2025年6月で言えば、本日26日が大きな節目のひとつ。
ここまででも見逃せないタイトルがいくつもありますが、6月26日も魅力的なタイトルが集中してリリースされます。その中でも特に見逃せないタイトルを厳選し、まとめてお届けします。
■『デス・ストランディング2 オン・ザ・ビーチ』:PS5
ステルスアクションの先駆けであり、同時に金字塔でもある『メタルギア』シリーズを手がけた小島秀夫氏は、重厚なシナリオに優れたゲームデザイン、そしてちょっとした遊び心を加えるユーモアも持ち合わせ、唯一無二と言える作品を多く生み出してきたゲームクリエイターのひとりです。
今も世界中のファンから厚い支持を受けている中、小島作品の最新作『デス・ストランディング2 オン・ザ・ビーチ』が本日6月26日に発売されました。本作は、2019年に発売され、大きな話題となった『デス・ストランディング』の直接的な続編にあたります。
『デス・ストランディング』のジャンルを強いて説明するなら、アクションゲームと呼ぶべきかもしれませんが、この単語だけでは本シリーズの特徴を説明する言葉として十分ではありません。
奇怪な現象により人類が分断されて生きている世界を舞台に、“配達”を通して人々を繋げる主人公「サム・ポーター・ブリッジズ」を操作し、目的地に向かって荷物を運ぶ過程をアクションゲームとして描いています。
彼が運ぶ荷物は、生命の維持に必要なものから、心の栄養になるもの、誰かの想いが詰まったものなど千差万別。また、運ぶ道程もリアルに描かれており、構造はシンプルながら単純なアクションではありません。
また、オンラインに接続して遊ぶと、他のプレイヤーが舗装した道や崖に設置した梯子など、移動を助けてくれる“ゆるい繋がり”の恩恵も受けられます。こうした要素が合わさり、独自のプレイ体験を生む「ストランド・ゲーム(ソーシャル・ストランド・システム)」と、本シリーズは呼ばれています。
そしてシリーズ最新作となる『デス・ストランディング2 オン・ザ・ビーチ』では、オーストラリアを目的地に定め、進化して自由度が増したアクション性と共に、未来のための新たな1歩を踏み出します。万人向けではなく、だからこそ独自性の高い本作の魅力を、あなたも味わってみてはいかがですか。
■『ToHeart』:スイッチ/Steam
可愛い女の子たちとの交流を通じて、互いの関係性を紡いでいく恋愛ADVは、今も根強い人気を集めるジャンルのひとつです。このジャンルの活気は、1990年代に大きな盛り上がりを見せて、その活気を後押しした作品のひとつが『To Heart』でした。
最初にリリースされたオリジナル版は、成人向けのPCソフトとして登場。当時、すでに恋愛系のゲームは数多く、一部のユーザーは多発する同系統のゲームに慣れていき、若干の物足りなさを感じていた頃、この『To Heart』がジャンル全体を一気に活性化させました。
『To Heart』のゲーム性自体は、ビジュアルノベルと呼ばれる独自の手法を用いたものの、一般的な恋愛ADVと著しく異なるほど強烈な個性はありません。本作の個性は、キャラクターの魅力を支え、その思い出を忘れがたいものにする素晴らしい物語と、それを表現するに足るビジュアルや音楽に宿っていました。
長年隣にいた幼なじみが見せる新たな一面、口数が極端に少ない先輩と過ごす放課後、生真面目な委員長の裏側に潜むもの、屈託ない日米ハーフ少女との眩しい日々など、いずれも記憶に残る鮮やかなひとときをプレイヤーに提供します。
特に話題となったのが、家庭用向けのメイドロボットとして開発されたマルチ(HMX-12)。普通の少女にしか見えないものの、行動原理から考え方まで、彼女は自分を正しくロボットと認識しています。そんな彼女と主人公が関わって始まる物語は、多くのプレイヤーが涙しました。
オリジナル版が発売されたのは1997年、そして一部キャラクターのシナリオが大きく変更され、単なる移植とは呼べないPS版がリリースされたのは1999年のこと。以降、PS2版やPSP版なども作られましたが、原点が登場してから実に28年もの時を経て、新生『ToHeart』がスイッチとSteam向けに再誕します。
