのか。期待と共に、恐ろしさも高まるばかりです。
なお、今回紹介した「OVER ZONE」は、まだプレイできます。ここからどんな展開を迎えるのか気になる方は、ハーフアニバーサリーの開催期間内に、『勝利の女神:NIKKE』を遊び、彼女たちの結末を見届けてください!
© Proxima Beta Pte. Limited ©SHIFT UP CORP.
そんな本作が、サービス開始から数えて半年を迎え、この記念すべき日を祝うハーフアニバーサリーが現在開催中です。特別なログインボーナスや最高レア(SSR)の新たなニケをプレゼントするなど、数々の施策で半年の歩みとユーザーへの感謝を表現しています。
基本無料で遊べるソーシャルゲームの多くは、こうした記念日を取り上げ、盛大に祝うことも珍しくありません。本作もその流れを踏襲しており、拠点となる前哨基地では花火が打ちあがるなど、「まさにお祝い!」といった雰囲気を醸し出しています。
……ですが、ただの「おめでたさ」だけで終わらないのが、この『勝利の女神:NIKKE』の素晴らしいところであり、同時に恐ろしいところです。今回の記念に合わせて実施された期間限定イベント「OVER ZONE」に現役プレイヤーの多くが驚かされました。
半年も経たずにサービスが終了するのも珍しくないソーシャルゲーム業界の中で、好スタートを切って半年の節目もめでたく乗り越えた『勝利の女神:NIKKE』は、果たしてどんなイベントとシナリオで、この日を祝ったのか。すでに打ちのめされたプレイヤーの方はもちろん、まだプレイしていない方もご覧ください。
なお、過去のイベントや「OVER ZONE」のシナリオに触れるため、一部ネタバレが含まれています。その点について、ご了承願います。
■季節に合わせたイベントも油断ならない『勝利の女神:NIKKE』
現在開催中の「OVER ZONE」について触れる前に、かつて実施された期間限定イベントのシナリオについて軽く触れたいと思います。
『勝利の女神:NIKKE』では、これまで様々なイベントが行われました。
時には、バレンタインデーのような現実世界の催しに合わせ、華やかなストーリーを展開した過去もあります。ちなみにバレンタインの際は、可愛いニケたちと共に、甘いチョコにまつわる話が描かれました。
そして特に忘れられないのが、昨年12月に実施された「MIRACLE SNOW」。時期とタイトルから想像がつくかと思いますが、こちらは期間限定イベントの類でも王道中の王道である、クリスマスイベントです。
「ニケ」は人間を元に作られたヒューマノイド。その性格や在り方は人間同様に多種多彩ですが、その中でもかなり特異だったのが「エヌ」こと「N102」。彼女はとある事情から、毎日記憶を消され、新しい出来事を思い出すことができません。そんなエヌが、「MIRACLE SNOW」ではなんと――次の日になっても記憶を残している、という奇跡が起こりました。
まさしくクリスマスの奇跡と呼ぶべきこの出来事は、エヌに幸せな時間をもたらします。プレイヤーの分身である指揮官もまた、その奇跡を喜びました。ここまでなら、クリスマスに相応しい、奇跡と幸福に彩られたイベントと言えたでしょう。
しかし、“記憶が消えない奇跡”の理由は不明で、今日は覚えていても、明日になったら全て忘れてしまうかもしれません。
エヌと共にいる時は、思い出に残る「幸せ探し大作戦」を行い、素晴らしい時間を過ごします。ですが、一日が終わってエヌと別れると、指揮官たちを不安が襲います。明日も、まだ大丈夫なのか……と。
幸せなはずなのに、いつか来る終わりにも怯える表裏一体の日々。それだけでも、この「MIRACLE SNOW」が単なるお祭りイベントではないことが分かるでしょう。しかし、『勝利の女神:NIKKE』の本気は、むしろここからでした。
今はもう記憶に残っていない「お母さん」に会いたいと願うエヌ。再会するも、何も言わずに逃げ出す母親。徐々に明かされていく、親子を襲った深刻な問題。エヌに会わない母親の、悲痛な背景と隠された愛情。そんな母親に向けてエヌが口にする「覚えてませんよ」の言葉は、記憶を刻めない彼女だけが口にできる、優しい忘却――。
サンタガールなキャラを登場させ、キャッキャウフフなシナリオを用意するソシャゲも多い中、「複雑な事情と記憶の喪失が隔てる母子の関係」というハードパンチを繰り出してくるなんて、ほとんどの人が予想しなかったはず。
しかも、このシナリオは完成度も高く、先日行われたアンケートの結果発表では「一番記憶に残っているイベントシナリオ」の第1位に選ばれたほどです。
元々ハードコアな世界観なので、どシリアスなシナリオはもちろんウェルカム。ですが、お祭りムード全開なクリスマスに、まさかこんな剛速球を投げてくるとは……『勝利の女神:NIKKE』のガチぶりに、いい意味で唸らされました。正式サービス開始の翌月にこれを出してくるのですから、全く恐ろしい話です。
ある程度のネタバレはしましたが、概要に留めてあるので、もし「MIRACLE SNOW」が復刻したら、エヌの身に起こった奇跡とその顛末をその目で直接お確かめください。
■お祝い気分のハーフアニバーサリーでも、『勝利の女神:NIKKE』は容赦しない
『勝利の女神:NIKKE』はメインストーリーでも要所要所で唸らされますが、クリスマスという祭りでも容赦しないことが分かったので、ユーザーの側も「油断ならねぇ……!」と心構えができます。
