本作でも注目を集めるであろう要素のひとつは、やはりその難易度でしょう。関連作はいずれも、“戦国死にゲー”の名に恥じぬ手ごわさを備え、手に汗握る戦いと、それに打ち勝った時の達成感を提供してきました。
そんな過酷な戦いが、おそらく『仁王3』でも味わえることでしょう。果たして筆者のような、数々のソウルライク作品に泣かされてきたような凡庸なプレイヤーが満足に戦えるのか。その疑問を、自らのプレイで検証したいと思います。
漫然と遊ぶだけでは分かりにくいため、今回は体験版の範囲となる「蛇骨婆」の討伐を目標に、10回落命するまで挑み続ける縛りで挑戦。途中で力尽きるのか、凡庸プレイヤーが10回以内にクリアできるのか。道中の落命模様と共に、結果までご覧ください。
■貴重な命が、こんなに早く減るなんて
『仁王3』をプレイするにあたり、事前情報はほぼシャットアウトして取り組みました。ナチュラルな状態で楽しみたいという気持ちもありますが、最初からシステムの情報をあれこれ詰め込まれると、操作に迷って狼狽えるばかりになるためです。凡庸プレイヤーは少しずつじゃないと学べないっ!
そのため、序盤のチュートリアルは非常にありがたい存在です。使用武器は、リーチが長そうという理由のみで、まず槍を選んでみました。
初戦闘は、仲間がいたおかげもあって難なくクリア。とはいえ、体力は半分くらいがっつりと削られており、初っ端から安定の凡庸ぶりに我ながら苦笑するほかありません。
初戦闘の後は、初めての社。体力が全快する安堵感よ……!
まだチュートリアルは終わらず、ここまではサムライスタイルで戦いましたが、ここではニンジャスタイルでバトル。一撃一撃は軽めながら、その分スピーディなので、攻めやすく逃げやすいのが嬉しいところです。
よーし、華麗に戦うぞ……と思った矢先、さっそくの落命! まだチュートリアルなのに……。ニンジャの素早さに気持ちよくなりすぎて、仙薬(体力回復薬)の使用をすっかり忘れていました。
そして、先ほどの社から再スタート。チュートリアルといえども、「戦いの途中から再開」といった甘やかしはありません。“戦国死にゲー”は、今回も厳しそうな予感を覚えます。
■慢心は落命のもと
ネタバレ防止のためイベント戦闘は省略し、色々あって「一言坂」に到着。
ここでまず学んだのが、「暗殺」の操作。気づかれないよう背後から忍び寄り、大ダメージを与えることができます。このアクションがあれば、敵の一部を楽に倒せそうです。多くの3D系アクションゲームで、こうした不意打ちには大変お世話になりました。
まだ最序盤ということもあり、「暗殺」の効果は絶大。また、離れた敵を弓矢で射抜いたり、分散して1対1に持ち込んだりと、有利に立ち回って危なげなく敵を撃破していきます。
「このまま、結構進めるのでは?」と手ごたえを感じ始めた時に、真正面から切り伏せてくれるのが『仁王3』です。浮かれていたところ妖鬼から殴殺され、再び「落命」の二文字を拝みます。
ちなみに、この時手元には仙薬が5つありました。またしても、体力回復を忘れての落命です。失敗から学ばないから凡庸なのだと、痛感するばかり……。
■初ボスを前に、命の残数が削られる……!
新たな社を拝むと、その先にある陣幕が目に飛び込んできました。しかも、何やら戦っている様子。いかにも仕切られそうな空間なので、そろそろ強敵の出現かもしれません。
陣幕に近づくと、妖怪を相手に本田忠勝が猛威を振るっていました。もしかして、彼と一緒に戦えるのでは……と期待するものの、残念ながら夢は叶わず、現れたボス・山県昌景との一騎打ちが始まります。
道中の敵も恐ろしげでしたが、山県の強敵感は一回り違っており、「ここであと8回死んで終わるのでは……」と、企画倒れな未来予想図すら浮かんでしまうほど。実際、初戦では相手の体力をほとんど削れず、あっけなく斬殺となりました。
先ほどの社はほぼ目の前なので、再戦までの道のりはノンストレス。もちろん、戦闘中はプレッシャーとストレスの二重奏なのですが。そして2戦目・3戦目は、衝死による落命です。山県さんは、色んな死に方を教えてくれます。
すでに計5回も落命しており、このままでは先ほどの予想が現実になりかねません。
その開き直りが功を奏したのか、仙薬を4つ残した状態で、山県の体力を半減させることに成功。ただし、相手からの大技も食らってしまい、到底油断はできません。
ここで、「九十九化身」というパワーアップを促す案内がありました。さすがチュートリアル、親切丁寧です。「九十九化身」状態になると、攻撃を受けても体力は減らず、代わりにゲージが減っていきます。つまり、ゲージがある限り、落命せずに済むということです。
これぞ勝機と見て、少しでも相手の体力を削ろうと躍起になります。しかし、躍起になり過ぎて、敵の攻撃も結構食らっていた模様。化身状態はあっさり終了し、山県の体力はまだ2割ほど残っています。
この時、仙薬の残りはひとつ。互いに追い詰められた状況で、一進一退の攻防を繰り返し、最後のひとつも使い切った後、ようやく山県が膝を屈しました。
まだチュートリアルなのに、もう命が半分しか残ってない……!
