その年に活躍したゲームの中から、最も優れたタイトルに贈られる「Game of the Year」(以下、GOTY)。この賞そのものは、様々なメディアや団体がそれぞれ発表していますが、世界中から大きな注目を集めるのが、「The Game Awards」のGOTYです。


近年の受賞作を振り返ると、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』(2017年)や『 ゴッド・オブ・ウォー』(2018年)、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』(2019年)、『The Last of Us Part II』(2020年)、『It Takes Two』(2021年)が栄冠に輝きました。また2022年は『ELDEN RING』が受賞と、こちらも納得の選考です。

2023年のGOTYは、12月8日(日本時間)に行われる「The Game Awards 2023」にて発表されます。果たしてどのタイトルが、2023年のゲーム市場を代表するのか。その発表に先駆け、ノミネートされている6作品を紹介します。どんなゲームたちが競い合うのか、予習を兼ねてご覧ください。

■『Alan Wake 2』
今回ノミネートされた6作品の中で、日本の平均的なプレイヤーの間で最も知られていないのは、おそらくこの『Alan Wake 2』でしょう。

待望されたサバイバルホラーシリーズの最新作となる『Alan Wake 2』は、今回の「The Game Awards 2023」では8部門にわたって名を連ねています。これだけ幅広く選出されている点だけ見ても、世界的に高い評価を博していることが窺えます。

アラン・ウェイクとサーガ・アンダーソンの2人を操作し、悪夢のような世界に悩まされながら、わずかな光を頼りに生き延び、超自然的な謎に挑む『Alan Wake 2』。GOTYという光も掴むことができるのか、必見です。

■『バルダーズ・ゲート3』
こちらも国内向け(日本語版)がまだ販売されていないため、日本での注目度はまだ低めですが、いち早く発売された海外では高評価を連発。
すでに数多くの賞を手にしており、「The Game Awards」のGOTYでも最有力候補に位置づけている人が少なくありません。

世界のあらゆる場所で待ち受けている冒険の数々、豊富な選択肢による展開の分岐、ダンジョンやらバトルまで複数の攻略法から自分らしいプレイを見つける楽しさ、そいのいずれが濃密な深さを持っており、「洋ゲー」という一点だけで尻込みしてしまうのはもったいないほど。

キャラクターデザインも濃い目ですが、その入り口さえ乗り超えてしまえば、各人の個性の濃さに惹かれ、冒険の旅を通して良きパートナーと感じることでしょう。RPG好きならば、プレイを一考する価値が十分ある名作です。

<cms-pagelink data-page="2" data-class="center">SIEやカプコンの名作もノミネート</cms-pagelink>

■『Marvel's Spider-Man 2』
『Marvel's Spider-Man』シリーズは、まるで現実かと思うほどリアルな背景描画や、原作にも負けないダイナミックで予想外のアクションを、ゲームプレイの中で見事に表現しきってプレイヤーを驚かせました。

シリーズ最新作の『Marvel's Spider-Man 2』は、そうしたシリーズの魅力をしっかりと受け継ぎつつ、2人のスパイダーマンを主人公に抜擢。ピーターとマイルズのコンビで立ち向かう新たな戦いは、今回も多くの方から支持を集め、発売から1日で250万本、そして2週間足らずで計500万本もの販売本数を達成した、大人気タイトルです。

バトルは多彩なアクションが用意されており、自分好みの戦法を選ぶもよし、常に最適な立ち回りを模索するもよし。また、スパイダーマンの能力を駆使する移動は、摩天楼を縦横無尽に飛び交うことができ、本シリーズでしか味わえない刺激と興奮に満ちています。このインパクトがGOTYにも届くのか、目が離せません。

■『バイオハザード RE:4』
サバイバルホラーを切り開いた金字塔的な作品『バイオハザード』シリーズは、今も広く愛されています。ナンバリングも着実に進んでいますが、シリーズの過去作を現代のプレイフィールに合わせて蘇らせるリメイク展開も平行して行われており、この『バイオハザード RE:4』はリメイク版の最新作にあたります。


2005年に発売された原作をベースとしているため、その全てが「完全に新しい体験」ではありません。その意味では、新鮮味、また刺激という点で、少々不利な立場と言えます。ですが、蓋を開けてみれば海外メディアの反応も良く、メタスコアは今も93点をマーク。リメイクながら、完全新作に負けない刺激と興奮を提供しました。

また本作は、無料DLCで「VRモード」も楽しめます。PSVR2越しに見る『バイオハザード RE:4』の世界は、通常のプレイとはまた違う趣きと恐怖があります。もし体験できる環境にあるなら、一度試してみてください。

<cms-pagelink data-page="3" data-class="center">任天堂作品は、2タイトルが候補に加わる</cms-pagelink>

■『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』
『スーパーマリオブラザーズ』といえば、ファミコンブームの立役者であり、以降も任天堂の歴代プラットフォームで活躍を続けてきた名シリーズです。主人公のマリオは同社の顔であり、レースにパズル、RPGと、活躍の幅はジャンルの壁を超えています。

ですが、『スーパーマリオブラザーズ』の原点といえば、やはり横スクロールアクションです。このジャンルでのシリーズ完全新作はしばらく音沙汰がなかったものの、約11年ぶりに『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』が空席を埋めました。

しかし本作は、「懐かしいレトロなゲーム」では決してありません。
横スクロール形式のステージ進行自体は慣れ親しんだものですが、ゾウへの変身、バッジで広がるアクション、世界が一変する「ワンダー」などの新要素が、未体験のアクションゲームに誘ってくれます。

この新たな興奮は、世界中のプライヤーに広く届き、発売から2週間で累計販売本数が430万本を突破。懐かしいだけでは決して届かない数字を、短期間だけで叩き出した『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』。GOTYというワンダーも実現するのか、要注目です。

■『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』
最後に紹介するのは、こちらも任天堂の作品『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』です。『ゼルダの伝説』シリーズ自体、国内外を問わず人気があり、常に関心が寄せられていますが、この『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は特に注目を集める理由がありました。

それは、2017年に大発売された『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』の続編だったためです。前作は、ニンテンドースイッチの牽引役を果たすほどの大ヒットを遂げ、「The Game Awards 2022」のGOTYを受賞しました。

偉大な先駆者の続編とくれば、大きな期待が負わされます。その責任の重さは、並みならぬものがあるでしょう。しかし『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』は、発売からわずか3日間で販売本数1,000万本を達成。期待以上の実績を、早くも達成しました。


もちろん、ゲーム内容も想像を上回る完成度でした。大空に、そして地底にも広がる探索は刺激に満ちており、湧き上がる冒険心をどこまでも満たしてくれます。また、「ウルトラハンド」によるクラフトは、探索やバトルの楽しさを大いに高め、前作にはない興奮を与えてくれました。

前作に続き、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』もGOTYを獲得するのか。『ゼルダの伝説』の挑戦とその結果も、ぜひ見届けて届けてください。
編集部おすすめ