任天堂の新たなゲーム機「ニンテンドースイッチ2」(以下、スイッチ2)の発売日が、2025年6月5日に決定しました。同日発売のゲームタイトルも明らかになっており、どれくらい見積もっておくか予算を組んでいる人も少なからずいることでしょう。


しかし、案外忘れがちなのが「周辺機器」の存在です。ゲームプレイが快適になるものから、特定のゲーム環境に必須の機器まで、こちらも見逃せません。一方で、ユーザー次第では急いで手を出さなくともいい機器もあるため、その見極めも重要です。

周辺機器の必要性や、独自の判断による優先度などの情報をあらかじめ押さえ、購入判断の参考にしてください。

■「Nintendo Switch 2 Proコントローラー」:優先度 高~中
スイッチ2の周辺機器の中で、広くお勧めしたいのが「Nintendo Switch 2 Proコントローラー」(以下、Proコン)です。

スイッチ2本体には、「Joy-Con 2 (L)」と「Joy-Con 2 (R)」が付属されています。携帯モードなら本体に付けたまま、テーブルモードやTVモードなら「Joy-Con 2 グリップ」に装着して使えば、ゲームプレイは十分可能です。

もちろん、その状態で遊ぶのも悪くありませんが、Joy-Con 2は(Joy-Conと比べると大きくなったものの)携帯性を兼ね備えるため、一般的なコントローラーと比べると小さめ。グリップに装着した状態でも、やや小さく感じる人もいることでしょう。

Proコンの形状は従来のコントローラーに近いため、サイズ感は十分。バッテリー持続時間も、Joy-Con 2を大きく上回る約40時間なので、不安なくゲームプレイを楽しめます。

また、好きなボタンを任意で割り当てられる「GR/GLボタン」が背面にあるのも嬉しい点です。
例えば、「Rスティックを動かしながらBボタンを押す」というやり辛かった操作が、「Rスティックを動かしつつ、Bボタンの役割を割り当てたGRボタンを押す」とすることで楽々とこなせます。

「従来のグリップ感でプレイしたい」「背面ボタンを活用して快適なプレイ環境を楽しみたい」といったユーザーは、スイッチ2と一緒にProコンの購入もお勧めします。希望小売価格は9,980円(税込)なので、決して安くはありませんが、長く遊ぶほど快適なプレイ環境は重要度を増します。

一方、「Joy-Con 2やグリップとの組み合わせで十分」「携帯モードでしか遊ばない」という人は、少なくとも早急にProコンを購入する必要はないでしょう。

なお、スイッチ向けのProコン(Nintendo Switch Proコントローラー)もスイッチ2で使えるため、新規購入にせよ、使い回すにせよ、そちらで代用する手もあります。ただし、背面ボタンの機能はないのでご注意を。

■「Joy-Con 2 (L)/(R)」:優先度 低
「Joy-Con 2 (L)/(R)」は、スイッチ2本体を買うと必ず付属しています。そのため、ソロプレイや「おすそわけプレイ」による2人プレイなら、新たに買い足す必要はありません。長く使った末に故障し、修理代も高くつきそうな場合に購入するのが、最も多いケースでしょう。

そのため、発売日に予備のJoy-Con 2を買う必要はなく、しばらく見送りでも問題ありません。「スイッチ版のパーティゲームを、スイッチ2で遊びたい」という場合も、スイッチのJoy-Conがスイッチ2に無線接続可能なので、スイッチのJoy-Conが家にある人は買い足す優先度はさらに低くなるでしょう。

もっとも、今後の展開次第では、いずれJoy-Con 2の購入を検討するケースも出てくるものと思われます。


例えば、Joy-Con 2ならではのマウス操作を活用したゲームで、オフラインの協力プレイや対戦プレイがあれば、2組目のJoy-Con 2が必要になるはず。また、マウス操作を取り入れたゲームを3人以上で遊ぶ場合(7月24日発売の『スーパー マリオパーティ ジャンボリー Nintendo Switch 2 Edition + ジャンボリーTV』など)も、Joy-Con 2の追加購入が視野に入ることでしょう。

Joy-Con 2の希望小売価格も9,980円(税込)なので、気軽に買いやすい額とはいえません。発売日時点の購入優先度は低めに設定しても、大きな問題はないでしょう。ただし、家族などでプレイする機会が多い人は、中期的な購入予定に組み込んで置く方がいいかもしれません。

ちなみに、「Joy-Con 2 ストラップ」も同日発売されますが、スイッチ本体はもちろん、「Joy-Con 2」にもストラップが付属しています。周辺機器の「Joy-Con 2 ストラップ」は完全に予備用なので、慌てて買う必要はありません。