■意外と怖くない……かも? オープンフィールドで姑息に立ち回る
山県を退け、再び合流した本田と共に船に乗って新たな地へ。そして、浜松城を見下ろす高台から、赤く染まった異様な景色を臨み、そして『仁王3』のタイトルコール。
もうここでエンディングでもいいのに……山県戦で疲れ切ったがゆえの願いは当然届かず、オープンフィールドによる広大な戦いがここから始まります。
しかし、オープンフィールドでの戦いは、少し風向きが変わりました。移動できる範囲が格段に広がったため、地形の高低差を活かして敵を避けることもできますし、背後に回って「暗殺」する機会も増えました。
また、すべての敵に有効なわけではありませんが、「暗殺」だけで倒しきれなかった場合、一度逃げて敵の知覚から外れると、相手は諦めて元の位置に戻ります。改めて「暗殺」を狙うもアリですし、正面から戦っても敵の体力が減っているので有利に戦えます。
「暗殺」に慣れて次々に仕掛けていたところ、「緑影の剣鬼」という手ごわそうな敵に喧嘩を売ってしまい、一度焦って逃げ出したところ、この敵も再度待機状態に戻ってくれました。雑魚クラスだけでなく、ネームドにも再暗殺が効いたのは、嬉しい誤算です。
時には、見上げるような大型の敵と遭遇することもあります。
むしろ、馬頭鬼のような中型サイズの方が、かなり手こずらされました。恐ろしさも手伝って距離を開け気味に戦ったところ、こちらの体力も徐々に削られていきます。結果、仙薬を7つ使うほどの消耗戦になり、ギリギリで辛勝。危ないところでした。
とはいえ、“死にゲー”と思ってかなり身構えていましたが、特にオープンフィールドに入ってからは楽に戦える場合もあり、想像よりも緊張感は少なめ。もちろん強敵との戦闘中は手に汗握りますが、探索中もドキドキしっぱなしというほどの切迫さではありません。
あくまでプレイした範囲の感想ですが、オープンフィールド化が、緊張を緩和するバランス設定に寄与しているように感じました。
■それでも減っていく命、そして厳しい「地獄」の道中
などと、ちょっと余裕ぶった態度を見せておりますが、オープンフィールドの探索中も、しっかりと落命しております。山県戦後の初落命は、血刀塚から出てきた屍狂いに食らいました。呼び出さなければ戦うことはない相手なので、身から出た錆です。
また、民家に地下があり、ハシゴで降りた先にいた妖鬼にも撲殺されました。探索のストレスが低めなのは有り難いのですが、油断して警戒心が低めになるという、凡庸らしい弊害がネックです。
そんな落命を含め、計7回倒れたところで、浜松城下にたどり着きました。この先に目標となる「蛇骨婆」が待っているはず。
今回の企画的に残っている命は、あと3つ。3回落命するまでに、「蛇骨婆」を倒せるのか否か。いや、その前に辿りつけるのか。自ら課した制限が、改めて重くのしかかります。
浜松城下は、妖怪の攻撃が強化される「地獄」と呼ばれるフィールド。この説明の通り、一撃がかなり手痛くなっており、通常時の探索気分でいるとあっさり落命しそうな危険地帯です。
構成もステージ的な作りになっており、ある程度の順路が決まっています。しかしルートを見つければ、敵の背後に上手く回れたり、ショートカットを開通させて安全に行き来しやすくなったりと、攻略を楽にするポイントがあるので助かります。
ただし、これまで意識しなかったフィールドギミックが命取りになることも。たまたまガス溜まりにいたら、妖怪が投げつけた引火物で着火し、まさかの爆死を食らいました。そんなギミック聞いてないよ……!
