未だ高い人気を誇る『モンスターストライク』(以下、モンスト)を擁するMIXIが、先日iOS/Andorid向けの新作ゲーム『キュービックスターズ』を発表しました。

「シャーロック・ホームズ」、「ソロモン」、「ノストラダムス」、「ロビン・フッド」といった『モンスト』でもお馴染みの面々が、本作のメインキャラクターとして登場。
さらに公開済みのゲーム紹介トレーラーでは、「アーサー」や「ラファエル」などの姿も確認できました。

キャラクター面では『モンスト』色が濃厚な『キュービックスターズ』ですが、ゲーム性は全く異なっており、『モンスト』ファンに新たな刺激を提供すると共に、全く知らないユーザーも戸惑うことなく遊べる内容になっています。

ですが、単に「『モンスト』ファン以外も楽しめる」と言ったところで、ピンと来るはずもありません。幸運にも正式サービスに先駆けて『キュービックスターズ』に触れる機会に恵まれたので、そのプレイ体験を通して、本作の特徴や魅力などをお届けします。

本日5月23日の正式サービス開始に合せて、このプレイレポートで予習するもよし、遊ぶかどうかの判断材料にするもよし。MIXIが贈る注目作にどう接するか、こちらの記事を参考にじっくりとお考えください。

■『モンスト』とは全く異なるアプローチとゲーム性
多くの方がご存じだと思いますが、まずは軽く『モンスト』のゲームシステムを振り返り、その違いに迫ります。『モンスト』のバトルは、モンスターを引っ張って飛ばし、敵にぶつけてダメージを与えたり、味方に当てて有利な効果を得ながら戦う形です。

また『モンスト』は、スワイプ操作で引っ張って飛ばすため、狙いの巧みさが勝利を左右します。進行はターン制なので、「どこに飛ばすか」をじっくり考える、戦略的な判断も重要な要素です。

「引っ張って飛ばす」「敵や味方にぶつける」「ターン制」といった特徴が『モンスト』のバトルですが、主だった点だけ見ても、『キュービックスターズ』は全く異なります。

『キュービックスターズ』はステージごとに決められたフィールドを移動し、敵を倒してクリアを目指します。
移動とバトルが一体化しており、戦闘の流れはリアルタイム。バトルにおけるゲーム性は、アクションシューティングに近い形です。

かたや一点集中で、時間をかけて戦略を練る。かたやリアルタイムに動き、敵の攻撃を躱しつつ攻撃を当てていく。登場キャラクターなどの共通性を持ちながら、ゲームジャンルは大きく異なる『キュービックスターズ』。『モンスト』ファンにはその違いが刺激的に映るでしょうし、『モンスト』未経験者は全く新しいゲームとして楽しめます。

■「傾き」で動くキャラに、思わずこっちの身体も傾く!?
『キュービックスターズ』が持つ大きな特徴的のひとつが、キャラクターの移動です。『キュービックスターズ』のキャラ移動は、ほとんど画面に触れません。スマホのジャイロ機能に対応しており、スマホの「傾き」を検知してその方向にキャラが移動します。

フィールドは見下ろし型なので、例えば奥に傾ければ上方向に、手前に引けば下方向に操作キャラが移動。例外として、「ダッシュボタン」をタップすると短い距離を素早く移動しますが、速い分だけ微調整が利きません、そのため、敵の攻撃を避ける時も、ダッシュと傾きによる移動を併用します。ちなみに、ダッシュ発動の瞬間は少しだけ無敵時間が発生します。
そのタイミングを合わせ、的確に避けるのも効果的です。

実際にこの移動を体験しましたが、傾ければそのまま移動でき、操作感は文字通りの意味でダイレクト。普段のゲームでは、タップやスワイプ、据え置き機ならコントローラを使っての操作がほとんど。スマホを傾けて移動するプレイ感自体が新鮮で、また刺激的でもあります。

このキャラクター移動が生まれたのは、小型のボートに乗った際の体験がきっかけとのことですが、確かに頷ける操作感です。川下りのような強制スクロールではないものの、安定させないとふらつく動きや、行きたい方向に傾けて移動する感覚は、ボート体験を連想させるものがあります。

プレイ中、画面を追ってつい身体を傾けることもあり、これは追従してしまうほどの没入感を味わっていた証かもしれません。レースゲームでカーブを曲がる時に、つい身体を倒してしまうあの感じを思い出してもらうと想像しやすいかと思います。

ちなみに、傾けて移動すると聞いたため、最初はスマホを水平にして遊んでいました。ですが、この状態で奥に向かって進むと画面が見づらく、覗き込むような体勢が頻発しました。これは、筆者の持ち方が悪くて発生したアクシデントです。

スマホを水平にしなくとも、基準点からの傾きを判定してくれるので、見やすい角度の状態でステージを開始すれば問題なし。
スマホを正面から相対し、適度に傾けた状態……つまり、普通にスマホを見る角度でプレイすれば、前後左右に移動しても見づらいことはありません。

また、プレイ中に傾きの基準点がツライと感じたら、画面左上にある「キャリブレーションリセットボタン」(円状の矢印ボタン)をタップすればOK。その時の傾きを基準点に再設定してくれます。この機能のおかげで、プレイ中でも快適な角度に戻すことが可能です。

■攻撃手段は多彩、操作は洗練されてシンプルに
移動が特徴的な分、攻撃面の操作はかなりシンプルで負担の少ない作りになっています。まず基本的な通常攻撃ですが、攻撃範囲内の敵に向かって自動的に行われ、なんの手間もありません。

