このジャンルは人気が高く、名の知れた名作も多数あります。
その後も『NieR:Automata』とのコラボレーションDLCをリリースするなど、意欲的な展開が続いており、本日6月12日にはPCユーザーが待ち望んでいたSteam版が発売されます。しかも、同日に『勝利の女神:NIKKE』コラボレーションのDLCも登場するなど、既存ユーザーにとっても見逃せない展開が訪れます。
新たなDLCで、『Stellar Blade』に『勝利の女神:NIKKE』の要素がどのように盛り込まれたのか。また、その手ごたえはどれほどのものなのか。事前にSIEから提供を受けたDLCコンテンツ(PS5版)をプレイする機会に恵まれたため、その体験をレポートとしていち早くお届けします。
■『勝利の女神:NIKKE』コラボの幕開けは「荒野」にて
まず、今回の『勝利の女神:NIKKE』DLCは、『Stellar Blade』をある程度進めないと始められません。具体的には、序盤の戦いとチュートリアルを兼ねた最初のステージを終わらせた後に向かう「荒野」のマップ上に、コラボイベントのアイコンが登場します。
アイコンで示された地点に足を運ぶと、そこには『勝利の女神:NIKKE』に登場するロボット犬「ボルト」の姿が。愛嬌のあるフェイスと特徴的なボディラインが、『Stellar Blade』の世界に馴染んで再現されています。
ボルトに話しかけると、案内するかのように走り始め、その先に待っていたのが『勝利の女神:NIKKE』の「紅蓮」。
そしてイヴは、失くしてしまった「大切な品々」の回収を紅蓮から依頼され、そのミッションの達成を目指す形でイベントが進行します。このサブイベントは、本編の進行と平行して行えるので、探索の合間に進めるのが良さそうです。
また、「大切な品々」を見つけると交換用のアイテムが手に入り、ボルトに話しかけると外見が変わる衣装やヘッドセットと引き換えてくれます。交換対象は、衣装とヘッドセットが5つずつ。それぞれ、『勝利の女神:NIKKE』の「ラピ」「アニス」「ドロシー」「アリス」「モダニア」をモチーフとしたものです。
なお、見つけるべき「大切な品々」は全部で5つ。そのうち2つは荒野に、残りの3つは本編後半に訪れる「大砂漠」にあるため、一通り終わらせるにはゲームをかなり進めた後になります。新規で始めた場合、急いで終わらせるのは大変なので、本編を進めながらその合間に楽しみましょう。
■『勝利の女神:NIKKE』風のSTGミニゲームに挑戦!
「大切な品々」の依頼文に概ねの場所が記されていますし、マップ上にも表示されるため、その探索に手こずることはありません。そして、該当箇所に訪れてドローンに話しかけると、画面が一転して戦闘へと移ります。
『Stellar Blade』のバトルは、3Dの立体的な空間を動き回りながら、基本は剣を振るって敵と戦います。
PS5版における操作説明になりますが、Rスティックで照準を動かし、L2ボタンで構えに入り、R2ボタンで射撃を行います。この攻撃で敵を倒していくのが基本になりますが、照準を合わせている間は遮蔽物から身を乗り出すため、敵からの攻撃を受けてダメージを食らってしまいます。
また、ゲージが溜まると発動できるバーストスキルもあり、上空からの援護射撃、イヴによる斬撃、銃撃の一定時間強化と、3つの中から任意で発動可能。いずれも強力ですが、使い勝手が異なるため、状況に合わせた使い分けが肝心です。
ダメージを受けすぎると当然やられてしまいますが、アイテムでの回復も可能。また、例えば「黄色のドローン」を攻撃すれば一定範囲の敵を巻き込んで爆発するなど、戦局を有利に運ぶ要素も盛り込まれています。
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■新たなバトルは手ごたえも十分。これが、真の「ニケ2(嘘)」……!?
遮蔽物に隠れつつ、敵に照準を合わせ、身を乗り出して撃ち抜く。このワードだけで察する人も多いかと思いますが、このバトルは『勝利の女神:NIKKE』をモチーフとしており、さながら『勝利の女神:NIKKE』の世界にイヴが迷い込んだかのようです。
ただしこのバトルでは、『勝利の女神:NIKKE』と違って戦うのはイヴひとりのみ。
『勝利の女神:NIKKE』では遮蔽物に隠れることしかできませんが、こちらは左右に移ることができるため、敵の攻撃を事前にかわすことが可能です。そのため、このコラボバトルは『勝利の女神:NIKKE』よりも激しいアクションが楽しめます。
ちなみに、『勝利の女神:NIKKE』においてで「左右への移動」という要素は基本的にありませんが、2025年のエイプリルフールイベントにて、左右に移動しながら敵と戦う期間限定バトル「FOOL SIMULATION」が実施されました。
このコンテンツの説明文には、「転んで、隠れて、撃って。ニケ2のプロトタイプ(嘘)をお見せします」とあり、そのプレイ感は実際に新鮮なものでした。もちろんこれは、ジョークとしての「ニケ2」ですが、『Stellar Blade』のコラボバトルを遊びながら「FOOL SIMULATION」をつい思い出してしまいます。そうか、これが真の「ニケ2(嘘)」なのか……!
