今夏に向けてインサイドでは、ゲーム業界を目指す高校生に向けた企画「夏のゲームスクール特集」を開始します。この企画では、ゲーム製作を学ぶことのできる大学・専門学校を実際に編集部が取材し、その学校の取り組みや特徴などを紹介していきます。
「夏のゲームスクール特集」第1回目の学校は、東京・新宿にある「宝塚大学」です。同校は関西にもキャンパスがありますが、新宿キャンパスには東京メディア芸術という学部があり、そこの「ゲーム領域」というコースでゲーム製作を学ぶことができます。
ゲームに特化した大学とはどのようなところなのか。今回は、SME出身で『クーロンズ・ゲート』の企画・アートディレクションを担当した井上幸喜教授と、同じくSCE出身の吉岡章夫専任講師のお二人に話を伺いました。
◆宝塚大学 東京メディア芸術学部で学べること
多くの学校では「企画」「プログラム」「グラフィックス」などといった分野に分かれますが、宝塚大学 東京メディア芸術学部ではゲーム制作に関わる分野を一通り学ぶカリキュラムに。というのも、「専門分野を一個に決めてしまうと、弊害のほうが大きい」と考えられており、ゲーム業界にはディレクターやプロデューサーになる人間がほとんど居ないと分析。そのため必要なのが「多様性」であり、そこを学べるカリキュラムになっています。
◆強みや特徴
宝塚大学 東京メディア芸術学部には「ゲーム領域」としての強みと、大学全体としての強みの2つがあるそうです。
■ゲーム領域の強み
まずもっともユニークなのが、キャンパス内にUIデザイン(ユーザーインターフェイスデザイン)/UXデザイン、アプリ開発会社「ジェットマン」のオフィスが入っていることです。井上先生と吉岡先生が経営者として関わられている会社です。しかもオフィスと教室がガラス一枚で繋がっており、学生は無意識のうちに「業界で働く」という意識を持つことに。連携としては、オフィス内に「メディア工房」というスペースを併設しており、学生たちは、そこで会社が抱えている案件を実際に仕事として受けることができます。
またレスポンスが早いのも特徴で、移り変わりの速いゲーム業界に対して柔軟に対応。日本にまだiPhoneが来てすらいない7年前から授業でスマートフォンアプリ開発が行われており、4年、5年先を見据えてカリキュラムを構成し、業界が今まさにほしい人材を生み出しているそうです。
現在は、UnityやUnreal Engineといった各ゲームエンジン・ツールはもちろんのこと、VRといった分野もカリキュラムに加わっています。
■大学全体の強み
大学全体の強みとしては、マンガやアニメーションといった他領域の学生も「ゲーム領域」の授業を受けることができ、その逆も可能です。また教員と学生の距離が近いことも特徴で、1クラス20人前後という少人数制で、それぞれの学生の習熟度も個別把握。それが学生の安心材料となり、教員間の情報交換もしやすい環境ができあがっています。
◆大学でゲームを学ぶメリット
ゲーム業界を含むIT業界は「業界就業年数」が短いといいます。例えば、1つの開発ツールの使い方だけを学んだ場合20歳で就職したとしても業界で活躍できる平均寿命は2年か3年であり、次へ次へと新たなスキルをもった新人が取って変わる傾向にあります。そこで東京メディア芸術学部では、ゲームを作る上での前提知識やグループ制作といったコミュニケーション能力、ディレクションに必要な伝える力を重要視し、業界変化にあわせた社会人基礎力も合わせ注力されています。
4年間かけてじっくり教えていく」ところなのだとか。
◆今からやっておくべきこと
この手の質問は「○○本を読め」や「○○のツールを触っておけ」という回答が多いですが、なんと意外にも、今のうちからやっておくべきことは『マインクラフト』。といいますのも、意外にも空間把握が苦手な学生が多いようで、いきなりUnreal Engineなどを触らせるとうまくいかないことが多いそうです。その点『マインクラフト』は、3D空間で創造性があり、ゲームシステムや「MOD」でプログラムに触れることも可能。「何をどうしたらこうなる」というゲームの基本概念が全て入っているため、3Dゲームを作るときに役立つことが多いと説明してくれました。
◆学校の選び方のポイント
