2025年6月28日(土)、29日(日)に東京体育館にて開催された「Red Bull LEGENDUS STREET FIGHTER 6 頂(以下、LEGENDUS 頂)」。本大会では、一般プレイヤーとストリーマーがタッグを組み『ストリートファイター6』キャラクターの頂点をかけて戦いました。


1日目は、翌日に進出する16キャラクター(春麗、ガイル、キンバリー、ジュリ、ブランカ、ダルシム、エドモンド本田、マノン、JP、ザンギエフ、キャミィ、ラシード、エド、A.K.I.、ベガ、テリー)が決定。この1日目のトーナメントでは、マノン使いの「あくたがわ」さんが、ブランカ使いの「ゆかり」さんを抑え、1位となりました。

2日目では、初日にトーナメントを勝ち上がった一般プレイヤーと同じキャラクターの使い手であるストリーマーが一緒のチームとなって対戦。結果、1日目に高い実力をみせたあくたがわさんと主催者であるSHAKAさんが優勝を果たし、キャラクターの頂を手にしたのはマノンとなりました。

本稿では、そんな「LEGENDUS 頂」Day2の現地の様子をお届け。優勝チームであるSHAKA&あくたがわさんの合同インタビューにも参加してきたので、その内容も合わせてお伝えします。

◆夏にピッタリな「川上アイス店」が大人気!
会場外では、本イベント限定のフードメニューが販売されていました。特に、「川上アイス店」は両日ともに猛暑日ということもあり、入場時間前から多くの人だかりでいっぱいに。会場を歩き回るだけで汗をかく夏にはピッタリで、美味しそうにアイスを食べる来場者の姿が印象的でした。

他にも、料理本を出版したこともある布団ちゃんさんの「魔神の屋台」や、以前から度々キッチンカーを運営しているけんきさんの「K Summit」などが出店。ストリーマーがお手伝いしていることも多く、来場したファンにはたまらない場所となっていました。

◆布団ちゃんが巻き起こした「アルミホイル伝説」
イベントが始まると出場チームが入場し、独特のパフォーマンスで会場を沸かせます。
そのときの大歓声が迫力満点で「LEGENDUS 頂」の熱気を十分に感じました。

初戦の対戦カードは、「あくたがわ&SHAKA」のマノンチーム vs 「エムエム&わきを」のザンギエフチーム。会場では、真ん中に設置されたドデカいスクリーンや座席前方のモニターなどで観戦できます。

試合がはじまると同時に実況を務めるアールさんの「いってみましょーーー!」の声で会場もヒートアップ。「イエーイ!イエーイ!」という『スト6』ならではの演出が、会場をさらに盛り上げオフラインの良さを感じました。

本イベントでは、各試合の前にストリーマーらしい様々なパフォーマンスがありました。その中でもインパクトがあったのは、A.K.I.チーム vs テリーチームで布団ちゃんさんが被ったアルミホイル。

布団ちゃんさんによれば「これを被ればインパクトも返せるし、ジャストパリィもできるようになる」とのこと。しかし、解説のアールさんからは「思考を読まれないためにするものでは?」と鋭いツッコミが飛んできます。

それでも、その被り物が功を奏したのか、すでたきさんのA.K.I.を撃破。チーム的にはKuramaさんが惜しくも敗北したことで、敗退となってしまいましたが、会場を笑いの渦に巻き込みました。

これでアルミホイル伝説は幕を閉じたと思われたところ、ルーザーズセミファイナルでありけんさんが“あの”アルミホイルを被って登場。
ありけんさんは「ルーザーズで勝利したアルミホイルおじさんからこの帽子を授かった」と経緯を明かしました。

ありけんさんの試合では、対戦相手のドンピシャさんにギリギリの形で勝利。続く、すでたきさんのA.K.I.にも勝利して、アルミホイルの快進撃が止まりません。そんなこんなで、気づけばあくたがわ&SHAKAチームが待つグランドファイナルへ進出。最終戦は、マノンvsダルシムとなりました。

◆優勝は「あくたがわ&SHAKA」に!マノンがキャラクターの頂点に
グランドファイナルでは、あくたがわさんが投げと打撃の選択をちらしながら試合を有利に進めていきます。しかし、はるみーさんも負けずにダルシムの得意な遠距離戦でリターンを取りつつ、両者互角の戦いを繰り広げました。

