今回は、PS5版先行プレイの機会を頂いたので、弊誌ライターの臥待 弦さんと鈴木伊玖馬さんとでチームを組みマルチプレイに挑みました。
言い換えると、仕事を忘れてゲームで皆とわいわい楽しめる良いプレイ体験でした。同じ『エルデンリング』の世界ではありますが、もろもろ勝手が異なる本作では一体どんな冒険が待ち受けているのでしょうか。
『エルデンリング ナイトレイン』とは?
2022年にリリースされたアクションRPG『エルデンリング』の世界をベースに、協力型サバイバルへと装いを新たにしたのが本作。プレイヤーは最大3名による協力プレイで、リムベルドと呼ばれるフィールド型ダンジョンで3日間を生き延び、最後に現れる大ボスとのバトルを楽しめます。
もちろんシングルプレイでも楽しく遊べますが、敵を囲んで張り倒したり、逆に囲まれて蹂躙されたりする面白さは、他プレイヤーと一緒に遊ぶことでぐんと高まる印象でした。
操作・設定・言語について
今回はPS5でのプレイなので操作はコントローラーを使用しています。
設定項目はオーソドックスなものが並び、表示言語は当然ながら日本語にバッチリ対応。文章から立ち上るたまらぬフロム・ソフトウェア作品の匂いに酔いしれましょう。
本編開始
新鮮な体験による面白さ
さあ始まりました『エルデンリング ナイトレイン』。まずはチュートリアルということでこの世界のルール・仕組みを学んでいきます。
そうなんです。本作、操作キャラの足腰が「隻腕の狼」レベルに強化されており、ウマ並の速さで大地を駆け抜け、当然のように壁蹴りからの二段ジャンプを繰り出し、とんでもねえ高所から落ちてもノーダメージでした。
いやトレントに騎乗しないだけで、やってること自体はほぼ同じじゃんよ?と言われたら、まあそうかもしれませんね?となりますが、この筆者が生まれた壊れかけの時代では、即死クラスの高所から飛び降りたら即死だったんですよ。だが本作は違う!
おそらくシリーズ経験者ほど操作キャラの脚力に驚き、同時にシリーズ経験者ほどこの脚力に最初は翻弄されることでしょう。少なくとも筆者はそうでした。他にもいくつかこういった違いはありますが、『エルデンリング』で染み付いた常識(?)を越えた攻略の糸口に繋がっていくのが面白かったですね。
用意されたキャラクターが遊びの幅を広げてくれる
ここからは他プレイヤーと一緒にオンラインの世界へ足を踏み入れましょう。繰り返しになりますが、本作はフレンド必須ではなくシングルでも遊べます。ただ本稿ではせっかくなので、円卓からマルチプレイの設定を行い、ライター2名と筆者からなる即席チームでいざゆかんリムベルド。
準備中または出撃前にはキャラクター選択ができます。本作は自由にキャラクリを行って自分好みに育てていく……のではなく、あらかじめパラメータが設定されたキャラクター達からひとりを選んで使用します。
筆者は前作、狭間の地ではラニ様に忠誠を誓い、直剣を振り回して近接戦を仕掛けるのが大好きでした。したがって本作においても、オーソドックスな戦闘スタイルがよく手に馴染んだ「追跡者」を選ぶことで安全に駒を進めていきt………………、
あっ
スゥーーー・・・・・・(口を閉じ気味に息を深く吸い込む音)
おお……エルデンリング……おお……
筆者は生来、グンバツ銀髪褐色美女(一部死語)にめっぽう弱いので、他の2名が「性能的にまずはこのキャラかな」とか「それなら私はこのキャラを選びますね」とかやっているところへ「俺はこの”癖”でいく」とぶち込み絶句させました(レディ・プレイヤー1風に)。
まずは話を聞いていただきたい……これは別に仕事を忘れて自分の好みだけで選んだのではないのです。そう、前作では、「幼生の雫」によるレベルの振り分けができはしたものの、なんとなくアイテム消費が勿体なくて、手持ちのキャラを作り変えることに及び腰でした。
しかし本作においては、あらかじめパラメータが固定されているため、キャラクターの育成に頭を悩ませる必要が無いのと、高サイクル周回前提のゲームデザインのおかげで、「普段使わないタイプのキャラクター」であっても気軽に試すことができるのです。
したがって繰り返しになりますが、これは決して、万が一にも、仕事を忘れて自分の好みだけで選んだのではありません。万が九千九百九十九くらいです。
手探り状態から進んでいくのが楽しい
そんなこんなで出撃です。
どこかで見たことのあるような上空スタートからの落下演出をはさんでDAY1がはじまりました。
鳥に騎士に魔法使いと、見た目的にもなんだがバランスの良いトリオですね。
ネットワークテスト参加者である鈴木氏を除き、勝手がわからぬ我々は、おろおろと城に向かって歩き始めます。
そして全滅します。なんで?
