『魔界戦記ディスガイア』シリーズの顔とも言えるキャラクターデザインを手がけた原田たけひと氏、音楽面から人気シリーズを支えた佐藤天平氏、そしてナンバリング最新作『魔界戦記ディスガイア7』の開発責任者である美濃羽俊介氏。この3人が、完全新作のアクションRPG『凶乱マカイズム』を生み出そうとしています。
すでに発売日も決まっており、『凶乱マカイズム』は2026年1月29日に発売されます。そして、リリースに先駆ける形で「東京ゲームショウ2025」への試遊出展も果たしました。同社の、そして『ディスガイア』メンバーの新たな挑戦は、どんなゲームを作り上げようとしているのか。その魅力に触れるべく、TGS会場で試遊プレイを体験しました。
■「プリニー級」「悪魔級」「魔王級」の3段階が用意された試遊プレイ
プレイを開始すると、『魔界戦記ディスガイア』でもお馴染みの「プリニー」がお出迎え。イベント用に用意された特設ステージへの案内を行っている模様です。
今回用意されたステージは、「プリニー級」「悪魔級」「魔王級」の3段階。どの程度の強さなのかを試す意味でも、まずは悪魔級に挑んでみました。アクションRPG自体はそれなりに遊んできたため、プリニー級でなくとも大丈夫だろうとの判断です。
しかし、その目算は甘かったと言わざるを得ません。
取材によるハプニングでもありますが、「片手間で遊ぶと痛い目を見る」という実感を得られる経験でもありました。取材なので撮影自体を省くことはできませんが、頻度を落としてゲームプレイ寄りに切り替え、プリニー級から魔王級まで幅広く挑んでみます。
■アクションの要は、強力なスキルの使いどころにあり
しっかり操作して遊べば、『凶乱マカイズム』のアクションは適度な手応えで応じてくれます。通常攻撃と強攻撃の使い分け、そしてダッシュ移動やステップ移動、ガードを組み合わせた回避や防御を意識すれば、敵から受けるダメージを抑えつつ、有利に戦うことができます。
通常攻撃を連続して繰り出すと連続攻撃になり、そこから強攻撃への派生も可能。動きのレスポンスもよく、機敏でスタイリッシュなアクションが楽しめます。アクションRPGと言っても、一撃が重く力強い作品もありますが、『凶乱マカイズム』は軽快でスピーディなタイプです。
ただし、本作におけるダメージソースは、通常攻撃よりもスキルを用いた攻撃がメインのようです。本作には「剣」や「弓」、「槍」といった7種の武器カテゴリーがあり、武器ごとに多彩なスキルが用意されています。
例えば剣なら、出の早い「一文字スラッシュ」や、複数の敵を攻撃しつつ突進する「竜巻破裏剣」などが使用可能でした。
ちなみに「飛天無双斬」で攻撃範囲を選んでいる間、時間制限こそありますがバトルは一時停止に近い状態になります。「飛天無双斬」は威力がかなり高く、戦況を一変できるほどの威力だったため、より効果的に発動させたいスキル。そのため、狙いをつけるフェーズが入るのは、手間よりも恩恵が大きいように感じました。
また、スキルは発動後にクールタイムが挟まり、その長さもスキルによってまちまちです。「一文字スラッシュ」はかなり早いサイクルで回せましたが、「飛天無双斬」は威力の大きさに相応しくクールタイムも長め。各スキルをいつ、どの敵に向かって放つかが重要な戦略です。
敵が多めで固まりがちで、アクションが軽快なこともあり、スキルの使い分けと発動するタイミングの見極めが、『凶乱マカイズム』のバトルで重要な位置を占める予感を覚えます。アクション全般は軽やかなので、爽快系のバトルを求めている人に刺さりそうな手触りでした。
■『ディスガイア』な雰囲気が漂い、なじみ深さも感じる軽快アクション
アクションの手応えについては前述した通りですが、それ以外の部分で『凶乱マカイズム』の特色を挙げるなら、プリニーやネコマタといった『魔界戦記ディスガイア』でもお馴染みのキャラが続々と出てくる点でしょう。
あくまで本作は『凶乱マカイズム』ですが、そうしたキャラを知っている『魔界戦記ディスガイア』ファンはより楽しめる作品になりそうです。プリニーの扱いは本作でも酷いのか、いずれ確認したいところです。
また、原田氏がキャラクターデザインを務めたゲームは多数ありますが、本作のようなアクションRPGとなるとかなり貴重です。『魔界戦記ディスガイア』シリーズも含め、頭身の低いデフォルメ調になる場合も多いため、原田氏がデザインした頭身の高いキャラを直接操作できる点も魅力のひとつです。
キャラクターのアクションも見栄えがするものも多く、また「飛天無双斬」のような大技ではカットシーンも盛り込まれます。
これまではデフォルメ調で可愛さの印象が色濃かったのですが、原田氏デザインによる頭身が高いキャラがそのままアクションを繰り広げる様は、過去作にはないシャープな格好良さも感じられ、視覚的な刺激度も侮れません。
難易度の方は、あくまで試遊の範囲ですが、プリニー級は気楽に楽しめる印象でした。悪魔級も、(撮影のためとはいえ)片手間でなければ手ごたえと気持ちよさが両立しており、操作感を楽しみながら問題なくクリアできるくらいの難易度でした。
ただし、魔王級になると敵の強さも相応で、通常攻撃や強攻撃だけではかなり厳しく、いかにスキルを有効に使うかがカギになります。「飛天無双斬」はここでも有用性を発揮しますが、連発は出来ないため、クールタイムのやりくりに奮闘させられました。
戦い自体は善戦したものの、試遊プレイなので時間制限には抗えません。魔王級へのチャレンジは、製品版へと持ち越す形になりました。難易度別に自然と立ち回りが変わったのは、それぞれに特徴があった証とも言えます。
キャラやスキル名に『魔界戦記ディスガイア』の匂いを感じさせつつ、頭身高めのキャラクターを直接操作するアクションゲームとして新たに確立された『凶乱マカイズム』。
軽快アクションとやり込みの2本柱が、製品版『凶乱マカイズム』をどのように彩るのか。その全容はまだ見えませんが、試遊プレイでその先が気になったのも事実です。まずは、さらなる詳細が分かるであろう続報の到着を、心待ちにしたいと思います。


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