古くは『キングスフィールド』や『エコーナイト』、近年ではVRゲーム『デラシネ』に『アーマード・コア』シリーズの完全新作など、多彩な展開で実績と信頼を積み上げてきたフロム・ソフトウェア。その人気ぶりと注目度は、今もなお高いままです。


特に話題となったのは、“死にゲー”と呼ばれることも多い高難度アクションゲームの数々です。ゲームファンに衝撃を与えた『デモンズソウル』や3作品を展開した『ダークソウル』シリーズをはじめ、数々の高難度アクションを同社が生み出してきました。

そして、2022年にリリースした『エルデンリング』は、高難度アクションとオープンフィールドを組み合わせ、従来のファンのみならずカジュアル層も取り込み、世界累計出荷本数が3,000万本を超えるほどの大ヒットを記録。“死にゲー”の魅力を広く知らしめます。

この『エルデンリング』をベースに、敵や武器などの要素を一部引き継いだ新作『エルデンリング ナイトレイン』が、本日5月30日に発売されました。『エルデンリング』の名を冠した本作にも大きな関心が集まっていますが、一方でゲーム性が「協力型アクション」に大きく変わった点について、様々なコメントがSNS上に飛び交っています。

そんな『エルデンリング ナイトレイン』の購入意欲をはじめ、同社に求める展開などのコメントを求めたアンケート結果を発表させていただきます。意見が割れがちな『エルデンリング ナイトレイン』の購入傾向は、どのような形になったのか。コメントと共にご覧ください。

■「買う」と「買わない、もしくは様子見」、その回答はまさに五分五分
今回のアンケートで、『エルデンリング ナイトレイン』を「買う」と答えた割合は、全体の51.4%となりました。過半数を占めたものの、その差はわずか。ゲーム性の大きな変化は、購入意欲にも影響を与えたと思われます。


「買う」と答えた側は、「ローグライク、協力マルチが好き」「協力プレイ(PvE)のゲームが好きなので」と、協力プレイそのものを好んでいるといった理由が目立っていました。

また、「調べれば調べるほど面白そうだから」「絶対に面白いと思うからです」と、本作のゲーム性に強い関心を示す声や、「フロムだから」と開発陣への信頼から購入意欲を示す人もいました。

【回答者のコメント:一部抜粋】
・『デモンズソウル』の頃から協力プレイが好きなので。
・『エルデンリング』の世界観で遊べるゲームだから。ベータテストに参加したので、内容も理解しているのも大きい。
・一緒にプレイする友人がいるから。
・フロム産ゲームは、多少のバグは初期でたりするものの、はずれがないと言っても過言ではないくらい面白いものが多い。
・フロム・ソフトウェアの作品の長年のファンだからです。過去の『ソウル』シリーズでマルチプレイを頻繁に遊んでいたわけではありませんが、内容が魅力的なのでとりあえず買ってみます。
「買わない、もしくは様子見」と答えた人は、全体の48.6%でした。無回答はひとりもおらず、ほぼ半々という結果に。買う側も買わないor様子見側も理由は様々ですが、『エルデンリング ナイトレイン』は購入意欲がはっきり分かれる形となりました。


協力プレイを好む人がいるのと同じように、好まない人も当然おり、「オンライン協力ゲームのため」「協力プレイがあまり好きではないため」と、プレイスタイルそのものが合わないと考える意見が多く寄せられています。

また、好みの問題だけでなく、「足を引っ張るのがわかりきっているため」と、他のプレイヤーに対する気遣いや気負いから、購入を見送る人もいました。

このほかにも、「買うつもりだったけど、クロスプレイが出来ないとのことだったので購入意欲が減った」「買うつもりではあるけど、しばらく様子見」「今までとは大きくプレイスタイルが変わる事と、キャラメイクが自由にできないのが残念な点で様子見」といった意見も寄せられています。

【回答者のコメント:一部抜粋】
・協力プレイはいいが、それがメインになるようなものは好きじゃない。
・オン強要が嫌。普通にシングルで楽しめるソウルライクの新作をお願いしたい。
・フロムのゲームは1人でじっくり探索したり、強敵と戦うことを楽しんでいるため、今回は購入見送り予定です。今までのシリーズものも、ゲーム内でのネタバレが嫌でオンラインに繋いだことはありません。
・エルデンリングの派生系や短時間で遊べるローグライクにはなっているが、バトロワを意識したゲームデザインでもあるし、ランダム化したコンテンツに関しても追加アップデートが短期間でガツガツ更新されたりする等なら楽しめそうだが、全体のベースが遊びやすさ重視でもあるので、ユーザーから飽きられるのが早そうな作品でもありそうなので様子見です。
・過去作のオンラインプレイから代々と続くバグがエルデンリングにも存在していたり、そもそも発売直後は本編でさえもバランス調整が怪しいので、PVEの調整が出来るのかかなり不安。私はオフラインで本編を遊ぶ事がメインで、ナイトレインで大きくゲーム性が変わるのもあり様子見したい。

