本作は、2023年9月23日より配信中の基本プレイ無料タイトル『レスレリアーナのアトリエ (以下、レスレリ)』と同じ世界「ランターナ大陸」を舞台に、新主人公たちによる“もうひとつの『レスレリ』の物語”を描くほか、歴代キャラクターの出演、進化した錬金術RPGなどが特徴となっています。
この度、発売が迫る『紅白レスレリ』を一足先にプレイすることができました。そこで本記事では、『紅白レスレリ』の魅力や特徴を含む先行プレイレポをお届けします。
■2人の主人公が織り成す、もうひとつの『レスレリ』
『紅白レスレリ』の主人公は、明るく元気な女性キャラクター「リアス・アイトライゼ(以下、リアス)」と、冷静沈着な男性キャラクター「スレイ・クロスリッター(以下、スレイ)」。2人の男女が主人公に据えられている点が特徴で、過去作でいうと『エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~(2013年発売)』を彷彿とさせます。
ゲームを開始すると、まずは2人の主人公から1人を選択することになります。本筋のストーリーは共通ですが、選んだ主人公によって一部ストーリーイベントの内容が変わるそうです。ちなみに選んでいない主人公については、ストーリーが進行すると操作できるようになります。
『紅白レスレリ』の舞台は、ランターナ大陸にある「ハルフェン」。かつて発生した”謎の災害”により、人が立ち入れない”禁足地”になった過去があります。月日が経ってから禁足が解かれ、王都によるハルフェン復興計画が立ち上がったという状況で物語がスタート。
冒頭、鉱山を探索しているリアスとスレイが出会い、閉ざされた遺跡を探索することに。
リアスの目的は、会得した錬金術で町の復興に貢献しつつ、祖父が残したお店を再興させること。一方のスレイは災害で亡くなった父の遺品を調べること。それぞれの理由で2人は故郷のハルフェンに戻ってきたわけですが、やがて謎の災害を調査することになります。
災害の原因はいったい何なのか? スレイの腕輪にはどんな秘密が隠されているのか? リアスが錬金術を扱える理由は? そういったミステリー要素の数々が、『紅白レスレリ』の話を盛り上げるカギになっていると感じました。結末まで遊んでみたいという欲が芽生えたほどです。
また、「アトリエ」シリーズのキャラクターが数多く登場するところもポイント。ファンの方は懐かしさが湧いてくるとともに、シリーズの垣根を超えた夢の共演に歓喜することでしょう。ファンサービスが旺盛すぎる「アトリエ」シリーズ最新作と言っても過言ではありません。
■簡単操作でオリジナルのアイテムを調合できる
「調合」システムは「アトリエ」シリーズの象徴であり、最も欠かせない要素でもあります。
『紅白レスレリ』の調合システムは、素材の持つ色「ギフトカラー」が重要です。アイテム作成に必要な素材をすべて投入してから、最大3つの枠に「アレンジ素材」を投入します。
その際、同じギフトカラーの素材をつなげることで、素材の特性を完成品に付与できるようになります。特性は素材によって異なるため、オリジナリティあふれるアイテムを作成できるというわけです。
また、アレンジ素材に特定の素材を投入することで、新しいレシピが解放されることも。レシピは買い物や探索で入手できるのですが、素材投入によって別のレシピが派生する仕組みです。
そのほかにも、「ガイストコア」を使ったアイテム強化で「タレント」による特性の付与など、完成品のクオリティをさらに高められる要素もあります。
本作の調合システムはシンプルですが、アイテム強化やレシピの解放など、簡単操作で調合の可能性を広げられるところが『紅白レスレリ』の奥深さであると感じました。強力なオリジナルアイテムを調合できたときの達成感はひとしおですよ。
■コマンドバトルの秘訣は、”味方の行動を増やせるかどうか”
『紅白レスレリ』の戦闘システムは、味方・敵が順番に行動する「タイムラインコマンドバトル」を採用しています。
基本的に、タイムライン上に表示される行動順に従って戦うことになります。味方1人のターンになったら「通常攻撃・アイテム使用・スキル」のいずれかを選択・実行し、敵のターンに移行します。敵のターンに備えて味方の回復や防御バフの付与を行うなど、行動順をしっかり確認することが肝要です。
また、シリーズ恒例というべき「前衛・後衛」の概念も健在です。戦闘は前衛メインで行動していき、「前衛→敵→前衛→敵・・・」といった流れで進行します。後衛は基本的に待機となりますが、状況に応じて前衛と後衛のキャラクターを交代させることも可能です。
特筆すべきは、「マルチアクション」と呼ばれる新機能。最大3人まで利用でき、味方のターン内で複数回行動ができるというものです。「味方A(前衛)+味方B(後衛)+味方C(後衛)→敵・・・」という風に、敵のターンを先送りにすればするほど、攻撃やスキル発動の機会が増えていくわけです。
