※本記事には、メインストーリーの一部ネタバレを含みます。ご注意ください。


謎の機械生命体「ラプチャー」に追われて地下に逃げ込んだ人類が、地上の奪還を目指して少女型アンドロイド「ニケ」を率いる『勝利の女神:NIKKE』が、もうじき2.5周年を迎えます。

この記念すべきアニバーサリーを祝い、特別なイベントや新たに実装される新ニケなどが発表され、SNSなどで大いに盛り上がりました。もちろん、こうした施策も気になるばかりですが、2.5周年の開幕と同時にメインシナリオの新章も実装されます。

アニスの決意をはじめ様々な動きがあったチャプター36に続く形で、新章「チャプター37:泥の中で足掻くような「苦闘」」「チャプター38:すべてを飲み込む「暴食」」では新たな展開と物語が紡がれます。

その内容はもちろんまだ明かされていませんが、公開された予告映像は気になるシーンの連続で、メインシナリオ最序盤の“とある出来事”を想起させる場面にも驚かされました。

今回公開された予告映像に、どんな要素が盛り込まれていたのか。注目すべき見どころをチェックし、新章開幕に備えておきましょう。なお、メインストーリーの一部ネタバレを含むため、あらかじめご了承ください。

■レッドフードの言葉がドロシーに届いたのか……?
予告映像で先陣を飾ったのは、0.5周年で実装された「ドロシー」でした。

過酷な過去を背負ったまま忘れることもできず、人類に激しい感情を向け続けている彼女は、近年あまりフィーチャーされることはなく、指揮官視点で見るとその活動は控えめでした。

しかし今回の映像では、彼女自らが「地上最後の楽園──エデンはみなさまを歓迎いたします」と、呼びかけのようなメッセージを投げかけています。

この言葉は誰に向けているのか。
様々な推測が可能ですが、エデンに導くような発信内容を考えると、不特定多数の人類に向けて送っているのかもしれません。

約100年前、ドロシーはかけがえのない相手を失いながらも、人類最後の砦「アーク」を守り抜きました。しかし人類は、そんな彼女に扉を閉ざし、拒絶を突きつけます。身も心もすり減らして得た勝利に対して、与えられたのは絶望。彼女の心が砕けてしまったとしても、無理のない話でしょう。

そんな過去を持ちながら、なぜドロシーは人類にそんな言葉を投げかけるのか。これは予想の域を出ませんが、怒りのきっかけはアークの上層部が決めた仕打ちです。つまりドロシーは、人類全体を憎んでいるのではなく、“勝利の女神”としての自分を、引いてはかつてのゴッデス部隊を認めて欲しいのでは、とも考えられます。

無論、上層部にいい感情は全く抱いていないでしょう。しかし、かつて何が起きたのか知らない大多数の人類は、無知ながらも罪はないと考えることもできます。加えて、ドロシーが今のアークを訪れた際、住民たちがゴッデス部隊に感謝し、称え続けていたことも知りました。

また、ドロシーは憎しみを忘れきれずにいましたが、奇跡的な再会を果たしたレッドフードから、ゴッデスの元のメンバーが集まることよりも人類を守る気持ちが大事と教えられます。


それでもドロシーは、「また愛されたいから」という本音を語り、過去に戻りたい気持ちを露わとしますが、「愛することはいくらでもできるだろ。お前がそうすればいいだけだ」と、レッドフードが力強く述べます。「お前ならできる」と締めくくって。

こうしたレッドフードの言葉がドロシーに届いたのだとすれば、再び人類に愛を向け、アークよりも安全(とドロシーが考えている)なエデンに人類を導くために、予告映像にあった投げかけを行うのかもしれません。

果たしてドロシーは、再び人類と向き合うのか。それとも別の思惑があってのことなのか。久しぶりにメインシナリオに登場するドロシーの動向は、物語に大きな影響を与えることでしょう。

