「コミックマーケット」や「東京ゲームショウ」などのイベントだけでなく、雑誌のグラビアやテレビ番組でも見かける機会が増えました。
◆コスプレ界隈の変化に対する適応力が高い
しょこらさんは環境の変化が大きかったコスプレイヤー世代です。というのも、コスプレ活動を始めて間も無くコロナ禍に見舞われてしまい、イベント参加やスタジオ撮影には行けず、自宅でコスプレをして写真をSNSに投稿する自撮り活動が中心でした。
コロナ禍が明けて徐々にイベントが再開されても、イベント参加経験がほとんどなかったため勝手が分からず、大勢の前でコスプレするのに大きな勇気が必要だったといいます。
初めて参加した大型のコスプレイベントは2021年10月に開催された「池袋ハロウィンコスプレフェスタ2021」でしたが、『ウマ娘 プリティーダービー』セイウンスカイのコスプレをしたものの、列を作っての撮影対応にはなかなか踏み切れず、交流がメインだったそうです。
徐々に即売会や撮影会などのイベントに慣れたと思ったら、フォロワー数が短期間で一気に増えたこともあって、企業案件のオファーが舞い込むように。しかし、当初は趣味でコスプレを楽しむのとは勝手が違って戸惑ったそうです。
それでも、持ち前のポジティブさとチャレンジ精神でなんとか乗り越え……と思ったら、TIkTokの普及もあり、コスプレ界隈でも動画の投稿が流行るという、これまた今までとは異なる状況に直面します。
コスプレ界隈の変化のスピードが早過ぎて、ちょっと立ち止まりたいという思いもありましたが、それ以上に新しいことをたくさん経験したい思いが強かったしょこらさん。団結力があるファン(通称:しょこらー)の存在が大きく、「ファンを喜ばせたい、楽しませたい」というサービス精神に火がついて、新しいことへのチャレンジをためらいませんでした。
「東京ゲームショウ2023」では、4日間通しで撮影対応する体力、そして抜群のファンサービスを見せて多くの来場者を魅了していましたが、2021年のやや人見知りな印象のしょこらさんからは、想像もできない変化でした。
◆「コスプレ×○○○」掛け合わせることで世界が広がる
2023年はしょこらさんにとって挑戦することが多い年でした。HoYoverseのような大きなコンテンツの公式コスプレイヤーとして起用されるプレッシャー、失敗が許されない生放送の配信番組への出演、YouTubeやビリビリ動画配信用の動画撮影、「台湾FF(FANCY FRONTIER開拓動漫祭)41」をきっかけに海外遠征、そして極め付けが「声優を目指す」宣言でした。
確かに、しょこらさんの声色は可愛いらしいから向いていると思う反面、何故ここまで新しいことに挑戦するのか気になるファンは多いかもしれません。
◆「コスプレイヤーとしての自分が先(軸)にあるけど、その上でやりたい色んなジャンルの活動と掛け合わせたい」(しょこら)
その答えは、例えるなら異業種コラボで、コスプレや自分のことをより多くの人に知ってもらうために、「コスプレ×◯◯◯」が不可欠だという考えでした。
自身が年齢を重ねていく上で、いつまでハイパフォーマンスを発揮できるか分からないこともあり、それでもコスプレ活動を続けられる選択肢は多いに越したことはありません。コスプレイベントに留まらない活動の場が増えれば、それだけ応援してくれるファンの前に出る機会が増えるということでもあります。
そして、コスプレの仕事をすることを喜んでくれるファンに応えたい思いもありました。実は中国と比べると、日本はコスプレの仕事が少ないのです。
◆写真展開催の意義
10月20日(金)~22日(日)までの3日間、東京都三鷹市にあるギャラリー「Gallery Photo-yell」で、しょこらさんがモデルの中華ファッションをテーマにした写真展が開催されます。最終日の10月22日はしょこらさんも在廊予定です。
しょこらさんはSNSで1日写真1投稿を自分に課しているため、カメラマンの作品撮りだけではペース的に間に合いません。そのため、自撮りを多くしています。最近はスタジオに1人で行って何着分も自撮りする離れ業を見せています。しょこらさんの自撮り投稿へのアクティビティは非常に高いです。それだけ需要があるというわけですね。
「自撮りで完結するなら、カメラマンの作品撮りは不必要なのでは?」となりそうでもありますが、しょこらさんは自撮りを喜んでくれる人もいるし、作品がきっかけで知ってくれる人もいるから、どちらも必要だと考えているといいます。そもそも、コスプレイヤーとして作品を残したい思いがあるし、企業案件では外部のカメラマンが撮影するから作品撮りに慣れることも大切なのです。
また、しょこらさんは、中華圏や東南アジアで開催されるイベントにゲストで呼ばれたり、企業案件をやってみたり、活動の場を広げたいという思いを強く持っていますが、海外だと自撮りよりも作品撮りが評価される傾向にあります。
……ということで、最後に今回開催される写真展の内容を紹介して終わります。中国はアメリカと並ぶファッション大国であり、その中でも若い人に人気が高いのが、チャイナドレスや漢服、女子高生服、ロリータ服です。
日本にも逆輸入の形で取り扱うセレクトショップが増えました。ギャラリーでは中国の人気ブランドを中心に、この写真展のために撮り下ろしたしょこらさんの写真を展示します。コスプレイヤーのしょこらさん、中華ファッションに興味がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか?
モデル:しょこら(X:@Chocolat_cos0)
撮影:乃木章(X:@Osefly)