5月に開催された「春公演」から約5ヶ月。
そんな熱狂の初日を終えた直後、この出走したサイレンススズカ役・高野麻里佳さんとアグネスタキオン役・上坂すみれさんへのメディア合同インタビューが実施され、インサイドも参加しました。
ライブ終わりということもあり、また熱を帯びた言葉とテンションということもあり、意外な話題が次々に飛び出して笑顔が溢れた合同インタビュー。その対話を是非ご覧ください。
◆上坂さんと初めて手を握った瞬間に可愛すぎて、どうしていいものか?と(高野)
ーー今回のライブイベントではお2人は秋公演からの出演になりましたが、さいたまスーパーアリーナはいかがだったでしょうか?
上坂すみれさん(以下、上坂):すごい大きいところにやってきたなぁと思いました。「ウマ娘」のナンバリングイベントは、出走するたびに見たことのない新しい景色に連れていってくれるなと。今回もセンターステージの床にLEDがあってめちゃくちゃ綺麗で、「これが"The New Frontier"なのか」と。準備期間はドキドキしていたんですけど、今日一日はあっという間で楽しかったなぁと思いました。
高野麻里佳さん(以下、高野):今回はゲストという形で出走させていただいたんですけれど、さいたまスーパーアリーナならではの飛行ができたんじゃないかと思っております(笑)トレーナーの皆さんも初めて飛ぶのを見たと思うので、すごく大きな衝撃を受けたんじゃないかなと思います。
スズカとタキオンはミュージックビデオの中では既に飛んでいましたし、ウマ娘たちがifの世界を描いていくストーリー性とか、物語性を楽曲の中でも感じていただけたかと思います。「ユメヲカケル」や「Never Looking Back」や、私的に昔から大切にしていた楽曲を歌わせてもらったり、新しいウマ娘ちゃんたち(キャスト陣)が歌ってくれたり、そういうところに今回の6thイベントの意味を感じました。
ーーいまのお話にもありましたが、「transforming」をお2人で歌われたのは初めてということでした。
高野:練習のとき、上坂さんと初めて手を握った瞬間に可愛すぎて、どうしていいものか? となってしまって。本当は手を離さなくちゃいけないところでも可愛すぎて手を離せなくなって、ずっと見つめ合っちゃうというリハでの失敗がありました(笑)
上坂:結構長い時間見つめ合うシーンがあるんですよ。私もどんどん手が汗ばんでいって、それはそれでどうしようどうしようって(笑)。本当に、結構長いあいだ見つめ合うシーンがあるんですよね。あのミュージックビデオでの2人(タキオンとスズカ)は、どんな気持ちで撮影してたんだろうなって。
高野:ウマ娘ちゃんたちもライブでのパフォーマンスは意識高いと思うので、我々と同じような気持ちだったかもしれないですよ(笑)
上坂:まりんか(高野さんの愛称)はこれまでに何回か歌ってたの?
高野:そうなんです。その時も縁のあるウマ娘ちゃんとサイレンススズカとで歌わせてもらっていたんですけど、やっぱり歌詞がアグネスタキオン味が強い曲でもありますよね。
上坂:「この世界線を超えられたら、どんな景色が見えるだろう」という願いや、歌い分けでどんどん積み重なっていくことで、2人にしか歌えない意味の歌詞もあるなって今日改めて思いました。
スズカとタキオンは時代も走りのスタイルも割と違いますけど、孤高のウマ娘だと思うんです。仲間はいるけどもどこか遠い世界を望んでいる2人が出会う曲として、すごくエモかったなと思います。
高野:2人で歌えてこのイベントで一番の思い出になったと思います。
上坂:自分で言うのもあれですけど、なんか飛んで"映え"てましたね(笑)
高野:今回のお洋服、ライブ衣装もすごく映えますし。
上坂:フライング映えする人たちだなと。
高野:それはどういう意味ですか?(笑)
上坂:空に似合う2人だなぁ~って(笑)
高野:確かに。宇宙を感じられましたね。楽しかったです。
ーー2人が飛ばれた時、トレーナーたちがどよめいて驚いていましたが、高いところから見た景色はどのようなものでしたか?