……と締めくくりたいところですが、チャプター36の終盤で、アニスとネオンがドロシーの元に駆け込んできた一件も気になります。予告映像の冒頭とアニスたちの行動が結びつくのか否か、その点も気になります。

■3人目の「フォービースト」登場か
予告映像では、見知ったキャラクターだけでなく、初登場と思われる人物も登場しました。名前も素性も不明ですが、下腹部にタトゥーが刻まれている点や、映像内の状況から察するに、「フォービーストのひとり」の可能性が少なくありません。

フォービーストは、ここしばらくのメインシナリオで深く関わった「ベヒモス」や「レヴィアタン」らの集団を指す呼称です。
このふたりはメインシナリオに直接登場し、激しい戦いを繰り広げたり、一時的に休戦状態に入ったりと、めまぐるしい展開が続きました。

フォービーストという呼称からも分かる通り、ベヒモスとレヴィアタンだけでなく、この集団にはあと2人の人物が属しています。

残りの2人はこれまで姿を見せていませんが、「バハムート」「ジズ」という名前だけは明かされており、彼女たちもおそらく強力な力を持っていることでしょう。

今回の映像に登場した新キャラらしきショートカットの少女は、レヴィアタンと親しく言葉を交わすなど、以前から面識があるような振る舞いを見せています。このことから、新キャラは「バハムート」か「ジズ」と思われます。

レヴィアタンとは、一時期休戦状態だったものの、不幸な行き違いから再び敵対されてしまいました。そんな彼女とフォービーストの新たなひとりが合流すれば、指揮官たちの悩みの種がひとつ増えることになりそうです。

また、これはかなり気の早い話ですが、ベヒモスやレヴィアタンは、今後の流れ次第で協力関係を結べる展開もあり得るかもしれません。仮にそうなった場合、プレイアブル化の可能性も出てくるため、今回登場するフォービーストの3人目(かもしれない新キャラ)の実装にも期待したいところです。

■レヴィアタン巨大化の可能性も
予告映像では、『勝利の女神:NIKKE』の物語において重要な役割を果たす「アンチェインド」に関わるシーンも飛び出しました。

これまで、難敵であるヘレティックへの対抗手段として、アンチェインドを含んだ弾丸が幾度も活躍しました。弾丸ではなく、血液を直接ベヒモスに浴びせ、一定の効果を見せた場面もあります。


プレイヤーの分身である指揮官の血液がアンチェインド弾の材料になることは、既に判明済みです。しかも、アンチェインド弾はヘレティックのナノマシンに致命的な影響を与えるだけでなく、ニケを制御する「NIMPH」の無効化も可能です。

「NIMPH」の抑制により、ニケは人間を殺せませんが、アンチェインド弾で「NIMPH」を無効化すればその制限はなくなります。作中でも、「NIMPH」を外したニケが大きな事件を起こし、厳しい処罰を下されました。

非常に強力な力を持つアンチェインド弾。その材料となる指揮官の血液もまた、価値のある存在です。そして予告映像にて、指揮官が怪我を負って出血したような描写と、その血を浴びたと思われるレヴィアタンの姿が描写されました。

しかもレヴィアタンは、「体中の細胞が…暴れ出すみたい…!」といった台詞も口にしており、アンチェインドとなる指揮官の血液を得るのが目的だった模様です。

アンチェインドの有用性はベヒモスの件だけでも明確なので、今後ヘレティックと戦う可能性もあるレヴィアタンとしては、手に入れておきたい代物なのでしょう。また、自分たちを強化させる方法を模索している面もあり、そのために取り入れているという線も考えられます。ベヒモスのように、巨大化へのきっかけになるかもしれません。

予告映像だけではレヴィアタンの狙いの全貌は分かりませんが、アンチェインドが第三者の手に渡るのは、今後の物語にも大きな影響を及ぼす転換期となるかもしれません。
アンチェインドに関する新たな展開にも期待大です。