いつどこでだれがなにをどうやって……いわゆる「5W1H」にもとづき状況分析を試みますが、そこへトドメとばかりに魔法攻撃おかわりが落とされてしまいました。
YOU DIED……おなじみの文字です。とりあえず、「ついさっきそこで我々が空からの魔法で殺されました」という分析だけは持ち帰ることができました。
ちなみに、倒されるとそれまで育てたキャラクターのレベルが下がってしまいますが、死亡地点に表示される光に触れることで回収可能です。ただしその前にもう一度死ぬと消失してしまうので要注意。
あの城には二度と近づくまいぞと決意を新たに、今度は反対方向へ向かうことにしました。雑魚敵も狼くらいしかいないので制圧も余裕でしょう。
ぅわぉぉかみつょぃ
瀕死状態になると、それまでの英雄的な動きから一転して、地面を這い回るイモムシみてえな挙動になります。頭上に表示されたゲージが尽きると死亡してしまいますが、その前に「味方からの攻撃」を一定値受けることで復活することができます。
倒れた味方を助けに行きたいけれど敵の猛攻で身動きが取れない……そんなボス戦では、この仕様を逆手に取り、あえて敵の足元を這いずり回ることで、自ら「味方の攻撃に当たりにいく」ということもしていたり。
マルチプレイだからというのもありましょうが……正直この一連のわちゃわちゃした流れでも、すでに何度も笑いが起きて大いに楽しいゲームプレイでした。
武器装備もいろいろ試してみよう!
どうにも魔法だけだと心許ないので、弓も使っていくことにしました。本作は敵からのドロップ以外に、あちこちに宝箱などが用意されており、これでもかというほど新しい武器装備を入手することができます。
武器は、キャラクターの基本性能に対しての得意不得意はあるものの、どの組み合わせが戦闘で有利になるのかについては、まだまだ検証の余地が大いにあると思うので、こちらも自分のプレイスタイルに合うものを探っていくと良いでしょう。
それにしても遠距離攻撃の使い勝手はなかなかグッドですね。こちらの攻撃のタイミングが、近接スタイルの他プレイヤーたちのリズムと噛み合えば、敵の反撃を一切許さない素晴らしい援護になりました。これは良い発見です。
筆者「昔はお前のような罪人だったのだが、胸に矢を受けてしまってな……」
他2人「「死んでますがな」」
意外と急かされるプレイ
狭間の地よりはだいぶ小規模ながら、本作だってオープンワールド。あちこち探索してのんびりリムベルドを楽しみたいところですが、「夜の雨」が迫ってくるのでそうも言ってられません。
この「夜の雨」とは、マップの外周をぐるりと取り囲むように置かれたエリアのことで、うっかり足を踏み入れようものなら徐々にHPが削られてしまいます。
というか普通に死にました。チュートリアル中、興味本位で境界線を越えて命を落としたのは筆者だけでないはず。
そして「夜の雨」は時間経過で、マップ中央に向かってその範囲をじわじわと狭めてきます。
このタイムリミット要素のおかげで、ゲームプレイを急かされるような感覚になるのですが、同時にそのおかげで、時間経過ごとに現状の「優先順位」および「リスクとリターン」が明確になります。限られた時間の中でどう取捨選択していくか、という部分が全面に押し出されたゲームデザインは本作の魅力の一つでしょう。
ただし一日の終りに待ち構える中ボス戦(?)とのバトルエリアであるマップ中央だけは残されます。
ともあれ我々プレイヤーはマップ攻略中、この時間が許す限り、目ぼしい拠点に殴り込みをかけては武器・装備を整え、道中の祝福でレベルアップを行うことを繰り返して、キャラクターの性能を鍛えることに集中しました。
一日の終りは、ボス戦による「答え合わせ」
というわけでボス戦です。登場する相手は前作で見かけたキャラだったり。こちとら前世では王になったり狂い火になったりしたので戦い方は心得ています。「夜の雨」に追い立てられながら鍛え上げたキャラクターが無事に夜を越せるのか……いざ尋常に勝負!
