※本記事は、第2部 第6章のネタバレを含みます。ご注意ください。


Fate/Grand Order』(以下、FGO)にて、期間限定イベント「サーヴァント・サマー・フェスティバル2023!」(以下、サバフェス 2023)が幕を明けました。

今年はすでに「アルトリア・キャスター(バーサーカー)」に「鈴鹿御前〔サマバケ〕」、「クロエ・フォン・アインツベルン(アヴェンジャー)」が水着サーヴァントとして実装され今回のイベントで早くも活躍しています。

また、一足先に実装された周年サーヴァント「救世主トネリコ」や、後日実装される「メリュジーヌ(ルーラー)」、「ケット・クー・ミコケル」、「UDK-バーゲスト」なども、プレイヤーの心を大きく揺さぶり、盛り上がりに拍車をかけています。

長く『FGO』を遊んでいるプレイヤーの大半は、今年の新実装サーヴァントの多くが、第2部 第6章に関連していることに気づくはず。その中でも特に見逃せないのが、配布サーヴァントとして発表された「ノクナレア」です。

ノクナレアもまた、第2部 第6章を語る上では決して欠かせない人物。また、その在り方から主要キャラとの関係性まで含めて魅力的に描かれ、実装を待ち望んでいたプレイヤーも少なくありません。その彼女の実装が決まり、しかも水着姿での登場となれば、視線が集まるのも至極当然と言えるでしょう。

筆者も彼女の実装を待ち望んだプレイヤーのひとりですが、ちょっと気になったのは彼女のクラス。バーサーカーとプリテンダーなどに攻防で有利な「フォーリナー」。ゲームシステム的には、汎用性には劣るものの、厄介な敵相手に刺さるピンポイントな立ち回りで魅せてくれるクラスです。

なぜノクナレアのクラスがフォーリナーなのかは意見が分かれるところでしょうし、いずれゲーム内で語られるかもしれません。
そこで少し視点を変え、クラス相性という点で考えると、なるほど確かにと納得できる関係性が見えてきました。

“ノクナレアがフォーリナーだと見えてくる関係”とは、どういったものなのか。第2部 第6章や、今回実装された水着勢と照らし合わせつつ、ひとつの思考例を紹介したいと思います。

なお本記事は、第2部 第6章のネタバレを含むのでご注意ください。また、「サバフェス 2023」にも関わる話をしますが、こちらはまだ始まったばかりなので、第2節までの内容に限って触れさせていただきます。

■クラス相性がないからこそ、想像が膨らむ“ふたり”の関係
第2部 第6章の舞台となったのは、女王モルガンが支配する妖精國。「予言の子」と呼ばれた「アルトリア・キャスター」(以下、アルキャス)と共に、主人公たちは彼女を打倒すべく戦いに身を投じました。ちなみに、この時のアルキャスのクラスはキャスター。水着に着替えたらまさかのバーサーカーとなり、その点でもプレイヤーを驚かせました。

そしてノクナレアもまた、女王を倒すべく行動していた人物のひとり。アルキャスとは作中以前から面識があり、いわば敵対する立場にありました。しかし、顔を見ればいがみ合うものの険悪な空気はなく、考え方や感情を率直にぶつけあう遠慮のない関係。
いわゆるライバルのようなふたりでした。

今回実装されたノクナレアは、クラス「フォーリナー」。前述の通り、バーサーカーとプリテンダー相手には有利に立ち回れますが、アルキャスのクラス「キャスター」とは有利も不利もありません。クラス相性という点では、システム上ではほぼ無関係です。

それは見方を変えれば、互角の関係にあるとも言えるでしょう。クラス相性上、仮に殴り合ってもお互い等倍。クラス的にプラスもマイナスもない、全くの対等です。「クラス的に直接的な関わりはなく、完全に同等」というクラス相性は、ふたりが対等なライバル同士であることを示しているのでは──と、つい邪推してしまいます。

クラスの有利不利がないからこそ、互いの地力だけで勝負する。ノクナレアとアルキャスらしい、ライバル関係の構図を感じました。

■クラス:フォーリナーは、対モルガンへの特化だった?
ふたりが「倒すべき相手」として目指していたのは、女王モルガン。特にノクナレアは、女王になるべきは自分だと主張しており、その座を巡る戦いへと挑みます。


モルガンのクラスは「バーサーカー」。ほぼすべてのクラスに攻撃面で有利が取れ、幅広い相手に大ダメージを与える恐るべきクラスです。実際に作中で彼女と対峙した時は、その恐ろしさと直面する羽目になりました。