また、このエリアにも巨大な妖怪がおり、行く手を遮るように徘徊していました。慎重に、初手は「暗殺」から入り、なかなかのダメージを与えます……が、体力ゲージを見ると減っているのはごくわずか。これ勝てるのかな、と不安に駆られながら挑みます。
結果、敢え無く感電死。近接攻撃を警戒して距離を取っていたら、まさか雷を落としてくるとは。デカい敵は物理攻撃をするに違いない、と思い込んだのが敗因です。
これで落命は、合計9回。もはや最後の命ですが、落雷に対応できるまで生き延びられるとは思えません。「蛇骨婆」の姿も見ずに果てるのは、さすがに口惜しいところですが、勝てるとも思えず、打つ手なし……。
そこで選んだ手段が、「駆け抜けてやり過ごす」でした。小心者が正面から戦うわけがない! 行き先が塞がれていませんようにと祈りつつ、ダッシュで先に進んだところ、意外とあっさりすり抜けられ、安堵する前にむしろ驚いてしまいました。
見た目は怨念たっぷりという感じなのに、意外とさばさばしているのか……と、見当違いな感想を覚えつつ、危険な地獄を駆け抜けます。
しばらく先に進むと、殺意満点の刀を握っている鬼もいましたが、恐ろし過ぎるのでここも意を決してスルー。今回の狙いも無事成功し、命を残したまま地獄の道のりを進みます。
■残った最後の命、燃やし尽くせるのか?
最後の命を抱えたまま進むと、眼前に大きな門が立ちはだかりました。山県と戦った陣幕を思い出し、この先に何らかの強敵が潜む予感をひしひしと覚えます。
残った命はひとつ。ここで、いよいよ奥の手を出すことに決めました。今まで秘めてきた奥義……そう、他人頼みです! 本作には、「すけびと」と呼ばれる頼もしい助っ人制度があります。他力本願の極みですが、命の残りがない今、なりふり構っていられません。
ちなみに、他のプレイヤーに協力を仰ぐ「まれびと召喚」というシステムもありますが、コミュニケーションにおいても小心者なので、こちらはとても選べません……! 「すけびと」に全てを託し、いざ開門。
予想通りムービーが始まり、そこに現れたのは……今回の目的である「蛇骨婆」でした。しかし、名前は知っていても、その姿を見るのは今回が初めて。名前の通り、半ば骨状の蛇と結びつく威容は恐ろしく、正直まっすぐ帰りたいくらいです。
満足にダメージも与えられずに、蛇から手痛い一撃を早速もらいます。この時点で心が折れかけ、しばらく距離を取って逃げ惑う時間が続きます。
一方「すけびと」は、果敢に攻撃を繰り出し、「蛇骨婆」の体力を確実に削っていました。なんて頼りになる……! 自分の不甲斐なさが申し訳なくなり、恐怖心を押さえつけて攻撃に踏み出しました。
大技返しが決まったこともあり、「蛇骨婆」の体力を3割ほど削りました。この時点で使った仙薬はまだ3つ。余裕はないものの、ペースは悪くありません。
その後も一進一退の攻防が続き、どちらも徐々に体力が低下。「蛇骨婆」は残り1/4ほど、こちらは仙薬の残りが2つ。しかも、ここで大ダメージを食らい、更にもうひとつ消費しました。
更に削り合いが続き、「すけびと」も果敢に戦ってくれましたが、仙薬をすべて使い切り、こちらの残り体力はほんのわずか。「蛇骨婆」も瀕死に近い状態ですが、捨て身で挑んでも押し切れなさそうです。あと一手が欲しい……。
ここで思い出したのが、山県戦で使用した「九十九化身」。あれを使えば、死なずに戦い続けられます。これなら勝てるはず……そう考えて、「九十九化身」の発動を決めました。
……「九十九化身」の操作方法ってどれだっけ? L3+R3押し? それともL2+R2?
山県戦以来ずっと出し惜しみしていたため、操作方法をすっかり失念。そんなガチャ押しタイムを狙われ、最後の命があっけなく散っていきました……。「すけびと」も呆れて去りますとも! ちなみに、「九十九化身」の発動は△+〇でした。
なんとも冴えない結果になりましたが、凡庸な腕前でも、10回程度の落命で「蛇骨婆」の元にたどり着くことはできました。最低限の目標は達成できたので幸いです。
「蛇骨婆」のような強敵相手では、まさしく“死にゲー”らしいプレイ感が味わえますが、特にオープンフィールドのマップ上では、ほどよい程度に抑えられています。戦略次第で戦いやすく立ち回れるのも嬉しい点ですし、餓鬼大将のようにアクションRPG的に戦える妖怪もいるなど、難しいだけのゲームではありませんでした。
『仁王3』が気になっているけど、アクションに自信がなくて悩んでいる人も、一考する価値があると十分思います。不安な人は、現在配信中の体験版を触ってみて、自分に合うか確かめてみてはいかがですか。凡庸な腕前の筆者でもここまで来られたので、怖がらずにまずは触れてみましょう。


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