その中で、あくたがわさんがダルシムの攻撃に合わせた豪快なSA3の発動などでリードを取り、初戦に勝利。優勝に一歩近づきます。

続いては、本大会の主催であるSHAKAさんとアルミホイル帽子を丸めて本気モードに入ったありけんさんの試合に。ありけんさんは、あの帽子が無いのにもかかわらずSHAKAさんを圧倒し、ストレート勝利を決めました。あのアルミホイルは何だったんでしょうか。


そして、最後のBO1は、あくたがわマノン vs はるみーダルシムのカードに決定。先ほどの試合では、少し守り気味だったはるみーさんですが、自ら攻めるプレイングで開幕から攻めます。

しかし、あくたがわさんは、はるみーさんが繰り出す行動にほとんど対応。そのまま勝利を掴み取り、2日連続優勝を果たしました。

◆あくたがわ「言葉にし尽くせないほど感無量です」
――2日間のイベントを終えての感想と、優勝した今の気持ちを聞かせてください。

SHAKA:まずは2日間、無事に終わって安心しています。それと、まさか本当に自分が優勝できるとは思っていませんでした。

この結果は、自分の力だけではなくあくたがわさんの力あってこそで、マノンという個性あるキャラクターを代表して優勝できたことは何よりも嬉しいです。

あくたがわ:大会の感想しては、こういうイベントを開いて頂けたことに、とにかく感謝ですね。格闘ゲームの大会を国内で開くのは難しくて、半年とか1年に1回とかなので、ただただ感謝の気持ちが大きいです。

優勝した感想ですが、言葉にし尽くせないほど感無量になっています。ただただ嬉しいですね。
「感無量」の一言です。

ーー格闘ゲームは1対1の個人戦ですが、今回はパートナーを背負って戦う「チーム戦」でした。誰かと共に戦うことの意味や、その中で生まれたお互いの印象について教えてください。

SHAKA:僕は冗談も含めてキャラクターの強さの話をするので、その中で自分のキャラクターを弱く言ったりもしますが、優勝してマノンの強さを実際に証明できたと思うので、ある種誇らしく思っています。

あくたがわさんは、格闘ゲームをプレイしている人だったら、今知らない人はいないぐらい有名になっていると思います。もう終わったから言いますが、あくたがわさんは「緊張しない」って言ってたんです。でも、横に座って一緒にプレイしてみると「意外とちょっと手が震えているな」とか思っていました。

ただ、緊張していそうなのに、いつもと変わらない、いつも以上のパフォーマンスをこのオフラインという特殊な環境で発揮できているのは、本当に一流のプレイヤーだなと改めて思いました。

ーーあくたがわさんはSHAKAさんと一緒のチームでプレイしてみていかがでしたか?

あくたがわ:格闘ゲームは一人で完結するものなんですけど、この大会だと「一心同体」という気持ちが本当に強く生まれました。

釈迦さんと勝ち上がっていきたいと。本当にもう他人とは思えない「一心同体」の感覚が生まれたのは初めてですね。

2人チームというのも多分あったと思うんですけど、そういう他人の枠組みというのを外れた、変な感情のエネルギーみたいなものが生まれて、それが能力にプラスアルファされてこの結果に繋がったと思っています。


ーー今大会で戦った中で、最も苦戦した、大変だったと感じた相手はどなたですか? 理由と合わせて教えてください。

あくたがわ:やっぱりダルシムチームには苦戦しました。キャラクターの強さもありますが、使い手のはるみーさんに対応することが難しかったです。

ダルシムの「遅らせ行動」というテクニックを後半随所に使っていたので、だんだんやりにくくなっていきましたね。「やばい、追いつかれちゃうんじゃないか」という恐怖感みたいなのがあったので、その気持ちに打ち勝つのは大変でした。

SHAKA:決勝に上がってきたダルシムチームのありけんさんには、最後は負けましたし、本当に強かったですが、やっぱりいろんな大会で対戦したこともあるドンピシャさんが一番手強いと感じました。

今回のドンピシャさんは『スト6』を通じて気迫というか、いつもと違うやる気を感じるプレイで。負けたときに「もう一回当たっても勝てないかもな」って正直ちょっと思っちゃいましたね。

ーーありがとうございました!
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