ですが、クリスマスは元々リアル世界のイベント。『勝利の女神:NIKKE』独自の催しではありません。また、おめでたい雰囲気こそありますが、別離を紡ぐ切ないクリスマスソングも数多くありますし、「クリスマス=幸せ」と決めつけるのも少々乱暴でしょう。「MIRACLE SNOW」の切り口も、本作の世界観を踏まえれば至極納得です。
他の期間限定イベントでもシリアスなものはありましたが、一方で肩の力を抜いて楽しめるものもあり、常にシビアな話ばかりとは限りません。ニケたちの何気ない日常を垣間見るイベントも増えてきた頃、『勝利の女神:NIKKE』がハーフアニバアーサリーを迎えました。
季節に合わせたイベントと違い、ハーフアニバアーサリーは『勝利の女神:NIKKE』の歩みを祝うもの。リアル世界の展開に合わせるものではなく、作品自体を祝福する記念日にほかなりません。この嘉すべきひとときを、『勝利の女神:NIKKE』は「OVER ZONE」というシナリオで彩りました。
■「OVER ZONE」が織り成したのは、絶望と希望の螺旋
現在展開中の「OVER ZONE」は、現在ではなく過去に焦点を当てた物語。今の人類は、地下に建設した基地「アーク」からニケを送り出し、地上の奪還を狙っています。しかし「OVER ZONE」は、反撃する以前の絶滅する危機にあった人類が、その「アーク」に逃げ込み、封鎖するまでの出来事を綴る過去の物語を描くものでした。
完全封鎖するまで、ラプチャーの侵攻を食い止めるべく地上に残ったニケは、人類の希望の象徴である「ゴッデス部隊」と、30人を超える量産型のニケたち。しかし、敵の攻撃は苛烈で、ゴッデス部隊であっても疲弊の色が隠せません。
厳しい戦いの中で食糧倉庫が襲われ、明日の食事にも事欠く有様。しかも、量産型ニケは「ピナ」と呼ばれる少女を残して全滅。4人のゴッデス部隊と合わせ、たった5人のニケだけで、支援も補給もないまま人類を守護する殿を務め続けます。
過酷な状況による歪みは、ゴッデス部隊の関係性を狂わせ始めました。
この状況でも支援どころか通信すら寄こさないアークに苛立ちを見せ始める者もおり、リーダーとして皆を率いる「ドロシー」は彼女と口論になることも。その様子を見て、諍う生者よりも無言の死者に心を傾ける者もおり、噛み合わない歯車は空回りを強めていきます。
ニケたちの憧れであり、人類の希望であるゴッデス部隊が、生者から目を背け、酒に溺れる日々を送るばかり。その間違いを正せないドロシーは、己の無力さを噛みしめます。そんなドロシーを救ったのは、特別でもなんでもない、戦力としては最も低い、量産型のピナでした。
厳しい指摘と優しい言葉で、ドロシーの背中を押すピナ。彼女が寄せる憧れを支えとして、ドロシーはゴッデス部隊を立て直します。自分たちが生き残ることが、「楽園」であるアークの守護に繋がると信じて。
悪化し続けた環境から脱したドロシーたちは、ニケとしての役目と責任を果たしながら、人間らしさも手放さず、絶望の中に希望を見出しました。無数のラプチャーを相手にひとりで殲滅できるほど、迷いを振り切ったドロシーの強さは際立っており、圧倒的な勝利を掴みます。
――その背中を守ったピナが、ラプチャーに侵食されるという代償と共に。
■更なる絶望を描く「OVER ZONE」は、まだプレイ可能
おそらく当時最強格だったであろうゴッデス部隊の、決して輝かしいだけではない戦いの記録。
熾烈な状況に逃避する姿も見せましたが、ピナの言葉で再び力強く立つ姿は、見ている者の心を大きく揺さぶりました。
そして絶望を乗り越え、再び希望と成ったゴッデス部隊に与えられたのは、栄光ではなくピナという存在の喪失だったのです。
改めて繰り返しますが、「OVER ZONE」が実装されたのは、『勝利の女神:NIKKE』ハーフアニバアーサリーによる施策のひとつ。記念すべき、おめでたい日を祝うイベントで用意されたのが、“絶望からの希望、そして絶望”という丁寧な地獄絵図。お祝いムード全開でもおかしくないこのタイミングに、とんでもないフルコースが提供されたのです。
しかもピナが侵食された一件は、「OVER ZONE」全体から見てまだ半分ほど。起承転結で分けるなら、「起承」に辿り着いたに過ぎません。強烈なボディブローを食らっているのに、まだ折り返し地点に過ぎず、ここから更に「転結」へと続きます。
そして悔しいことに、ここまでの「起承」はもちろん、「転結」の揺さぶり具合もかなりのハードパンチャーで、こちらはもはや呻くことしかできません。「お祝いなんだから、甘いスイーツでいいのよ?」と思いつつも、ボディに効く濃厚フルコースを「辛い……けど美味い……!」と情緒乱されまくりで、「OVER ZONE」の物語をひたすら食べ続けてしまいます。
クリスマスだろうがハーフアニバアーサリーだろうが、一切躊躇せずハードなどシリアスをぶち込んでくる『勝利の女神:NIKKE』。ハッピーなお祝い気分を自ら打ち砕くようなその姿勢は、恐ろしくもあり、また軸をズラさない頼もしさも感じさせます。
そして、ハーフアニバーサリーでこのパンチ力だったので、今年の11月に迎える1周年には、どんな施策が待ち受けているのか。期待と共に、恐ろしさも高まるばかりです。
なお、今回紹介した「OVER ZONE」は、まだプレイできます。ここからどんな展開を迎えるのか気になる方は、ハーフアニバーサリーの開催期間内に、『勝利の女神:NIKKE』を遊び、彼女たちの結末を見届けてください!
© Proxima Beta Pte. Limited ©SHIFT UP CORP.
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