B’zは、ギター及び作曲、プロデュースを担当する松本孝弘氏と、ヴォーカル及び作詞を担当する稲葉浩志氏からなるロックユニット。1988年にシングル「だからその手を離して」とアルバム「B'z」を同時発売するという鮮烈なデビューを果たし、今年2023年で結成35周年。


6月17日から全国ライブツアー「B’z LIVE-GYM Pleasure 2023 -STARS-」を開催し、7月12日には54枚目のシングル「STARS」をリリースするなど、いまもなお活躍を続けています。

B'zは、ドラマや映画、アニメなどさまざまなタイアップをして、数多くの名曲を輩出してきました。その中には、“ゲーム”の主題歌やイメージソングも。

本稿ではB'zの35年を、ゲームに使用された楽曲の印象を筆者の感想交えて、計6作品を紹介しながら振り返ります。

◆1997年発売のPS向けソフト『INDY500』
1997年トミーより発売のPS向けレースゲーム『INDY500(インディ・ファイブハンドレッド)』は、同年3月5日リリースされた21作目のシングル「FIREBALL」に収録されている「哀しきdreamer」をイメージソングに起用。同年には、いまもライブで披露される人気曲で22作目のシングル「Calling」、9作目のアルバム「SURVIVE」をリリースしました。

『INDY500』は、アメリカで開催されている歴史あるレース「インディアナポリス500」を再現したゲーム。楽曲「哀しきdreamer」は、哀愁漂うギターのイントロからはじまり、サビまでイントロの雰囲気そのままにボーカルが入ります。サビからはアップテンポで激しい曲調になったりと、緩急の激しい曲です。

歌詞には、「街を走って」「古いページをめくりかえして」「夢見ていいだろうちょっとくらい」といった、歴史あるビックレースイベントを思わせるようなものがあります。

◆2002年発売、PS2向けソフト『ときめきメモリアル Girl's Side』
2002年コナミより発売のPS2向け恋愛シミュレーション『ときめきメモリアル Girl's Side(ときメモGS)』は、同年7月3日リリースされた12作目のアルバム「GREEN」より「SIGNAL」と「美しき世界」をそれぞれOP、ED曲として起用。前年2001年には誰もが知っている有名曲「ultra soul」をリリース、アルバムには「ultra soul (Alternative Guitar Solo ver.)」が収録されています。


『ときメモGS』は、高校入学から卒業までの3年間を勉強やクラブ活動をして過ごし、その中で出会った男の子たちと恋愛をする人気シミュレーションゲーム。「Girl's Side」シリーズおなじみの「はばたき市」にある「私立はばたき学園」を舞台に、デートを重ね、少しずつ彼との距離が近くなった卒業の日、感動のエンディングを迎えます。

2007年にはニンテンドーDSで『ときめきメモリアル Girl's Side 1st Love』が発売されました。

本作にはなんと、OPだけでなくEDにも楽曲を起用する豪華さ。OP曲「SIGNAL」は、ゆったりとした曲調。歌詞は、ストレートな恋愛ものというよりは、倦怠感の中にある関係性での恋愛を表現しているような印象です。また、「ときめき」という言葉が使われています。

ED曲「美しき世界」は、OP同様ゆったりとした曲調。歌詞は、ゲーム内の学園生活、サビには卒業の日の告白を思わせる印象に。曲調と相まって、物語が終わった時の寂しさと多幸感を感じられます。

◆2007年発売、PS2/PSP向けソフト『バーンアウト ドミネーター』『バーンアウト パラダイス』
2007年エレクトロニック・アーツより発売のPS2/PSP向けレースゲーム『バーンアウト ドミネーター』および2008年発売『バーンアウト パラダイス』は、44作目のシングル「SUPER LOVE SONG」に収録されている「FRICTION」を挿入歌として起用。同年には16作目のアルバム「ACTION」をリリース。
ギターのイントロや歌い方のアレンジをした「FRICTION -LAP 2-」が収録されています。

『バーンアウト』シリーズは、他車を破壊しながらゴールを目指すレースゲーム。2018年にPS4向け、2020年にスイッチ向けに『Burnout Paradise Remastered(バーンアウトパラダイスリマスタード)』が発売されました。また、『バーンアウト パラダイス』では「B'z Car」が登場。ゲーム内コード「BZFRICTION」を入力することでアンロックすることができました。