通常攻撃はいわゆるメインショットで、距離が離れていても当てられます。敵に近づきすぎると被弾しやすく、適度な間合いを保ったまま戦うのが常套手段になりそうです。本作は移動の操作が特殊なため、通常攻撃には関与せずスマホの傾きに意識を集中できるのは助かります。

そして通常攻撃以外に、「キャラスキル」や「ストライクスキル」、「友情スキル」といった複数のスキルが存在します。いずれも使用するとクールタイムに突入し、一定時間が経つことで再使用が可能に。スキルの効果や攻撃範囲などはそれぞれ違うため、各キャラの長所を生かして戦うのが吉です。


通常攻撃は中~遠距離、スキルは近距離のものもあるので、「スキルを使用した後、距離を取って安全に攻撃しつつ、スキルの再使用を待つ」という、クールタイムを意識したヒット&アウェイで立ち回るのがいいかもしれません。

また、キャラはそれぞれ「ストライクシップ」に乗って移動しますが、このストライクシップごとに「シップスキル」が用意されています。シップスキルは、通常攻撃と同じく自動的に攻撃しますが、発動後はクールタイムに突入。一定時間が経つと、また自動的に発動します。

通常攻撃、キャラスキル、ストライクスキル、友情スキル、シップスキルと、攻防に関わる手段が多くて一見混乱するかもしれません。ですが、通常攻撃とシップスキルは自動使用なので、使用タイミングなどは気にかける必要なし。

友情スキルは、他のスキルがクールタイム待ちの間に使うように立ち回ると、操作の負担が少なくてよさげでした。その間も通常攻撃は発動しており、無駄がありません。

そのためバトル中は、移動&ダッシュによる位置取りと回避、そしてキャラスキルとストライクスキルの使用タイミングに集中するだけでOK。少なくとも試遊プレイの段階では、この立ち回りで大きな問題はなく楽しめました。

キャラスキルやストライクスキルの使い方も、主に効果範囲を意識すればいいだけ。複雑な印象はなく、思わず体が動いてしまう移動に専念できます。
スキルの効果範囲も広めなため、シューティングゲームですが正確な射撃などは(少なくとも現時点では)不要。

プレイの実感としては、使えるスキルの種類は多いものの、自動使用も含めて使い方が明確なので、移動も含めて直感的に遊びやすい印象です。ゲームシステムは『モンスト』と全く違いますが、一度ゲームシステムを把握すると、あとはすんなり楽しめる……という本質的な部分に、どこか近しい手触りがあるように感じました。

■「合体」で力を合わせる協力プレイ!
ユニークな移動を中心としたバトルには、もうひとつ大きな特徴があります。それは、マルチプレイ時における「合体」です。

本作は最大4人までの協力プレイに対応しており、全員がキャラを操作して共に戦います。多方面から襲い掛かる雑魚をそれぞれが個別に撃破したり、強力なボス相手に囮役を交代しながら攻め続ける──といった協力プレイの楽しさを、この『キュービックスターズ』でも堪能できます。

こうした個別行動の協力が可能な一方、真逆とも言える「合体」の存在が、『キュービックスターズ』ならではのゲーム体験を提供します。

「合体」とは、それぞれが操作するキャラ同士が、フィールドにある「ストライクベース」を介してドッキングすること。最大4人まで合体でき、合体中は攻撃力が上昇。また敵から攻撃を受けた際、そのダメージは合体した人数で均等に分散されるため、大きなダメージにも耐えやすくなるのも利点のひとつです。

合体したプレイ感は、FPSやTPSなどのゲームで味方全員が車などに乗り込む感触に近いものがあります。
一緒に移動しながら、力(火力)を合わせて敵と戦う。この呉越同舟な感じも、協力プレイならではの手触りです。

ですがFPS系の同乗と比べると、移動方が大きく違います。「合体」中の移動もスマホを傾けて行いますが、誰かひとりが代表で操作するのではなく、合体しているプレイヤー全員の傾きが移動に反映されます。そのため、特定の方向に移動したい場合、全員の意識を合わせなければなりません。

今回の試遊はローカルな環境でプレイだったため、互いに声を出しながら、回避する方向を支持し合って進めました。移動に右往左往する協力プレイは、なかなか味わえない貴重な体験。慣れないプレイで効率は悪かったかもしれませんが、そうした“わちゃわちゃ感”も妙に楽しく、試遊プレイ全体を通しても特に印象に残ったひとときでした。

おそらくオンラインプレイ時は、スタンプを出すなどの形で意思疎通を図るのでしょう。そうしたプレイを「新鮮で楽しい!」と感じるか、「手順が増えて面倒」と受け取るか、大きく分かれる予感を覚えます。

個性的な操作だからこそ、好みが分かれそうな「合体」。この要素がプレイヤーに受け入れられるかどうかが、『キュービックスターズ』の成功を左右する大きなポイントとなりそうです。

『キュービックスターズ』のバトルを短く説明すると、「スマホを物理的に傾けて攻撃を避け、自動射撃とここぞの場面で使うスキルでダメージを与えるジャイロシューティングRPG」と言えます。

もちろん、育成要素やキャラクターの獲得、フルボイスで描く完全オリジナルストーリーといった魅力も備えており、各要素が噛み合う形で展開すれば、本作の面白さは更に高まっていくことでしょう。攻略中に獲得できるアイテムで戦力を強化するハクスラ要素もあり、プレイ意欲を高める施策も散りばめられています。

今回味わえたのは全体から見てほんの一部ですが、『モンスト』ファンだけでなく、「スマホを傾けて戦う新感覚アクションSTG」というジャンルに興味を惹かれた方も、一度触れてみてはいかがでしょうか。本日5月23日のサービス開始をお見逃しなく。

©MIXI
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