■ユーザーがフロムの“死にゲー”に求めるものとは?
『エルデンリング ナイトレイン』が発売されたほか、PvPvEベースのマルチプレイアクション『ダスクブラッド』を2026年にリリースするなど、フロム・ソフトウェアがおくる高難度アクションの展開は留まるところを知りません。


そこで今回のアンケートでは、「フロム・ソフトウェアの“死にゲー”に求めているものは?」という質問に対する返答も集めてみました。“死にゲー”と一口に言っても、惹かれる理由はひとつではないはず。どの部分に魅力を感じているのか、届いたコメントをそれぞれ紹介します。

傾向として多かったのは、高難度の部分に向けられた声でした。もちろん単に難しいだけでなく、「強大なボスとの死闘」「繰り返しの挑戦で覚えて勝つ」「歯ごたえのあるゲーム」などのコメントからも伝わる通り、意味のある難しさと、それを乗り越える気持ちよさに重点が置かれている模様です。

【回答者のコメント:一部抜粋】
・プレイスキル上位でも初見撃破%が1/3程度に収まる難易度。
・圧倒的難易度と爽快感、少しでもいいから新しい要素、そして何よりブラッドボーン味。
・高難易度でありつつもシナリオも重厚さを両立した繰り返し遊べる作品。
・工夫すれば勝機が見える適度な難易度、敵の一撃の火力を異常に高くしたり一方的な攻撃をしてくるようなボスはあまり求めていない、初見殺しは大歓迎。
・理不尽さを大きく押し出したような調整ではなく、高難易度ながらも攻略の糸口を見つけ出せるような、「良質な体験を追求した結果、高難易度になった」ような丁寧な調整がフロムの死にゲーの良さだと思う。ブラボやダクソ3、SEKIRO、AC6のボス戦のような調整がされたゲームをまた遊びたい。
また、難しさ以外に注視するコメントも多く、「自由度」「探索とビルド構築の楽しさ」といったプレイの幅を重視する意見や、「作り込まれたマップ」に期待する声、「ゲーム性を軸にした新しい発想」のように新体験を望む人など、要望は多種多彩です。
中には「死にゲーに用はない。死なないモードを求めている」といったコメントもありました。

【回答者のコメント:一部抜粋】
・適度な難易度、豊富な武器防具、フレイバーテキストで広がる世界観。
・探索する楽しさや色々な遊び方ができる自由度の高さ。
・取り得る手段の多さ。剣、槌、槍、魔法など、自分のプレイスタイルを選択し貫けること。
・独特の世界観と、強敵を撃破した時の達成感。
・敵の種類や強さ、攻略法に色々なバリエーションがあることです。 戦ってて楽しいボスがいるのはもちろん嬉しいですが、個人的にはSEKIROの火牛やエルデンリングのエルデの獣のように、攻略法をなんとかして見つけ出し、必死になって倒すボスもいてほしいです。

■「今後作って欲しい作品」は、『ブラボ』『SEKIRO』に要望が集中!
冒頭でも述べた通り、フロム・ソフトウェアは数多くのゲームを手がけていますが、その上でなお高難度アクションに惹かれる人が特に多いのも事実です。

そこで、「フロム・ソフトウェアに今後作って欲しい作品を教えてください」といった設問も用意し、完全新作や続編、旧作のリメイクなど、どのような方向性を特に望んでいるのか、こちらの意見も募集しました。

この設問で最も多かったのは、『ブラッドボーン』のリマスターや新作を望む声でした。
『ソウル』シリーズとは一味違うプレイ感ながら、今のところ1作のみで動きがないため、現行機で遊べるようなリマスターや続編を要望する声が多いのも納得です。「もうSIEからIP買い取って、フロム(&バンナム)がPC版とか出せばいいのに…」といったコメントも寄せられました。

次いで多かったのは、『SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE』の新展開です。こちらも高難度アクションながら独自性が高く、また世界観も大きく異なるため、正当な続編または精神的続編を望む声が絶えません。

以降は横並びに近くなりますが、その中でも目立っていたのは『アーマード・コア』について。ナンバリング最新作『アーマード・コアVI ファイアーズオブルビコン』が昨年出たばかりですが、『アーマード・コア ヴァーディクトデイ』から数えて10年越しの展開だったため、更なる新作やDLCを求めたくなる気持ちも十分わかります。

『デモンズソウル』や『ダークソウル』の方向性を要望する人もいましたが、往年のシリーズ作『キングスフィールド』を求める意見も複数ありました。『キングスフィールド アディショナルII』から数えて20年近くも動きがないため、シリーズの復活を望む声が大きくなるのも無理のない話です。

このほかにも、『天誅』シリーズや『ぽかぽかアイルー村』を挙げる人もいれば、「デラシネのような宮崎氏の趣味全開の作品」「ミステリー、サスペンスに重きをおいた、しかし、戦闘もあるもの」といった方向性を望む人も。ユーザーの信頼に応え続けてきたフロム・ソフトウェアだからこそ、要望も多彩に膨れ上がるのでしょう。

『エルデンリング ナイトレイン』や『ダスクブラッド』に続き、どんな刺激的なタイトルを提供してくれるのか。今後のフロム・ソフトウェアからも目が離せません。
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