2026年の第1四半期に発売が予定されているローグライト3Dアクション『夢幻桜楼閣』。インディーゲームサークル「電猫遊戯」が開発し「松竹ゲームズ」がパブリッシャーを務める本作は、猫耳フードの双剣使い「レトラ」を操作し立ちはだかる敵をバッタバッタと切り伏せる剣撃アクションです。


レトラの目的は、城のような和風ダンジョンを下から上へと駆け上がること。戦闘や探索で得られる強化アイテム「アトリビュート」には様々あり、それらを選択しつつ収集することでビルドを構築します。このあたりのシステムは一般的なローグライト系ゲームをプレイしている人なら迷わず楽しめるでしょう。

対応プラットフォームは現在Steamのみ。すでにオープンしているストアでは体験版が配信されているので、一度その爽快アクションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

もっとも注目のポイントといえば、やはりこのクオリティの高いキャラクターモデル! そして表情豊かなレトラのキャラクター! 健康的な褐色ボディはSteamのサムネイルの海の中でも目を引き、筆者が「ネクストフェス」で出逢うきっかけとなりました。ピンク色の髪もよく似合っていますね。

ご覧ください。この愛らしくも挑発的な笑み、そして静止画からでも伝わってくる「揺れる」ボディ! 健康的な褐色の肌も相まって“からかわれてみたい”と思いませんか? 思いませんかそうですか。

筆者が今もっとも期待する「褐色ヒロインゲーム」こと『夢幻桜楼閣』。発売が楽しみですね!

◆あなたのライブラリにいる褐色ヒロインは?
さて褐色ヒロインといえば過去さまざまなキャラクターがいました。新しいところでは『ポケモン レジェンズZ-A』の「カナリィ」。
ゲーム配信者という今どきのヒロインで、作中のアイドル性そのままに多くのプレイヤーのハートを掴みました。

そのほか『ドラゴンクエストIV』の踊り子「マーニャ」と占い師「ミネア」、『アイドルマスター』シリーズの沖縄娘「我那覇 響」、『ストリートファイター6』の「リリィ」と「キンバリー」、『バイオハザード5』のシェバ・アローマ。個人的に思い入れが強いのは『サムライスピリッツ』に登場した「紫ナコルル」です。

「紫ナコルル」はナコルルの2pカラーだったにも関わらず、ナコルル人気に乗って次第に別人キャラとして独立。吊り目の挑発的な性格、小麦色の肌、ナコルルよりも若干グラマラスになったボディなど、清楚なナコルルとは正反対の存在としてファンに愛されました。

Steamクライアントをインストールしている人はぜひご自身のライブラリを見て、褐色ヒロインが登場するゲームをチェックしてみてください。普段は意識していなくても、意外と褐色ヒロインが登場するゲームをプレイしているはず。筆者にも『閃乱カグラ』『マーベルミッドナイト・サンズ』『バレットガールズ ファンタジア』など様々ありました。

さてここでひとつの疑問がわき上がってきます。それはなぜ、これほどまでに褐色ヒロインに魅力を感じるのか?という点です。しかしその答えは正直わかりません。

褐色の肌というイメージで思い当たるのは、健康的なイメージ、活発なイメージ、お色気のイメージあたりです。
日焼けをするというのはそれだけ外で活動することが多いという意味で活発なイメージがありますし、野山を駆け回るという点では田舎の純朴なイメージもあります。また日差しが強い地域ということで沖縄など南国のイメージがあります。それらのイメージの刷り込みによって「健康的」「活発」「純朴」などのイメージが根付いているのではないでしょうか。日焼け跡なんかも最高ですね。

加えてサンバのようなお祭りの印象があることから、『ドラゴンクエストIV』の踊り子「マーニャ」のようなイメージがあります。そこから発展し、開放的な衣装や、若干過激な水着でも似合うというイメージもあります。それらイメージの複合的な要素が、本来そのキャラクターが持っている個性と合わさってはじめて魅力的な褐色ヒロインになるのではないでしょうか。

◆あなたの褐色ヒロインの原点は?
思えば筆者の「褐色ヒロイン」の原点は、おそらく1990年にNHKで放送されたアニメ「ふしぎの海のナディア」でしょう。そう、「シン」シリーズでおなじみの監督、庵野秀明さんの代表作のひとつです。

本作はジュール・ヴェルヌのSF小説「海底二万里」をベースに、独自解釈とオリジナル要素、さらにジュール・ヴェルヌのさまざまな作品も絡む形で創作された全39話のテレビシリーズです。

物語の時代設定は1889年。発明好きの少年「ジャン」が、サーカスの少女「ナディア」と出逢ったことで大冒険に出発。
秘密組織の首領「ガーゴイル」と戦っているという万能潜水艦「ノーチラス号」に救助されたことから大海を舞台にした戦いに身を投じることとなります。

このアニメの何が凄かったかというと、やはりNHKで放送されたというインパクトの大きさが挙げられます。当時は今ほどエンタメ性のある番組を制作しておらず、直近のテレビアニメでも「アニメ三銃士」という、世界の名作小説をベースにした“NHKらしいアニメ”を放送していたくらいです。

それが突然、若干露出の激しい褐色のヒロインが、万能潜水艦のクルーとともに巨悪に立ち向かうというストーリーラインでエンタメに振り切ったことで話題に。とくに褐色ヒロインのナディアに大きなスポットが当たり、アニメ雑誌「ニュータイプ」などでは特集はもちろん表紙を飾るなど快進撃を続けました。

それではナディアのどのようなところが魅力だったのか? ナディアは自分の故郷や家族の事を何も知らないままサーカス団に売られ、つねに故郷へ想いを馳せている14歳の少女です。そのせいか心を閉ざしがちで、誰に対しても冷たく、ワガママに振る舞うことも少なくありません。

しかしその多面的な部分や、自分に正直なところは憎めず、視聴者はジャン少年の目線で彼女を見守ることになります。そして物語の終盤で彼女が向き合うことになる大きな運命、壮大な展開に、多くのアニメファンが虜になりました。

正直なところ、アニメ本編ではナディアに対してポジティブな感情だけではなく、時にはイラッとする部分もありました。しかし視聴を中止するほどのマイナスにはなりませんし、むしろそういった部分があるからこそ、素直になった時、意外な表情を見せた時に気持ちが大きく傾くわけです。もしかしたら「ツンデレ」のひとつなのかも知れません。


そのように言語化していって思うのは、肌の色が必ずしもキャラクターの良し悪しには関係しないということ。視聴者にとってはむしろ、ナディアを通じて褐色キャラにひとつの魅力を見出したのではないでしょうか。

『ふしぎの海のナディア』は現在、さまざまな動画配信サイトで視聴できると思うので、未試聴のかた、そして懐かしく思ったかたはぜひこの年末年始に一気見をしてみてください。

みなさんの「褐色ヒロイン」の原点は誰でしたか?
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