上坂:耳にイヤーモニターをつけているので、じつは私に観客からの声があまり聞こえなかったんですよ。
高野:私は、結構どよめいて「おおー!」という声が聞こえました。
上坂:本当ですか。でも上から見た光景は、一面が芝みたいだなと思いました(笑)
高野:ターフが見えたんですね。リハーサルのときからずっと思っていたのが、「ウマ娘」のなかで今回のような飛ぶ演出が初めてになるんです。ただこれが、皆さんから見て面白く見えちゃうとイヤだなと思ってたんです。「飛んだ!すごい!おもしろい!」みたいなエンタメになったら嫌だなと。
でもあのどよめきがいい具合に皆さんのテンションをあげてくれたし、力強いどよめきだったのがすごく嬉しかったですね。
◆和氣ちゃんのこともずっと心の中で思いながら歌っていました(高野)
ーー上坂さんは、ダンツフルーム役の福嶋さん、オーイシマサヨシさんと「Ready!! Steady!! Derby!!」を。高野さんはトーカイテイオー役のMachicoさん、スペシャルウィークと「Never Looking Back」を歌われました。それぞれの感想を教えて下さい。
上坂:劇場版「ウマ娘 プリティーダービー 新時代の扉」ではダンツとタキオンが2人きりというシーンはあまりなかったので、結構レアだなと思いましたし、そこに作曲者であるオーイシさんも登場する、すごい熱くてレアな編成でした。オーイシさんも原曲のキーで歌われていて、すごく素敵な音圧を感じました。
しかもセンターステージをフルに使いながら歌うという演出で、その後にダンツフルームがゲーム内に実装ということですごく思い出深くて、彼女の記念すべき日にこうやって背中を押せたという意味でも嬉しかったです。
高野:スペちゃん、スズカ、テイオーという3人は初期メンバーと言われる3人は、最近開催されている「ウマ娘」のライブイベントでこの3人が揃うことはあまり無いので、今回揃って歌わせてもらって、トレーナーの皆さんにエモさを感じていただくことが出来たかなと思います。
それに、私たちが一緒にたったからこそ、新しい子たちの新鮮な空気と古参の空気の両方を贅沢に感じることができたイベントになったんじゃないかなと思います。
実は、スペちゃんの衣装の動きは、私がリハでふわふわと動かしてみせたのをトレースして3Dで動かしていただいたんです。スペちゃんの動きに負けないように私たちも華麗に踊ろうと思いましたし、Machicoちゃんと一緒に“3人で歌うこと”を意識して、和氣ちゃんのこともずっと心の中で思いながら歌っていました。
ーーサイレンススズカとアグネスタキオンの組み合わせや関係性について、お2人はどのように感じていますか?これまでいくつかのイベントで一緒にいることがありますが、直接的にやり取りしている感じでもなかったですよね?
高野:確かに、アニメでもゲームでも2人が直接喋っている(掛け合いをしている)セリフはあまりないですよね。
上坂:だいぶレアだと思います。なんかでも、やっぱり魂の雰囲気が近い、すごいほんわかしたイメージでは持っているかな。
高野:タキオンさんは科学的なことを話されたり、頭の良さがあるので、自分の限界を自分で把握しているかっこよさがあって……。
上坂:どうだろう、把握してないと思いますよ。
高野:してないんですか!? 私の中でのタキオンの解像度が低かったみたいです(笑)
上坂:タキオンも割と見切り発車なところがありますから(笑)
高野:スズカは本当に自由に走って走って走りまくっていたら、先頭で一人の景色へとたどり着いて「異次元の逃亡者」と言われるほどに清々しくてカッコいいところがあります。たしかに"孤高"と言われれば2人とも"孤高"だよなと
上坂:周りの人からちょっと理解されない部分もあるし、あと2人とも自由だよね。集団で集まってーって言われた時に、最後に来るタイプですよね。
高野:そうですよね(笑) 2人ともマイペースで。スズカは左旋回とかして自分の考え事して遅れちゃいそうですし、どこかで走りに行ってたあとに合流するかも。逆にいちばん最初に来たけどまだだれもいないから走ってこようといって走りに行っちゃうタイプ。タキオンは?
上坂:タキオンはそもそも来ないですよ(笑)ダンツが迎えに来るまで来ない。なのでマイペースさは2人の共通点かなと思います。
高野:それでいて喧嘩をしたり張り合うわけでもない2人ですよね。いっしょに走りあったら闘争心に火がついて初めて燃えるものがあるのかもしれない。
上坂:タキオンとスズカのガチンコレースみたいな回があったらすごそうですね。
高野:新しい炎の色が見えそうな気がします。
◆カッコよく言おうと思ったらタキオンが伝染っちゃって(高野)
じゃあ私もいつか敬語で煽らないといけないですね(上坂)
ーーインサイドです。すごくシンプルな質問なのですが、今回のライブでいちばん練習した曲は何でしょうか?