このように、「味方のターンを増やせる=多く行動できる」というアドバンテージを得られることがマルチアクションの利点と言えるでしょう。試遊中、あるボスに苦戦を強いられたのですが、マルチアクションを駆使したおかげで逆転勝利を実現できました。
多く行動できることの強みは、マルチアクションだけではありません。別の味方が追加攻撃してくれる「ユナイトアタック」や、後衛のターンを割り込ませる「インタラプト」など、戦闘で優位に立てるコマンドもいくつか存在します。どれも強力なものばかりなので、いざというタイミングで積極的に発動してみるといいでしょう。
最初は余裕でもだんだん難しくなっていくのがJRPGの醍醐味。そのため、コツコツと経験値を貯めてレベルを上げることが大事になっていきます。レベルを上げるだけでなく、各キャラクターの「スキルツリー」でステータスのアップや新しいスキルの獲得も必要です。
「アトリエ」シリーズの醍醐味はそのままに、戦略性かつ爽快感を重視した戦闘が魅力の『紅白レスレリ』。戦闘時の派手なエフェクトもそうですが、マルチアクションやインタラプトなどの作戦がうまく噛み合ったときの爽快感は格別でしたね。心の中で「気持ちいい!」と何度叫んだことでしょうか……。
■素材や敵がランダムに変化するダンジョンなど、探索要素も魅力
『紅白レスレリ』のもうひとつの魅力は探索要素。アトリエやハルフェンに加え、草原や湿地、鉱山など豊富なロケーションが用意されています。
フィールドには至るところにモンスターが徘徊しているほか、調合に必要な素材も数多く配置されています。モンスター討伐で経験値を貯めつつ、ついでに素材を採取するといった流れが基本になるでしょう。
さらに受注したクエストをこなすためにフィールドを探索するなど、行動の選択肢が複数用意されていることに面白味を感じました。
また、本作では「亜空の道」と呼ばれる階層型ダンジョンを体験できます。入るたびにマップや出現する敵が変化するダンジョンで、フィールドでは入手できない貴重な素材や特殊な装備品「星珠」がもらえます。
難易度が上がると敵も強くなりますが、手に入る素材や装備品の品質もアップします。報酬を得るために、もしくは経験値を稼ぐために「亜空の道」に挑んでみてもいいかもしれませんね。
『紅白レスレリ』の探索要素は、従来通りのものから挑戦的なものまで、プレイヤーの冒険心を熱くさせる内容に仕上がっています。モンスターを討伐してもよし、素材を採取してもよし、腕試しをしてもよしと、自由度の高い探索が楽しめると感じました。
筆者は寄り道が好きなので、メインストーリーそっちのけで「亜空の道」をひたすらプレイしていたものです。
■錬金術で町の復興に貢献するという面白さ
『紅白レスレリ』で個人的に興味深いと感じたのは、錬金術で町を復興させる要素でした。災害で衰退したハルフェンの復興に貢献すべく、リアスは祖父が残したお店「ヤドリギ堂」を開店することに。
5つの区画に投資するとランクが上昇し、一定値に達すると町の見た目が変化したり、利用可能なショップが増えたりします。町の復興に貢献すれば攻略に役立つ恩恵が得られるため、お店の経営やクエストなどをどんどんこなしていきましょう。
ヤドリギ堂で販売できる商品は、探索や調合で手に入れたアイテムがほとんど。売りたいアイテムをお店の商品棚に配置し、営業の手伝いをしてくれる「妖精さん」を選んでから営業開始となります。妖精さんは先述した「亜空の道」で発見でき、話しかけることで雇うことができます。
経営要素のあるゲームと聞くと、「覚えることがいっぱい」「難しそう」というイメージが強いと思われますが、『紅白レスレリ』の経営要素はそこまで難しくはありませんでした。なぜなら、「配置・選ぶ・決定」だけのシンプルな操作性で営業ができるからです。なので、「シミュレーションゲームが苦手な方でも気軽に楽しめること間違いなし!」と断言しておきます。
「亜空の道」に加えて、お店の経営および町の復興もやり込み要素のひとつ。他のシミュレーションゲームと比べると本作はシンプルですが、見返りが美味しいところが夢中になるポイントではないかと考えています。
『紅白レスレリ』の主目的はメインストーリーの進行ですが、それ以外のプレイアクティビティも豊富な印象を受けました。シンプルな内容でありながらも、自身の攻略に役立つ恩恵がもらえる。だからこそ、筆者は本作の寄り道要素に没頭してしまったのかもしれません。
■まとめ:やり込み要素の多さに大満足!
『紅白レスレリ』は、戦闘や採取、調合、探索といった「アトリエ」シリーズの醍醐味はもちろん、ショップ経営やダンジョンなどのやり込み要素も魅力的なタイトルでした。
「アトリエ」シリーズの伝統を踏襲しながら、プレイヤーを夢中にさせる冒険心が存分に詰まっている『紅白レスレリ』。本作を機に、心ときめく錬金術の世界へ足を踏み入れてみてください。