学校選びには「場所」「人」が重要とのこと。その視点で宝塚大学 東京メディア芸術学部を見ると、場所は新宿でアクセスがしやすく、さまざまなお店や施設が揃っていますので、情報も早く入ってきそうです。また人に関しては、現場から離れてしまった先生や退職された先生ではなく、「現役の教員がそのまま教壇にも立つ」というのが方針で、「どのような人から学べるのか」という部分は強く強調されていました。
なお、井上先生と吉岡先生は、プレイステーションの立ち上がりの頃から業界に携わっており、現在も現役のクリエイターです。そのため業界のトレンドをいち早く感じ取り、それに合わせて新しいものを学生に伝えるように心がけられています。
◆夏のオープンキャンパス情報
■8月2日(日)
http://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/opencampus/oc/20150802/index.html
●時間
・午前:10:00~12:30
・午後:13:00~16:00
●特別授業:10:40~12:30
VR(バーチャルリアリティ)コンテンツ制作体験
●ワークショップ(午後)
・漫画講評会
・立体プラバン「昆虫採集」
・アニメーションの動画を描いて動かそう
・アートのためのプログラミング(Processing&メディアアート入門)
・オリジナル缶バッジをつくろう
・ボディペイントをしてみよう
■8月22日(土)
http://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/opencampus/oc/20150822/index.html
●時間
・午前:10:00~12:30
・午後:13:00~16:00
●特別授業:10:40~12:30
触れる3Dくまモン スマホアプリの制作
●ワークショップ、イベント(午後のみ)
・立体プラバン「桔梗の花のストラップ」
・アニメーションのキャラクターを描こう
・オリジナル缶バッジをつくろう
・ボディペイントをしてみよう
・漫画講評会
「夏のゲームスクール特集」第1回目の学校は、東京・新宿にある「宝塚大学」です。同校は関西にもキャンパスがありますが、新宿キャンパスには東京メディア芸術という学部があり、そこの「ゲーム領域」というコースでゲーム製作を学ぶことができます。
ゲームに特化した大学とはどのようなところなのか。今回は、SME出身で『クーロンズ・ゲート』の企画・アートディレクションを担当した井上幸喜教授と、同じくSCE出身の吉岡章夫専任講師のお二人に話を伺いました。
◆宝塚大学 東京メディア芸術学部で学べること
多くの学校では「企画」「プログラム」「グラフィックス」などといった分野に分かれますが、宝塚大学 東京メディア芸術学部ではゲーム制作に関わる分野を一通り学ぶカリキュラムに。というのも、「専門分野を一個に決めてしまうと、弊害のほうが大きい」と考えられており、ゲーム業界にはディレクターやプロデューサーになる人間がほとんど居ないと分析。そのため必要なのが「多様性」であり、そこを学べるカリキュラムになっています。
◆強みや特徴
宝塚大学 東京メディア芸術学部には「ゲーム領域」としての強みと、大学全体としての強みの2つがあるそうです。
■ゲーム領域の強み
まずもっともユニークなのが、キャンパス内にUIデザイン(ユーザーインターフェイスデザイン)/UXデザイン、アプリ開発会社「ジェットマン」のオフィスが入っていることです。井上先生と吉岡先生が経営者として関わられている会社です。しかもオフィスと教室がガラス一枚で繋がっており、学生は無意識のうちに「業界で働く」という意識を持つことに。連携としては、オフィス内に「メディア工房」というスペースを併設しており、学生たちは、そこで会社が抱えている案件を実際に仕事として受けることができます。
そのため、一般的なインターンやアルバイトとは異なり、キャンパス内で作業が可能に。権利モノのアイディアを学生が持っている場合も、事務的な手続きを併設の会社が引き受けることで、「仲介をして学生にやらせる」という取り組みも行われています。その結果、学生のうちからメジャーなタイトルに携わることもあるそうです。
またレスポンスが早いのも特徴で、移り変わりの速いゲーム業界に対して柔軟に対応。日本にまだiPhoneが来てすらいない7年前から授業でスマートフォンアプリ開発が行われており、4年、5年先を見据えてカリキュラムを構成し、業界が今まさにほしい人材を生み出しているそうです。
