※この記事は『ロマンシング サガ2 リベンジオブザセブン』のネタバレを含みます。
いきなり発表されましたね、ロマサガ2のニンテンドースイッチ2版。
比較動画を見ていたら、俄然スイッチ2が欲しくなりました。

ロマサガ2の魅力は話すと長くなりそうですが、大陸統一のために協力してくれる様々なクラスの存在が大きいと思います。今回は、懐かしの本である「基礎知識編」と「完全攻略編」を片手に、名前の命名規則と装備からそのルーツを深堀りしてみたいと思います。

◆帝国重装歩兵
ベア/バイソン/ウォーラス/スネイル/ヘッジホック/トータス/ライノ/フェルディナント
名前は概ね動物の名前のようですが、「フェルディナント」のみ解釈が分かれます。1556年に神聖ローマ帝国の皇帝となったフェルディナント1世という人物がおり、現在はイタリアの男性名としても使われています。また、1938年に公開されたアメリカのアニメーションに「牡牛のフェルディナンド」という作品があります。動物縛りなら、こちらの牡牛の名前の方が統一感はありますね。

なお、フェルディナン「ト」がドイツ語でフェルディナン「ド」が英語読みで、同じ名前です。ゴート族の東ゲルマン語で、「勇敢な旅人」を意味するそうです。

装備は金属製のフルプレートアーマー。中世時代の騎士を思わせる佇まいで、こう見えて実際は礼儀作法にも長けているようにも見えます。常に皇帝の傍にいるのですから、仕える皇帝に失礼があってはいけない立場だと思います。


恐らく序盤はみんなお世話になったと思われる、帝国重装歩兵。オートパリイに期待して敵の攻撃を彼に集中させているのは私だけではないはずです。特に、高難易度では必須に近い彼にお世話になった人は多いのではないでしょうか。

◆帝国軽装歩兵
男性:ジェイムズ/ジョン/リチャード/ハーバート/ハリー/ロナルド/ドワイト/フランクリン

女性:ライーザ/ジェシカ/シャーリー/オードリー/ジュディ/グレース/イングリット/グレタ
男性名は、アメリカ合衆国の大統領の名前から取られているようです。それに対して女性は、20世紀のアメリカ女優の名前だと思われます。

軽装歩兵ということで、装備は胸部を守るブレストアーマー。1800年頃の比較的近代の兵装を思わせてくれます。その名前の通り、アメリカの兵装を参考にしているのではないかと推測します。

最初から加入しているクラスで、剣と小剣が得意なクラスです。実は体術以外の技能を有する器用貧乏で、そのため影が薄くなりがち。こんなに帝国きっての正統派イケメン・美女だというのに。しかし、テレーズ(帝国猟兵女)の方が人気者という……。


とはいえ、男性は「ウェイトパージ」という装備の重量を0にするという非常に有用な固有アビリティを持っているため、極意化しておきたいところです。

◆武装商船団
エンリケ/マゼラン/ガマ/マハン/フィッシャー/ティルピッツ/テイワ/ドレイク
いずれも航海者や海軍軍人の名前で統一されているようです。テイワはおそらく中国で大航海の偉業を成し遂げた鄭和でしょう。

15世紀から17世紀の大航海時代を思わせるワイルドさを感じさせる服装となっているのが格好いいです。ムキムキマッチョというより細マッチョという感じで、サイゴ族と差別化しているのでしょうか。また、海賊と呼ばれるのをとても嫌っており、あくまで武装した「商船団」であるところにこだわりが感じられますね。

見た目に反して素早さが高め。器用さもそこそこあり槍や弓も得意なキャラクターもいます。結局、斧一択になりがちですが。持っている陣形が「ラピッドストリーム」という必ず先制できる陣形だったり、斧タイプの閃き適正を持つ者が数人いたりと、なかなか頼りになるクラスです。武装商船団がいないと受けられないクエストがあったりします。

しかし、加入時期的に人魚を追いかけてそのまま帰ってこなくなりがち。


◆フリーメイジ
男性:レグルス/アルゴル/ポラリス/カノープス/プロキオン/リゲル/ヴェガ/シリウス

女性:ローズ/リリィ/デイジー/アイリス/マグノリア/ヘイゼル/アイヴィ/ウィンドシード
男性は夜空に輝く恒星から、女性は植物から命名されています。服装については、男性は和風、女性は洋風のトリックスターを思わせます。でも器用さはそんなに高くありません。

リメイクで一番変化したのが、フリーメイジの女性。

「術法研究所の老女」「男と同様老体のため、LPは低い」と書かれていたのに、めちゃくちゃ美魔女になっていました。『エンペラーズ サガ』からの登場です。

ゲーム的には使い勝手の良いクラスで、特に女性は「毎ターンBP回復」という固有スキルを覚えます。これが序盤からもかなり使えるので、将来的な極意化を期待して育てておきたいクラスです。

◆サラマンダー
パパンダヤン/ソプラン/アグン/メラピ/アウ/ガルンガン/タンボラ/ケルート
名前は、インドネシアに実在する火山から取られているようです。神話に登場する精霊の通りのスタイルですね。

火山島コムルーンに住んでいるサラマンダー族。噴火イベントをクリアすると仲間にできるキャラクターです。
斧と体術と火が得意という見た目そのままの強い戦士。斧と体術が得意とありますが、大剣や棍棒に適正のある者もおり、育成の時は注意が必要でしょう。

腕力が高く、最終戦の候補になる可能性のあるキャラクターもいるようです。その姿から分かるように炎の耐性を持ちます。……が、元々魔法防御が得意ではないので、火以外の魔法には弱く、火の攻撃をメインとする特定の相手に対して輝くタイプです。

しかし……不遇なのはその運命。彼らを仲間にすると、冥術を取得できなくなります。つまり、サラマンダー族と冥術、どちらか片方しか取得できないのです。しかもリメイク版では冥術が強化されており、そちらを選ぶプレイヤーも多いとか……。

◆踊り子
リコリス/ダニオ/ロリカリア/ラミレジィ/モーリー/テトラ/プレコ/ユリシス
名前は観賞魚から取られています。なぜ観賞魚なのかという話は後述するとして、リメイクで追加された新しいクラスです。見た目もそのままに踊り子という感じです。


彼女はちょっと出自が不明な点がありまして、出会い方が少し特殊と言いますか、少し複雑です。本人は踊り子や船大工で生計を立てていると言っており、マーメイドの村でその踊りを見ることができるのですが、その正体はみなさんお察しの通りです。その後、マーメイド村で皇帝が人魚と駆け落ちした後に、村の酒場で人魚と瓜二つの姿の踊り子が立っている……という流れです。この流れから推測すると皇帝と人魚の子孫という説がありますが、名前も観賞魚ということもあり説得力があります。それにストーリーとしても美しいですしね。

ゲーム的には割となんでもできるクラスで、器用さと素早さが高い上に、魔力も平均値以上。所有技能の小剣・弓を使わせてもいいし、術を運用させても有効なオールラウンダーとなっています。加入手順がとても大変なので、その分強いキャラクターになっているのでしょうか。固有アビリティも所持陣形も強力で、是非とも採用したいクラスになっています。

◆おわりに
発売日から1年近く経ち、嬉しいニュースがきっかけで改めてクラスについて考察してみると、色々と面白い点が見えてきたと思います。本当は全クラス掘り下げてみたいところなのですが、固有クラスも含めると30種類以上あるので諦めました。

皇帝を退位したあとに倉庫に放置されているコッペリアとか、気になりますよね。


またなにかの機会があれば、改めて深堀りしたいと思います。
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