■「Joy-Con 2 充電グリップ」:優先度 中~低
Proコンを導入しない場合、TVモードやテーブルモードでは、Joy-Con 2をグリップに装着してゲームをプレイするはず。グリップ自体は本体に付属するため、買い足すことなく一定のプレイ環境は維持されています。

ただし、本体付属の「Joy-Con 2 グリップ」に充電機能はありません。Joy-Con 2をグリップ型として使える操作性に特化しており、充電する際はスイッチ2本体に挿し直さなければなりません。

そうした取り扱いが面倒だったり、充電切れを心配したくない人は、「Joy-Con 2 充電グリップ」の導入を検討しましょう。
ワイヤレスで使えるのはもちろん、付属のUSB充電ケーブルを繋いでおけば充電しながらもプレイが可能になります。

また、GL/GRボタンもあるため、Proコン代わりに使うという手もあります。希望小売価格も3,980円(税込)と、Proコンと比べると安く済むのも嬉しいところです。

プレイ環境をコスパ良く向上させたい人は、「Joy-Con 2 充電グリップ」の購入も候補に加えておきましょう。本体に付属する「Joy-Con 2 グリップ」で十分と考える人は、無理に考慮する必要はありません。

■「Joy-Con 2 ハンドル 2個セット」:優先度 低
「Joy-Con 2 ハンドル 2個セット」は、Joy-Con 2を取り付けることで、レースゲームを車の運転のような感覚でプレイできるようになる周辺機器です。

スイッチ2と同日に『マリオカート ワールド』が発売されるので、本作を遊ぶ予定なら「Joy-Con 2 ハンドル 2個セット」を活用して臨場感たっぷりに遊ぶのも悪い手ではありません。

ただし、「Joy-Con 2 ハンドル 2個セット」自体に特別な機能はなく、基本的には一体感を楽しむためのもの。その体験に、希望小売価格2,480円(税込)を払うかどうか、悩ましいところです。直感的に欲しいと思う人以外は、先送りにするのもアリでしょう。

■「Nintendo Switch 2 ドックセット」:優先度 低
スイッチ2をTVモードで遊ぶには、ドックへの接続が不可欠です。スイッチのドッグとは互換性がないため、スイッチ2には「Nintendo Switch 2 ドック」が必要です。


しかし、こちらの購入も急ぐ必要はありません。本体を購入すれば「Nintendo Switch 2 ドック」もついてきます。普通に遊ぶ分には、1台のドックがあれば事足ります。

例えば、「普段はリビングのTVで遊ぶが、自分の部屋に戻った時も自室のTVで楽しみたい」といった場合には、それぞれの部屋にドックを設置することで、スイッチ2を差し替えるだけで済みます。毎回ドックを繋ぎ直すのも手間なので、この場合は2台あればかなり楽です。

とはいえ、そのためだけに希望小売価格14,980円(税込)を払うのは、流石にコスパがいいとは言えません。自室では携帯モードやテーブルモードで楽しむか、手間をかけてドックを繋ぎ直すか、大半の人にはこのどちらかをお勧めします。

■「Nintendo Switch 2 カメラ」:優先度 中
スイッチ2の大きな特徴のひとつに「ゲームチャット」があります。「ゲームチャット」では、最大12人のボイスチャットを楽しみながら、うち4人のプレイしているゲーム画面を共有することが可能なオンライン機能です。

ボイスチャットに必要なマイクは、スイッチ2本体に内蔵されています。利用には「Nintendo Switch Online」への加入が必須ですが、2026年3月31日まで誰でも無料で「ゲームチャット」を利用できます。

そのため、「ゲームチャット」のために追加で購入しなければならないものはありません。
ですが、「Nintendo Switch 2 カメラ」を購入・接続すれば、ボイスチャットだけでなくビデオチャットも可能になります。

ビデオチャットなら、声だけでなく表情も分かるので、臨場感や盛り上がりはさらに増すはず。お互いが自分の家にいながら、同じ部屋に集まって遊ぶような感覚が味わえることでしょう。

「ビデオチャットはいいけど、自分の部屋も映るのか……」と悩む人もいるでしょうが、心配は無用です。カメラの映り方は「顔だけ」「人だけ」も選択でき、プライベートな空間の情報をカットすることができます。

希望小売価格は5,980円(税込)なので安いとは言えませんが、友だちや家族との「ゲームチャット」を考えている人なら、「Nintendo Switch 2 カメラ」の導入を検討する価値は十分にあります。

