2025年9月20日~21日、京都市勧業館みやこめっせ他会場にて「京都国際マンガ・アニメフェア2025」が開催されました。
「京都国際マンガ・アニメフェア」は、毎年9月に開催される西日本最大級のコンテンツ見本市です。
今年も、出版社やテレビ局からゲームメーカーといった多くのコンテンツホルダーが会場に集結。人気声優陣が登壇するステージや限定グッズの物販を求め、地元周辺のファンのみならず他地方から遠征し駆けつけたという来場者も多く見られました。
通算では14回目の開催となるこの「京まふ」ですが、その規模は回を重ねるごとに拡大しています。しかし、この手のビジネスショーイベントが多い関東地方ではなく、あえて京都で行われるこのイベントが、年々その存在感を増している理由とは一体なんなのでしょうか?
今や自動車業界に次ぐ日本の屋台骨となったコンテンツ産業。その人材育成は急務ともされています。そんな中で近年、日本のマンガ・アニメ業界の人材育成においては、京都が重要な役割を担う地として注目を集めているのです。
その背景には、学術と産業の両面における環境の充実があります。教育面では各種専門学校をはじめとして、京都精華大学には日本で唯一となるマンガ学部が設置されているなど、業界志望の学生が多く存在する点にあります。特にこのマンガ学部では、ストーリーマンガやキャラクターデザイン、アニメーションなど、専門分野に分かれたコースで実践的な教育が行われており、プロのマンガ家やクリエイターを多数輩出するといった実績が、業界の内外から注目集めています。
また、産業面では、世界的に高い評価を受ける「京都アニメーション」や、意欲的な作品制作で知られる「ライデンフィルム京都スタジオ」といった大手アニメ制作会社が拠点を構えています。これらの企業は、質の高い作品を生み出し続けるとともに、京都アニメーションがプロ養成塾を運営するなど、次世代のクリエイター育成にも力を注いでいるのも特徴です。
このように、専門的な教育機関と最先端の制作現場が共存する京都は、アニメ・マンガ業界を目指す若者にとって理想的な環境にあり、伝統文化の都として知られる京都が、今、新たな文化を創造する人材を育む拠点としても大きな存在感を示しています。
さらに視点を関西圏へと広げてみると、ことTVアニメ産業において在阪局による影響力が無視できません。「名探偵コナン」などで知られる読売テレビや、「プリキュア」シリーズを筆頭に近年では幅広いアニメ作品を制作するABC朝日放送。そして、「魔法少女まどか☆マギカ」や、いわゆるオルタナティブシリーズといわれる「機動戦士ガンダム」関連作品を手掛けるMBSの毎日放送など枚挙に暇がなく、その放送クール毎の人気コンテンツは在京局ではなく在阪局が制作発信している、ということが少なくありません。
こうした事情から、関西圏で開催される「京まふ」にはファン目線のみならずビジネスシーンからも多くの関心が寄せられているという事情があります。
こうした中、日本のコンテンツ市場の約5割を占めるゲーム産業もまた、黙ってはいませんでした。近年「京まふ」への出展が相次いでいた『Fate/Grand Order』をはじめとして、さらに今年は『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』が本イベントでは初となるライブステージを開催。同日開催された他作品ステージの倍以上はあろうかという規模で行われたライブの模様は、別途レポート記事もご参照のこと。
そして、今やゲーム業界とは切っても切り離せない関係となったバーチャルYouTuber業界にも大きな動きがありました。ここ数年「京まふ」関連のVTuberイベントといえば、大々的にコラボ配信などが行われていた「ホロライブ」が印象的ですが、今年は打って変わって「にじさんじ」が数年ぶりの本格参戦となったのです。
過去には、京まふ前夜祭イベントや「おこしやす大使」へのライバー起用などで深い関わりがあった「にじさんじ」ですが、ここ数年は消極的な出展に留まっていただけに、驚いたファンも多かったのではないでしょうか。
開催を重ねる度に、その規模と存在感を増す「京都国際マンガ・アニメフェア」。
ファンにとっては年に一度のお祭りとして、クリエイターの卵にとっては夢への刺激を得る場として、そしてビジネスにとっては新たな才能やアイデアと出会う商談の場として、様々な顔を持つ「京まふ」。コンテンツ産業の拡大にあわせてその在り方を柔軟に変化させ続けてきたこのイベントは、今や唯一無二の存在へと成長を遂げました。伝統と革新が交差するこの地から、来年はどのような新しい熱狂が生まれるのか、今から期待が尽きません。
「京都国際マンガ・アニメフェア」は、毎年9月に開催される西日本最大級のコンテンツ見本市です。
「京まふ」の愛称でも知られ、例年多くのマンガ・アニメファンで賑わう巨大イベントでありながら、地元産業界とのマッチングの場としての側面もあり、ビジネスシーンからも注目を集めている国内屈指の総合コンテンツ見本市となっています。
今年も、出版社やテレビ局からゲームメーカーといった多くのコンテンツホルダーが会場に集結。人気声優陣が登壇するステージや限定グッズの物販を求め、地元周辺のファンのみならず他地方から遠征し駆けつけたという来場者も多く見られました。
通算では14回目の開催となるこの「京まふ」ですが、その規模は回を重ねるごとに拡大しています。しかし、この手のビジネスショーイベントが多い関東地方ではなく、あえて京都で行われるこのイベントが、年々その存在感を増している理由とは一体なんなのでしょうか?