何の成果も!!得られませんでした!!
夜を越せなかった場合、そこでゲームオーバー。リザルト画面が表示されて、今回の挑戦での足跡と取得物が表示されます。
「遺物」と呼ばれる強化素材(?)アイテムを持ち帰ることもできるので、たとえ負けてしまっても、武器強化だったりイベントだったりと何らかの形でゲームは進行するので安心です。前言撤回、ちょっとだけ成果を得られましたね。
最初のボス戦敗北で気づいたのですが、その時その場での取捨選択が結果として結びついたのかどうかが判定されるのが、この一日の終りの戦いでした。キャラクターを鍛えようと時間をかければタイムリミット、かといって制限時間を気にして消極的であればキャラ性能がいまいち伸びないままボス戦……!
とはいえボスは所詮コンピューターが操る1体。それに対してこちらはプレイヤー操作による3人な訳でして、いかに相手が強かろうと囲んでタコ殴りにすれば多少のゴリ押しでも通用するのは、ちょうど良いバランス調整だと思います。
思いました(過去形)。
3人で丁度いい相手を3体に増やしてどうするつもりだ!
とはいえ、それまでの試行錯誤で徐々にチームワークの形をなしてきた我らが一行。こんな形のボス戦でも、1人が倒れたら1人が救出に向かい、残る1人が囮役となってボスを遠ざけるなど、なかなか良い連携を行うことで押し切りました。ヒリつくバトルは楽しいものの、手に汗握りっぱなしです。
※注意!次ページでは三日目の最終ボスに挑戦しており、スクリーンショットも掲載されています。
さあこの調子で三日目の最終ボスにも突撃。
ほう三つ首の獣ですか。こちとら地元ヤーナムではちょいと名のしれた狩人様でもありました。早速この畜生もわからせて、いや「理解らせ」てやりまs………
すいませんでした!
おやおや?リザルト画面で死亡してましてよ?
先ほど筆者は、「いかに相手が強かろうと囲んでタコ殴りにすれば多少のゴリ押しでも通用するのは、ちょうど良いバランス調整だと思います。」などと垂れましたが、そんなことはなかった。
それまで3:1の戦いを仕掛けて余裕こいてた我々一行の姿はさぞお笑いだったことでしょう。単体ではそこそこ対応できる相手が同時に数体現れたら、正直なところ「キャラクターを鍛えたところで太刀打ちできるのか!?」と絶望します。
しかしそこは本作の持ち味でもある「チームプレイ」でなんとかカバーしていく楽しさがありました。筆者はもともとソロプレイが好きで、1人で狭間の地を彷徨うプレイスタイルでしたが……本作の、こういうわちゃわちゃと皆で楽しむのはなかなかに新鮮で素敵なプレイ体験でしたね。
ともあれ、そんな『エルデンリング ナイトレイン』は、Windows(Steam)/ PS5/ PS4/ Xbox Series X|S/ Xbox One向けに2025年5月30日にリリース予定です。