楽曲「FRICTION」は、レースにふさわしい疾走感がありながら、ゲーム中の“他車を破壊する”激しさを感じさせます。歌詞はすべて英語。日本語訳にして「自分の道を探せ」「FRICTION(衝突)なしではやっていけない」など、まさに『バーンアウト』シリーズを表しています。

◆2012年発売、PS3/Xbox360向けソフト『Dragon's Dogma』
2012年カプコンより発売のPS3/Xbox360向けアクションRPG『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』は、「さまよえる蒼い弾丸」を英語歌詞に書き下ろした「Into Free -Dangan-」を主題歌に起用。

同年には、50作目のシングル「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」、「Into Free -Dangan-」を含む、ヒットシングルを英語詞に書き下ろしした5曲を収録の配信限定アルバム「B'z」をリリースしました。

『Dragon's Dogma(ドラゴンズドグマ)』は、自由度の高いアクションを中心としたオープンワールドゲーム。現在、本作の追加拡張版『Dragon's Dogma: Dark Arisen(ドラゴンズドグマ:ダークアリズン)』が各プラットフォームで配信中です。


「Into Free -Dangan-」は、「さまよえる蒼い弾丸」の曲調そのままに英語歌詞に書き下ろした曲。「Into Free -Dangan-」(自由へ)のタイトル通り、オープンワールドの自由な世界への冒険、歌詞全体で作品の世界観を表現しているように思います。

◆2013年発売、PS3向けソフト『Rocksmith2014』
2013年Ubisoft(ユービーアイソフト)より発売のPS3向けリズムゲーム『Rocksmith2014(ロックスミス2014)』は、「ギリギリchop」をCMに起用。

また、ゲーム内に「ultra soul」、松本孝弘氏のソロ曲「GO FURTHER」、DLCとして「Easy Come, Easy Go!」「juice」「ギリギリchop」が収録されています。同年に、ベストアルバム「B'z The Best XXV 1988-1998」「B'z The Best XXV 1999-2012」をリリースしました。

『Rocksmith2014』は、実際のギターに繋いでプレイするリズムゲーム。起用されてる「ultra soul」はもちろん、他の楽曲はどれも名曲で、実際にギターで弾きたくなるものばかりです。松本孝弘氏のソロ曲以外は、先ほど紹介したベストアルバムに収録されています。

また、松本孝弘氏が本作のために特別なメッセージを残しています。

◆2018年発売、PS4向けソフト『真・三國無双8』
2018年コーエーテクモゲームスより発売のPS4/steam向けアクションゲーム『真・三國無双8』は、前年にリリースした20作目のアルバム「DINOSAUR」に収録されている「King Of The Street」をテーマソングに起用。この年は、結成30周年。ライブツアー「B'z LIVE-GYM Pleasure 2018 -HINOTORI-」が開催されました。


『真・三國無双8』は、「三国志」に登場する武将たちを操作する、一騎当千の爽快アクションゲーム。シリーズ初のオープンワールドを採用しています。今年7月にPS Plusのカタログに本作品が追加。プレミアム、エクストラ加入で遊ぶことができます

「King Of The Street」は、小気味よいドラムからスタートし、リズム感そのままに疾走感のあるギターソロ、サビは爽やかさを感じさせる曲です。歌詞の方は、「三国志」のイメージはあまり湧かないものの、“オープンワールド”の表す自由さを稲葉浩志氏の独特な世界観で表現している印象があります。

◆今後の活躍も期待!B’zとしての活動はもちろん、ソロ活動にも注目
ここまで、B’zが主題歌やテーマソングとして関わったゲーム6作品と共に振り返りました。紹介した楽曲以外にも、シングル54作、アルバム22作他、数多くの作品を輩出。さらに、それぞれのソロ活動もおこなってきました。本文中では紹介しませんでしたが、稲葉浩志氏のソロ曲「BLEED」は『龍が如く 極』のテーマ曲となっています。

B’zは、Ado氏の新曲「DIGNITY」の提供や、松本孝弘氏が日本空港ビルデング創立70周年記念テーマ曲「GLORIOUS 70」の発表、稲葉浩志氏の新曲「我が魂の羅針」が2023年夏にリリース予定のスマホ向けシミュレーションRPG『アスタータタリクス』のエンディングテーマに決定するなど、35年経っても絶えず活動しています。

B’zのこれからの活躍に目が離せません!
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