2015年9月2日、とうとう発売された、コナミデジタルエンタテインメントの『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。本作の開発がはじめて示唆されたのが2011年のFOX ENGINE発表。
その後も、謎の人物Joakim Mogren氏の登場、『MGS V: GZ』発売に合わせたWeb番組コジステの開局、そして『MGS V: TPP』発売直前での小島プロダクション解散の報道まで、様々な謎や激動のニュースがありました。そうした発売までの経緯をまとめて振り返ってみましょう。

◆2011年は、『MGS V』の核となるFOXエンジンがチラみせ
『MGS V』を構成する重要な要素であるFOXエンジンは、2011年の「E3 2011 KONAMI 小島秀夫監督特別インタビュー」映像で発表。開発中のプレイアブルシーンを映したもので、白馬と少年、そして木々が生い茂る森林が映されていました。そして同年12月にはエンジンの技術を示す画像も2枚公開されています。

◆2012年には謎の新作『The Phantom Pain』と、『MGS: GZ』が発表

2012年には、小島監督のTwitterから次回作の『Project Ogre』は「鬼を扱ったゲームになる」という内容が伝えられています。加えて、メタルギア生誕25周年記念イベントにてオープンワールドタイトルとしての『METAL GEAR SOLID: GROUND ZEROES』が発表。10月には、米ロサンゼルスを拠点とする小島プロダクションLAスタジオによる新生『METAL GEAR ONLINE』開発がスタート。12月のVGA 12では謎の新作タイトルとして小島プロダクション傘下のスウェーデンに拠点を置くとされた、架空のMoby Dick Studiosから『The Phantom Pain』が披露されています。

25周年記念公式サイトには、意味深に左右反転した鏡文字の状態で掲載されています。

◆2013年は、顔中包帯が巻かれた謎のMoby Dick StudiosのCEOのJoakim Mogren氏のネタばらしと、『MGS V: TPP』が発表

『MGS』シリーズと関連が深いとされた『The Phantom Pain』の様々な考察を経て2013年には、包帯を顔中に巻いたMoby Dick StudiosのCEOである謎の人物Joakim Mogren氏が登場。同年3月に開催されたGDC 2013ではネタ晴らしとしてJoakim Mogren氏のマスクを被った小島監督が登壇し『MGS V: TPP』の発表や、FOX ENGINEの特徴とプレイフッテージが公開されました。


3月末には、『MGS V:GZ』と『MGS V: TPP』の英語版声優が過去シリーズのスネークを担当したデイヴィッド・ヘイター氏から、キーファー・サザーランド氏へ変更が示唆。同年6月のKONAMI Pre-E3 SHOW 2013映像から変更が正式発表されています。

小島監督へのインタビューはE3 2013や同年9月のQ&Aセッション、そして11月に北米におけるのPS4ローンチイベントで行われました。なお、11月上旬に『METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES』が単体で発売されることが明らかになったのもこの年でした。また、米国に拠点を置く小島プロダクションLAスタジオは同年9月上旬に開設されています。

◆2014年は『MGS V: GZ』がリリースされWeb番組「コジステ」が開始、『MGS V: TPP』発売は2015年に

3月上旬には、『MGS V: GZ』のメディア向け体験会レポと小島監督へのインタビューが伝えられます。3月17日には、小島監督を始めとした制作メンバーや声優が登場する、『MGS』関連の最新情報を伝えるWeb番組「コジマ・ステーション」が開局。『MGS V: GZ』の発売日となる3月20日の放送ではスネーク役の大塚明夫氏が登場したことに加えて、メイキング映像などが披露されました。加えて、新生『METAL GEAR ONLINE』が海外スタジオ開発になった理由も小島監督より語られています。

同年6月のE3 2014では、Mike Oldfieldの“Nuclear”に合わせた『MGS V: TPP』のトレイラーが公開。8月のgamescom 2014では『MGS V: TPP』の新たなプレイフッテージに加えて、PC版『MGS V: GZ』と『MGS V: TPP』が発表。同日からSteamストアページも開設されていましたが、国内での発売は当初未発表でした。
gamescom 2014では小島監督によるトークショーと『P.T.』ネタばらしも実施されていました。

同年9月のTGS 2014では、『MGS V: TPP』の発売時期が2015年に決定したことに加えて、『メタルギア』空間を表現する濃密なコナミブースが設置されていました。10月にはコジマ・ステーション第25回で、PC版『MGS V: GZ』の日本を含む全世界での発売日が発表。12月のThe Game Awards 2014では、新生『METAL GEAR ONLINE』のトレイラーが初披露され、話題を呼びました。

◆2015年には小島プロダクションが解散、そして9月には『MGS V: TPP』の発売を迎えた

2015年3月上旬には、『MGS V: TPP』公式サイトで謎のカウントダウンが開始し、発売日が9月2日に決定したと発表。同月下旬には小島プロダクションとコナミの間に、何らかの不穏な動きがあったとして複数の噂が伝えられました。

これは、『METAL GEAR SOLID』公式サイトから小島プロダクションのロゴイメージが削除されたことに加えて、コナミから新『METAL GEAR』の制作メンバーを募集したとの発表があったためです。不定期で放送していたコジマ・ステーションも休止し、小島プロダクションの解散も確認。社内の開発体制が社内プロダクション制から制作本部制に変更されたことが伝えられ、E3 2015までしばらく情報が出てこない状態が続きました。

E3 2015では新たなるトレイラーと、時短課金を導入することを確認。6月下旬に『MGS V: TPP』の最終ポスターが公開され、7月には主役のスネーク役を演じる声優の大塚明夫さんから改めてコジプロ解散が伝えられました。8月には、SCEから『MGS』シリーズを振り返る特別映像が、小島監督編集の『MGS V: TPP』ローンチトレイラーが公開。


そして9月2日にはPC/PS4/PS3/Xbox One/Xbox 360を対象に『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』がついに発売。同日には著名な海外のゲームクリエイターによる特別インタビュー映像と、完成報告動画「Debriefing」が公開されています。

いかがでしたか? 全体で7年以上の開発期間がかかったと言われる『METAL GEAR SOLID V: THE PHANTOM PAIN』。正式発表前も、開発中も、常にゲーマーの間で話題の的でした。すでに完成品をプレイ中の方も多いはずですが、発売までの長い道のりをふりかえった読者の皆さんも想いも、コメント欄でお聞かせください。
編集部おすすめ