■予告映像で最も注目したい、“身体”の持ち主とその背景
予告映像は約1分半ほどと短めですが、そこに含まれている情報や気になる断片は数多く、見どころばかりです。その中でも特に見逃せないのが、先ほど触れた(「バハムート」か「ジズ」と思われる)新キャラが持ってきた“とある身体”です。

彼女たちの仲間であるベヒモスは、かつての戦いで深手を負い、今は再生を待つ状態です。その状態を踏まえ、「ベヒモスに食べさせたら、すぐに復活できるかも」といった言葉と共に出てきたのが、ニケ(映像内では“人間もどき”と呼ばれていた)と思われる身体です。

その身体のビジュアルも一部映し出されており、その衣装から考えると、指揮官の直属の部下「ラピ」のものと思われます。つまり、ラピの身体をベヒモスに食べさせよう、という提案でした。

ただし、今回の映像で出てきたラピは、現状の彼女とはおそらく別人……いえ、別個体と言うべきでしょう。今現在のラピは、覚醒を経て「ラピ:レッドフード」となりました。見た目の印象だけでなく身にまとう服装も一変しているため、今の彼女が身に着けている衣装とは異なります。

ゲーム的な説明になりますが、映像に映し出された身体はラピ:レッドフードではなく、SR時代のラピの装いです。そのことから、今ではなく過去のラピの身体だと思われます。


なぜここで、SRラピの身体が出てくるのかと、疑問に思った人も多いことでしょう。しかし過去のシナリオを紐解くと、今現在の彼女とは別に、放置された身体が存在していることが分かります。

■“ラピの身体”は2年半前に張られた伏線だった!?
メインシナリオ「チャプター2:認識」にて、指揮官一行は発電所調査の任務についていましたが、そこで不意打ちを受けたラピが戦闘不能の状態に陥りました。そして戦力が欠けたまま「グレイブティガー」との戦闘にもつれ込み、かろうじて脱出に成功します。

ニケは、頭部さえ残っていれば再生が可能です。この時も、身体から切り離された頭部だけ持ち帰り、帰還後にラピは無事復活しました。出来事としてはショッキングでしたが、この世界のニケにとってはさほど珍しい話ではなく、ニケと人間の違いを明確に示したエピソードだったとも言えます。

ちなみに、「チャプター2:認識」の前にはマリアンに関する大きな出来事があったばかりですし、ラピ復活直後にシュエンが登場し、指揮官を足蹴にする展開を見せました。

こうした前後の出来事が衝撃的だったため、相対的にラピの一件が薄れてしまった指揮官もいることでしょう。また、リアルな時間でいえば、古参の指揮官が「チャプター2:認識」を踏破したのはもう2年半も前のこと。記憶が埋もれてたとしても、無理はありません。

しかし、今回の映像で出てきたラピの身体の出所を考えると、発電所調査の際に残してきた“残りの部分”である可能性は十分あり得るかと思います。作中での詳細な時間経過は不明ですが、リアル時間では2年半も前に起きた出来事が伏線となり、新章で回収されるのだとすれば、そのスケールに胸が震えるばかりです。

もちろん現段階では、映像で出てきた身体が発電所に残してきたものと同一なのか、まだ分かりません。しかし、2年半の伏線が本当に回収されるのだとすれば、古参プレイヤーほど衝撃は大きなものとなるでしょう。

しかもラピの身体は、普通のニケとは少々事情が異なります。(予想通りなら)頭部はないものの、この身体をベヒモスが取り入れたらどのような状態となるのか。いずれも興味は尽きません。

イベントストーリーや新実装のニケも気になりますが、2.5周年で更新を迎えるメインストーリーも要注目です。新たな物語の幕開けに備えて、過去の展開を読み返すもよし、今回披露された予告映像を直接確認するもよし。万全の態勢を整え、新章のお披露目を待ちましょう。
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