筆者は根っからの「FF党」で、幼少の頃からプレイしてきたRPGのほとんどは『ファイナルファンタジー』シリーズで、プレイしたことのあるサガシリーズは『ロマンシング サガ3』だけでした。
そうした中、Steamで『サガ フロンティア リマスター』を含めたサガシリーズがセールしていたのと、たまたま立ち寄った中古書店で『サガ フロンティア解体新書』を購入していたというのもあり挑戦を決意。
偶然、本作をプレイ済みの友人も身近に居たのでインターネットの力に頼らず「解体新書」と彼からのアドバイスという昔ながらの手法でプレイしてきました。
そこで今回は、今年で発売28周年を迎える『サガ フロンティア』を現代のゲームに慣れきった高校生ゲーマーである筆者がどう感じたのか。好きなポイントから苦戦したポイントまでじっくりお届けします。
※本記事は『サガ フロンティア リマスター』のネタバレを含みます。
◆目指せ5連携!「連携」を活かした戦闘がもう最高
『サガ フロンティア』一番の目玉とも言えるシステム「連携」。様々な条件を満たした場合、技や術がつながって一つの技として放たれるものです。
「燃やしてから冷やせの法則」や「突き放して止める法則」などのルールがゲーム内に設定されており、それを満たすことで様々な技同士で繋がり合う自由度の高さがポイント。
上手く繋げると「ヴァーミリオンバベル稲妻十字跳弾」や「神速シルフグランドシルフ拍子」のように5人全員の技が綺麗につながり、10,000以上の大ダメージを1ターンで与えることも出来ます。
ここまで綺麗に繋がらなくとも2連携や3連携でも十分に強いものが多く、多くのボス戦では5連携よりもこういったこまごまとした連携のお世話になっていました。
また、使った連携は「連携履歴」として保存され、そこに残っている連携は発動率が上がるというのも楽しいポイント。
ボス戦の前に強い連携を用意しておいて発動率を上昇させたり、逆にあまり使わない連携は履歴から早く消えるようにしたりと、取捨選択をしっかりできる仕様になっていたのも嬉しい仕様です。
ちなみに筆者は陽術の「超風」を連携に組み込むと名前が絶対に「超〇〇」となるのがお気に入りです。こういった名前って強そうに見えますよね。
◆「そんな論法は通じない。」サガシリーズ“らしさ”あふれる独特の台詞たち
『サガ』シリーズといえば、「これも いきもののサガか‥」や「ぬれ手にあわ ぬれ手にあわ」のような独特な台詞回しが魅力ですが、『サガ フロンティア』も例外ではありません。
筆者が本作で一番好きな台詞はブルー編で聞くことができる「これでいい、これでいいんだ。」です。
完全な術師を目指すために双子の弟をも手に掛けようとする非道な一面を持つブルーですが、そんな彼も関係無い子どもたちを犠牲にするのは流石に堪えていた様子。
術師としての自分とただの人間としての自分がせめぎ合いながらも、迫るルージュとの対決に集中しようと言い聞かせている複雑な心境がこの一言に詰め込まれていると思っています。
これ以外にも、マジックキングダムによる身勝手な行動によって自分の人生が歪められたことを知った直後、マジックキングダムを守ってほしいと言われたブルーの「僕はどうすればいいんだ‥‥」やアセルスにとって最大の理解者といえる白薔薇を失い、代わりについてきた赤カブに対して放った「君が白薔薇の代わり?」など様々な感情をぎゅっと一言に詰め込んだ台詞が多く、そのどれもがプレイヤーの心にぐっと刺さります。
筆者はこういう台詞にとことん弱く、プレイ中何度も感極まっていたのを強く覚えています。
◆いろんなボスに大苦戦?歯ごたえたっぷりの戦闘
先述の「連携」システムを始めとした戦闘システムが練りに練られた本作。そんな本作のボスは一筋縄ではいかないものも多く、「済王」や「巨人」、「ドラゴンウォーロード」に「麒麟」と様々なボスに苦戦してきました。
そんな中でも特に苦戦したのが「地獄の君主」です。
「地獄の君主」はブルー編のラスボスで、強力な全体攻撃や状態異常を付与してくる人形態と、1ターンになんども攻撃し電撃や高温ガスといった範囲攻撃を行う龍型の2つを攻略する必要のある強敵です。
また、人型のときは誰かが術を使うまで被ダメージを四分の一に抑える「愚者フィールド」が展開されており、1ターン目から連携で飛ばしていこうとするとダメージを上手く出せず、出鼻をくじかれてしまいます。
筆者は早解き気味に進めていたこともあり、様々な場所で取り逃がしを頻発。陰術の「シャドウサーバント」や印術の「勝利のルーン」といった強い術や「武神の鎧」や「エクセルガード」といった強い装備を取り逃がす痛恨のミスを連発し、初戦は何も出来ず惨敗しました。
一度ラストダンジョンに入る前のセーブデータを使い、取り忘れた術や装備を集め直し挑み直すもまた失敗。敗因はファシナトゥールにあるLPを使って買い物をする店で「幻魔」と「時の砂」を買っていたことでブルーのLPが3になっていたからでした。
そのせいで全体攻撃に巻きこまれたブルーのLPがみるみるうちに減っていき、早いときには4ターン目にブルーが死んでしまう時もありました。
あまりにも勝てず、サガフロプレイ済みの友人に泣きついたところブルーとルージュの決闘であえて負けると操作キャラがルージュになってLP上限も回復することが判明。
たまたま麒麟と戦う直前のセーブデータが残っていたのでそこからやり直すことに。ついでにメンバーを見直し、5人全員ヒューマンのチームからT260Gと特殊工作車を加えたメカ混じりのチームにして再戦。
今までの反省を活かし、「強力な攻撃が来るターンへの備えを万全にする」「連携を狙うときはなるべく愚者フィールドがない龍形の時」など様々な対策を用意し、全身全霊で挑みます。
それでも一筋縄で勝てる相手ではなく、サポート役に徹したルージュがピンポイントで狙われてパーティーが崩れたり、3連携以上を狙っていても地獄の君主に割り込まれて連携が出来なかったりとなかなか思い通りには進みません。
最終的には誰が気絶しようとお構いなしで、T260Gと特殊工作車の2機が「多段斬り」を連打することでなんとか勝つことが出来ました。
主人公や長く連れ添った仲間ではなく最終決戦直前に拾ってきたメカ2機でクリアするそのあっけなさはなんとも『サガ』シリーズらしいと言えるのでは無いでしょうか。
今年で発売28周年を迎えた『サガ フロンティア』をプレイし、特に魅力に感じた点は「圧倒的な自由度」です。
7人の主人公から1人選び、シナリオの進め方もパーティーメンバーも何もかもプレイヤーの自由。今まで「一本道」のゲームをやっていた筆者にとって、この自由度はとても新鮮でした。
『サガ』シリーズは本作と『ロマンシング サガ3』以外やったことが無いので、これを機に『サガ フロンティア2』など他のシリーズタイトルもプレイしていきたいです。
今回紹介した『サガ フロンティア リマスター』はPlayStation4/ニンテンドースイッチ/ Steam/iOS/Androidにて発売中です。