上坂:私は「めにしゅき ラッシュっしゅ!」(※)ですね。というのも、タキオンで超キュートな歌を歌ったことがなかったので、どのくらいのファンサをタキオンはするんだ?というところで悩んだんです。この曲では自由にハートを作ってくださいと振り付けがないフリーの部分があって、「タキオンってどのくらいハートを作るんだろう?」と考えたのがいちばん時間かかりましたね。
※「めにしゅき」と「ラッシュっしゅ!」の間にはハートマークが入ります
高野:私は「BLOW MY GALE」ですね。今日のライブではステイゴールドちゃんのターンのなかで歌わせていただくので、サイレンススズカに強者感をもたせなきゃいけないところで沢山練習したなと思い出があります。
スズカにももちろんカッコよさがあるんですけど、先ほどの話にもあるように孤高でマイペースだからこそカッコよく見えるのであって、カッコよく見せているわけではないんです。
ーーなるほど。
高野:ただその、今日のステージでは「トレーナーさん!ついてこれるかーい!」って言っちゃったんですよ。本当は「ついてこれますか……?」ってスズカらしく言おうと思ったのが、カッコよく言おうと思ってタキオンが伝染っちゃって(笑)
ーー(インタビュー会場、笑いに包まれる)
上坂:えー!?(驚きの顔で高野を見つめる)
ーーそれはなぜなんでしょう?(笑)
高野:「カッコいいスズカってどんなスズカなんだろう?」とは思っていたんですが、「タキオンだったらどうするかな?」って今日のライブで歌っている最中に考えちゃって。そしたら「ついてこれるかぁーい!」ってつい言っちゃったんですよ。
曲を歌い終えたあと、タキオンの言葉やイメージをお借りしてスズカをカッコよく演出してしまったなと、そのことが自分の中でちょっと笑えてきちゃいまして(笑)
多分、タキオンと一番最初の曲をスズカとして歌わせて頂いちゃったがために、タキオンのことを意識しすぎたんだと思います。いつもはスペちゃんを意識しすぎちゃうんですよ。これまでスペちゃんとは背中を押し会える関係だったりするので、スペちゃんを好きすぎないように気をつけて、ライブでの出演やアニメやゲームの収録に臨んでいたんです。
でも今回はタキオンを意識しすぎないように気をつけなきゃいけなかったんだと、こうして後々気がつきました。
上坂:なんと……。
高野:ちょっと意識しすぎちゃいました。
上坂:じゃあ私もいつか敬語で煽るやつをやらないとですね。
高野:いやいやいやいや、そこ意識しないでください。
上坂:モルモット「さん」付けで呼びましょう。「モルモットさん!ついてこれますかぁー!?」って。すごいな、ドラゴンボールのあの人みたい(笑)
高野:強者感はあります(笑)
ーー最後の「うまぴょい伝説」のときに、上坂さんからエスコートしていたように見えました。アンセムとも言えるような楽曲のなかで、ああいった行動をされるのはエモいなと思ったのですが、いかがでしたか?
高野:上坂さんの経験値じゃないですか? やっぱりタキオンとスズカが今回せっかく一緒に歌ったわけで、最後の「うまぴょい伝説」でも活かそうと。
上坂:そんなこと考えてない……(笑) 私そんなに計算して挑んだことはないです。
高野:それ本当ですか?考えずにあれをやってのけてたんですか?!
上坂:「あ、スズカだ~」って(笑)
高野:素であれをやってるんですか?(笑) じゃあタキオンさん、意外とスズカのこと好きなんですね。
上坂:好きだと思いますよ。興味があるという視点じゃないかな。
高野:たしかに。興味対象としてすごい見ていそう。
上坂:タキオンや私をそんなに高く評価して頂いてたとは。
高野:さすがだなぁと思っていました。ここでエスコートしてくださるんだって思って。私も「スズカとしてタキオンとの絡みを皆に見せてあげなきゃ!」っていう気持ちで最後は絡んでました。
上坂:振り返って手を差し伸べたところ、スズカのサポートカードの構図とすっごい似てて、「スズカのサポカが見える!」となっていました。あれは本物でしたね。(編註:ゲーム最初期に実装されたスピードSSRカード「輝く景色の、その先に」のこと)
高野:確かに! タキオンに褒められるとは思いませんでした。配信などで映像が残っていたらぜひ見てほしいです。
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