フル3Dで生まれ変わった新生『ToHeart』は、新旧キャストによるボイスの切り替え機能や、ウィンドウ/ノベルモードの選択が可能など、従来のファンのこだわりに応えつつ、新規ユーザーにとっても遊びやすい環境を提供しており、世代を超えてお勧めできる作品と言えます。多くの人が熱狂した“90年代の青春”を、この令和にお楽しみください。
■『フロントミッション サード:リメイク』:スイッチ
“90年代の青春”は、もちろん恋愛ADVだけが全てではありません。ロボット好きなゲームファンたちは、SLG『フロントミッション』に青春を注ぎ込みました。
自由にカスタマイズできる人型兵器「ヴァンツァー」をユニットとして配置し、マス目状のマップで展開する戦場で勝利を目指す『フロントミッション』シリーズは、衝撃的な展開でも話題となった1作目によって好スタートを切ります。
続く2作目は、シナリオなど好評を博した面もあるものの、長いロード時間やゲームバランスの問題から、総合的な完成度としては難のある作りになっており、ファンゆえに今後のシリーズ展開に不安を抱える結果となりました。
しかし、その不穏な空気を一気に払ったのが、3作目『フロントミッション サード』です。部隊に参加する人数は減ったものの、その分集中して育成や強化がしやすくなり、物語面でも個々人にしっかりと焦点が当たるなど、様々なメリットを生みました。また、戦闘の描写も進化し、臨場感が増したのも嬉しいポイントです。
1999年に発売された『フロントミッション サード』は、シリーズの大きな転換期となり、更なる展開への橋渡し役を十二分に果たしました。
HD化された映像と滑らかなモーションが戦場の臨場感を盛り上げるほか、テンポよくバトルを楽しめるモード「クイックコンバット」も新たに搭載。懐かしくも、現代に合わせたプレイ感を引っ提げて、ロボ好き少年たちの青春がここに蘇ります。
■『ペルソナ5: The Phantom X』:iOS/Android/PC(Google Play Games、Steam)
6月26日に登場する話題作は、買い切り型のゲームだけではありません。iOSとAndroid、そしてPC向けの『ペルソナ5: The Phantom X』も、本日正式サービスを開始しました。
本作も名を連ねる『ペルソナ』シリーズは、1996年に発売された『女神異聞録ペルソナ』から始まり、来年には30周年を迎える人気作です。世界を揺るがす異変や事件に関わった人々が、「ペルソナ」と呼ばれる特殊な力に目覚め、葛藤や苦悩を乗り越えて成長していく姿を長年にわたって綴っています。
特に『ペルソナ3』以降、ジュブナイルの傾向が強まり、学園生活を送りながらシャドウと戦う日々が描かれてきました。現時点のナンバリング最新作『ペルソナ5』でもその方向性は変わらず、不条理な世の中に抗う少年少女の姿が、作中で雄弁に描かれます。
一方で『ペルソナ5』は、主人公たちが「心の怪盗団」を結成し、法で裁けぬ悪に立ち向かうピカレスクロマン的な要素も併せ持ち、独自色を確立。過去作に負けぬ個性を放ち、『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』や『ペルソナ5 タクティカ』といった関連作の展開にも繋がりました。
正式サービスが本日始まった『ペルソナ5: The Phantom X』も、『ペルソナ5』関連作のひとつ。
関連作といっても、主要メンバーが一新されているため、『ペルソナ5』のプレイ経験がなくても何ら問題ありません。もちろん、経験者ならより楽しめる部分もあるものの、決して必須の要素ではないのでご安心ください。
敵の弱点を突くと追撃できる「1MORE」や、全ての敵をダウンさせて発動する「総攻撃」といったゲームシステムを受け継ぎつつ、独自要素や新たな物語でさらなる刺激を味わわせてくれる『ペルソナ5: The Phantom X』。基本無料のアイテム課金制なので、まずは無料の範囲で試しにプレイし、気に入ったら継続して遊ぶというのもアリでしょう。また、本作が気に入ったら『ペルソナ5』のプレイもご一考ください。