前世代機の「Nintendo Switch」(以下、スイッチ)は、老若男女を問わず広い層から人気を博しました。一家に一台に留まらず、ひとり一台にまで発展し、子どもの数だけスイッチが家にある、という家庭も珍しくないほどでした。
こうした人気の地盤を引き継ぐスイッチ2も、幅広い年齢のユーザーが手にし、楽しむことでしょう。そして、まだ未成年の子供を持つ保護者たちにとっても、スイッチ2について知っておいた方がいい情報がいくつもあります。
■楽しいからこそ注視したい「ゲームチャット」機能
年齢や家庭の方針にもよりますが、子どもが自分専用のスマホを持つことも珍しくない時代です。離れていても連絡がつく利便性は保護者としても助かりますが、本名すら知らない相手とインターネット越しに接点を持つ可能性もあるため、心配の種も尽きません。
インターネットを介した交流は、今やゲーム機単体でも可能な時代です。システムの進歩も相まって、コミュニケーションの幅に違いこそありますが、現行のゲーム機であれば多かれ少なかれ外部との交流が行えます。
そうした流れは、スイッチ2も踏襲しています。本機では「ゲームチャット」という機能でオンラインコミュニケーションを一括し、この機能を使えばボイスチャットなどが可能になります。
インターネットへの接続は必須ですが、音声入力に必要なマイクはスイッチ2本体に内蔵されているため、スイッチ2とオンライン環境さえあれば、機器を追加購入する必要もありません。
■知っておきたい「ゲームチャット」のあれこれ
ただし、「スイッチ2は、簡単にボイスチャットができるから危険だ」とすぐに決めつけるのは性急です。
操作的に気軽なのは確かですが、ボイスチャットも内包する「ゲームチャット」に誘えるのは、本体に登録された自分の「フレンド」だけ。不特定多数の相手と即座にボイスチャットができるわけではありません。
そのため、「フレンド」にする相手を慎重に選ぶ必要(例えば、リアルで会う友だち同士以外のフレンドは作らない等)があることを、子どもに教えておくことが大事です。信頼できる「フレンド」だけなら、危険性はかなり低下します。
また、誘う側ではなく「ゲームチャット」の招待を受ける側の場合、フレンドの中でも「自分が許可したフレンド」だけが、自分に対して申請できます。知らない相手から「ゲームチャット」に誘われることはないので、その点も安心してください。
ただし、「ゲームチャット」に集まった人の中には、自分のフレンドではない「フレンドのフレンド」がいる場合もあります。チャットに参加する者は事前に確認できるので、その点も事前に教えておき、「知らないフレンドがいるゲームチャットには参加しない」などのルールをあらかじめ決めておきましょう。
子どもがまだ幼いので「ゲームチャット」はまだ早い、と考えている人は、あえて設定をしないという手もあります。「ゲームチャット」を使用するニンテンドーアカウントは、携帯電話番号によるSMS認証が必要で、認証をしなければ「ゲームチャット」は使えません。
ちなみに、子どもが自分用のスマホを持っている場合、自分のスマホの番号でSMS認証を行うかもしれません。それぞれの環境に合わせて、適切なルール作りを事前に行いましょう。
■周辺機器を追加すれば、ビデオチャットも可能
スイッチ2本体だけでボイスチャットが可能です。そして、周辺機器の「Nintendo Switch 2 カメラ」を装着すれば、ビデオチャットも簡単にできます。
「Nintendo Switch 2 カメラ」は追加で購入する機器なので、「うっかり使ってしまう」といったアクシデントはないかと思いますが、子どもがお小遣いで購入する可能性もあるため、「Nintendo Switch 2 カメラ」に関する知識もあらかじめ知っておきましょう。
ビデオチャットも「ゲームチャット」で行うため、フレンドのみといった条件は同様ですが、音だけと違って子どもの姿や場所も映るため、伝わる情報量がさらに増えます。リアルの友人相手なら問題ありませんが、オンライン上でしか接点のないフレンドに“顔”や“居場所”が伝わるのは不安と感じる保護者も多いでしょう。
そのため、子どもがビデオチャットをやりたい場合、その使い方を確認し、必要であればルールを設けましょう。少なくともスマホ使用と同程度のリテラシーを意識しておくのが肝要です。
加えて、「Nintendo Switch 2 カメラ」が持つ便利な機能についても覚えておきましょう。まず、「自分の姿だけ映して背景は消す」「自分の顔のみ映す」といった表示方法が可能なので、居場所の特定を防ぎたい場合はこちらの機能を活用してください。
また、カメラにはプライバシーシャッターが備わっているので、使用時以外はシャッターを閉めておけば、偶然やうっかりで映像情報が伝わる事故を防げます。
■「これをしなければ大丈夫」と油断するのはまだ早い
「ゲームチャット」を使うには、有料サービスの「Nintendo Switch Online」に加入する必要があります。この利用条件を知っている人は、「じゃあ、加入しなければ大丈夫だろう」と判断するかもしれません。
しかし「ゲームチャットおためしキャンペーン」により、2026年3月31日までは無料で「ゲームチャット」が使えます。もちろん、フレンドのみといった制限は変わりませんが、「Nintendo Switch Online」の加入はまだ必須ではないのでご注意ください。
■『Nintendo みまもり Switch』でしっかりチェックを
ここまで様々な危険性や可能性について触れてきましたが、「16歳未満」または「みまもり対象」に設定されている場合、保護者がスマホアプリの『Nintendo みまもり Switch』で許可しなければ、「ゲームチャット」は利用できません。
『Nintendo みまもり Switch』では、チャットする相手の確認や許可、ビデオ通話の許可、チャットの履歴確認などが可能なので、子どもの年齢にもよりますが、安全な運用を行う一助となります。
ただし、こうした機能も事前に設定しておかなければ十分な効果が得られません。スイッチ2を渡す時、子どもと一緒に必要な設定を済ませながら、よく話し合いましょう。
また、チャット中に迷惑行為を受けた場合、「通報」するという手段もあります。ニンテンドーアカウントの規約に反していれば、対象アカウントの利用停止などの処置が行われるので、まずは知識として覚えておいてください。
設定や条件はありますが、スマホのように本体だけで完結しているチャット機能があるため、スイッチ2の運用も慎重さが必要です。
しかし、知っておきたい情報は安全面に限らず、嬉しい機能もあります。特に家計の助けとなるのは、スイッチの周辺機器のいくつかがスイッチ2でも使える点でしょう。
例えば、スイッチ2本体に直接接続はできませんが、無線接続ならスイッチのJoy-Conが使用できます。
また、Nintendo Switch Proコントローラーも使用可能です。こちらは無線接続だけでなく、USBケーブルで本体と接続できるので、そのまま充電することもできます。
便利になり、できることが増え、刺激も増したスイッチ2。その分だけ保護者の気苦労もあるかと思いますが、子どもたちを暖かく見守り、一緒に楽しい時間をお過ごしください。
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