6月22日発売の『FINAL FANTASY XVI(ファイナルファンタジーXVI)』(以下、FF16)は、ファミコン向けに登場した1作目以来、時代と共に様々なプラットフォームで展開し、いずれも大きな注目を集めてきた人気シリーズの最新作。
そんな本作の一端を味わえる体験版が、発売日に先駆けて配信されました。召喚獣同士の迫力満点な戦いを美しく描く精密なグラフィック、先が気になる物語、爽快感と手応えを両立するバトルなど、いずれの要素もユーザーを魅了し、製品版への期待を高める役目を見事に果たしました。
その中でも多くの方が関心を寄せたのが、主人公「クライヴ」の相棒として活躍する、狼の「トルガル」。その関係は設定上だけに留まらず、バトルに参加して攻撃から支援まで多彩な立ち回りを見せてくれます。
可愛らしくて頼もしい。そして立場に縛られ、思うがままに振る舞えない人間たちよりもよほど自由で、将来性を感じさせる大物ぶりを垣間見せてくれる。本記事では、そんなトルガルの魅力に注目します。
■幼トルガルが漂わせる、大物の片鱗!
『FF16』の最序盤は、召喚獣同士も相争う大規模な戦闘で幕を開けますが、その下りではトルガルは出ず、クライヴの13年前を描く回想シーンで初登場を飾ります。
この頃はまだ幼く、戦いには到底参加できませんが……何を置いても可愛い! そしてもふもふ! トルガルの愛らしさを描いたという一点だけでも、グラフィックが進化した甲斐を感じるほどです。
しかし、幼トルガルの魅力は可愛さだけではありません。クライヴの父であり、大公のエルウィンが帰還すると、一同は畏まって首を垂れますが、トルガルはその空気を意にも介さずクライヴにじゃれつきます。
クライヴは慌ててトルガルを諫めるものの、既にエルウィンが背後に。もちろんトルガルは、クライヴに甘えるのを止めません。その様子を見たエルウィンは、物怖じしないトルガルの振る舞いを好ましく受け止め、「そいつは大物になるな」と微笑。幼いながらにその度胸、確かに大物の片鱗が感じられます。
その後、クライヴはエルウィンのもとへ馳せ参じますが、その別れ際に手を振るトルガル……は、トルガルを抱えた少女の手によるものでしたが、少女が背中を向けてもなお、トルガルはクライヴを見つめたまま。
エルウィンの元へ行くクライヴを、トルガルなりに心配しているのでしょうか。無邪気なだけでなく、思いやりを覗かせる一面にも胸を掴まれます。
また戦前に儀式を行うため、エルウィンやクライヴが公国領のフェニックスゲートに足を運ぶとと、なんとトルガルは単身で追いかけてきました。まだ領内とはいえ、兵士を連れての行軍距離は決して短くはないはず。「ひとりでついてきたなんて」というクライヴの台詞から察するに、誰かの助けを受けた様子もなさそうです。
その追跡能力の高さはもちろん、道のりを踏破するスタミナを持ち合わせている点も、高く評価すべきポイント。幼い身ながら卓越した能力を見せるトルガル。
<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">予想以上の成長を見せる大人トルガルが有能過ぎる!</cms-pagelink>
■大人トルガルの有能さ、そして勇気に心が震える
物語がある程度進むと、成長した今現在のクライヴを操作し、様々なアクションを満喫できます。
そして、成長しているのはクライヴだけではありません。凛々しく育ったトルガルも登場し、こちらでは戦闘にも参加。幼い時期に垣間見せた聡明さに加え、恵まれた体格に相応しい身体能力で、クライヴの戦いを力強くサポートしてくれます。
夜の屋内で戦う際はトルガルの活躍が視覚的にやや見づらいのが残念ですが、闇夜に舞う狼というのもまた一興。本作は乱戦になることも多く、協力して同じ敵に立ち向かったり、時には別の敵に攻撃してくれたりと、多彩な活躍を見せてくれます。
さらにトルガルはなんとクライヴのHPを回復できます。攻撃面だけでなく、リソースが限られているHP関連までサポートしてくれるトルガル。攻防にわたる有能さに、プレイヤーも頭が上がりません。
しかもトルガルの活躍は、ゲーム的なバトルに留まりません。一例として、体験版特別モードのボスにあたる「ベネディクタ」戦では、その雄姿を捉えたカットシーンで魅せてくれます。
まず第一段階のベネディクタを倒すと、彼女は羽根を生やして機動性を向上。その動きに翻弄されたクライヴは床に押し付けられ、あわや絶体絶命……の瞬間、トルガルが果敢に飛びかかります。
召喚獣の力を宿したベネディクタにとっても狼の牙は脅威なのか、クライヴの拘束を解いてトルガルに対処。そのおかげでクライヴは窮地から脱します。
しかし、その代償は小さからず。ベネディクタの手で投げ出され、倒れ込んでしまうトルガル。その毛並みには血の跡もあり、身動きできないその姿に胸が締め付けられます。
ちなみにトルガルは幼少期の頃、クライヴの弟「ジョシュア」がフェニックスの力を暴走させる現場に居合わせたことが。ジョシュアが近づくだけで敵の兵士は燃え盛り、命を落とすほど危険な状況でしたが、この場面で真っ先に身をひるがえしたのがトルガル。ただごとならぬ事態をいち早く察知し、自らの身を守る危機管理能力の高さを窺わせます。
そうした経験を持つトルガルが、ベネディクタの危険性に気づいていないとは思えません。その前提を踏まえると、クライヴを助けるためにベネディクタへ挑んだ行動は、「がむしゃらな蛮勇」ではなく「危険と知りながらも己の身を顧みず、クライヴを救うために立ち向かった勇気」によるものと言えるでしょう。
倒れたトルガルの身を案じたいところですが、ベネディクタとの戦いはまだまだ終わりません。トルガルにもらった貴重なチャンスを活かすため、クライヴはもとよりプレイヤー側も力が入ります。
クライヴの奮戦が助けになったのか、更なるピンチにも再び颯爽と現れるトルガル。お互いを助け合うコンビネーション、さすがクライヴの相棒です。
コンビプレイに戻ったクライヴとトルガルに、もはや敵はいません。苦労しながらも、ふたりは見事ベネディクタを撃破。トルガルなしでは、おそらく掴めなかった勝利でしょう。
幼少期だけでも、クライヴに向ける気遣いをはじめ、十分なスタミナや追跡能力、そして危機察知能力と、後の成長に期待が高まる片鱗を数多く見せてくれたトルガル。また成長後も、その期待に見事応える力強さや逞しさ、そして絆の深さと比類なき勇気を示します。
「もしかして、誰よりも有能なのでは?」といった想いが脳裏を過ぎってしまうほど、体験版だけでも驚くほどの活躍を見せてくれました。そんなトルガルの雄姿を、『FF16』製品版ではさらに味わえることでしょう。“相棒”の新たな活躍を、心ゆくまでお楽しみください!
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