そんなささやかな接点を思い出しつつも、ゲーム性そのものはかなり変わっている印象です。本家の『勝利の女神:NIKKE』は、要所で遮蔽物に隠れつつも攻撃重視で戦いますが、『Stellar Blade』のコラボバトルは回避もかなり重要です。
速度の遅い投擲系の攻撃は目視で分かりますし、レーザーサイトを向けられるため射撃も事前に予測できます。遮蔽物に隠れるのも手ですが、地形にダメージゾーンを置く攻撃もあり、的確な左右移動なしで勝つのは難しいでしょう。
プレイした実感としては、見た目以上にアクション性が高く、本編ほどではないものの手さばきもそれなりに忙しめ。
特に「アリス」の大切な品を見つけるバトルは『勝利の女神:NIKKE』の「拠点防衛線」を再現したものになっており、ここのクリアにかなり手こずりました。拠点に侵入する敵を優先的に倒さないと占有率が下がって失敗になるものの、他の敵を無視するとダメージを食らいやすく、体力が尽きてしまいます。
かといって回避やカバーを多用すると、今度は拠点の占有率が低下してしまい、あちらを立てればこちらが立たず状態に。先ほども触れましたが、ドローンを上手く活かしつつ、状況に合わせたバーストスキルの発動が肝要です。
ただし、手ごわいといっても(ゲーム性はまったく違いますが)本編後半のボス戦ほどではなく、何度かトライ&エラーを繰り返せば勝機も少しずつ見えてきます。1戦1戦はさほど長くありませんが、手ごたえは十分。アイテムを回収した後も繰り返し遊べるので、被ダメージをいかに抑えるか、チャレンジする楽しさもあります。
個人的には、武器などのカスタマイズもあれば、さらに嬉しかったのですが、正当進化はいずれ出る(かもしれない)「ニケ2(真)」に期待しておきます。
■「紅蓮」の強さはラスボス越え! 腕に自信がある人はぜひハードモードで
『勝利の女神:NIKKE』をモチーフとした銃撃バトルと報酬でもらえる新衣装にならび、DLCのもうひとつの目玉となるのが「紅蓮」との戦いです。
こちらは従来の『Stellar Blade』のシステムでの戦いとなり、武器攻撃によるコンボ、ベータスキルやバーストスキル、ジャスト回避にジャストパリィ、そしてブリンクやリパルスといった様々な要素を駆使して、紅蓮との激戦に挑みます。
紅蓮と戦う場面は、今回はまだ伏せておきますが、そのタイミングも含めて“焦ることはない”とお伝えしていきます。
これほど念を押して伝えるのは、紅蓮の強さが並みならぬためです。実は、筆者の『Stellar Blade』のゲーム進行は、2周目の後半で一時的に止まっていました。そのため、今回のDLCを遊ぶには3周目に突入しなければならず、駆け足気味で終盤のボス戦も乗り越えました。
つまり、ラスボスを倒してからさほど時間を置かず、紅蓮との戦いに挑みました。その実感を一言でまとめるなら、紅蓮の強さはラスボスを軽く超えています。ラスボスを含め、終盤のボスはいずれも手ごわい相手揃いですが、紅蓮の攻撃は格が違いました。
緩急こそありますが、紅蓮の動きは全体的に軽やか。攻撃に移る速度も速いため、目が慣れていないとガードもままなりません。攻撃は剣で行うものの、斬撃が飛んできたり、自分がいる場所を直接斬られたりと、遠距離攻撃もお手の物です。
もちろん、最も攻撃が激しいのは近距離戦で、正面からの斬撃はまだ防ぎやすいものの、防御不能技(回避で対応)なども織り交ぜてくるため、ひとつひとつの攻撃に正確で丁寧な対処が求められます。
『勝利の女神:NIKKE』は主に銃撃戦のゲームなので、紅蓮も遮蔽物に隠れ、遠くからの斬撃で戦います。原作では巧みな剣戟を披露する機会が少ないため、存分に戦える『Stellar Blade』の世界で、その手ごたえを存分に楽しんでいるのかもしれません。
十分にシステムを理解した上で、何戦かは紅蓮の行動を観察することに割いた上で、全力で挑むことをお勧めします。それほどの強敵だと思った上でも、想像を上回る強さかもしれません。
難易度設定は可能なので、どうしても勝てない場合はストーリーモードで挑むという手もあります。ただし、報酬がもらえるのはノーマルモードよりも上でクリアした場合なので、やはり修練は欠かせません。腕に自信がある人は、ぜひハードモードの紅蓮に挑戦してみましょう。
このほかにも『勝利の女神:NIKKE』コラボのDLCでは、ユニークなアイテムをゲットできる「釣り」、各地に散らばる「遺失物」の回収、謎めいた生物「DORO」の登場など、様々な形でプレイを楽しませてくれます。
『勝利の女神:NIKKE』コラボDLCは、PS5版およびSteam版の「コンプリートエディション」に含まれているほか、DLC単体でも販売されています。興味がある人は、自身の環境に合わせて購入し、刺激的なバトルから紅蓮との対決までお楽しみください。