ですがノクナレアのクラスは、対バーサーカーで最適とも言えるフォーリナー。作中で対決する機会には恵まれませんでしたが、もしモルガンとノクナレアが戦った場合、クラス相性的にはノクナレアが断然有利。勝つ可能性は十分見込めます。

これは完全に想像や妄想の類ですが、自身が直接戦うのは対モルガン戦だけと決め、あの女王に勝つことだけに自分を特化させ、その結果としてクラスが“フォーリナーという枠”に分類されたのでは、と考えてしまいました。

ノクナレアは、自分が持つ力を分け与え、その相手が配下に加わることで力を得るという能力の持ち主。ならば、その他大勢の敵は全て配下に任せ、自分はモルガンと戦うことだけに集中する。そんな彼女なら、先鋭化した戦い方で挑む戦略も有効でしょう。

他の敵は配下に対処させ、自分はモルガンだけを見据える。その姿勢が(モルガン=バーサーカーへのアンチとしての)フォーリナーに繋がったのだとしたら、ノクナレアの決断力と勇気に感服するばかりです。


また、その先の更なるifになる話ですが、災厄として出現した「ケルヌンノス」のクラスもバーサーカー。やはりクラス相性的に有利なので、モルガン打倒のみならず、ケルヌンノスに対しても力強く立ちはだかってくれたことでしょう。

そうした可能性を考えると、つくづくオーロラの策略が腹立たしいばかりです。とはいえ、モルガンだけに焦点を合わせるような特化ぶりだったからこそ、横槍に弱かったのかもしれません。

■負けたままじゃいられない! そんな姿勢も「サイコー!」
クラス相性的に見ると、モルガンだけに留まらず、ケルヌンノスにも有利なフォーリナー。しかし直接対決の機会を得られぬまま、モルガンの打倒はならず、そしてケルヌンノス出現の前にノクナレアはその命を終えました。

一方アルキャスは、モルガン打倒の決定的な一撃にこそなれませんでしたが、その結果に大きく関わったのは事実。またケルヌンノス戦では、アルキャスの意志と行動が、勝機に繋がる唯一の道を拓きました。

第2部 第6章の戦いは、単純に勝敗を問えるような単純なものではありませんが、夢半ばに座したノクナレアと、その先まで進んだアルキャス。その形だけ見れば、ノクナレアは一敗とカウントすることもできます。

しかし、ノクナレアは負けたままではありません。水着サーヴァントとして実装され、再びアルキャスと同じ舞台──「サバフェス 2023」──に立ちました。


第2部 第6章ではクラス相性に有利不利はなく、対等のライバル関係だったノクナレアとアルキャス。しかし今回、アルキャスは水着に着替えてバーサーカーに。何度も触れている通り、バーサーカーの天敵はフォーリナー。クラス面の相性が、一気に有利へと傾きました。

かつてライバルに一歩譲ったノクナレアですが、この「サバフェス 2023」では、アルキャスに完全有利な体勢で登場。あの時の借りを返す時が、いよいよ訪れたのかもしれません。負けたままでは済まさない、そんなノクナレアにはやはり「サイコー!」の賞賛こそが似合います。

ちなみに、かつて打倒すべき相手だったモルガンは、周年記念で「救世主トネリコ」に。その再臨が進むと、「水妃モルガン」の姿を披露します。こちらのクラスはキャスターなので、第2部 第6章とは異なり、クラス相性上では関係がなくなりました。

今やモルガンは打倒する敵ではないので、クラス相性上も無縁になった……そういうことなのかもしれません。

アルキャスとの対等なライバル関係、打倒モルガンを目指した力の特化、ライバルに負けっぱなしでは済まさない克己心、そんな関係性を想像させるノクナレアのクラス・フォーリナー。
すべては勝手な妄想ですが、ユニークな切り口で想像の翼を広げてみるのも、なかなかいいものです。

そもそも、第2部 第6章時点のノクナレアのクラスがフォーリナーだったとは限らないのですが、そこ含めてあれこれ考える楽しさはプレイヤーならではでしょう。

そして「サバフェス 2023」のシナリオが進めば、ノクナレアに関する様々な事情が浮き彫りになるかもしれません。現時点の彼女はまだ謎めいており、しかも自分を「ヤラアーンドゥ」と名乗っています。我らがノクナレア様の実態や真実は如何に? 気になる方は、イベントに参加して直接確かめましょう!
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