今や自動車業界に次ぐ日本の屋台骨となったコンテンツ産業。その人材育成は急務ともされています。そんな中で近年、日本のマンガ・アニメ業界の人材育成においては、京都が重要な役割を担う地として注目を集めているのです。
その背景には、学術と産業の両面における環境の充実があります。教育面では各種専門学校をはじめとして、京都精華大学には日本で唯一となるマンガ学部が設置されているなど、業界志望の学生が多く存在する点にあります。特にこのマンガ学部では、ストーリーマンガやキャラクターデザイン、アニメーションなど、専門分野に分かれたコースで実践的な教育が行われており、プロのマンガ家やクリエイターを多数輩出するといった実績が、業界の内外から注目集めています。
また、産業面では、世界的に高い評価を受ける「京都アニメーション」や、意欲的な作品制作で知られる「ライデンフィルム京都スタジオ」といった大手アニメ制作会社が拠点を構えています。これらの企業は、質の高い作品を生み出し続けるとともに、京都アニメーションがプロ養成塾を運営するなど、次世代のクリエイター育成にも力を注いでいるのも特徴です。
このように、専門的な教育機関と最先端の制作現場が共存する京都は、アニメ・マンガ業界を目指す若者にとって理想的な環境にあり、伝統文化の都として知られる京都が、今、新たな文化を創造する人材を育む拠点としても大きな存在感を示しています。
さらに視点を関西圏へと広げてみると、ことTVアニメ産業において在阪局による影響力が無視できません。「名探偵コナン」などで知られる読売テレビや、「プリキュア」シリーズを筆頭に近年では幅広いアニメ作品を制作するABC朝日放送。そして、「魔法少女まどか☆マギカ」や、いわゆるオルタナティブシリーズといわれる「機動戦士ガンダム」関連作品を手掛けるMBSの毎日放送など枚挙に暇がなく、その放送クール毎の人気コンテンツは在京局ではなく在阪局が制作発信している、ということが少なくありません。
こうした事情から、関西圏で開催される「京まふ」にはファン目線のみならずビジネスシーンからも多くの関心が寄せられているという事情があります。
こうした中、日本のコンテンツ市場の約5割を占めるゲーム産業もまた、黙ってはいませんでした。近年「京まふ」への出展が相次いでいた『Fate/Grand Order』をはじめとして、さらに今年は『ブルーアーカイブ -Blue Archive-』が本イベントでは初となるライブステージを開催。同日開催された他作品ステージの倍以上はあろうかという規模で行われたライブの模様は、別途レポート記事もご参照のこと。
そして、今やゲーム業界とは切っても切り離せない関係となったバーチャルYouTuber業界にも大きな動きがありました。ここ数年「京まふ」関連のVTuberイベントといえば、大々的にコラボ配信などが行われていた「ホロライブ」が印象的ですが、今年は打って変わって「にじさんじ」が数年ぶりの本格参戦となったのです。
過去には、京まふ前夜祭イベントや「おこしやす大使」へのライバー起用などで深い関わりがあった「にじさんじ」ですが、ここ数年は消極的な出展に留まっていただけに、驚いたファンも多かったのではないでしょうか。
開催を重ねる度に、その規模と存在感を増す「京都国際マンガ・アニメフェア」。
今年も、めまぐるしく変化するコンテンツ業界の「今」を映し出す、まさに総合見本市と呼ぶにふさわしい多様性を見せてくれました。
ファンにとっては年に一度のお祭りとして、クリエイターの卵にとっては夢への刺激を得る場として、そしてビジネスにとっては新たな才能やアイデアと出会う商談の場として、様々な顔を持つ「京まふ」。コンテンツ産業の拡大にあわせてその在り方を柔軟に変化させ続けてきたこのイベントは、今や唯一無二の存在へと成長を遂げました。伝統と革新が交差するこの地から、来年はどのような新しい熱狂が生まれるのか、今から期待が尽きません。
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