難点を挙げるとすれば、自分ひとりが購入しても、自分の映像がチャット相手に伝わるだけなので、向こうの映像も見たい場合、その相手も購入・接続する必要があります。あった方が楽しくなるのは確かですが、必須の機器ではないため、全員の意見が揃うかどうか難しいところ。

まずはボイスチャットを楽しみながら、徐々に「Nintendo Switch 2 カメラ」の導入を相談していくのがいいのかもしれません。

■「microSD Expressカード」:優先度 中~低(ただし例外あり)
スイッチ2の本体保存メモリーは256GBになり、スイッチと比べると大幅な増量となりました。しかし、扱うゲームデータのサイズは年々大きくなる一方です。並行して遊びたいゲームや消したくないゲームが増えていくと、内蔵分のメモリーでは足りなくなりがちです。


その問題を解決してくれるのが、「microSD Expressカード」です。スイッチ2ではmicroSDカードは使えず、データの読み出しや書き込み速度が向上した「microSD Expressカード」に対応しています。

データの保存量を拡大できる「microSD Expressカード」は非常に便利な存在ですが、価格も性能相応なので、microSDカードほど安くないのが悩みどころ。容量で価格は変わるため一概には言えませんが、最も少ない容量でも1万円台は避けられません。

ゲームデータのサイズが増えているとはいえ、一般的なユーザーであれば発売日早々に、本体保存分を使い切ることはないでしょう。いずれ容量の問題が立ちはだかるかもしれませんが、その頃には市場の価格がもう少し下がっている可能性もあるので、買い時を待つ=スイッチ2と同時購入はしなくてもいい、と判断するのもアリでしょう。

ただし、任天堂の公式ストア「マイニンテンドーストア」で受け付けているスイッチ2の抽選販売に申し込んだ人やこれから申し込む人は、当選した暁には「microSD Expressカード」も購入する手も悪くありません。

全ては当選した後の話になりますが、「マイニンテンドーストア」ではスイッチ2本体だけでなく、「microSD Express Card 256GB for Nintendo Switch 2」の販売も行われます。

「マイニンテンドーストア」での販売は在庫には限りがあるため、当選者全員が買えるわけではないものの、当選したひとりにつき1点のみ「microSD Express Card 256GB for Nintendo Switch 2」を当面の間販売するとのこと。しかも価格は256GBで6,980円(税込)と、相場と比較してもかなりお買い得です。

スイッチ2発売時点で、「microSD Expressカード」がどれほど安くなっているかは分かりません。しかし、急激に値が下がるとは考えづらく、逆にスイッチ2の影響で一時的に値が上がる可能性もあります。

一般的なプレイなら、発売日早々に「microSD Expressカード」が必要とはなりません。ただし、「microSD Expressカード」を6,980円で購入できる機会は貴重かもしれないので、「マイニンテンドーストア」で本体を購入できる幸運に恵まれた時には、「microSD Express Card 256GB for Nintendo Switch 2」の購入も検討する価値があります。状況と購入意欲を踏まえ、熟考しておきましょう。

なお、「microSD Express Card 256GB for Nintendo Switch 2」のような「Nintendo Switch 2 向けライセンス商品」も、任天堂ゲーム取扱店での購入もできるとのこと。入荷の有無や在庫数は店舗によって異なりますので、それを踏まえた上で取扱店の利用もご一考ください。

スイッチ2と同時に発売される、代表的な周辺機器の特徴や必要性、そして独断で判断した優先度を紹介しました。もちろん、不要と感じた周辺機器を買う意味はまったくないので、欲しいと思うものだけを絞り込むのがお勧めです。

今回紹介したもの以外では、「Nintendo Switch 2 キャリングケース」や「Nintendo Switch 2 オールインボックス」、「Nintendo Switch 2 ACアダプター」も同時発売を予定。前者の2つは、スイッチ2を持ち運ぶ機会が多い人は思案してもいいかもしれません。後者は、故障した時に検討すれば十分です。

また変わり種として、ゲームキューブのコントローラーを再現する専用コントローラーが、「Nintendo Switch Online」加入者に向けた限定商品として発売されます。無線で接続できるほか、オリジナル版にはなかった「Cボタン」などが追加されています。購入先が限られている点も併せ、こちらは当時からのユーザーに向けたファンアイテムの一面が強いため、有用性よりも満足度で購入判断を下した方がいいでしょう。

ゲームを遊ぶにはまず本体、そして遊びたいゲームという順番が基本なので、周辺機器はどうしても後回しになりがち。だからこそ、自分にとって優先度の高い周辺機器を、今のうちに見繕っておきましょう。
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