「創設期から20年以上籍を置き、今日まで株主として関わっていたものとして誠に残念な最後ですが、静かに受け止めています」と心境を語っています。
◆ガイナックスが42年弱の歴史を終える
ガイナックスは1984年に設立されたアニメーション制作スタジオで、TVアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」やゲーム『プリンセスメーカー』などのヒット作を手がけました。しかし、経営陣や幹部による会社の私物化等により経営が悪化。不祥事も相まって運営能力が失われ、カラーの支援で再建を行うも、高額負債解消には至らず破産手続きが発表されていました。
お知らせではまず、2019年時の代表取締役社長・巻智博氏の逮捕を受け、共にガイナックス社の再建や整理に関わる業務に6年近く無償で尽力した、関係各社に感謝と敬意を表明。この協力もあり、各作品の権利処理、権利譲渡、制作成果物など各種資料の譲渡は、正当な手続きで各権利者やクリエイターに返還されたと報告しています。
次に「過去のガイナックスに関して、これまで公開していた話が世間に出せるほぼ全てです」としつつ、新たに残念だった事として、旧経営陣体制下に於いて正当性を欠く権利移譲、資料譲渡が行われていたと説明。
こちらは当時の経営陣に民事訴訟を提訴し、2023年1月20日に当方原告の主張を認め、被告からの謝罪を受け入れる形で和解が成立したといいます。公式サイトでは和解文書も掲載されています。
◆“友人と思っていた”面々との決別、そして神村社長への感謝も
お知らせの後半では、カラーとして再建を支援した際、返済に関するガイナックス社の不誠実さ、会社経営や制作資料保全に関する自社作品、スタッフに対する敬意に欠ける旧経営陣内の様々なやり取りを目の当たりにしたとも説明。
「具体的には、元福島ガイナックス代表の浅尾芳宣氏や大学時代からの友人と思っていた山賀博之氏、武田康廣氏らが弊社や自分に対して行っていた様々な虚偽対応の実態、山賀社長(当時)からガイナックス社員への自身を入院中とかたる居留守指示、弊社を敵対視した文言、返済を不当に逃れるための画策等、これらを改めて知るに至り、怒りを通り越して悲しくなりました」とのこと。
これについて「彼らとは昔のような関係にはもう戻れないであろうことを改めて思い知り、心底残念に思います。
一方でお知らせの最後には、問題へ真摯に向き合い最後まで身を尽くし、その終焉を見届けたガイナックス最後の代表取締役であり、庵野氏の大学時代からの友人である神村靖宏社長に向けて「神村、ありがとう。そして、御苦労様でした」と感謝のメッセージが添えられています。


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