現在は、UnityやUnreal Engineといった各ゲームエンジン・ツールはもちろんのこと、VRといった分野もカリキュラムに加わっています。
■大学全体の強み
大学全体の強みとしては、マンガやアニメーションといった他領域の学生も「ゲーム領域」の授業を受けることができ、その逆も可能です。また教員と学生の距離が近いことも特徴で、1クラス20人前後という少人数制で、それぞれの学生の習熟度も個別把握。それが学生の安心材料となり、教員間の情報交換もしやすい環境ができあがっています。
◆大学でゲームを学ぶメリット
ゲーム業界を含むIT業界は「業界就業年数」が短いといいます。例えば、1つの開発ツールの使い方だけを学んだ場合20歳で就職したとしても業界で活躍できる平均寿命は2年か3年であり、次へ次へと新たなスキルをもった新人が取って変わる傾向にあります。そこで東京メディア芸術学部では、ゲームを作る上での前提知識やグループ制作といったコミュニケーション能力、ディレクションに必要な伝える力を重要視し、業界変化にあわせた社会人基礎力も合わせ注力されています。
他にも、企画、制作したゲームを実際にネットで販売、宣伝するなど、単に道具を覚えるだけではなくて、「ゲームの入口から出口までを
4年間かけてじっくり教えていく」ところなのだとか。
◆今からやっておくべきこと
この手の質問は「○○本を読め」や「○○のツールを触っておけ」という回答が多いですが、なんと意外にも、今のうちからやっておくべきことは『マインクラフト』。といいますのも、意外にも空間把握が苦手な学生が多いようで、いきなりUnreal Engineなどを触らせるとうまくいかないことが多いそうです。その点『マインクラフト』は、3D空間で創造性があり、ゲームシステムや「MOD」でプログラムに触れることも可能。「何をどうしたらこうなる」というゲームの基本概念が全て入っているため、3Dゲームを作るときに役立つことが多いと説明してくれました。
◆学校の選び方のポイント
学校選びには「場所」「人」が重要とのこと。その視点で宝塚大学 東京メディア芸術学部を見ると、場所は新宿でアクセスがしやすく、さまざまなお店や施設が揃っていますので、情報も早く入ってきそうです。また人に関しては、現場から離れてしまった先生や退職された先生ではなく、「現役の教員がそのまま教壇にも立つ」というのが方針で、「どのような人から学べるのか」という部分は強く強調されていました。
なお、井上先生と吉岡先生は、プレイステーションの立ち上がりの頃から業界に携わっており、現在も現役のクリエイターです。そのため業界のトレンドをいち早く感じ取り、それに合わせて新しいものを学生に伝えるように心がけられています。
◆夏のオープンキャンパス情報
■8月2日(日)
http://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/opencampus/oc/20150802/index.html
●時間
・午前:10:00~12:30
・午後:13:00~16:00
●特別授業:10:40~12:30
VR(バーチャルリアリティ)コンテンツ制作体験
●ワークショップ(午後)
・漫画講評会
・立体プラバン「昆虫採集」
・アニメーションの動画を描いて動かそう
・アートのためのプログラミング(Processing&メディアアート入門)
・オリジナル缶バッジをつくろう
・ボディペイントをしてみよう
■8月22日(土)
http://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/opencampus/oc/20150822/index.html
●時間
・午前:10:00~12:30
・午後:13:00~16:00
●特別授業:10:40~12:30
触れる3Dくまモン スマホアプリの制作
●ワークショップ、イベント(午後のみ)
・立体プラバン「桔梗の花のストラップ」
・アニメーションのキャラクターを描こう
・オリジナル缶バッジをつくろう
・ボディペイントをしてみよう
・漫画講評会
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